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    かけはし2019年12月2日号

「私物化・隠ぺい」に満ちた改憲政治


総理と「桜を見る会」であからさまになったこと

11.18

首相官邸前で抗議行動

一日も早く安倍を倒せ

止めよう改憲プログラム


 一一月一八日午後六時半から、首相官邸前で「安倍首相による政治の私物化を許さない!安倍政権の退陣を要求する官邸前緊急行動」が「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」呼びかけで行われ、六〇〇人が集まった。「桜と共に散ってもらおう。安倍内閣は総辞職、ただちに退陣、みんなで倒そう」と元気よいコールで集会が始められた。
 最初に、藤本泰成さん(平和フォーラム)が「首相の桜を見る会は税金を使って行われた。政治の私物化だ。ふざけるなと言いたい。安倍は何の資料も示さない。これで終りとしてはならない。安倍を退陣させよう」と主催者あいさつをした。

共闘の力で政府
を追いつめた!
駆けつけた国会議員が発言した。
杉尾秀哉さん(参議院議員、立憲民主党)は「レッテルを張って人を排除する。あったことをなかったことにする。首相在任が憲政上史上最長でも中身は最低で、腐り切った政権だ。桜を見る会の前夜祭は政治資金規正法違反、公選法違反にあたる」と痛烈に批判した。
国会で桜を見る会問題を追及した田村智子さん(参議院議員、共産党)は次のように報告した。
「一一月八日に桜を見る会の問題を国会で追及したがマスコミは取り上げなかった。野党共闘で問題にすると決め、市民の怒りが爆発する中で、マスコミが連日報道するようになった。共闘の力が首相を追いつめている。国会議員が山口県に行き、旅行会社に質問状を出した。旅行会社は前夜祭に関わっていないと回答している。安倍事務所・後援会は自らの有権者を桜を見る会を利用して接待している。前夜祭の会費が一流ホテルの会食で五〇〇〇円は安すぎる。政治資金規正法の報告書には宴会費用の記載がない。参加者の名簿も捨てたことになっている。ホテルが安く提供したとホテルに責任を覆いかぶせている。政治の私物化を許せない。一日も早く退陣を実現させよう」。

あきらめなけ
れば勝てる!
柚木道義さん(衆議院議員、無所属)も安倍事務所の関与を指摘し、安倍首相の政治利用を批判した。
次に香山リカさん(精神科医)が「台風で甚大な被害、消費税の値上げ、英語試験の中止、首里城焼失と、たいへんな事態が相次いだ。心が折れそうになりながらも、被災者は生き抜いている。こうした中で、桜を見る会問題が発覚した。安倍後援会だけが税金を食いものにし、いい思いをした。とんでもないことだ。みんながむくわれる社会をいっしょに作ろう」と語った。
市民の立場から、大木晴子さんが「私は『アベ政治を許さない』というステッカーを付けている。一七年間、毎週土曜日二時間、スタンディングをして訴えている。個が強くなければ政治は変えられない。地元で声をあげよう。あきらめなければ勝てる」と訴えた。
元教員は「子供にウソをつくなと教えてきた。大きなウソ、ついてはいけないウソがある。国家は道徳教育を押しつけている。文科相の差別・貧困を容認にする身の丈発言を認めるわけにはいかない。文科相は辞任すべきだ」と話した。
最後に翌日の一九行動への参加と年末に向けた諸行動の提起があった。とりわけ、一一月二一日、憲法審査会があり、この中でとりまとめができなければ今臨時国会で、国民投票に向けたとりまとめができず、憲法改悪の道筋が立てられない。その重要な審議がある。ぜひ、注目し、反改憲の運動をつくっていこう」と発言した。桜を見る会について安倍首相の責任を追及するコールを首相官邸にぶつけた。       (M)

