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    かけはし2019年11月4日号

自衛隊の海外実戦態勢化阻止


10・20

とめよう戦争への道!

アジアの人びとと共に
平和を作り出す行動へ


 【大阪】大阪平和人権センター・戦争あかん!基地いらん!関西のつどい実行委員会・戦争させない1000人委員会大阪の三団体共催の2019関西のつどいが一〇月二〇日、エルシアターで開催され、七二〇人の労働者市民が参加した。集会は、久壽里麻衣さん(大阪教組)と増田京子さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表)の司会で進行。
 主催者あいさつを米田彰男さん(大阪平和人権センター理事長)が行い、「九月の国連気候サミットの前に、世界の金融資本が共同宣言を行い、各国政府にパリ協定を遵守せよ」と訴えた。
 ところが、トランプ大統領はグレタさんの演説をからかい、日本でも橋下元大阪市長などは、環境問題だけではなく経済成長も大切だとコメント。「私たちはグレタさんの訴えを真摯に受け止めるべきだ。安倍首相らはあらゆる手段を使って憲法改正を強行しようとするだろうが、私たちはこれを許さず、大阪から安倍改憲NO!の声を上げていこう」と述べた。

日米地位協定
の抜本的改定
屋良朝博さん(オール沖縄選出衆議院議員・国民民主党)が、『日米地位協定の抜本的見直しを』と題して講演をした。
抜本的とは特に地位協定第3条(管理権)の改定だ。(アンドリュース基地・ドイツのアムンゼン基地・イタリアのアビアノ基地・厚木基地・普天間基地の映像を見ながら)日本の米軍基地は外国の米軍基地と比べ、基地の周りにぎっしり市街地がある。それと、ドイツでもイタリアでも国内法が適用されているが、日本ではそうではない。公務中の事故の場合、第一次裁判権は米国にある点は同じだ。
沖国大に米軍ヘリが墜落した時は、日本の警察は手が出せなかった。イタリアのカバレーゼ飛行場での米軍の低空飛行訓練の時、米軍機が谷のゴンドラのワイヤーを切断し、二〇人が落下して死亡する事故が起きた。イタリア警察は墜落した米軍機を取り囲んで米軍に渡さず、飛行機のコックピットの中に入り捜索したが、米軍兵士はその前に証拠隠滅をはかっていた。
イタリア警察は兵士を殺人罪で告訴。しかし地位協定では第一次裁判権は米軍側にあるので、この裁判はカリフォルニアの軍事裁判に移され、判決では殺人罪は適用されなかったが、証拠隠滅について不名誉除隊の処分が出た。これを契機にイタリアは、一九九五年地位協定改定を実現した。
米軍基地の管理権はイタリアが持っている。だから、イタリア軍の許可なしに米軍は訓練できないし、低空飛行の時期・空域は公表される。日本でも低空飛行訓練は行われているが、どこでどのように訓練しているのか、全くわからない。このように、地位協定第3条の改定が重要だ。

「専守防衛」を
放棄する自衛隊
二つ目の講演は、半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)の「安保法制化の自衛隊―踏み越える専守防衛」。

 いま日本では、法に基づかない人の支配が行われている。南スーダンへの派遣は安保関連法の中の国際平和協力法に基づくものだが、今回検討中の中東派遣は、防衛省設置法が定める「調査・研究」を根拠にしているので、国会の承認が要らないという。
防衛計画の大綱は一九七六年にでき、何度か改定されてきた。初めは「基盤的防衛力」が基本だったが、九五年大綱では「地域の安定に寄与」(存在から機能する自衛隊へ)、〇四年大綱では「多機能・弾力的防衛力」(対テロへの活用)、一〇年大綱では「動的防衛力」(島しょ防衛)、一三年大綱では、「統合機動防衛力」(米軍との連携)、一八年大綱では「多次元統合防衛力」となり、事実上の専守防衛の放棄となった。
憲法に基づく専守防衛から、憲法を逸脱し、護衛艦「いずも」の攻撃的空母化・長射程巡航ミサイル(射程九〇〇q)・長距離戦略爆撃機・島しょ防衛用高速滑空弾(事実上の大陸間弾道ミサイル)。イージス護衛艦を四隻から八隻に増やすことになっているが、それでもイージスアショア(秋田県と山口県)は必要なのか。五年間の装備品の調達規模は過去最大の二七兆四七〇〇億円。F35Aは現在四二機購入予定だが、さらに一〇五機追加する。F15戦闘機のうち改修不能な九九機と入れ替えるためという。
防衛省は日本国内で組み立てるために、防衛産業三社に一八七〇億円を支払い生産ラインを完成したが、二〇一九年以降は、完成機を購入するという。完成機の価格は一機あたり五〇億円も高い一五〇億円となり、米政府から購入する代金総額は一〇五機で一兆二〇〇〇億円となる。しかも、このようなことを閣議で決定している。

