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    かけはし2019年12月2日号

足もとから崩れる安倍政治


総理と「桜を見る会」が明らかにしたこと

改憲・戦争への道に終止符を

政権の私物化・腐敗があらわに


相次ぐスキャンダル

 安倍首相は一一月二〇日に、首相としての在職期間が通算二八八七日となり、「明治」「大正」の旧帝国憲法時代の軍人政治家である桂太郎の二八八六日を超えた。しかしそれは安倍にとって決して晴れがましい日ではなかった。何よりも第四次安倍改造内閣を「改憲実現」への「総仕上げ」の体制として臨もうとしていた安倍にとって、あってはならないボロが次々に露呈する事態に見舞われてしまったからである。
安倍は新内閣の発足にあたって「新しい体制の下で憲法改正に向けた議論を力強く推進する」「令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定に向かって、自民党は今後、憲法審査会において強いリーダーシップを発揮していくべきだ」と強調していた。
それに呼応する形で、九月一二日の読売新聞論説や産経新聞の主張欄では、安倍の改憲への「決意表明」にエールを送り、安倍政権の下での「改憲論議に応じない」との態度を取ってきた立憲民主党などの野党を批判していた。しかし、当の安倍内閣の新閣僚から、この改憲プログラムに水を差すスキャンダルが相次いだ。

お粗末な隠ぺい工作


まず一〇月二五日には選挙区の有権者への贈答・香典問題で、菅原一秀経産相が辞任し、一〇月三一日には河井克行法相が、参院選に立候補して当選した妻の、公職選挙法の規定を超えた運動員への報酬支払いで辞任することになった。また一一月一日には二〇二〇年度からの大学入学共通テストで導入される予定の英語民間試験が、萩生田光一文科相の、親の所得と教育機会の差別を結び付ける「身の丈」発言によって批判にさらされ、延期されることになった。
さらに、安倍首相本人と昭恵夫人にかかわる問題が浮上した。
毎年、国の予算を使って行われる首相主催の「桜を見る会」に招待される人びとの選定(社会に「功績」のあった人びとという名目)が、首相本人、安倍昭恵夫人、首相を支える有力閣僚・議員の直接の関与において行われており、あからさまに選挙対策としての意味を持っていたことである。しかも、その「招待者」の名簿や費用などの資料は、野党議員からの公開請求を受けた当日にシュレッターにかけて廃棄処分されてしまった。首相とその周辺がいかに慌てふためいていたかがわかる。
首相は、招待者の選定などに自らも関わっていたことを認めている。これは公費を使った選挙運動であり、あまりにも露骨な国家予算の私物化と隠ぺいという犯罪行為ではないか。ここにこそ安倍改憲政治の実像がはっきりと見えてくる。それは「国家」の名の下に、ひたすら私的利益のみを追求する、露わでお粗末なカネ持ち階級政治の姿である。
新聞報道では、日本が米国のロッキード・マーチン社から購入するF35戦闘機が、米国に次いで多い一四七機に達し、その総額は六兆七〇〇〇億円に達することが明らかにされている。
トランプ政権下の米国と、安倍政権の下での日本との「戦争同盟」は、露骨な大資本のための政治、情報の隠蔽、民主主義の破壊、貧困と搾取をいっそう促進するものとならざるをえない。われわれは、こうした点を具体的に明らかにしつつ、安倍改憲を阻止する広範な共同の取り組みを通じて、新しい政治と社会のイメージを論議する舞台を意識的に創り出すことに挑戦しなければならない。

