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    かけはし2019年9月16日号

女性の独自的出合いが始まる


フェミニズム

アルジェリアのフェミニストに聞く

革命を目前にさらに先へ

ウィッセム・ジジ



 以下のインタビューはマルゴー・ワルテレによって行われ、マルセーユを拠点とする批評と社会的実験の月刊誌、CQFD七・八月号に掲載された。われわれは以下(【】内)で、初出の前書きもそのまま残した。注はワルテレによる。(IV編集部)
 【三月八日、アルジェリアの蜂起の第三回行動の中で、ウィッセムと彼女の同志たちが「家族法の無効化を」――全員が十分に理解してはいなかったが、ある者たちからは拍手喝采されたメッセージ――の横断幕を掲げた(注一)。「ベジャイヤ自立女性解放共闘」創設者は「われわれにはまだやるべきことがある」とため息をついた。二五歳のウィッセム・ジジは、ベジャイヤから三〇qの彼女の両親の村であるアオカスの女性共闘に参加する一方で、社会主義労働者党(PST、トロツキスト組織)の一活動家だ。われわれの最初の出会いから三ヵ月、彼女はわれわれに電話で、アルジェリアフェミニスト運動に関するその後のニュースを届けた。】

広範な女性団体
全国会議で結集


――あなたは女性団体が組織した二日間の全国会議に参加を終えたばかりです。その成果は何ですか?

 同集会はベジャイヤのウィラヤー(一つの行政区、この場合はカビリア)の境界で開催された。国中からの一七団体が参加し、その多くは今年の三月八日後につくられた。もちろん、アルジェ、オラン、コンスタンチンの女性たちもいた。南部――オウアルグラ、ガルダイア、タマンラッセト――の団体もやって来ることになっていたが、交通の問題のために不可能だった。南部の女性は長いこと見えない形にされていたがゆえに、またこれらの団体が実のある変化を体現しているがゆえに、これは一つの残念なことだ。
この会議の理念は何よりも出会いであり、そして結びつきをつくることだった。われわれは、われわれの合意点を見極めようと挑んだが、それは込み入ったものだった。会合はむしろ混じり合ったバッグだったからだ。つまり、右翼の女性、左翼の女性、さまざまな世代、フランスで活動家である女性、地下で活動しているLGBT団体がいたのだ。
われわれが平等主義の社会を求めるという場合、われわれすべてが合意する必要がある。しかしたとえば、ある者たちは国家から宗教を切り離すことを望まなかった。また女性の不安定さについても全員が語ってはいない。

――あなた方は何を達成したのですか?

 今回、左翼の活動家は少しばかり勝利した(笑い)。
われわれは何とか共有の声明を起草することができた。そしてそれは、将来のマニフェストの基礎として役に立つだろう。一七団体が署名し、三団体はわれわれに合流したいと思っている。不安定労働に反対する闘争と家族法の無効化は、この声明に含められている。

女性が二義的な
革命は拒否する


――女性の諸権利の問題に関する係争をはらんだこの運動の進展を、あなたはどう見ていますか?

 二月二二日以来、女性たちは街頭に出た。三月八日以後、より特殊にフェミニストの諸要求が現れてきた。アルジェでは毎金曜日、諸々のデモの内部で、彼女たち自身の要求に基づいて自分たちのブロックを組織している。
しかしながら彼女たちは攻撃を受けた。ある人びとはテレビで、アルジェリアにフェミニズムが存在したことはこれまでなかった、これらの女性たちは外国の資金で操作されている、彼女たちは伝統を破壊したがっている、などと語っている。あたかも、フェミニストは本当のアルジェリア人ではないかのようだ! レイプの脅迫すら出てきた。幸運なことだが、特にあらゆる団体がこれらの暴力の形態に反対して団結したがゆえに、ものごとは静まった。

――諸政党はこれらの問題を理解してきましたか?

 ある人びとはそれらに飛びついたが、しかし必ずしも適切なやり方を通してではなかった。たとえば、特に社会主義諸勢力戦線(FFS)の人々を含んで生み出された新組織、「ラ・ソシエテ・シヴィル」、再建青年行動(RAJ)、しかしまた何人かのイスラム派も挙げることができる。
これらは、祈祷で集会を始める可能性もある、またハンガーストライキで命を落とした活動家、カメル・エッディン・フェクハル(注二)のために一分間の黙祷を捧げることも拒否する、まったく異なった人々だ。とはいえRAJは、彼に捧げる集会を一度開催した。女性の問題に関して彼らは、平等に「イエス」と語るが、彼ら内部にまったくの対立があり、イエスの意味するものを私はまったく理解できない。
もっと一般的に言って、民主派と主張している諸政党の中では、男女間の平等の問題が課題に上がるのは革命の後になってはじめてのことと考え、全員がまず革命と声を上げている。われわれは、「まさに今組織しなければならない!」と言う。諸々の選挙が取り消された今こそ、国民評議会あるいは憲法制定会議があるのならば、われわれは女性がその課題を、そして何よりも彼女たちがそこに代表を――男によってではなく――もつことを、はっきり主張することを強く求める(注三)。

平等社会の意味
具体的明確化を


――あなたたちのフェミニストの闘争が意味しているものとは何ですか?