異例きわまる
2018大綱
一八年大綱は異例だ。今までは、防衛省が決めていたが、一八年大綱では自民党国防部会案を丸呑みした。つまり、防衛省から、国家安全保障会議とその事務部門である国家安全保障局に権限が移り、政治主導で対米追随の安保政策がつくられたということ。
また、安保関連法で可能となった自衛隊の活動だが、この安保関連法はたった四カ月で一一本の法律を作ったので、中身が生煮え状態だ。安保関連法で実施された自衛隊の活動は、@南スーダンPKO(駆け付け警護・宿営地の共同防護)、A北朝鮮対策として米軍防護、Bエジプト・シナイ半島でのイスラエル・エジプト両軍の停戦監視活動をする多国籍軍監視団へ派遣、C南シナ海での自衛隊初の単独訓練、日米共同訓練、多国間訓練、Dイージス・アショア配備によるミサイル攻撃基地としての活用策だ。
駆け付け警護は、PKOの受け入れに同意している紛争当事者以外の「国家に準じる組織」が敵対する者として登場することは基本的にない場合を想定していたが、実際には、国と国との戦闘になる可能性があるので、いまは警護できない。
南スーダン派遣第一〇次隊が現地にいたとき、政府軍と反政府軍の間に戦闘があったが、七時間だけ現地視察した稲田防衛相は「現地は比較的落ち着いている」と報告。その結果第一一次隊が駆け付け警護で派遣されることになった。しかし国連の情勢報告書では「不安定で流動的な状態が続いている」。
そのため、派遣されて三カ月で撤退となったが、その間に実施した道路補修は一〇次隊より何倍も長い一〇八キロだったという。何のために撤退したのかということになる。
北朝鮮対策としての米艦防護・米艦艇への洋上補給は、二〇一七年四月〜一二月で計一七回。ところがそれが公表されたのは、開始されてから一年以上もたってからだった。おそらく防衛秘密扱いにされていたのであろう。
米軍を防護するときの武器使用は、法律(自衛隊法)では、武器使用の判断主体は自衛官となっている。主語が自衛官だから、きわめてハードルが低いことになる。
米中対立の中で安倍首相は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を打ち出した。このねらいは、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を牽制することだ。これにより、日本防衛にとどまっていた自衛隊が、インド・太平洋の安定にまで歩を進め、対中包囲網の一角を担うことになった。五月に米印比、また米仏豪の共同訓練が行われ、東シナ海で自衛隊は単独訓練・日米共同訓練・多国間訓練を繰り返した。その対抗措置として中国は七月、南シナ海で対艦弾道ミサイルの発射実験を行った。日本は米中対立に進んで巻き込まれる意志を示しているのである。

多国籍軍参加と
集団的自衛権
九条改憲をめざす安倍政権の態度は、国民投票で改憲案が承認されても否決されても、「自衛隊は合憲」というもの。であるなら八五〇億円も使って国民投票をする必要はない。おそらく安倍政権のねらいは、違憲との批判が強い安保関連法を、改定された憲法で合憲とし、次の段階では自衛隊を軍隊として、集団的自衛権の行使と多国籍軍への参加に踏み切るということだろう。
自衛隊が憲法に明記されれば、会計検査院がそうであるように、大きな権限が与えられる。事実上の軍隊として、隊員数を確保するための徴兵制採用・予算の増額・文民統制の後退・米軍との共同訓練の増加などが出てくるだろう。
続いて、政党から、尾辻かな子さん(衆議院議員、立憲民主党)と服部良一さん(元衆議院議員、社民党常任顧問)があいさつ。

8つの課題を
確認し行動へ
連帯アピールとして、次の四団体からアピールがあった。関西地区生コン支部(声をあげよう!弾圧許すな一一月一六日全国集会へ参加のよびかけ)、反戦・反貧困・反差別共同行動in京都(一〇月二七日京都円山野音集会へ参加のよびかけ)、韓統連大阪本部(NO!安倍で日韓民衆の連帯を!)、南西諸島への自衛隊配備に反対する会(宮古島自衛隊ミサイル基地の弾薬庫建設着工抗議)。
集会のまとめを中北龍太郎さん(戦争あかん基地いらん関西のつどい共同代表)が 集会のまとめを行い、今秋以降の闘いの課題を、@軍事費を削減し災害救助・復興に、A護衛艦の空母化・F35爆撃機・イージスアショア・大陸間弾道ミサイル開発・ミサイル防衛システムなど大軍拡政策の転換を、B辺野古基地建設阻止、C中距離核戦力全廃条約の廃棄による沖縄への中距離核配備阻止、D日米地位協定の抜本改定を、E対イラン軍事包囲網の一環としての中東への自衛隊派兵阻止、F朝鮮半島の平和のために日韓民衆連帯を、G憲法改悪阻止にまとめた。
高木敏雄さん(戦争させない一〇〇〇人委員会大阪事務局長)が行動提起し、垣沼陽輔さん(戦争あかん基地いらん関西のつどい事務局長)の音頭でシュプレヒコールをあげて、集会は閉会。その後、西梅田公園までデモを敢行した。          (T・T)



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