11.9

止めよう改憲! おおさかネット

やめろ!自衛隊中東派兵

イラン攻撃をやめさせよう

 【大阪】止めよう改憲!おおさかネットワーク主催の講演会が一一月九日、大阪PLP会館で開かれ、一二〇人の市民が参加した。

中東の軍事的
緊張強めるな
中北龍太郎さん(止めよう改憲!おおさかネットワーク代表)が主催者あいさつをし、自衛隊の中東派兵について、「自衛隊派兵は戦争への引き金になる。日本政府は、米国が呼びかけている有志連合には参加しないと言っているが、一方で、米国とは緊密に連携していくともいっている。派兵はその法的根拠は防衛省設置法に基づく調査・研究だ。これは事務規定で部隊運用は想定されていない。派兵は脱法行為である」と批判した。
「ところが当局は、正当防衛なら緊急避難として武器使用もでき、事態が緊迫すれば海上警備行動も行うといっている。日本とイランの長い友好の歴史を考えれば、イラン軍事包囲網に加担すべきではない。このように至った背景には、トランプ大統領のイラン核合意からの一方的な離脱がある。これが中東の軍事的緊張を高めている。日本は合意への復帰を促し、憲法九条をいかした平和外交を展開すべきだ」と訴えた。

 続いて、高山佳奈子さん(京都大学法学研究科教授、立憲デモクラシーの会よびかけ人)が、「改憲案が暮らしをおびやかす4つの理由」と題して講演をした。(講演要旨:別掲)
講演に続いて二人から、特別アピールがあった。

日韓対立を乗り
越えていくために
矢野宏さん(新聞うずみ火編集長)は『日韓対立をどう乗り越えるか』のテーマで。
「元徴用工訴訟の韓国大法院判決は、戦時中の強制労働は植民地支配と結びついた不法行為。不法行為に対する個人の(新日鉄住金に対する)慰謝料請求権は、日韓請求権協定が解決済みとした事項には含まれないと判示。五億ドルは賠償金ではなく独立祝い金であり、個人補償には使えない。経済協力方式とは、日本のものをあげ、日本人を使い、日本の税金を使って日本企業が儲けるやり方だ。西松建設を被告とした中国人強制連行訴訟は和解したが、日本の最高裁も、被害者の苦痛は大きく、西松建設を含む関係者に被害救済の努力を期待すると言った」。 「なぜこじれたのか。ひとつは政府の姿勢。それと嫌韓を煽る週刊誌とテレビがある。週刊誌の場合、背景にあるのが実売部数の低迷。保坂正康さんは、昭和一〇年代の〈中国やっつけろ、中国を支援する米国をやっつけろ〉という感情の流れに近いという。問題解決は、ドイツのように、まず謝罪から」。

「表現の不自由
展・その後」
山本みはぎさん(「表現の不自由展・その後」の再開を求める愛知県民の会)は『「表現の不自由展・その後」で問われたもの』のテーマで。
「あいちトリエンナーレは二〇一〇年から三年に一度開催されてきた、今回は四回目。不自由展は、慰安婦、天皇と戦争、植民地支配、憲法九条、政権批判など、近年公共施設でタブーとされがちなテーマ作品が、当時いかにして排除されたのか、その理由と共に展示した。
七月三一日、マスコミが一斉に不自由展の展示会を報道。政治家松井一郎大阪市長、河村たかし名古屋市長、吉村洋文大阪府知事、黒岩祐治神奈川県知事、菅義偉官房長官の妨害や圧力、一部市民の脅迫や抗議で展示会は中止。大村秀章県知事、八月九日に検証委員会設置を発表。委員会は美術や憲法の専門家六人で構成。検証委員会は九月二五日中間報告で再開を示唆し、展示の内容まで言及した。そもそも検証委員会は必要か。」
「『不自由展その後』実行委員会は、中止に当たって公開質問状、その後再開に向け協議の申し入れ。一〇月一日和解。あいちトリエンナーレ出展作家八八組が、「芸術祭の回復と継続自由闊達な議論の場」を求める声明を発表。海外出展作家一一組が辞退。展示再開を求める学生・学者の動きが広がる。その中で愛知県民の会が結成され、再開の要請と河村市長への抗議」。
「再開されたことはよかったが、それに向けた交渉は密室で行われた。再開された展示会は入場制限をし、荷物検査・SNSへの投稿禁止誓約書の提出、マスコミの取材制限が行われ、事実上の検閲だった。河村市長の妨害と名古屋市の補助金不払い、文化庁の補助金不払い。悪影響は具体的に出ている。KAWASAKIしんゆり映画祭での『主戦場』の上映中止。伊勢市の市美術展での慰安婦像コラージュ作品の展示中止。日本第一党は、日本人のための芸術祭あいちトリカエナハーレ2019『表現の自由展』の開催。
根本問題は、憲法に保障された思想信条の自由、集会結社、言論出版の自由の侵害。根底にあるのは政権による歴史改ざん主義、排外主義がある。問題は解決されていないという認識で運動を継続する」。
最後に、古橋雅夫さん(止めよう改憲!ネットワーク事務局)のまとめで終了した。      (T・T)