 われわれが平等社会について話す場合われわれは、何について話しているのかをわきまえる必要がある。法的には賃金の平等がある。しかしながら最も重要な地位は男が確保している。ここには中絶の権利はなく、単にそれについて発言するという事実だけでもわれわれを投獄の危険にさらす。もちろんそれに関しては、資本主義システムにおける女性の地位という問題がある。女性たちは、不払いの家内労働における不安定さと差別に苦しんでいる。私は、ここにも存在しているよりブルジョア的な立場とはまったく異なる、マルクス主義の見方をもっている。
たとえば、相続に関する論争に関しては、私は明確により大きな男女間の平等を支持するが、しかしそれはそれだけで終わりではない。相続は、アルジェリアの相対的に数少ない人々にしか関係していないのだ。家族法あるいは暴力の問題に関して、法は変えられなければならない。しかしものの見方もそうでなければならないのだ。
いくつかの団体は、庶民的出自の女性とはいかなる協力も行っていない。ここでわれわれは、村々でワークショップを組織し、家内労働について話し、工場や国有企業における子どもの世話――今のところ、託児所を備えているのは、石油企業のソナトラクが唯一の例――という問題をもち出している。私立の託児所も極めて費用がかかるのだ。女性が彼女の俸給の七〇%を払う場合もある。

歴史的達成成果
を共通の土台に


――あなたが所属している団体では、さまざまな世代が共通の土台を見出していますか?

 それは世代間の対立ではない。しかし事実として新しい世代は古い世代を、光を伝えたいと思っていない、と批判している。そしてそれは完全に間違っているわけではない。
よく言われることだが、たどってきた道をよく考えることが重要だ。つまり、女性がアルジェで非公然の映画クラブをつくり出した一九七〇年代の運動、次いで家族法を問題にした一九八〇年代の運動、が決定的だった。しかし一九九〇年代、「暗黒の一〇年」の中で、多くの活動家は殺害されるか、逃げ出すしかなかった。その後二〇〇一年にはベルベル人運動もあった。もちろん、独立革命期での献身も忘れてはならない。
これまでには諸々の達成成果があった。ひとりの年老いた活動家がかつて私に語ったことだが、われわれが今日暴力と虐待について恐れずに発言しているという事実がすでに、巨大なことなのだ。

▼ウィッセム・ジジは、マルクス主義フェミニスト活動家であると共に、アルジェリア社会主義労働者党の一員。
(注一)一九八四年に制定された家族法は、多くのアルジェリアフェミニスト団体から厳しく批判されている。「汚名法」とのあだ名を付けられているこの法は女性を、父親の保護から夫の保護に引き継ぐ形で、女性を生活における法的な二次的主体にとどめている。二〇〇五年、一つの改革がいくつかの補正を可能にした。一夫多妻制は、最初の妻による「前もっての同意」にしたがうようになった。代理結婚(強制結婚に余地を与えた)は廃止された。そして女性はこれ以後、別室制の場合でも、家族宿泊施設に子どもを連れて留まることが可能になった。
(注二)人権活動家であり、モザビテ(ベルベル後を話すマイノリティ)運動の擁護者。彼はすでに、特に「国家の安全を掘り崩した」として、また「公共秩序騒乱」として、二〇一五年から二〇一七年まで、二年の投獄刑に服してきた。彼は三月三一日、「諸機関を襲撃」として収監された。アムネスティ・インターナショナルは、彼の収監を「恣意的かつ違法」と断定した。
(注三)六月はじめ憲法評議会は、ブーテフリカ辞任後七月四日に計画された大統領選挙を、候補者不在を理由に取り消した。暫定大統領の権限は、無期限に延長されている。この危機からの出口を求める市民社会国民評議会が、諸々の市民団体や労組によって組織され、六月に開催された。彼らは、特に移行期間、諸選挙を導く独立委員会、「国民評議会」を結論とするはずの、諸々の政治的主体との「国民的対話」、を唱導している。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年八月号)

ロシア

政治的危機についての声明

「管理された民主主義」ノー

2019年8月24日  ロシア社会主義運動(RSD)

 ロシアでは現在、モスクワ市議選への独立的候補者の立候補資格剥奪を端緒に、各都市での大衆的抗議行動が当局の弾圧をものともせずに進展中だ。プーチンの支持率も過去に例がないほどまで下落が続いている。以下は、この状況に対するロシア社会主義運動の声明。(「かけはし」編集部)

