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    かけはし2020年1月13日号

今こそ自己組織化のとき


アルジェリア

民衆は体制による選挙を否認

カメル・アイッサト


 アルジェリアでは、民衆的決起により四月にブーテフリカ前大統領が打倒され、その後実権を掌握した軍部と民衆の対峙が続いていたが、軍部は昨年一二月一二日に、民衆の抵抗を押し切り、旧体制出身者五人の候補者しかいない大統領選挙を強行、マジド・テブンが当選した。しかしこの選挙にはすぐさま民衆からの抗議が巻き起こり、今も抵抗の大衆的行動が続いている。以下は、今回の選挙が実際どういうものであったかを伝えると共に、その状況に対置する闘いの方向を主張している。(「かけはし」編集部)

 二〇一九年一二月一二日、参謀部により体現された事実上の政府、政府の実権を握る者たち、が一つの選挙を組織した。それは、一つの移行を強要するために、治安部隊や忠誠からなる諸々のネットワークの彼らが自由にできるすべての勢力を動員した。しかし民衆はアルジェリア中のすべてで、前の体制によって行われた選挙にノーを言うために街頭に繰り出した。
一二月一二日民衆は、恫喝キャンペーンすべて、およびあらゆるテレビチャンネルや新聞における公式宣伝に彼等が抵抗することを、はっきりと示した。この後者は二週間の間、いわゆる外国勢力、EUの介入に反対するキャンペーンを行ってきた。そこではまた、民衆を怖がらせ、彼等を投票へと後押しするために、カビリー自治権獲得運動が、また他のこけおどしが利用された。

街頭の決起が
民衆の投票だ

 コンスタンチーヌにはわれわれの数千人がいた。それはこの地域でかつて経験されたものの中で最大の行進の一つだった。投票日当日の間、そして夜まで、アルジェでは数十万人が街頭にいた。またアルジェリアのすべてのところで、カビリアで、特にゼネストがあったベジャイアで、投票は行われなかった。兵舎近くの一つを除いて、一つの投票所も開かれなかった。そしてその一つの投票所では、兵士が目立たない形で投票に行けるように、彼らは兵舎の壁を壊さなければならなかった。
したがって昨日の選挙は、大きな一歩だったが、それは予想できたことだった。本日闘いは継続し、われわれの組織化の必要をかつて以上に提起している。なぜならば、あらゆる地域で、あらゆる自治体で、自己組織化された共同組織、民衆委員会が存在したすべてのところで、いかなる投票も行われなかったからだ。逆に、いかなる暴力も使われることなく、票数ゼロが生まれた。

抜本的変革へ
課題は組織化


われわれは、「システム出ていけ」を要求すると同時に、このシステムに対するオルタナティブを構築しなければならない。代わりとなるシステム、すなわち、それが工場委員会であろうが、戦闘的労働組合であろうが、特に民衆委員会であろうが、アルジェリアのあらゆるところで自己組織化を基礎とした民衆権力、を準備し終えることなしにシステムを打ち倒すことは、誰にとっても想像できない。その構築は、現存のシステムが今後置き換えられることになる自己組織の建設に向かう駆動力を通すものだ。
彼らは、五人の候補者から彼ら内部で一人の候補者を指名しようとしているところだ。そしてその五人すべては、同じ体制からの出身であり、首相や、閣僚や参謀総長であった者、あるいは何であれそうした者だ。一見して、指名される者はマジド・テブンとなろうが、その名前は、七〇トンのコカイン事件に緊密に結びついているのだ。
そうである以上、この四三回目になる金曜日行動では、人々が「テブン、コカイン」、そして「平和的な、平和的な革命」と叫ぶために動員されるだろう。これこそ本日現れることになるものだ。ベンサラフ(ブーテフリカ前大統領退陣後実権を握り、幾度かの延期を余儀なくされながら、今回の大統領選実施に強引に持ち込んだアルジェリア軍参謀総長:訳者)を置き換えることにより彼らが行いたがっているこの模様替えには、成功のチャンスがまったくない。
しかしわれわれは、それに成功がないならば、われわれのオルタナティブをはっきり主張しなければならない。そしてそのオルタナティブは、憲法制定運動であり、民衆的統制、自己組織化、そして民衆多数の社会的必要に基礎を置く、主権を体現する憲法制定会議だ。彼らがわれわれに与えようとしているもの、すなわち、新自由主義システム継続からなるもう一つの顔にしかならないものを前に、われわれが対置しなければならないものこそこの政治的オルタナティブなのだ。
これこそがわれわれが行おうとしていることだ。すなわち、闘いの継続、システムにもっとうまく立ち向かうためにわれわれ自身を組織化すること、そして、民衆多数が、この運動の先鋒である若者たちの多数が、強く求めている抜本的な変革をやり通すことだ。(二〇一九年一二月一二日)(IVによる翻訳)
▼筆者は、アルジェリア社会主義労働者党(第四インターナショナルアルジェリア支部:訳者)の活動家。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一二月号) 