高山佳奈子さんの講演

立憲主義を立て直そう

まかり通る違憲・違法

異常に増加
する軍事学
現政権は武器の爆買いをやっているが、こんな事をやっているのは日本だけ。F35A戦闘機は一機一一六億円、イージス・アショア一基一二二四億円、二〇一九年度防衛関係予算案は、過去最高の五兆二五七四億円(米軍再編経費含む)だ。
OECDの中でも日本は教育支出が最低。少子化問題を抱えながら、保育士・教師・医療福祉職の待遇は悪い。軽微の犯罪(万引きなど)を繰り返す高齢犯罪者が多くて、刑務所が満員になるのは日本だけだ。それだけ生活が貧しいということ。過労死や過労自殺も多い。
二〇一八年一二月二〇日、研究者・実務家有志一同で、「防衛費の異常な増加に抗議し、教育と社会保障への優先的な公的支出を求める声明を出した。

報道の自由に
大きな問題点
緊急事態条項では、「国民の生命、身体及び財産を保護するために、政令を制定することができる」とあるが、国民の生命、身体及び財産はすでに憲法で保障されている。政令は、これらを制限する効果しかない。
共謀罪法、通信傍受法、特定秘密保護法が、捜査権限を大幅に拡大した。自由は文言上も保障されていない。国連の報告書でも、日本は報道に自由上問題があると指摘されている。
改憲案では、教育の充実として、「国の未来を切り拓く上で……教育を受ける機会を確保する事を含め、教育の整備に努めなければならない」とある。単なる教育の整備が努力義務になり、憲法上の保障が否定されている。政府の方針に合致させることが教育を充実させる理由となっている。

脅かされる
人々の安全
安保法制を強行可決したが、バングラデシュで日本人を標的にしたテロ殺人事件が複数発生、イスラム国が犯行声明を出した。安全保障と言いつつ、安全が脅かされている。国際関係が悪化している(わざと、武器商人が儲かるための防衛外交政策)。危険な戦闘機による死亡事故が起きている。食品の安全保護は悪化している。
日本国憲法前文では、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。また、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し」、「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」となっている。戦争放棄は削ることができない。

公平の観点
から捉えて
辞任した大臣たちの公職選挙法違反。なぜ、大学共通テストで、一部の民間企業が事業を実施できるのか。賭博罪の例外は、地方公共団体財政のみだったのに、なぜ、カジノができるのか。
現在の立法過程は、立憲主義の破壊だ。一部の事業者の優遇……マイナンバー、森友・加計学園、新英語テスト。情報操作……マスコミへの圧力、統計不正。権力分立の否定……不都合な事件を捜査しようとした検事が転勤、最高裁人事は全員が安倍政権下で任命。違憲・違法なことが平気でまかり通っている。犯罪捜査が適切に行われていない。立憲主義を立て直さなければならない。


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