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    かけはし2020年2月3日号

労働改悪阻止決意


1・18 民主労総、新年最初の決意大会


 民主労総が2020年闘争を通じて、政権の反労働政策を止めて、社会の両極化解消を獲得すると宣言した。1月18日午後、ソウル都心で開かれた「ムン・ジュンウォン烈士真相究明の責任者処罰労働改悪糾弾、民主労総総決起大会」に出席した民主労総の組合員らは政府の長時間労働を強いる政策、財閥寄りの政策などを強く糾弾し、2020年さらに強力な労働改悪阻止闘争を行うと決意した。

ムン騎手の死
の真相究明を
決議大会では特に、馬事会の不正を告発し、自ら命を絶ったムン・ジュンウォン騎手の死の真相を究明し、責任者を処罰すべきだという声がめだった。民主労総中央執行委員会は1月8日、釜山競馬公園で働いていた故ムン・ジュンウォン騎手の死亡を契機に触発された公共機関の労働弾圧と不正に対応する全組織的闘争を決議している。
ムン・ジュンウォン騎手は「先進競馬」という名目で続く外注化と無理な競争体制の導入、射幸性に頼った競馬システムが強要される不条理を告発し、自ら命を絶った。2017年以後、釜山競馬公園だけで4人の労働者が自ら命を絶った。
こうした死の原因として「先進競馬」システムが俎上に載っているが、当の馬事会は先進競馬廃棄要求を受け入れる意思はないという立場を示している。

外注化・非正規
職問題の解決を
決議大会の参加者たちは、公共機関である馬事会でさえ労働者が死んでいく現実を指摘し、現政権の労働政策に根本的な問題があると主張した。参加者たちは「雇用労働部長官がむしろ労働者を死に追いやっている」とし、李載甲(イ・ジェガプ)雇用労働部長官の退陣を促した。
公共運輸労組のチェ・ジュンシク委員長は、「ムン・ジュンウォン騎手の死が再び大韓民国に質問を投げかけているのだ」とし、「韓国社会が死の外注化の問題、非正規職の問題をどう解決するのか、公共機関をどのように運営するのかについて問いを投げかけている」と述べた。
チェ・ジュンシク委員長は「安全社会」を最優先の国政課題として提示した文在寅(ムン・ジェイン)政府に対する批判も続けた。チェ委員長は「文在寅大統領は『安全を最優先価値にしたい』、『労災事故率を半分に減らす』という言葉だけを口にしたが、労働者たちは死に追い込まれている」と指摘し、「労働者が死なず、働く権利を保障することが安全な大韓民国になること」だと皮肉った。
キム・ミョンファン民主労総委員長は、政府の労働政策に根本的な問題を提起した。キム委員長は、「労働尊重」を掲げた政府が先ず「模範的使用者」にならなければならないと主張した。キム委員長は、「最近、労働者の犠牲が続いている韓国馬事会、韓国道路公社、嶺南大医療院いずれも政府の管理と監督が必要な公共機関だ」とし、「労働尊重の現場にすべきところを、むしろ政府が乗り出して労働改悪をしている」と批判した。

ムン騎手の遺族たちも参加共に闘う
一方、決議大会にはムン・ジュンウォン騎手の遺族たちも参加し、民主労総とともに「ムン・ジュンウォン騎手の死の真相を究明し、責任者を処罰する闘争を共にする」という意志を明らかにした。
ムン・ジュンウォン騎手の夫人であるオ・ウンジュさんは、「馬事会と交渉を始めたが、緩むことなく緊張の紐を緩めず、馬事会の図々しさをくじく」と意気込みを語った。オ・ウンジュさんは続いて「世の中が汚くてずるくて先が見えない人々がこれ以上最後の選択をしないように力を貸したい」とし「労働者が安全な所で安全に働く生きがいのある国になってほしい」と語った。
決議大会を終えた参加者たちは空の棺を持ち大統領府方向に行進し、真相究明と責任者処罰、労働改悪阻止を叫んだ。
(「労働と世界」より)

