もどる

    かけはし2020年1月20日号

自衛隊は中東に行くな!


1.11

海上自衛隊中東派兵をやめろ

事の本質は「トランプ危機」

無責任きわまる米政権



情勢が読めない
米国政府の対応
 一月三日、米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラクのバグダッドで殺害する、という無法極まるテロ行為を行って以後、米・イランの軍事的対立は急速にエスカレートした。この中で強行される海上自衛隊護衛艦の中東海域(オマーン湾など)への派兵は、明確に日本がトランプ政権の「対イラン戦争」に参戦するという、これまでにない事態に踏み込む状況となっている。
 一月一一日、東京・阿佐ヶ谷地域区民センターで「大軍拡と基地強化にNO!総行動」などが呼びかけて「アメリカ・トランプ政権によるイランへの圧力強化に呼応した海上自衛隊オマーン湾派兵反対緊急集会」が行われた。参加者は六〇人。
 講師は、中東に関するシャープな分析で知られる東京新聞特報部の田原牧さん。田原さんは米国・イラン関係を見た時にイランの動きが「想定内」であるのに「想定外」なのがトランプのアメリカである、と指摘。危機の本質には「情勢の筋目」を読める人がトランプ政権内にいないという問題がある、と指摘した。
 二〇一五年の「イラン核合意」ではイラン・アメリカ、そして国連安保理の間で「核開発のセーブ」、IAEA(国際原子力機関)による査察の受け入れ、制裁緩和が確認された。しかしトランプ政権は二〇一八年五月に核合意から離脱し、イラン産原油輸入の全面停止、核合意の一部不履行などの圧力をかけ、事態を急速に悪化へと導いた。田原さんは、事の本質は「イラン危機」ではなく「トランプ危機」だと述べた。

防衛省に向け
抗議のデモ!
田原さんは、トランプの姿勢の背後にイスラエルがいると述べる。同時にトランプ政権を支える中核において中東政策やイラン政権の内部の状況についての驚くべき「無知」がまん延している。
イランの姿勢はとにかく戦争は絶対に避けたい、というものだが、現在のトランプ政権の姿勢は、情勢を安定化させる方針を持ちえない。このような状況ではむしろ米国の対イラク政策は自爆的な状況が続くのではないか。トランプ政権を構成するスタッフから見ても、対イラン政策に責任を持てるような能力を持つスタッフがいない、と田原さんは語った。
トランプの目標は、一一月の米大統領選挙で宗教右派を取り込み、再選を果たすことに絞られている。
田原さんは最後に、今回の危機は「ふさわしくない者が権力を握ってしまったらどうなるかという世界的現象の一つ」と語り、この状況をくつがえすための課題に挑戦することを呼びかけた。
なお集会後、市ヶ谷駅近くの公園に移動し、防衛省に向けて自衛隊のオマーン湾岸派兵反対を訴える集会とデモを行った。デモには八〇人が参加した。(K)

1.8

総がかり行動が新宿駅前で訴え

アメリカの戦争に加担するな

自衛隊派兵の無責任

 一月八日、午後六時過ぎから戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、JR新宿駅西口でトランプ米政権によるイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官暗殺、それに続く中東への米軍三五〇〇人の増派に対して抗議の集会を、東京の新宿駅前で行った。午後六時からの行動には約二〇〇人が参加し、米軍による国際法に違反する暗殺と安倍政権の中東への自衛艦派遣に抗議する街頭宣伝を行った。
 総がかり行動実行委員会を代表して主催者あいさつを行った藤本泰成さんは、絶対に中東での戦争に自衛隊を参加させてはならないと強調した。国会議員からは共産党の小池晃書記局長・参院議員、立憲民主党の菅直人衆院議員(元首相)が発言。中東情勢の緊張がさらに強まり、米国のトランプ政権がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を、ドローンを使ってイラクで殺害するなど、明確に国際法違反の犯罪行為を行っている時、その米軍とともに自衛隊を「戦地」に派遣することの不当性を厳しく批判した。
 発言はJVC(日本国際ボランティアセンター)事務局長の今井高樹さん、ドイツ文学者の池田香代子さんから。
 発言者はいずれも、米国・トランプ政権の国際法を踏みにじって恥じないイラン革命防衛隊司令官の殺害を厳しく批判し、その不正の極みとしてのアメリカの戦争に加担して、不正義の一端を自衛隊に担わせる安倍政権の無責任さを糾弾した。       (K)

