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    かけはし2018年12月10日号

移民と団結し国際主義的闘争を


メキシコ

悲惨つくり出す者たちに対し

革命的労働者党(PRT)

 メキシコ・米国国境に向かって、中米からの多くの移民がメキシコを通過中だ。この深刻な人道危機について、メキシコ革命的労働者党(PRT)が以下の声明を出し、連帯と支援に対する自らの決意と共に、国際主義的連帯を訴えている。またそこでは、この人道危機の現実、歴史的背景、この状況を作り出した特に米帝国主義の責任を網羅的に解き明かしている。(「かけはし」編集部)

困苦逃れる移民
と連帯示す民衆


 中米からの移民数千人が、キャラバンへの組織化を通して、彼らの人権に対する構造的で体系的な侵犯を政治的かつ社会的に見えるものにした。
 彼らはその侵犯を、生き延びの基礎的な必要に、あるいはその原因に気を配る政府もないまま、日々のこととして経験しているのだ。これらこそが、彼らが背負えるものだけをもって、そして不確かな運命に向けた長い旅の困苦を忍びつつ、彼らを彼らの国々からの逃亡に押しやった理由のいくつかだ。
 彼らは、資本主義の犯罪、制度的、国家的、家父長的暴力から逃れている。彼らは、あたかもこの地上のみすぼらしい者たちと交戦中であるかのような、さまざまな境界を警護する警察と軍の脅迫を、ものともせずに前進している。
 飢え、渇き、病気、また疲労困憊に苦しむ移民の姉妹兄弟との連帯が、彼らの飢えと渇き、さらに荒れ模様の天気を軽減するために、食料、水、衣服で彼らを支援してきた数千人という民衆により表されてきた。彼らが通過する都市や町で支援と連帯の諸行動すべてを推し進めることは、彼らは単独で放置されてはならないという、一つの社会的意識から生まれた任務だ。
 民衆のこの連帯は、病気の悪化を食い止め、危険な要素を引き下げている。こうして、キャラバンの通過は、これらの人々は今日、迫られた移民としてとてつもない人道危機の中心にいる、女性、男、LGBT+の人々、若者、少女、少年だ、ということを理解している者の琴線に触れている。そして、これらのキャラバンは、この地球のあらゆるところで移住を迫られたおよそ二億五〇〇〇万人が経験していることの、集中的な表現にすぎない。

恐るべき悲惨が
継続的移民生む


 最初の大規模なキャラバンは今年一〇月ホンジュラスで始まった。そのほぼ半分が女性と子どもである数千人から構成されたこのキャラバンは、メキシコシティを通過し、現在米国との北部国境に向け旅を続けている。彼らは、メキシコの南部国境における警察の暴力、犯罪集団の脅迫と襲撃、武装集団による一〇〇人の行方不明、あらゆる種類の強奪行為、さらにドナルド・トランプと右翼の米政権によって刺激され力を与えられたレイシズム的差別や外国人排撃のヘイトキャンペーン、といった障害を乗り越えてきた。
 さまざまなメディアを通して反動的で原理主義的な諸々のイデオロギーを育て上げている者たちは、支配的イデオロギーの一部として浸透する偏見、恐怖、噂を刺激している。それらは、利己主義的な個人主義や現実に対する知識を曇らせる疎外された競争を呼び起こしつつ、普通の人々の内部にすら入り込んでいる。
 われわれは、このキャラバンは大メディアの作りものであり、組織化された作戦の産物であると考えている者たちに反対し、ホンジュラスで高まる一方の経済的、政治的な安全欠如、殺人、女性殺人、行方不明を糾弾する。そしてそれらこそが、この増大中の組織的移住を引き起こしたのだ。
 同様にわれわれは、新自由主義諸政策が生み出した悲惨と失業、および軍事独裁が確立した政府の体系的な抑圧を糾弾する。ちなみにこの独裁は二〇〇九年に、マムエル・ゼラヤのおずおずとした進歩性を示した政権に対しクーデターを始めたのだ。
 これは、たとえばサン・ペドロ・スラといったホンジュラスの諸都市に存在している、犯罪的暴力の高度な水準と組になっている。先の都市は、全ラテンアメリカでもっとも暴力的な都市と見なされている。このすべてが、現在の強制されたキャラバンの直接的原因だ。
 エルサルバドルやグアテマラから近づきつつある他のキャラバンもまた示していることは、メキシコの大きな地域内と同様、生き延びるための恐るべき条件が、彼らの国を逃れることによる改善の可能性に頼る以外、他の見通しをまったく知らない何千人という人々、というほどまでの絶望に導いている、ということだ。それはいかなる安全保障もないままであるにもかかわらず、ということだ。
 そしてその原因は特に、メキシコとの国境を重武装の兵士で、さらに武装したレイシストと右翼の白人至上主義者と原理主義グループの文民を使って、軍事化するまでにトランプ政権をいたらせたレイシスト政策、外国人排撃と差別の政策だ。そしてこの後者は以前から、ラテンアメリカ移民を敵視する悪逆な犯罪を犯していた。
 これまでのところ、合わせて一万人以上になる三つ以上のキャラバンが、米国に達する目的を持ってこの間の日々メキシコを通過することを決めた。そしてすべては、もっと多くの人々がこの目的をもって続くだろう、ということを指し示している。

