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    かけはし2020年1月1日号

 老朽原発動かすな!関電包囲大集会


12.8

包囲大集会に1100人結集

16日間200qのリレーデモ


 【大阪】危険すぎる老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働反対のリレーデモが行われた。デモの「本流」は一一月二四日福井県高浜市を出発し小浜市を通り、琵琶湖西岸の高島市今津・高島、大津市志賀・堅田・大津、京都府大山崎町を通り、大阪府高槻市・茨木市・吹田市を通り大阪市へのコース。この他、福井市、名古屋市、姫路市、奈良市、宇治市を出発する「支流」のデモも行われた。高浜原発前での出発集会から大阪関電本店包囲集会まで一六日間二〇〇qのリレーデモだった。その間、交流集会や沿道の自治体への申し入れ、嘉田由紀子参議院議員が参加する集会が催された。また、一〇月一日から一一月二二日まで「老朽原発動かすな!キャンペーン」期間として、さまざまな催しが取り組まれた。主催は、「原発動かすな!実行委員会@関西・福井」。関電や安倍政権に原発断念を迫るさらに大きな闘争の前段として位置づけられた今回の取り組み、最後の包囲大集会には一一〇〇人の市民が参加した。
大集会では、林ひろかずさん(オール福井反原発連絡会)が主催者あいさつをし、「原発マネー還流問題資料を関電は何も出してこない。徹底的な真相究明が必要だ。原発をベースロード電源と位置づけ国策で原発を推進する安倍政権を追い詰めるスタートの場にしよう」と訴えた。

リレー参加者
から次々報告
福井県エリア:若泉さん「一〇月七日から一一日、一四市町をつないで県北を中心にリレーデモをし、各自治体に申し入れ行動を行った。関電の広告では、老朽原発に対しても対策を取っていると言っているが、具体的には何も書いてない。県は関電裏金について、顧問弁護士を通して調査しているので、客観性がない」。
滋賀県エリア:是永高島市議「一一月二六〜二七日にリレーデモをし、一一月三〇日嘉田参議院議員の講演会を開いた。避難計画は実効性のある計画ではない。琵琶湖の水は一四五〇万人が飲んでいる。これが放射能で汚染されたら、もうおしまいだ。関電は原発を動かす資格がない」。
京都府エリア:吉田めいせいさん(脱原発原告団)「一二月二日大津を出て、逢坂山を越え山科、京都市役所、関電京都支社まで。一二月三日は向日市、長岡京市、大山崎町までデモをし、五つの市町に申し入れをした。どこも丁寧で好意的な対応だった」
大阪府北摂エリア:高木高槻市議(反原発自治体議員市民連盟)「一二月五日、大山崎町・島本町・高槻市・茨木市までデモ。一二月七日は茨木市から吹田市、大阪市内を歩いた。子どもからお年寄りまで沢山の人が手を振ってくれた。駅頭で行ったビラまきは、用意した五〇〇枚が三〇分でなくなった。原発問題は、お金のことも含めて関心が高い」。
兵庫県エリア、姫路から関電本店まで):広畑さだあきさん(さよなら原発・尼崎住民の会)「兵庫県最後のリレーデモ、八〇人の参加で先ほど成し遂げてきた。一一月二日出発集会から今日まで九回に分けて、総勢四〇〇人が九四qを歩いた。いくら原発から一〇〇q離れていても、事故が起きれば避難を余儀なくされる。姫路、加古川、明石、神戸、芦屋、西宮、宝塚、尼崎と歩いたことが、今日のデモに反映されている」。
奈良県エリア(奈良から東大阪まで):堀田みえこさん(奈良)「金曜奈良デモ行動の人たちと一緒に、一一月二九日関電支社に申し入れ行動をした。反原発運動が合流して、一緒にデモをすることができた」。村上さん(東大阪実行委員会)「奈良では五〇人で、東大阪では一〇〇人でデモを貫徹した」。

