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    かけはし2019年9月16日号

真実は隠せない! 有罪判決を


9.8

東電刑事裁判 判決直前大集会

福島原発事故の責任を取れ




「正義」を求めて
キャラバン行動
 東京電力福島第一原発事故をめぐり業務上過失致死傷罪で強制起訴された、東電旧経営陣三人(勝俣恒久元会長・武藤栄元副社長・武黒一郎元副社長)に対する東京地裁判決を直前に控えた九月八日、文京区民センターで「真実は隠せない・有罪判決を求める 東電刑事裁判判決直前大集会」が開かれた。台風一五号が関東に接近している状況ではあったが、会場は三〇〇人を超える結集で埋めつくされた。
 開会のあいさつを行った福島原発告訴団の団長であり、いわき市議の佐藤和良さんは「九月一九日には刑事責任を問う判決をかちとりたい。原発事故から八年六カ月、本当に長かった」と発言し、続けて九月一日に郡山を出発したキャラバンでは宇都宮・高崎・埼玉・茨城・東京・神奈川の二〇カ所で情宣が行われ、五〇〇人ほどの参加があったことを報告した。そして「双葉病院では四四人が亡くなり、合わせて五七人が亡くなった。多くの人が今も避難を余儀なくされている。オリンピックを理由に帰還させようとする政策は誤りだ。九月一九日は心をひとつにして東京地裁前に集まろう」と訴えた。

「動かぬ証拠と
原発事故」上映
その後、東電旧経営陣の責任を具体的に明らかにする『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』が上映された。
東電刑事裁判は福島原発告訴団が一二年六月に、東電旧経営陣三人に対する業務上過失致死傷容疑で福島地検に告訴・告発状を提出したことで始まった。しかし事件が移送された東京地検は一三年九月に不起訴とした。告訴団は一〇月に検察審査会に審査を申し立て、一四年七月に検察審査会は三人を起訴相当とした。しかし東京地検は再び不起訴としたが、一五年七月に検察審査会が再び起訴相当とすることによって、一六年二月になって検察官役の指定弁護士によって三人が強制起訴されるのであった。東京地裁での初公判は一七年六月で、昨年一二月二六日の論告公判(求刑・三人に禁錮五年)、三月一二日の弁護側最終弁論で結審した。三七回の公判であった。
公判の争点は@事故を予見できたかA犠牲を避けることができたか、ということだった。論告公判では検察官役の指定弁護士は「自らの責任を否定し、部下に責任を転嫁しようとする供述ばかりだった」「万が一にも事故が起きないよう対策を講じる義務があった」「津波の最大値が一五・七mになるとの試算を得ていた」「被害者の苦しみ、無念さはあまりに大きい」「三人はいずれも反省を示していない」と断罪したのであった。

有罪以外にあり
えないと確信
集会は四人の弁護士からそれぞれ発言を受けた。海渡雄一弁護士は「この裁判を実現できたことは、本当に奇跡だった」「いま明らかになっていることは、この裁判なしにはできなかった」「隠されていた事実がここまで明らかになると、有罪以外にありえない。確信している」と語った。
大河陽子弁護士は双葉病院の状況について報告し「東電はチェルノブイリ原発事故や中越地震による東電柏崎原発事故での経験で、十分に対策しなければならないことはわかっていたはずだ」と東電を厳しく批判した。甫守一樹弁護士は「運動のすばらしさは判決がどうなろうと変わるものではない」「検察はこの裁判のために相当な捜査をした」「いまの裁判所の現状を考えると厳しいが、諦めずに粘り強くやっていきたい」と決意を語った。 
河合弘之弁護士は告訴団による告訴に至る過程から、強制起訴そして公判を振り返りながら「検察官役の指定弁護士は一〇〇人に一人の人権派弁護士だった。彼は宝だ。私たちは被害者の代理人にすぎなかったのだから」と語り、一九日の判決は「一回目の節目であり、どんな判決が出ても最高裁まで行く。われわれの最後の目標は、日本から原発をなくすことだ。この裁判はその大きな闘いの一部なのだ。あと一〇年がんばろう」と訴えた。
公判の傍聴を続けてきたふたりのジャーナリスト(木野龍逸さん・添田孝史さん)による資料を示しながらのトークは、三七回の公判で明らかになったことを会場からの笑いをとりながら、わかりやすくまとめるものになった。
発言の最後は「福島からの想い リレースピーチ」だ。「NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね」の木村亜衣さんは、「いろいろな情報が入り混じるなか、ただただ娘たちを放射能から守りたくて必死でした」「放射能測定の仕事を通し、食品や土壌の汚染がまだまだ深刻だったことを知りました」「これだけの事故を起こしておきながら、なぜ東京電力の旧経営陣の方々は、自分たちの罪を認めることができないのだろう」「被災地に住む私たちはまだ八年であり、これから何十年も『目に見えないにおわない感じない放射能』と戦っていかなければなりません」と発言した。
双葉病院患者遺族の菅野正克さんは「東電に原発を動かす資格はない」「裁判官の皆様方には後世に恥じない判決を望みます」と訴えた。北村孝至さんは「放射能汚染された木材をバイオマス燃料に利用させようとしている国の欺瞞」を明らかにした。「福島に全国からバイオマス発電業者が続々と参入している」「バイオマス発電から出る大量の放射能の濃縮した灰を引き取る用意もない」「これが福島の恐るべき現状です」と住民訴訟への関心を訴えた。
匿名希望の郡山市在住の女性は「福島の宝である子どもたちを守っていくために声を上げることだ」と心情を明らかにした。
集会は最後に長谷川光志さんのギター伴奏で「真実は隠せない」(告訴団応援歌)を大合唱した。