香港

自治の防衛

新しい種類の活動に可能性

區 龍宇

 

 一一月二四日の香港区議会選挙における反政府派の地滑り的勝利は、香港政府と北京両者に関する一種の国民投票と見なすことができる。民衆の声は明確であり、既成エリートの強硬路線に対する「ノー」を叫んでいる。
 反政府派は通常、立法会で約五五―六〇%の支持を確保しているが、その支持も区議会では約四〇%にすぎない。今回反政府派が親北京派諸政党の四一%に対し五七%を獲得したという事実は、確実に大勝利だ。
 それは、実際に得た議席の観点ではもっと大きいと言ってよい勝利だ。汎民主は総計で三八八議席――前回選挙から二六三議席増――を勝ち取った。他方親北京派諸政党は二四〇議席失い、総計で五九議席しか確保していない。
 汎民主派陣営の人気は、選挙前のいくつかの世論調査ですでに見られたことだった。すなわち、住民の八三%は暴力の罪を政府に着せ、他方で、暴力には同時に抗議行動参加者の責任もあると考えたものは四〇%にすぎない。
 それでも、この区議会選挙で汎民主派がこれほどの差で勝つことができる、特に運動の急進的な部分が後退し始めていた時点でそうなる、と考えた者は誰もいなかった。
 選挙に先立つ週を通じて警察は、抗議行動参加者が占拠した理工大学を包囲した。そして、依然降伏を拒否している者が数十人いるにもかかわらず、外にいる抗議行動参加者や彼らの支援者ができることはほとんどなかった。彼らのほとんどは徐々に降伏し、逮捕された。そうであっても何人かは何とか逃れることができた。
 今回の選挙の勝利は確実に反政府派の志気を押し上げている。新たに選出された区議会議員の六〇人以上が、今も内部に隠れている抗議行動活動家との連帯を示し、この運動に対する学生の貢献を認めるために本日理工大学の入り口に出かけたこともまた、運動を元気づけるものだ。
 警察は一一月二八日、最終的に大学構内に突入したが、新たな逮捕を行うことができなかった。これは事実上、反政府派の第二の大きな勝利――九月四日にキャリー・ラム政府に犯罪人送還法案撤回を強制した前回のもの以来の――だ。
 これら二つの大きな勝利を基に、香港がこれまで経験したことがなかったこの運動の中で、新たな種類の活動が現れる可能性がある。対照的に、二〇一四年の雨傘運動は、活動家内部の長期にわたる士気阻喪がその後に続く形で、全面的な敗北だった。二〇〇万人以上の民衆が決起することを伴ったこの運動は今、過去の運動から学びを得る一つの機会を得ている。
 結論的に、ゼネストを呼びかける少なくとも五つの試みが生まれてきた。その中では、八月五日のストライキだけが成功し、基本的に市の半分を活動停止に置いた。これは、この数十年ではじめてのゼネストだ。そして人々に労働者の力をはっきり示している。
 今や、労働者の闘いの重要性を実感し、労組に加わること、あるいは新しい労組を形成すること、を呼びかけている若い活動家たちが生まれている。
 最近起きているこれらの労組組織化努力に関し独特であることは、それらが根底的に脱集中化され、職場における対面の組織化というよりもむしろ、テレグラムのようなオンライン上のまったく自律的な参加者による自己組織化であることだ。
 この労組組織化の動きがどれほど確固となり、効果的になり得るかは、これから分かることとして残されている。新たな公務被雇用者組合を形成しようとの一人の若者の呼びかけは、極めて良好な反応を引き出している。実際いくつかのニュースが、数百人の公務員が参加した、と報じた。(二〇一九年一一月三〇日)

▼筆者は香港における指導的なグローバルジャスティス運動家。現在中国労働ネットの編集者であり、インメディアにも一本のコラムをもっている。(「インターナショナルビューポイント」二〇一九年一二月号) 