地元で反対す
る住民の発言
草津妙子さん(名古屋四〇年廃炉訴訟市民の会)「関電老朽原発の運転期間延長認可の取り消しを求めた全国で初めての裁判だ。原子力規制委員会が原子炉容器の劣化を審査する過程で、関電が出した試験結果をそのまま鵜呑みにし、関電を信用して認可していた」。
大石さん(東海第二原発差し止め訴訟原告)「茨城県の東海原発を所有している日本原電は、電力九社の原発専用子会社。社長は東電から、副社長は関電から派遣されている。三・一一以後電気を全く発電していないが、原発を共同開発したという理由で、親会社が維持費を毎年一〇〇〇億円ずつ、総計一兆円もらっている。そのうち関電は毎年二〇〇億円。これは原発マネーの利権構造ではないのか」。
渡辺高浜町議(関電老朽原発立地地元)「九月に高浜原発、一〇月に大飯原発で人身事故が発生した。いずれも特定重大事故等対処施設の工事現場だ。これは、関電が工事を焦っている結果だ。美浜原発でも起きている。再稼働のために、安全対策工事、特重施設工事、定期検査と三つの工事を同時にやっている。そうまでして老朽原発を動かす必要があるのか。最近、高浜原発四号機で定検中に蒸気発生器細管の摩耗が発見された。細管数一万一四六本中、今回の五本を含め三九九本が損傷した。今回は原因がわからない。関電は、再稼働のために一兆二〇〇億円を投じているという。原発は止めるべきだ」。
猿橋大飯町議「電力が足りないと、大飯3・4号機を無理やり動かした。議会では私だけが反対で苦しい思いをした。でも運動の盛り上がりを見ると、皆さんと合致していると思う。金品問題は大飯町でもある。株をもらったり、子息を関電に就職させるとか、金額の書いていないタクシーチケットの分厚い束をもらっていた。しかし、還流はなかった」。
井戸謙一弁護士(福井原発訴訟・滋賀)「関電相手に、七基の原発の運転差し止めを求めて大津地裁で闘っている。関電の原発の安全に対する考え方。福島事故前は、原発は絶対に事故を起こさないと言っていた。その言い方が明らかに変わっている。原子力規制委員会は、原発に求められるのは、絶対的安全ではなく、相対的安全性で良いと言っている。裁判所もその言い方に乗っかってきている。東電役員の刑事裁判の無罪判決がそうだ。日本海溝でM8クラスの地震が起きる確率が今後三〇年間で二〇%だと政府機関が発表したとき、東電がそれに対応しなくても、過失ではないと言った。関電相手の裁判で、過去の基準地震動MAXは四〇二二ガルに対応すべきだと私たちは言ったが、関電は、それは絶対的安全性を求めるもので、失当だと言った。それでは、過去の若狹の地震と地盤の調査、平均基準地震動のばらつきを考慮、他の学説を考慮、最近の地震での新たな知見を考慮、原発敷地内で起こる地震を評価せよと要求を出した。だが、関電の回答は変わらない。事故が起きても仕方がない、というのが関電の姿勢だ」。
宮下正一さん(関電の原発マネー不正還流を告発する会)「九月二七日朝刊にびっくり。三億二〇〇〇万円の金が関電に還流していた。一人一億円超える人が二人も。河合弁護士に相談して、告発をやろうと言うことになった。目標一〇〇〇人としたが、四七都道府県に告発人ができ、総計三〇〇〇人を超えた。一二月一三日大阪地検に告発することになった」。
避難者から森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告)「福島原発事故から大阪市に母子避難をしている。原発事故の被害に私たちは無自覚すぎると思ってきた。事故後でも、高い日本の技術力を考えたら、福島事故とチェルノブイリは違うと言われてきた。被害は、家族が別れ別れで生活するだけではない。避難したくてもできない人もいる。小児甲状腺ガンは一〇〇万人に一から二人と言われていたが、福島県だけで当時一八歳未満の子どもで二〇〇人が発症している。体調不良を訴える人の声をこの九年間調べてきたのか。原発安全神話から放射能安全神話にすり替えられている。私たちは一体何を手放そうとしているのか。被爆から免れ、自分の健康を享受する権利を行使するため、避難という選択をした。私は、避難という事の正当性だけを訴えるために裁判をやっているのではない。この国は、ひとしく恐怖と欠乏から免れ平和のうちに生存する権利を有すると書かれた憲法を持つ国ではなかったのか。私たちの闘いは、原子力にしがみつき命と健康を手放すことを認めるか認めないかの闘いだ」。

全国の反原発
運動から発言
川内原発反対鹿児島実行委員会(「種子島は核開発の拠点だ」、熊後さん)、伊方原発(「賄賂より廃炉で闘おう」)、再稼働阻止全国ネット(「茨城の日本原電は、やっと署名を受け取った」柳田さん・木村さん)、国会原発ゼロの会(「毎年四〇〇〇億円近い金が電源開発立地交付金の名目で出されているがその使途はどうなっているのか」、服部良一さん)、大間原発(「青森に関電の事業所が二つあり、青森の中間貯蔵施設に関電の使用済み核燃料を入れようと狙っている。先日米空軍は六カ所から一〇qの所に模擬爆弾を投下した。許せない」)、福島の女たちの会(「聖火ランナーのコースは線量が高くて危険。関電は罪を認めて私たちに寄付をしろ」)。

