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    かけはし2020年1月27日号

空港機能拡大政策を中止せよ


1.12

三里塚芝山連合空港反対同盟 2020旗開き

全国の反空港運動とスクラムへ

 一月一二日、三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人・柳川秀夫)は、横堀農業研修センターで「2020反対同盟旗開き」を行い、五〇人が参加した。
国交省は、一九年一一月五日、成田空港の機能強化策を実施するための基本計画(第3(C)滑走路(三五〇〇m)新設、平行(B)滑走路(二五〇〇mを北側に一〇〇〇m延伸)を改定した。成田空港会社は、二〇二〇年東京五輪・パラリンピックでの旅客の増大を口実に飛行時間の一時間延長を打ち出し、冬ダイヤ(二〇一九年一〇月)から強行している。
国交省・空港会社・推進派が一体となって空港機能拡大の既成事実を積み上げたうえでアリバイ的に行ったのが公聴会(一二月二四日)だ。だが朝日新聞(二〇一九・一二・二五)が、「これ以上の騒音は我慢の限界を超えている。生活できない」、「『地元の理解を得る』と言いながら、騒音下住民の意向は無視されている」などの反対意見を紹介し、「反対意見も根強く」「騒音被害住民に懸念」の見出しをつけざるをえないのが実態だ。田村明比古空港会社社長は、年頭あいさつで住民の不安や反対意見を無視し、「激しい内外の空港間競争に勝ち抜く」ために「発着時間を一時間延長した運用を始めることができました。これもひとえに地域の皆さまのご理解ご協力あってのもの」と言うしまつだ。今年も金儲けのために住民無視、空港公害を広げていくと宣言した。
反対同盟は、「第3滑走路建設反対」を掲げ、空港周辺住民、闘う農民とともに反撃していくことを旗開きで意志一致した。

気候温暖化は
人間の生存問題
旗開きは、山崎宏さん(横堀地区)の司会で始まった。
柳川秀夫さん(反対同盟代表世話人)は、「昨年は台風で大変だった。大量生産・大量消費によって、地球の許容量を超えてしまった結果だ。人間の生存の問題まできている。対処療法では乗り切れない。どういう社会を作っていくのかとして問われている。壊滅的な環境によって、すでに遅いと感じている。未来まで永続できる社会を目指していきたい。第3滑走路問題、空港機能の巨大化も同じものとして問われている。今年も頑張って闘っていこう」と発言した。
石井紀子さん(川上地区)は、「台風被害に対して皆さんからお見舞いをもらい、ありがとうございました。台風によって畑に被害がでました。停電も長かった。ポンプが使えず、水も止まってしまった。高齢者にとっては命にかかわる問題だった。水を配ったり、みんなの力で乗り切った。温暖化のせいでもっと大きな台風もありうる。天災に身構える農業を考えていかなければならないと感じている。これまでビニールトンネルを使って栽培してきたが、気候の温暖化を少しでも止めるためにビニールを減らしていきたい」と述べた。

空港会社の土地
強奪を許さない
平野靖識さん(らっきょう工場・東峰地区)は、「台風によって停電となり冷蔵庫が止まり、にんじんジュースの原料を廃棄せざるをえなかった。あらためて電気に頼りきっているなと感じた。顧客は、三里塚闘争に関わったお客さんも多くて出荷の遅延でも助けられた」と報告。
さらに「成田空港シンポジウムで隅谷調査団の『成田空港は内陸空港だから控えめに使うべきだ』という最終書見を確認した。円卓会議では『今後の空港作りについて、当事者・騒音下住民との話し合いを行い、改廃も含めて行う』と約束したはずだ。現在の成田空港機能拡大は、それを破るものだ。住民の不安に対して答えるものとなっていない」。
また、「空港会社は、天神峰地区の市東孝雄さんの土地を取り上げようとして裁判を行っている。会社は、旧地主から底地権を買い取ったことをひた隠しにしてきた。市東さんは、土地が売られていたことを知らずに借地代を払い続けてきた。こんなでたらめがあるにもかかわらず最高裁は不当判決を出した。市東さんは、執行停止に向けて裁判闘争中だ。私は証人として裁判で証言した。成田空港シンポ・円卓会議の結論からしておかしいという観点から今後も発信していきたい」と報告した。