安倍政権を今すぐ倒せ

 安倍首相は、一〇月四日の臨時国会にあたっての所信表明演説で、「令和の時代」の「新しい国創り」を強調し、その「理想」を示す場こそ「憲法審査会」であると強調していた。「憲法審査会」での論議をスピ―ドアップさせ、「代替わり」と「東京五輪」の国家的イベントを背景に、改憲プログラムを現実化させようという安倍首相の思惑は、今のところ出鼻をくじかれた感がある。
しかし臨時国会スタートにあたっての安倍のつまずきは、決して労働者・市民の運動の成果ではなく「敵失」によるものだということも、厳然たる事実である。もちろん敵失につけこむことは重要であるが、その能力は、労働者・市民の反改憲・安倍打倒闘争の全体としての広がりによってこそ鍛え上げられていくことを忘れてはならない。「敵失」は、労働者・市民の運動を支配層の側が軽視していることの表現でもあるのだから。
何よりも沖縄の「島ぐるみ」の反基地闘争、あるいは二〇一一年以来の福島県民を中心にした反原発運動の持続的展開につながりながら、安倍改憲阻止の展望を、朝鮮半島・香港を含む東アジアの民衆的運動との連帯の中で追求していくことが必要である。それは、安倍政治に代わる政治のビジョンを労働者・市民自らが描いていく作業とセットである。
天皇の即位式に続いて、大嘗祭、伊勢神宮への天皇・皇后による「即位報告」など一連の神道行事がマスメディアのトップ報道で繰り返されている。それは、「新憲法」キャンペーンとの連動を意識しながら演出されていることは明らかだろう。しかし、「令和の国家神道儀式」に対する批判的論点は、報道の中では全くと言っていいほど見られなかった。
メディアのあり方にきっぱりとした批判を突き付けよう。沖縄の闘い、韓国民衆の闘い、そして自由のための香港の人びとの大衆的闘いと結合し、安倍政権打倒へ踏み出そう!
ひとつひとつの闘いの連携の中から改憲阻止の運動の幅広い形成へ。  (純)

「週刊 かけはし」紙代値上げのお知らせ

さらに充実した紙面をめざします

発行所:新時代社

週刊「かけはし」は一九八九年四月一日に導入された消費税にもかかわらず、一度も値上げすることなく、内部努力によって価格を維持してきました。しかし、消費税は当初三%からついに今年一〇月一日から一〇%へと大幅に引き上げられました。この結果、印刷費、郵便料、宅配便など「かけはし」制作にかかわるあらゆる経費が値上げされました。
 一部三五〇円の定価で発行してきましたができなくなり、一部三〇円の値上げをせざるを得なくなりました。来年の新年第二号(1月13日通常発行号)より一部三八〇円とさせていただきます。どうか、購読者の皆さんにはご理解・ご支援をよろしくいただき、旧来通り購読していただけるようにお願いいたします。
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 私たちは弱者へ最も打撃を与える消費税そのものに反対する立場であり、廃止を求めていきます。週刊「かけはし」の一層の充実をめざしていきます。今後ともよろしく、お願いします。
二〇一九年一二月一日
発行所 新時代社

年末カンパにご協力ください

 全国の同志、友人、「かけはし」読者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は冬期カンパへのご協力を訴えます。
 安倍晋三は最優先課題を「九条改憲」=自衛隊の国軍化、戦争のできる体制作りに置いている。しかし、相次ぐ閣僚の辞任と自身が開催した桜を見る会問題の発覚で安倍内閣は危機に陥っている。辞任に追い込もう。
 沖縄・辺野古での米軍新基地建設の埋め立て工事を沖縄民衆の圧倒的多数による反対にもかかわらず強行している。阻止の闘いを全国的に作り出そう。自衛隊基地の先島諸島への建設、軍備増強に反対する。朝鮮半島の非核化・東アジアの平和のための闘いをアジアの人々とともに担おう。
 安倍政権の大資本優先の政策は労働環境を悪化させ、ますます貧困と格差を生み出している。「働き方改革」は労働者に犠牲をよりいっそう覆いかぶせるものだ。労働者への攻撃を許すな。
 そして福島第一原発の事故被災者の切り捨て、原発の再稼働、原発輸出に反対する。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催は大資本のカネもうけと「国威発揚」のために行われる。二〇一九年の新天皇の「皇位継承」も、「改憲」と一体で進められている。天皇制はいらない。消費税一〇%への増税に反対する。
 香港の人々の自由と自治権を求める六月以来の闘いは香港政府のあらゆる暴虐な手段を使った封じ込めにもかかわらず持続している。世界の労働者・民衆の連帯が求められている。支援を作り出そう。チリなどラテンアメリカで繰り広げられている民衆運動、イギリスでのブレグジット反対運動、フランスの黄色いベスト運動と全世界で数百万の人々が新自由主義に抗して、生存や人権、民主主義を求めて闘っている。
 私たちはこの闘いの一翼を全力で担っていこうと決意しています。週刊かけはしの維持・発展のために冬期カンパにご協力をお願いします。
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