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    かけはし2020年2月3日号

カジノなんかいらない


1.17

東京・江東区で学習集会

社会の分断・破壊と収奪やめろ

IR廃止法案成立させよう



 昨年末、カジノを中心とする総合型リゾート施設(IR)担当の内閣府副大臣だった衆院議員・秋元司が収賄罪で逮捕、起訴され、さらに少なくとも他にも有力議員を含む五人の議員に現金が渡っていることが報じられる中、政府は二〇二〇年代半ばに国内三カ所での開業を目指しているが、事件を受けてIR整備地域の選定基準を定めた基本方針の決定を先送りすることを決定。野党はIR廃止法案を提出した。「カジノ資本主義」を潰すときは今だ。攻勢を強めよう。


百害あって一利
なしのカジノ!
 一月一七日に「江東区にカジノはいらない」学習会が開かれた。講師は静岡大学教授の鳥畑与一さん(国際金融論)。最有力候補地となった青海地区のある江東区での開催ということもあり、会場の江東文化センター展示室いっぱいの一五七人が参加した。
 開会のあいさつは元日弁連会長で江東市民連合共同代表の宇都宮健児さん。
 「江東区の住民です。弁護士として多重債務者の救済業務をしてきた。バクチは法律で禁じられている、これを経済成長に使うとは政治の堕落の象徴だ。賭博による生活破綻、自殺などたくさんの問題を抱えている。世論調査でも七〇・六%が反対している」。
 「自民党の秋元司衆院議員が昨年一二月二五日に逮捕、三七〇万円相当のわいろ受け取った容疑。一月一四日にも三五〇万円相当の収賄で再逮捕された。秋元氏は安倍首相がトランプ大統領を訪問した直後の二〇一六年一二月に衆議院内閣委員長として統合型リゾート(Immoral Resort:略称IR)整備推進法案(カジノ法)の採決を強行した人物。二〇一七年八月には内閣府のIR担当副大臣に任命され、安倍政権の重要政策を進めてきた人物。他にも五人の国会議員に賄賂を渡したと中国企業が暴露している」。
 「トランプ大統領支持の企業ラスベガス・サンズ社も参入を狙っている。一八年の訪米で安倍首相はトランプ大統領から直接口利きをされている。東京都もカジノ誘致の調査研究を進めており、この江東区の青海地区が最有力候補だ。五輪後の経済衰退後の起爆剤と考えているのではないか。江東区、東京、横浜、どこにもカジノを作らせないために力を合わせよう」。
 続いて横浜からカジノ反対に取り組む港湾労組など二つの団体の連帯あいさつ。住民投票やリコールなど手法は違うがカジノ反対では一致しているので広く手を取り合ってカジノ計画を断念に追い込みたいと発言した。

家族や社会を
破壊に導くな
つづいて鳥畑与一教授の「東京都のIRカジノ構想とその危険性」と題する講演に移った。
鳥畑教授は二〇一四年にギャンブル多重債務問題に取り組む全国団体の結成での講演を機に、カジノ問題に本格的に取り組んだ。二〇一六年一一月にトランプ大統領当選で訪米した安倍首相の帰国直後に強行採決で通過したIR法に反対の立場から国会で参考人として発言してきた。
「この法律は刑法で禁じられているカジノの免許を独占的に与える利権そのもの。カジノ企業の狙いは大都市圏。本命は東京ベイエリア」。
「投資収益率二〇%が目標なので、カジノが必要になっている。利益は株主から政治家に流れる」。「利益はリピーター(依存症)となった客から巻き上げることで成り立っている。本来は地域で回すおカネが吸い取られてしまう」。「家族みんなで楽しめる統合リゾートというが、実際には家族みんながギャンブル依存症になる」など問題の本質を丁寧な資料をつかって解説した。(講演要旨次号)

世論調査でも
カジノは不要
講演の次に、今年の江東区の成人式でシール投票形式でアンケートをとった活動が紹介され、回答者の五割がカジノは不要、三割が必要と答えた。カジノのような危険な政策を「現状打破」と捉えかねない憂慮するべき傾向があることが報告された。
江東区議会の中村まさ子区議(市民の声・江東)、おおつきかおり区議(共産党)、赤羽目たみお区議(同)、中央区議会のおぐり智恵子区議(同)の参加が紹介され、東京都議会議員の畔上三和子都議(共産党)からの報告を受けた。
「自民党議員に秋元議員のことをきくと『彼は自民党やめたからね』という返事が返ってくる。安倍政権のIR担当副大臣であり、関係ないわけない」。「『しんぶん赤旗』の記事で明らかにされた資料だけではない。まだ開示されていない資料がたくさんある。情報開示したら七二種類の資料が山のように積み上げられた。東京都はカジノに前のめりだ」。
「知事は記者会見で『調査を踏まえたうえで、国の動向やタイミングがある』と発言している。手を挙げるタイミングを狙っているととられかねない発言だ」。 「開示資料から明らかになったのは、一七年、一八年に調査委託会社と都との議事録があり、委託を受けたトーマツは『IRの経済効果は小さい』と記載したが、『起爆剤と書け』と都が働きかけたことが明らかになっている」。「ギャンブル依存症対策の調査報告書の開示資料は真っ黒の墨塗り。国から自治体への意向調査の回答には『検討している』という箇所だけを公開した。小池知事はカジノへの賛否をあいまいにしているが、七月の知事選ではカジノを推薦する知事はいらない、という声を大きく上げていこう」。
最後に、共催団体の江東区政を考える会、市民と政治をつなぐ江東市民連合、臨海部開発問題を考える都民連絡会から区内での署名活動や陳情、街頭アピールなどの行動提起、カンパアピールがおこなわれた。
(G)