モスクワの危機
全国規模に拡大


 過去一カ月のモスクワでのできごとは、全国的規模の一つの政治的危機に導いた。そのはっきりした特徴は、当局が政治的方策と安定維持に向けた抑圧を組み合わせて、いつも通りに統治を進めるができなくなっていることだ。低い投票率に基づく統制された選挙、および統一ロシアの予測可能な勝利を通して権力を正統化することを保つ仕組み、はもはや機能していない。
 クレムリンに対する最初の警報は、去年の地方選挙だった。そこでは、親政権の知事候補者たちが、ウラジミール州(州都のウラジミール市はモスクワの東方二〇〇q)、ハカス共和国(東シベリア南西部)、さらにウラジオストックで敗北した。そこでの抗議票は、その地域の課題に結びついていただけではなく、何よりも進むばかりの貧困と社会的支給の解体――第一に、退職年齢の引き上げ――に対する全般化した不満にも結びついていた。九月八日のモスクワと他の地域での迫り来る選挙は、この趨勢を深め、根底的にしている。
 諸々の選挙における独立的候補者(セルゲイ・ツカソフのような、左翼的かつ社会的活動家を含んで)を認めることを無愛想に拒絶したことは、彼らに勝つチャンスが実際にあることの直接的な結果だ。さまざまな住宅街における署名集めの活発なキャンペーンは、抗議の支持者が数を増しつつあることを示していた。そして九月八日における投票所へのその到達は、この都市の政府が望んだ結果をひっくり返す可能性を秘めていたのだ。

当局の旧来方策
もはや機能せず


 最初の街頭行動もまた、高いレベルの決起を示した。当局は、七月二〇日の大衆的デモの後、ただ力だけに頼った。しかしそれは、彼らをさらに袋小路に引き入れたにすぎない。
 引き続く抗議行動――いくつかの「左翼愛国者」が主張するような自由主義的ブルジョアジーではなく、民主派の――は、さまざまな社会的で政治的なグループを統一している。それらの結果は、モスクワやセント・ペテルスブルグや他の緒都市の普通の住民が彼らの都市における決定策定に影響を及ぼすかどうかだけではなく、この国全体の規模における労働者と寡頭エリート間の力関係でも定まる。
 われわれは今日、公正な選挙のためだけではなく、政治への大衆参加――諸々の選挙、ストライキ、集会、さらに自己組織化のあらゆる形態の助けを得て――のためにも戦闘中だ。しかし、限定された民衆的統制であってさえ、寡頭支配層をぎょっとさせ、社会革命という幽霊を生き返らせるのだ。
 クレムリンはすでに、平和的な抗議行動を外部から組織された暴動と言明しつつ、七年前のボロトナヤ広場における大規模な警察の挑発(二〇一二年五月六日)というモデルを利用中だ。二〇一二年の時と同じように抑圧の主な犠牲者は、勝手気ままに選ばれた普通の集会参加者だ。連邦治安機関と警察の主なメッセージは、街頭に出かける各人は最後は刑務所に行く可能性がある、というものだ。七年前これは部分的に機能した。しかし今日、それは現実になってはいない。
 高まる一方の貧困化と社会的不満が、二〇一二年のボルトナヤの抗議行動では目立っていた中間階級下層だけではなく、労働者階級、若者、さらに首都を越えた地域の住民たちをも、抗議運動に引き入れている。その多くにはすでに失うものがまったくない。

幅広い連帯へ
社会的要求を


 二〇一一―二〇一二年の主な教訓――幅広い社会的連携と社会的課題に関するはっきりした諸要求の必要性――がつかみ取られなければならない。左翼の義務は、民衆運動を無条件に支援することだけではなく、この抗議行動に社会的公正および権力からのビッグビジネスの完全な取り除きを求める要求を持ち込むことでもある。
 RSDは、あらゆる民主勢力、自由労組、また環境と都市の保護運動に、行動の協調と抗議行動の形勢を広げること、また相互の連帯を呼びかける。
 「モスクワ事件」を終わりにしなければならない! そして一三人の政治犯は釈放されなければならない!
 さもなければ、市政府によってめちゃめちゃにされてしまったモスクワ市議会選挙は取り消しにされ、もっと後に――最大限の透明性の下に、「行政財源」の利用や詐欺的で差別的な事前審査なしに――行われなければならない。
 社会から当局を守る方法としての「管理された民主主義」のシステムを歴史のくずかごへ!

▼ロシア社会主義運動は、二つの組織、第四インターナショナルロシア支部の社会主義運動プペリョード(「前進」)、およびソーシャリスト・レジスタンスにより、二〇一一年三月に創立された。それは、二〇一一年から二〇一二年にかけた選挙不正に反対した抗議行動の中で形成された一連合である左翼戦線の一部を構成している。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年八月号) 



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