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    かけはし2019年8月12日号

安倍政権は反韓国排外主義やめろ


韓国を「ホワイト国」から除外

侵略・植民地支配の責任を取れ

今こそ日韓・日朝民衆連帯を

露骨な政治宣伝

 安倍政権は八月二日、戦略物資の輸出手続きを優遇する「ホワイト国」から韓国を除外することを閣議決定した。日本はこれまでに二七カ国を「ホワイト国」としてきたが、その除外措置は韓国が初めてになる。世耕経産相は記者会見で「韓国の輸出管理制度や運用に不十分な点があることを踏まえ、輸出管理を適切に実施するための運用見直しだ」としたが、韓国の制度や運用のどこがどのように不十分なのか何ら明らかにすることはなかった。安倍政権にしてみればそのことを説明する必要性などない。それは韓国最高裁判決にもとづいて元徴用工らが韓国にある日本企業の資産を差し押さえて、売却手続きに入ったことに対する政治的な報復措置だからだ。
 それは七月四日から実施された半導体製造に欠かせない素材(フッ化水素・レジスト・フッ化ポリイミド)の輸出規制措置の決定に関して、七月一日に行われた菅官房長官の記者会見からも明らかだ。菅は元徴用工問題を指摘して「信頼関係が損なわれた」と説明している。しかしその後「政治外交上の問題を経済的制裁措置で脅すのはまずい」と考えて「輸出管理の問題」にすり替えたのである。
 こうした手法はトランプ政権が常套手段としてきたことだ。ウォールストリート・ジャーナルも今回の安倍政権のやり方を「トランプ流の手法」だとして酷評している。われわれは安倍政権によるこうした方法に基づいた韓国への報復に対して反対の声を上げなければならない。また自民党や河村名古屋市長、ネット右翼らによる愛知芸術祭での「平和の少女像」展示に対する撤去圧力やテロ脅迫、そして大村愛知県知事のそれへの屈服を許してはならない。

韓国大財閥の責任


 昨年一〇月三〇日の韓国最高裁判所の判決は「日本の植民地支配は不法であり、日本企業による反人道的不法行為に対する慰謝料請求権は請求権協定の適用対象に含まれていない」として、被告の日本企業に対して損害賠償を命じたのであった。元徴用工らはこれまでに日本の裁判所にも提訴してきたが、そのすべてで「一九六五年の日韓条約と請求権協定で解決済み」だとして敗訴してきた。
 現在も日本国内で争われている「唯一の戦後補償裁判」と言われているのが「花岡事件」訴訟だ。日本に強制連行されて過酷な労働を強いられ拷問や暴行を受けたとして、中国人の元労働者と遺族一九人が日本政府に対して損害賠償と謝罪を求めている。しかし一月二九日、大阪地裁は被告の請求を棄却した。
 韓国の最高裁判決は強制連行されるなどして差別されて、酷使されてきた元徴用工らが初めて人間としての尊厳を回復するための扉を開ける、画期的なものだったと言わなければならないだろう。そもそも一九六五年の日韓条約と請求権協定は、米帝国主義によるベトナム戦争への全面的な介入と、米国の要請によるベトナム戦争への韓国軍派兵と一体のものとして当時の佐藤自民党政権と朴正熙軍事独裁政権によって交わされたものだ。植民地支配についての謝罪もないままに、賠償金は軍事政権への支援金という性格のものだった。その意味で条約と協定は一〇〇%反民衆的で反革命的なものであったと言わなければならない。日本軍の性奴隷とされた元「慰安婦」や強制連行されて酷使された元徴用工らは、賠償金の恩恵を受けることはなかったのである。
 韓国では日本企業に対する損害賠償訴訟とは別に「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」の呼びかけで、韓国政府に対して損害賠償を求める訴訟が一一〇三人の原告によって起こされている。訴訟内容は「過去に韓国政府が受け取った賠償金のなかから被害者が受け取るべき賠償分を返せ」というものだ。
 現代・サムスンなどに代表される韓国大財閥は、韓国の労働者民衆を弾圧してきた軍事独裁政権に庇護されて、賠償金の恩恵を多分に受けながら労働者を低賃金で酷使して肥え太ってきた。当然にも韓国大財閥は、日帝植民地支配の被害者たちが本来受け取るべきだった賠償分を返還する義務がある。またこの訴訟は韓国司法の真価が問われるものになるだろう。