12.29-1.6

山谷越年・越冬闘争

山本太郎さんも駆けつける

野宿者を排除するな


責任果たさぬ
福祉センター
 一二月二九日から一月六日の早朝まで城北労働福祉センター前の路上を拠点に山谷越年越冬闘争が闘われた。 
 一二月二九日昼に山谷労働者福祉会館に結集した参加者は簡単な打ち合わせの後、センター前へと物資を運び込み、さっそく夜営のためのテントの設営作業や夕食に向けた薪割りやカマドの設置、野菜切りなどの作業を行った。センターは昨年に続き従来就寝スペースとして使っていた場所を使わせないようにロックしてきたが、昨年同様その外側にテントを設置した。 
 夕食後は布団や毛布を運び込み、就寝の体制を整え、六日の朝までの例年よりも少し長い越年闘争が始まった。城北労働福祉センターは本来不安定な日雇い労働者のための施設としてできたはずだがこの間は利用者カードの発行を著しく制限し、年間一人から二人ほどしか新規の発行を行っていない(以前は利用者カードなどはなく労働者であれば誰でも利用できた)。そのため十年前は二二四四人いた登録者が現在では一七〇人にまで減ってしまっている。 
 センターの登録者になれば月に何回か宿泊に行けるし、何より仕事の紹介も受けられる。センターの二階には無料の医療機関があるが以前は誰でも利用できたが、それもこの間は利用者カードがない人は利用できなくなっている。 
 建設や造園の求人は看板が出ていて、人数に満たずに残っていることも多い、そのため仕事に行きたいからカードを作りたいという労働者も多いのだが、それでも色々な理由をつけて発行を断っている。カードの発行についてはその明確な基準を明らかにしていない。そして「山谷の日雇い労働者は減っている」と宣伝している。 
 東京都の金で、つまり税金で運営されているセンターだが本来の仕事を放棄しているとしか言いようがない。 
 今回の越年では「センターは野宿者を排除するな!」「仕事に行きたい労働者にカードを出せ!」のスローガンを打ち出し、センター前にはその横断幕を掲げて九日間を闘った。 
 大晦日には「さすらい姉妹」の路上芝居が行われ、その後の年越しそばには今年も山本太郎さんが手伝いに訪れ、労働者の声に耳を傾けた。山谷ではかつて佐藤さん、山岡さんが天皇主義右翼・国粋会金町一家によって虐殺された歴史を背負っており、「れいわ新選組」なる名称には大きな違和感を多くの仲間が持っている。しかし、山本さんが排除されたもの、虐げられたものと共に闘おうとしていることはこの数年の山谷や渋谷、横浜寿町の越年への参加、あるいは野宿の仲間の反排除の闘いへのコミットを見ても疑いようはない。今後の彼の動向にはわれわれも注目していく。

「モツ雑煮」で
新年を祝う…
一日にはセンター前で、三日には上野公園で餅つきが行われ、屠場労組からのカンパのモツを大量に入れた越年名物「モツ雑煮」を多くの仲間が堪能した。他にも野菜は三里塚反対同盟両派や農家の方からのカンパ、魚は仕事仲間から集めてくれる業者の方からのカンパと、調味料以外はすべてカンパで賄っている。
いつもは最終日前日と早朝に撤収を終えるのだが、今回は六日の朝にも朝食を百人超の仲間と共に食べ、「センターはカードを出せ!」と声をあげ、センターに申入書を手渡しテントを撤収し、その後台東区福祉事務所へ生活保護の集団申請を行い、越年闘争を締めくくっていった。(板)

12.18

大阪で香港連帯集会

東アジアの新しい時代を
  共に担う行動に挑戦を

 【大阪】一二月一八日、エルおおさかで、香港の陳怡さんと區龍宇さんを迎えて香港連帯集会が開かれ約五〇人が参加した。
 はじめに実行委員会を代表してATTAC関西グループの寺本勉さんが、香港の若者を中心とする新たな運動に日本からも連帯する運動を作り出すために今回の交流が計画されたことを報告した。
 陳怡さんは五月以降の闘いの経過を、圧倒的な臨場感で語った。ハード・スケジュールの疲れも見せず、この日は集会直前まで一人で市内の若者で賑わう商業地区を散策し元気いっぱいだった。公安当局の厳しい監視を意識して、会場にはお面で顔を隠して現れ、そのまま発言に立った。
 発言の詳細は省くが、印象的だったのは「リーダーのいない運動」のダイナミズムと、それが運動の弱点にもなりうるということを非常に冷静に語っていたことだ。従来の民主化運動のリーダーたちは事態の発展に完全に乗り越えられ、行政長官の頑なな姿勢や警察の暴力が繰り返されるなかで運動がラディカル化し、全世代にわたる共感・同情・支持を獲得していった。その中で戦術をめぐる分岐や香港の自治あるいは独立をめぐる議論が活発に行われている。「親米」や「独立派」というのは運動のごく一部であり、雨傘運動以降の若者の意識の変化のダイナミックな変化がどの方向に向かうのかはまだ何も決まっていない。
 區さんは今回の運動の推移と社会的構成(年代、階級、政治傾向)を説明しながら、香港の資本家階級と中国官僚と米国政府および資本のそれぞれの事情と思惑を分析し、今回の運動が米国と中国の二つの資本主義のどちらかを選ぶという問題ではなく、中国の民主化も視野に入れた香港の自治の新たな、長期的な展望が問われていることを提起した。
 関西ではこの集会のほかに、同一七日に関西の反戦平和運動の活動家との懇談会と、神戸大学大学院経済学研究科の梶谷懐教授の呼びかけによる講演会が開かれ、それぞれ有意義な交流が行われた。
 香港の運動に対しては関西でも若い世代を中心とした連帯の取り組みが行われてきたが、反戦平和運動や改憲反対運動の活動家の間ではむしろ懐疑的な見方が優勢で、連帯の取り組みがほぼ皆無だった。これは米ソ冷戦構造の下で形成された左派・リベラル派の思考回路の残滓である。東アジアの新しい時代を展望する上で、また日本での右翼ナショナリズムの台頭と対決する上で、これは大きなネックとなるだろう。
 一二月一七、八両日の交流と連帯集会は、反戦平和運動や改憲反対運動の中で香港や中国の民主化への関心と連帯を広げていく重要な一歩となった。 (KH)

 




もどる

Back