秋田

イージス・アショア基地をつくるな

さらに拡大する反対の声

日本のどこにもいらない!


 【秋田】穂積秋田市長は一月一〇日の定例記者会見で、イージス・アショアの陸上自衛隊新屋演習場への配備について「市としては現時点では容認出来ない」と述べ、これまでより一歩踏み込んだものとなった。
 これは防衛省が昨年一二月に山口県むつみ演習場へのイージス配備計画において適地とした根拠となる住宅地からミサイル発射装置までの距離を「七〇〇m」確保できるとしたことを指摘し、新屋演習場は現状では「七〇〇m」は困難であるから除外されるというものである。
 さらに十分な距離を取るには県道の付け替え工事が必要となるが、その権限は県にあり、国としてクリアするのは難しくなるとしたものである。

防衛省の欺まん
は見え見えだ!
しかし、ここで触れておかねばならないことは防衛省の「七〇〇m」という数値のデタラメさである。
以前佐竹知事が周辺の安全確保について「七〇〇m〜一q」程度と発言したことをとらえての数字であることを防衛省は認めているのであるが、今回のむつみ演習場「適地」決定の理由とされたこの距離について佐竹知事は、昨年一二月二〇日の会見で不快感を表明し、「七〇〇m」は施設の襲撃に使用されるロケットランチャーの射程であり、警備上必要な数字としてあげたものと説明し、「住宅とミサイル施設の距離」の基準ではないと反発したのである。

県当局は「裏取
引き」やめろ
一月一一日地元新聞「秋田さきがけ」は佐竹知事が安全対策のため新屋演習場周辺に立地している秋田商業高校や勝平小・中学校などの敷地購入を国に求めたとし、これについて佐竹知事は一月六日の会見で「学校などの敷地を買い取ってもらい、隊員の官舎を造って一定の緩衝地帯とした。爆風を防ぐ土塁を設けることなどを求めた」と説明。しかし防衛省が県側のこの要望を拒否したことを明らかにした。
これに対し穂積秋田市長は「県とそういう交渉はしていない。びっくりした」としながらもイージス・アショア配備について新屋勝平地区は適地ではないと改めて表明した。
こうした県単独の水面下の「裏取り引き」交渉に対して、新屋勝平地区町内会で組織する振興会の佐藤事務局長は強く反発し「やり取りの時期はわからないが地元が配備に反対しているのを無視し、なぜ県が国に対してそういう提案をしたのかわからない」と抗議の見解を表明したのである。こうした県の動きを絶対に許すことは出来ない。

再調査結果待ち
を許さないぞ!
穂積秋田市長はイージス・アショア配備の最終可否判断は防衛省の再調査結果の検討も必要として、今春四月以降の防衛省の報告後になることを示唆した。
一方、佐竹秋田県知事は一月六日の定例会見で、受け入れの可否について「夏頃までは出す必要がある」と表明した。
防衛省の再調査(秋田県内能代市一カ所、由利本荘市四カ所、にかほ市三カ所、男鹿市一カ所計九地点の国有地で実施し、その結果を新屋と比較して「適地」の判断を下すというもの)の説明が五月頃には予想されることを前提としたものである。
このように佐竹知事と穂積秋田市長は最終受け入れの可否についてそろって防衛省の顔色をうかがい、最長の結果報告待ちを決めこみ、地元新屋勝平地区住民をはじめとした平和を希求する県民の意志に反し、県内のイージス反対運動に冷や水を浴びせ続けているのである。