反動に抗して
主体の強化へ
加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会代表/多古町農民)は、冒頭、「第三次世界大戦勃発か。世界に衝撃が走った。アメリカはイランに対する戦争行為をやめよ。安倍内閣は自衛隊の中東派遣を中止せよ。軍事的に空港を利用することには反対する」と糾弾し、「三里塚空港は国家犯罪、権力犯罪の積み重ねによって建設されてきた。人権などすべてが侵害されてきた。安倍内閣は憲法九条の改憲を生涯の政治目標としている。平和憲法を守る共同行動、統一戦線の先頭に立って活動しよう」と訴えた。
さらに「国交省は空港機能拡大計画について公聴会を開催した。一つだけ大きな見落としをしている。われわれの闘いの主体の成長がこのままではないことである。内外の政治経済は緊迫の度合いを増している。この中でわれわれは鍛えられ大きく成長してゆくであろう。共に頑張ろう」と強調した。

開拓道路から
抗議アピール
発言は、高見圭司さん(スペース21)、関西三里塚闘争に連帯する会 、東大阪三里塚闘争に連帯する会、泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、小山広明さん(元泉南市議)などから行われた。
一般社団法人三里塚大地共有運動の会は、山口幸夫代表理事のメッセージ「空港拡張計画は、もはや時代遅れだ」を紹介した(別掲)。
旗開き終了後、三里塚空港に反対する連絡会の呼びかけで旧東峰共同出荷場跡に移動し、開拓道路に向けてデモが行われた。
開拓道路からB滑走路に向けて「飛行制限時間緩和を許さない! 第3滑走路反対!」などのシュプレヒコールを響かせた。 (Y) 

   山口幸夫さん
(一般社団法人三里塚大地共有運動の会・代表理事)のメッセージ

空港拡張計画は、
もはや時代遅れだ

 

去年千葉県を襲った台風と豪雨とは豊饒な農地に大打撃を与えたのみならず、千葉県の全域に、大停電を引き起こし、無数の住民が平安な暮らしを奪われた。言うまでもなく、三里塚の東京国際空港は機能停止に陥った。
それから四カ月、未だ、多数の人たちが被災状態から抜け出せないでいる。東日本大震災からは九年たとうとしているが、東京電力福島第一原発の爆発と放射能放出によって汚染された大地、自然、生き物の回復の目処は立たない。数百年の歳月を待たねばなるまい。
これが、一五〇年前に開国し、科学技術立国をめざして西欧先進国の仲間入りし、そして経済発展をし、高度に工業化を遂げたとされる現代日本の現実である。
一九六六年七月、ときの自民党政府が三里塚空港建設を閣議決定した。これに反対し、農民を守れ、農地と緑の沃野を守れ、の声が日本列島を覆った。しかし、国際化とエネルギーの確保とを錦の御旗として、住民・市民の意志を退け、政府は空港建設を強行した。
地球という閉じたシステムは無限の能力を持っているのではない。とくに、浄化システムには限りがある。いったん環境汚染が始まると、進行を抑えるのが極めて困難になる。このことはすでに一九六〇〜七〇年代に、明らかになっていた。にもかかわらず、環境破壊は急速に進んだ。
もはや猶予は許されない。全世界的な気候危機、異常気象は年を追って激しくなってきた。経済活性化のためにもっと成長を、という時代ではないことに疑いはない。スウエーデンの一六歳の高校生が、CO2を大量に排出する航空機に乗るのを拒否して、船で大陸へ渡った。言葉だけで実践をしない“大人たち”に、未来世代への責任を問い詰めた。
利便性とは時間短縮の謂である。エネルギーも環境悪化も顧みずに利便性を追求してはならない。短時間で世界を結ぶ航空機と空港は、ぎりぎりに、最低限に認めるべきものである。
世界の政情が安定性を失った。安倍政権に連なる政治家たちの放埓で無責任な行為と言動とを許してはならない。国家官僚は政権の忖度に汲々としている。彼らによって、法も制度も形骸化させられている。世直しが不可欠である。若い世代と連帯して、三里塚大地の共有運動を広げ、進めていこう。


12.24

国交省公聴会へ抗議行動

アリバイ的な公聴会糾弾!