9・19判決日
行動に結集を
九月一九日の判決日行動予定は、一三時一五分の開廷と判決言渡しを前に、午前一一時から東京地裁前で判決前行動を行う。正午からは傍聴券抽選。判決言い渡し直後から地裁前で行動を行う。裁判終了後は、弁護士会館二階の講堂クレオBCで裁判報告会を行う、ということが確認された。
当日、福島からはバス二台で結集する。判決に注目するのと同時に、東京地裁前に結集しよう。(R)

9.6

〈表現の不自由展:その後〉

中止を許さず再開を
求める緊急院内集会


生命をかけて
表現の自由を
 九月六日午後二時半から、衆院第二議員会館多目的室で、「あいちトリエンナーレ<表現の不自由展:その後> 中止を許さず再開を求める緊急院内集会」が開催された。呼びかけたのは「表現の自由を市民の手に全国ネットワーク」(表現ネット)。集会には約八〇人が集まった。司会は、表現ネット共同世話人で「九条俳句市民応援団」の裁判支援を続けてきた埼玉の武内暁さん。
 この院内集会は「あいちトリエンナーレ<表現の不自由展:その後>」の一方的な「中止」を既成事実とすることなく、あくまでその再開を求めて市民の努力を拡げていこう、という趣旨で開催された。九月二二日には名古屋で「再開」を求める「一万人集会」が呼びかけられている。この日の集会は、九・二二名古屋集会に向けた準備としての意味も持っていた。
 最初に国会議員の支援のあいさつ。八月参院選で当選した「オール沖縄」の高良鉄美さんは「自治体は国に対して表現の自由を守る役割を果さなければならない。それこそ憲法の精神だ」と強調した。
 立憲民主党の杉尾秀哉参院議員(元TBS記者)は、「憲法に規定された表現の自由を生命をかけて守らなければならない義務がある。政権を批判すると『反日』になってしまう、この状況は異常だ。『従軍慰安婦などいなかった』『侵略戦争ではなかった』という主張が広がっている。いまこそ表現の自由、言論の自由を守らなければならない」と語りかけた。

9・22愛知全国
集会に集まろう
憲法学者で武蔵野美術大学教授の志田陽子さんは、「中止」に踏み切った愛知県知事の「安全上の理由」という主張を批判。さらに行政の中立性を根本から破壊する河村名古屋市長の発言は、公然たる検閲であり、表現の自由を根本から破壊するものだ、と批判した。
表現の自由を守る市民の会の池住義憲さんは「暴力的脅迫に対して表現の自由を守ることは民主主義の最も重要な柱だ」と強調した。
すでに「表現の不自由展」再開を求める署名は一万筆を超えている。九月三日には愛知県弁護士会が、権力による介入にはっきり反対し、「表現の不自由展」の再開を求める声明を発している。「あいちトリエンナーレ展」は一〇月一四日までの日程で行われることになっていた。愛知では九月二二日に「『表現の不自由展 その後』の再開を求める全国集会inなごや」(主催:「表現の不自由展 その後』の再開をもとめる愛知県民の会」)が開催される(午後二時、若宮公園ミニスポーツ広場 地下鉄名城線矢場町下車 東に徒歩3分、デモ出発午後3時)。
さらに日本ペンクラブの篠田博之さんから「作家からもこれはおかしいという声が次々に上がっており、国際ペンクラブも動き始めている」という紹介も行われた。日本共産党の本村伸子衆院議員、畑野君枝衆院議員、吉良よし子参院議員、社民党の福島みずほ参院議員もかけつけ、ともに闘う意思を表明した。  (K)


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