民衆間の連帯が核心


 元徴用工らによる損害賠償訴訟で結審したのはまだ三件である。韓国の司法当局は最高裁判決から三年間(二一年一〇月末まで)は追加訴訟を受け入れるとしていて今後、相当数の訴訟が起こされるのは明らかだ。日韓の「対立」がかなり長期化することは必至だ。
 文在寅政権は政財労一体となった「対日挙国一致」をアピールしている。また日本に対する対抗措置として、日本を「ホワイト国」から外す、観光・食品・廃棄物などの完全措置の強化などを明らかにしている。さらに世界貿易機関(WTO)への提訴、八月下旬にも更新期間を迎える日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄も検討している。
 こうした政権側の動きから独立して、韓国市民らによる「NOアベ」の集会が連日のように行われている。韓国民衆は安倍政権が日韓の平和で友好的な関係を作り出すための最大の障害になっていることをよく理解しているようだ。また日本製品の不買運動や日本への旅行自粛も広がっている。テレビに映る河野外相の「鬼のような形相」を目にすれば、日本旅行を控えるのもよくわかる。年間七五〇万人あった韓国人旅行者が消えつつある。しかし問われているのは反韓国キャンペーンに抗する、日本の労働者市民による反アベ・安倍政権打倒の闘いである。
 文在寅政権の「対日挙国一致」から独立した韓国労働者民衆の自律的な闘いと連帯しながら、安倍政権との対決を様々な戦線で強化していこう。反韓国・反朝鮮の排外主義と対決して、日韓民衆にとっての共通の敵である安倍政権を打倒しよう。    (高松竜二)
 
 
8.3

東海第2原発止めよう

新宿の繁華街で訴える

老朽原発動かすな

 八月三日、午後五時半からJR新宿駅アルタ前広場で、とめよう〈首都圏原発〉東海第二原発8・3新宿夜デモ集会が行われた。集会には関東各地から二五〇人が参加した。
 本紙でも報じているように、茨城県東海村にある東海第二原発(一九七八年一二月運転開始)は、運転開始から四〇年を経過し、二〇一二年の原子炉等規制法改正により、本来ならば廃炉になる老朽原発だった。しかし、原子力規制委員会は例外措置として二〇年の延長を認め、事業者である日本原電は再稼働に向けた「住民説明会」を開催している。
 政府の地質調査会によれば、首都圏の巨大地震の発生確率は三〇年以内で八〇%とされている。東海第二の近くでは放射性廃液が貯蔵されている再処理施設などが密集しており、津波対策の防波堤もない。住宅密集地が存在し、ひとたび大事故が発生したら住民たちの逃げ場はない。首都圏に隣接する東海第二原発での事故は、取り返しのつかない事態を引き起こすことは必至である。

首都圏原発に
警鐘鳴らそう
開会あいさつに立った小熊ひと美さん(とめよう東海第2原発首都圏連絡会)の発言に続き、主催者あいさつに立った柳田真さん(たんぽぽ舎、首都圏連絡会)は、東海第二が原発に対する新規制基準に含まれる「特定重大対処施設」を持たない、危険極まるものであることを訴え、なんとしても止めようと強調した。地元茨城の仲間は「首都圏の人たちは東海第二を自分の問題として考えてほしい」と強調。地元の反対運動を代表して、披田信一郎さんは、「東海第二は、東日本大震災の被害原発であるとともに、最も津波に弱い原発」と訴え、運転にはこれからなお莫大な費用もかかる金食い虫の欠陥原発であることを強調した。
隣県の千葉県からは「原発とめよう東葛の会」の仲間が、「東葛地域は東海第二原発から八〇キロしか離れていない。事故が起これば私たちも避難しなければならない」とアピールし、自分たちの問題として東海第二原発を止めるために全力をあげよう」と呼びかけた。
さらに鹿児島県川内原発反対運動の現場から駆けつけた江田忠雄さんも、地元の運動と結びつけて、東海第二再稼働阻止の運動に連帯する決意を述べた。
集会後、多くの人びとが行きかう新宿の繁華街を「首都圏原発・東海第二をとめよう」と訴えるアピールデモで、多くの人びとに呼びかけた。 (K)

 






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