三里塚空港に反対する連絡会

 一二月二四日、三里塚空港に反対する連絡会は、芝山文化センター(山武郡芝山町)前で「第3滑走路建設に向けた公聴会抗議行動」を行った。
 国、空港会社、推進派が一体となって夜間飛行制限の延長、第3滑走路建設、B滑走路延伸の強行をねらっている。公聴会は明らかに第3滑走路推進のためのアリバイ的なものでしかない。空港機能拡大に対する不安を感じている住民の存在を無視して、従来のように暴力的に行おうとしている。民主主義を否定する暴挙を許さず、公聴会に抗議した。
 連絡会は、午前九時過ぎ、センター入口前で「第3滑走路建設・飛行時間延長強行のための公聴会反対!」の横断幕を掲げた。仲間は、ビラ配布とトランジスターメガホンを使って@アリバイ的な公聴会の意図A生活の破壊を許せないB利潤追求の為に住民の生活を破壊するのかC金と力で空港は建設されてきたD約束を反故にしてまたも強権行使E国や空港会社の言いなりにはならない―と批判した。

騒音下の住民
の訴えに連帯
公聴会は、午前一〇時に開始。国土交通省は、「この公聴会は、成田空港の施設と同空港で指定した延長進入表面などに変更が生じることから、航空法第43条第2項で準用する同法第39条第2項の規定に基づき、利害関係を有する方から意見を伺い、公正に行政処理を行う手続きの1つです。」などと言っている。自ら「手続きの1つ」と位置づけているように形式的に意見を聞くというものでしかない。
公聴会では住民、関係事業者など三八人が意見を述べ、約二八〇人が傍聴した。朝日新聞(二〇一九・一二・
二五)によれば、反対意見が騒音地域の住民からあり、「これ以上の騒音は我慢の限界を超えている。生活できない」、「『地元の理解を得る』と言いながら、騒音下住民の意向は無視されている」と抗議する意見が続いた。
国交省は、このような反対意見をどのように扱うのか、反対や疑問意見があれば計画を中止するのかなどについてなんら答えず、従来通りの不誠実な姿勢のままであり、強引に押し進めていくという居直りでしかない。
公聴会強行糾弾!第3滑走路建設・飛行時間延長を中止しろ!
(Y)

論評

カルロス・ゴーンの出国逃亡は痛快か?

 年末年始、閉じこもってテレビを見ていた人の関心事は、日産元会長カルロス・ゴーンの国外逃亡でしょう。ある会議で話題になり、痛快だとの感想があった。
 私も、年末の隙を突いた出国逃亡に驚いた。日本治安当局の裏をかいた出国には一種の爽快さを感じた。世界には国境を越えたくても越えられない人が沢山おり、国境を前に大勢が生命を失っているからだ。
 関西空港から大型荷物に身を隠しプライベートジェットで出国したという。まるでスパイ映画のようである。関西空港は民営化空港で、乗客の安全よりも利益優先であり、セキュリティは二の次だということも明らかになった。これまでも金持ちは不正出入国や密輸していたのではないかと思った。
 ゴーンが記者会見で繰り返した「検察主導、有罪ありきで、やたらと時間がかかる日本の司法の不当性」は、私もそのとおりだと思う。パンツの中まで検査された経験のある一人としては同感だ。また、ゴーンは、カネのある私なら日本の司法を変えることができるとも述べた。
 しかし、ゴーンが、庶民の味方ではあり得ない。労働者や貧しい者の救世主であるかのような姿はインチキだ。没収された保釈金一五億円など逃亡には三七億円かかったと報道された。そのカネは、もともとは日産やルノーの労働者が生み出したものだ。
 フランス最大の労働組合、労働総同盟(CGT)マルチネス書記長は一月一四日、カルロス・ゴーン被告を「卑しい」とテレビで非難した。ゴーンはルノー会長を辞任した際の退職手当約二五万ユーロ(約三〇〇〇万円)の支払いを求め、昨年一二月に労働裁判所に申し立てを行った。これに対しCGT書記長は「ゴーン被告はルノーで数万人を解雇した。雇用と業界をめちゃくちゃにしておきながら、ルノーをクビになった従業員のように労働裁判所へ行こうとしている」と指摘し、「彼は人を見下す金持ちだ」と糾弾したのだそうだ。
 ゴーンは一九九九年日産最高経営責任者に就任すると、二万人を解雇し国内工場五つを閉鎖した。二〇〇九年リーマンショック直後には、派遣労働者や関連企業八〇〇〇人を解雇した。解雇された労働者は裁判に訴えた。裁判は七年もの長期にわたり最高裁で敗訴が確定した。その後、中労委でようやく二〇一九年和解した。
 その間に逮捕容疑の報酬水増しが行われている。ゴーンの利益は、「基本的な人権の原則に反する」日本司法によって守られ生み出されていたのだ。ゴーンは労働者に対して責任をとるべきであり、強欲な資本家の逃亡を許した日本司法当局の怠慢は許せない。
         (長沢)




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