集団的移民は
社会的対応だ


 とはいえわれわれは、この強要された追い立ては何年も起き続けていたが、それは人知れずというやり方でだった、ということを強調しなければならない。こうして公式数字によれば、二〇一八年の一月から九月までで、メキシコを貫いて旅するホンジュラス人やその他の人々は四万一〇〇〇人以上になる。とはいえ、その大多数はメキシコ政権によってすでに国外追放された。
 今新しいことは、この永続的で長期の「蟻」の移民に代わって、それが今や大量の集団的移民になっているということだ。その形で彼らは、メキシコ通過に伴う大きな危険、および殺人、女性に対する殺人や性的暴力に、一緒になって立ち向かっている。確認されるべきことは、先の状況が一〇年以上の間、中米移民の家族や母親たちのメキシコ領内での行方不明に導き、その探索のための国際的運動組織化にまでいたっている、ということだ。
 それゆえ、中米民衆の幅広い層による現在の集団的で大量の移動は、この地域の資本主義とそれが解き放ってきた極度の暴力によって強要された破局的な条件からの逃亡なのだ。それは、これらの諸条件を変えるために、尊厳ある生活を追求して長く危険な道を一緒に歩くとして決定された一つの社会的対応だ。
 この状況を前提とした時、トランプの脅迫はただ、対メキシコ国境での攻撃、あるいは衝突を力づけるにすぎない。われわれは、現メキシコ連邦政府とこれから登場する政権が双方とも、移民がこの国を通過する中で、彼らの人権尊重を保障する義務を負っている、と考える。そしてわれわれは、彼らの移動の自由と人権、さらに保護、安全保障、医療手当、あるいはメキシコ通過に際する輸送を保障しないのであれば、それに対する責任はわれわれも負う、と考える。

移民への社会的
政治的連帯を

 この深刻な人道危機を前に、ただ一つの有効な対応は、移民について「問題」と考えることを拒絶すること、そして何百万人という女性、男、LGBT+、子ども、移民、先住民衆の社会的必要を満たすことだ。われわれは、世界の他の諸国が早くからそうなっているように、もっとも富裕な諸国が迎え入れ国になることを要求する。
われわれは移住する権利を、移動、通過、居住の自由をもつ権利を要求する。われわれは国際主義者として、あらゆる人々が尊厳をもって生き、彼らが住む国の政治的、社会的権利すべてを享受する人権を要求する。二〇一一年にメキシコで承認された改正憲法は、これらの権利がメキシコの住民だけではなく、メキシコに住むあるいはそこを通過する外国人に対しても認められる、と正確に規定している。
同様に移民は、自由になされた選択肢でなければならない。しかしながら、何百万人もの人びとは、悲惨、貧困、女性蔑視、ホモ嫌悪、トランスジェンダー嫌悪、戦争、環境破壊、生態的危機、見通しの欠如その他を逃れるために移住を迫られている。全民衆は、諸権利を全面的に享受しなければならない。そこには、もちろんそれに限られるわけではないが、戦争と迫害を逃れる人びとに対する難民の権利が含まれる。
われわれは、移民の特定的で特殊な要求を起点に、階級、ジェンダー、反レイシズム差別の諸課題との必要なつながりを築き上げることを追求し、これがどれほど単一の内的に結びついたプロセスであるかを示している、彼らの闘争と自己組織化を支持する。
われわれは、搾取され差別された階級と彼らの共通の闘争間における相互援助の経験を推し進める。そこには、あらゆる種類の労働者を含む社会的闘争や労組の闘争を築くことによってか、あるいは自主管理住宅計画、協同組合、市民の連帯団体、また経済的かつ社会的相互援助の非公式集団のような、集団的諸構想を通してか、のどちらかがある。
われわれは国際主義者として、自由に決定された移民と人口の混合は社会にとって建設的である、と考える。出身国と迎え入れ国における民衆運動と社会運動関につながりを築き上げることは、資本主義への抵抗という社会運動の発展では死活的な部分であり、友愛と連帯と相互援助に基礎を置く新しい世界の可能性を指し示す結びつきだ。
違法な人類はいない以上、今日途上にある移民との間で、連帯と国際主義的闘争を強化しよう。

?レイシズムと外国人排斥はもうたくさんだ!
?友愛と連帯を
?労働者と農民の政府を
(二〇一八年一一月一二日)

▼革命的労働者党(PRT)は第四インターナショナルメキシコ支部。(「インターナショナルビューポイント」二〇一八年一一月号)   




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