共同声明

差別的な市民権条例に抗議するインド民衆に連帯を

2019年12月24日

 インドの民衆は、インドのイスラム教徒を間接的に差別する法案に抗議して街頭で闘っている。抗議の波はCABとして知られていた市民権法を改悪し、新たにCAAを制定しようとする動きへの抗議の闘いである。CAAは近隣諸国からの特定の宗教グループに属する難民にインド市民権を与えるものとされたが、明らかにムスリムをその対象から排除するとともに、スリランカのタミール人、チベットの仏教徒、ブータンの難民を排除するものとなっている。
 ナレンドラ・モディ首相が率いる右翼のヒンズー至上主義・民族主義政権は、インドの法律では初めて宗教を市民権付与の基準として使っている。インドの左翼と進歩派の批判の声は、法案の差別的性格がインドの民衆を人種的・エスニック的違いに従って引き裂くことになる、という立場からのものだ。
 モディ政権はCAAについて、いわゆる「人道主義的正当化」を行っているものの、彼らはロヒンギャの難民(ミャンマーの少数民族で、政府から厳しい迫害を受けている)を追放することに最も躍起になっている政権なのである。
 インドの進歩的勢力は、政府によるこうした試みがムスリムの共同体を二級市民に落とし込めようとするものであり、この動きに反対しなければならない、という立場を取っている。CAAは全国市民登録(NRC)計画、すなわちインドに住む人々の市民権を証明し、自らの正当な市民としての地位を立証できない人びとを追い立てるメカニズムである。最近、アッサム州とその周辺で行われたNRCでは一九〇万人の住民が住民リストから消された。その中にはムスリムの住民だけでなくヒンズー教徒も含まれている。
 第二に住民をムスリムと非ムスリムに分ける問題である。市民法修正案はこうして露骨に騒々しく法律の条文に宗教的差別を持ち込んだのである。これは明らかにインド憲法に書き込まれた非宗教的共感を侵害するものだ。
 ムスリムであり、特定の国で弾圧された少数派だった人びとは、保護の対象とはならず、したがってマイノリティーの保護がCAAの真の目的ではないことは明らかである。

大衆的抗議

 BJP(インド人民党 二〇一九年の下院議員選挙で大勝したモディ政権の与党で右派)が支配するインド国民議会でこの法案が可決されたことは、インド各地で大規模な抗議を引き起こした。最も強力な抗議行動の一つは、一二月一五日にデリーのジャミア・ミリア・イスラム大学で行われたものである。警察と準軍事的組織がキャンパスを襲撃し、教室や図書館に催涙ガス弾を発射した。ジャミアの反CAA抗議勢力は、そこを戦闘の場に転じた。
アリガラフ・ムスリム大学の学生たちはジャミア大学の学生たちに連帯する先陣を切り、ジャミア・ミリア大学でのデリー警察による暴力行為に反対してかけつけた。国際法律家協会(ICJ)はインド警察と準軍事的組織である中央警察予備隊に対して、市民権条例(修正案)に反対する抗議行動参加者への不法な手段の行使、不適切な取り扱いをやめるよう強調した。インドの政府当局が、警察の行為による人権侵害に責任を取るようICJは付言した。
こうしたインドでの州政府、すなわち西ベンガル、パンジャブ、ケララ各州政府の声明は、CAAがインド憲法の基盤そのものを拒否するものであり、それぞれの各州はCAAやNRCを実施しないと宣言している。
われわれ、以下に署名した諸組織は、差別的なCAAに反対するインド民衆の闘いに連帯する。われわれはインド政府に対して以下の各項目を訴える。

A CAAに抗議する学生と民衆への暴力的弾圧をただちにやめろ。
B 差別に満ちたCAAを撤回し、宗教的帰属に基づくあらゆる形態での市民権の決定を中止せよ。
C 宗教や出身地に関わりなく難民の権利を承認し、教育、仕事、保健医療へのアクセスを提供せよ。

 以下、インドならびにアジア各国、ならびに欧州の左翼政党、グループからの賛同が寄せられている。

マレーシア社会党(PSM)/マレーシア社会党青年部/PEMBEBASAN(インドネシア)/セデイン労働資料センター(インドネシア)/PLM(フィリピン)/バグン・アリャンサン・マクバヤン(フィリピン)/マスドール・キサン党(フィリピン)/ポテレ・アル・ポポロ(イタリア)/リベラシ(マレーシア)/ゲラカン・レンベバサン・アカデミック(マレーシア)/ハルモニ/UMANY/ネパール・ベネズエラ連帯ネットワーク/国境なき運動(香港)/国境なき欧州連帯(フランス)/ダルマシリ・テンカベリ(スリランカ)/メディア従業員労組連合(スリランカ)/社会主義連盟(オーストラリア)/日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/パキスタン・キサン・ラピタ委員会/ジャム・カシミール・アワミ労働者党(パキスタン)/ソーシャリスト・アクション(米国)

 



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