県内 自治体
で反対決議!
こうした佐竹知事と穂積市長の動向の背景には、住宅密集地に最も近い新屋演習場は「適地」ではないという地元新屋勝平地区振興会を中心とするねばり強い反対運動があり、さらには昨年七月の参院選において、自民現職を破った寺田選挙によってイージス・アショア反対の声が次第に県民に浸透していくこととなった結果である。
昨年一二月二〇日、自民党若手県市町議員で構成される秋田県連青年局は一九人全員が全会一致で「新屋は適地」とは言えないと決議したことが明らかとなった。
さらに昨年一二月二〇日までに九月定例会議においてイージス・アショアを秋田市に配備することに反対する決議の採択数がこれまで一〇市町村だったのが、県内二五市町村のうち一七市町村(不採択三、継続審査五)に拡大しているのである。

どうなる?
今後の動向
こうした県内自治体の反対決議の拡大とは裏腹に、秋田県議会多数派の自民・公明などの保守派は昨年一二月二〇日に、さらに一二月一八日には秋田市議会でも(議長や欠席議員を除く三五人のうち賛成一九、反対一六)いずれも三度目の継続審査と決定された。
今後、県・市議会ともに二月定例議会が開催される。県と市は防衛省の調査結果の報告を待つとして四度目の継続審査に持ち込もうとするだろう。この引き延ばし策動を許してはならない。
現在、昨年一〇月末に結成された地上イージス・アショアミサイル基地の新屋配備計画に反対する一〇万人署名運動が展開されている。推進母体の「署名スタートの会」では、「県民の反応はいい」として二月定例市・県議会に向けて集約し、これを両議会に請願として突きつけていくこととしている。

日本のどこにも
いらない運動へ
秋田県知事と秋田市長は新屋は住民の理解が難しいとして、一月中に河野防衛相への申し入れを申請しているとし、この中で記者からの「新屋以外の県内候補地」が選定される可能性を指摘されたが、その可否については明言を避けた。今後この問題にも大きな注目を払っていく必要がある。
「新屋」へのイージス・アショア反対運動を、日本の「どこにも」いらない運動に飛躍させていくことが求められている。  (H)

新型肺炎の感染拡大

すべての人に
医療を、食事を、住まいを!

 コロナウイルスによる新型肺炎の感染が拡大している。今後どの程度感染が拡大するのか予断を許さない状態だ。しかし現時点ではっきり言えることがある。日本において、そして中国でもこの新型肺炎に対する決定打は新薬などではない。すべての人に良質な医療サービスへのアクセスを保証すること。すべての人に、栄養ある食事、そして住まいを確保すること。つまり公共サービスを充実させること。これこそが新型肺炎に対する決定打である。
 人類と感染症の闘いを振り返ってみればこれは自明のことである。例えば過去には死をもたらす病として恐れられた結核が克服されたのは抗結核薬のためだけではない。栄養状態の改善による体力の向上こそが結核を克服したのである。そもそも結核菌に曝露しても健康体であれば発病することはない。先進資本主義国であるヨーロッパ列強に比べて、後進帝国主義国であった日本が結核を第二次世界戦後も克服できなかったのは貧しさのせいである。

医療へのアク
セス保障を!
格差社会は新規感染症や「自然」災害に脆弱な社会である。今回の新型肺炎に対する特効薬があったとしてもすべての人に保険証がなければ治療を受けることができない。したがってすべての人に医療へのアクセスを保証することが必要である。しかし最も必要なのは感染しないことである。感染予防の基本は手を洗うこと。しかし清潔な水にアクセスできない、例えばホームレスの人に手を差し伸べないで感染を封じ込めることはできない。
また長時間労働を強制される、一日休むことが解雇や収入減に直結するような劣悪な労働条件が放置されていれば、体調不良にもかかわらず出勤を強制され感染を拡大するリスクとなる。新規感染症のリスクを前にしても、あくまでも健康リスクは自己責任ではない。社会の責任である。学費と生活費を稼ぐために睡眠時間を削って外国人旅行者が多く集まる歌舞伎町の居酒屋でバイトをする学生の感染リスクは、「上流階級」の子どもの感染リスクと決して同じではない。
中国は武漢を封鎖したとニュースが報じている。最悪の対策である。すべての人に医療へのアクセスを保証せずに強権的な封じ込めによって感染症に勝利することはできない。十分な情報公開をせず、感染者に負の烙印を押すような隔離政策は差別による被害をもたらし、感染者が医療機関を受診することをためらわせることに繋がり、逆に感染を拡大しかねない。これは日本のハンセン病への隔離政策の失敗によって証明されている。
新型肺炎の国内での感染拡大は時間の問題である。政府・自治体はすべての住民に医療へのアクセスを保証すること、具体的には自ら新型肺炎の感染を疑い受診する住民の医療費を無償にすること。そして新型肺炎での休業補償を行うこと。感染拡大に対する正確な情報公開を行うこと、マスクや手指消毒薬を無償で配布すること。ホームレスに対して住居を提供することなどが早急に求められている。
格差を解消する取り組み抜きに感染症に勝利することはできない。(矢野 薫)

 




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