若狭連帯行動
ネットワーク
若狹連帯行動ネットワーク(「原発は夢のエネルギーだと言われていたが、人間を悪魔にする施設だということがわかった」久保さん)、ストップ・ザ・もんじゅ(「高速増殖炉もんじゅは廃炉になるが、火山の影響評価を見直す必要がある。プルトニウムのもうひとつの施設である六ヶ所再処理工場の問題に注目を」」池島芙紀子さん)、原発ゼロの会・大阪(「関電は、高浜原発1、2号機の建設段階から一八年間、歴代の総理大臣に毎年二〇〇〇万円の裏金を渡していたし、また高浜3、4号機の建設で助役を窓口に高浜町に四四億円の寄付を行ってきた。関電は原発依存症だ」山本けんじさん)、グリーンアクション(「原発は、日本の電気の八%しかつくっていないのに、威張り続けている。関電は蒸気発生器の細管事故が起き、その原因もわからないのに再稼働すると言っている。絶対にノーだ。世界の専門家は、原発は温暖化対策を妨害していると言っている」アイリン・スミスさん)、脳性まひ者の生活と健康を考える会(「私たちは四五年前から優生保護法に反対してきた。優生保護の社会は、障害者は生きていくなという社会だ。原発再稼働は絶対認められない」古井まさよさん)

労働組合も
元気に訴え
おおさかユニオンネットワーク(「憲法の労働基本権を無視した弾圧を受けている関生支部に支援を。琵琶湖の水を守ろう」垣沼さん)、釜ヶ崎日雇労働組合(「いま原発労働者は不足しているので、履歴書不要で人を集め、非正規労働者を原発へ誘導している。それが、政府の就労支援政策だ。原発はすべての労働者の問題だ」三浦さん)、フォーラム平和・関西ブロック(「今回の関電の原発マネー問題は外部の税務調査が行われなかったら、おそらく内部で葬られていただろう。原発立地をめぐっては、不透明な金が動いていると噂されていたが、原発が存在する限り、これからも同じ事が起こるだろう。原発依存によって、地域の自立は阻害され、自治や民主主義がむしばまれる」仁尾さん)、全労連関西ブロック(「最近関電は、署名は受け取るが、建物に入るのは三人まで、質問には答えないという態度。こういう時に政治がちゃんとしてくれればいいのだが。野党が共同提案をした原発ゼロ法案、これを論議できる国会をつくろう」菅さん)。
最後に、木原壯林さん(若狭の原発を考える会)がまとめをし、集会決議を採択して終了した。 (T・T)

映画案内

ケン・ローチ監督「家族を想うとき」

資本主義がこわす「夢」

絶望から逃れる道を求めて

 一二月一三日にロードショーが始まったイギリス、ケン・ローチ監督作品「家族を想うとき」を観た。
 中年のリッキーは仕事を転々と変えてきたが個人ドライバーとして宅配の仕事につく。二年でローンを返して、自宅を持つ夢があった。妻アビーはパートタイムの介護福祉士として働く。高校生、中学生の兄妹がいる。個人事業主なのだから、働けば働くほど儲かると業者から言われる。
 リッキーは自動車をリースするか悩むが結局ローンで買うことに。妻は介護の仕事のために自家用車を持っていたが自動車のローンの頭金千ポンド(約145万円)のために手放さざるをえなかった。これから仕事が順調に進み、ハッピーな家族となれば、良かったねとなるがそうはいかなかった。
 宅配業界はものすごい競争社会であり、バーコード読み取り機械によって、分単位で管理されていく。車から二分離れれば警告のブザーが鳴る。届け先でのトラブルなど、問題が起きる。遅刻を何回か行うと罰金や解雇。個人事業主なので、残業規制もなく一四時間働くことになる。
 妻の介護の仕事も行く先々で決められた時間で終わらない。相手が生きた人間なので工場で製品を作るのとわけが違う。
 夫婦は仕事に疲れ切り、何かとケンカをしてしまう。そして、そこに長男の反抗期が重なり、家族はメチャクチャになっていく。それでも、夫の仕事におけるトラブルを次々と写し出す。「もうやめてくれ、何とかしてくれ」と、叫びたくなる。
 これが儲け第一主義、新自由主義の社会の現実なのだ。誰に怒りをぶつけたらいいのか、絶望的な負のスパイラルに落ち込んでいく。
 高校生の反抗の理由を詳しく描いているわけではないが絶望的な父親の姿を通して社会への怒りを表現しようとするもがきが伝わる。そうした息子を理解しようとする父親と父親の絶望的な姿の中にも、家族のために必死で働く父親を息子が理解しようとなる姿に、希望を見る。
 この映画は遠く離れたイギリスの話ではなく、日本でも例えばコンビニや宅配便の世界で起きている。儲け第一主義で、コンピュータやロボットによって人間が支配されていく未来社会をも描いているようだ。映画を見終えて新宿駅東口を通ると全労連や東京地評が、最賃一五〇〇円を求めて宣伝とデモを行っていた。「怒りをもて、資本主義システムを変えろ」とのケン・ローチ監督の思いを共有するためには闘いが必要だ。 (滝)



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