社会主義が必要だった瞬間


イ・ジュヨン 機関紙委員長



 今、私たちの社会に命を削る圧迫がますます強まる時代が始まっている。資本家と政府が、市民一人一人を尊重する社会ではなく、産業の支配を拡大し、資本の集積を目指すことを第一とする社会に回帰しつつある。これは、社会の亀裂を強め、環境破壊と労働過程での過労死、そして戦争を提起する。これを推進する政府と資本家勢力を止めるためには、彼らのめざす社会と別な社会を改めて提起しなければならない。それは、民衆に、分断と犠牲を強要する社会ではない。――社会主義社会。その旗を掲げ、命を削る圧迫を取り除くために団結することを考える時が始まっている。(「かけはし」編集部)

 2019年にも資本主義の弊害は、場所を選ばずあちこちで露呈した。 ある者に苦痛と挫折、怒りを誘い、ある者には死まで強要した。しかし、「社会主義」という言葉は、依然として保守・右翼の占有物として残っているようだ。実態生計費にも満たない最低賃金の引き上げでさえ、彼らは「社会主義」と叫び、非難している。
 それなら、堂々と「社会主義がどうだから?」と言う時ではないだろうか。 2019年、現実に幻滅を感じた瞬間はまさに社会主義が必要な瞬間でもあった。

死なないために

 今年の第一の話題は、青年非正規職のキム・ヨンギュンの死だった。労働者は危険を知りながら「死の職場」に追い込まれ、公企業の重層的な下請けと委託で民営化が公共部門を食い荒らした。
社会主義なら違った。社会主義では労働者が直接作業過程と環境を統制する権限を持つ。死んだりけがをしたりしかねない危険な工程には、そもそも人の代わりに機械やロボットを投入して労働者の安全を確保するのと同時に労働時間を減らし、それが不可能な場合でも故キム・ヨンギュンのように一寸先も見えない空間に一人で入って作業しないように十分な人員を雇用する。
また、社会主義において主要企業は国家や社会が所有し、雇用も国家と社会が直接責任を負う。エネルギー生産と供給を担当する発電所のように公共性の強い領域は言うまでもない。ここに民営化が割り込むところはない。
文在寅(ムン・ジェイン)政府の下で依然として1日に5人のキム・ヨンギュンが命を失うが、社会主義で労働者らは自ら死を防ぐ力と体制を持つようになる。

私立幼稚園事態

 新学期が始まった3月には、保護者らが首根っこを抑えられるようなことが起こった。私立幼稚園が「会計を透明に管理せよ」という政府の方針さえ拒否し、開園延期で対抗したためだ。
これは世論の反発で1日だけで終わったが、これらの抵抗の前に「幼稚園3法」はまだ国会にとどまっている。
社会主義では、もはや親たちが戦々恐々とする必要がない。 国家と社会が徹底的に保育を担当するからだ。すべての幼稚園と保育所を国公立に直営化する一方、職場内や近隣にも公共保育・教育施設を完備し、教師の人材を拡充し、今のように「並んで待機番号を待つ」ことなく、誰でも安心して子どもを預けられるシステムを整える。
すでに今も保育は国費と親たちの費用支出で充てられている。その金で民間事業者の懐を満たすのか、それとも皆が信頼する公共保育体系を作るのかが、まさに資本主義と社会主義の根本的な違いだ。

住宅価格、「安定する」といっても高い

 今夏からは住宅価格が再び急騰し、政府が「分譲価格上限制」を取り上げることで、不動産投機を抑えるという、昨年に続く対策を発表した。しかし、規制後も住宅価格は青年や平凡な労働者には夢を見ることもできないほどの金額だ。
社会主義では、国家と社会の責任ですべての人に安定的な住居を供給する。古びて奥まった家ではなく、実際に人々が必要とする場所に十分な生活空間を確保した良質の公共住宅を建設し、管理費水準の低い賃貸料で永久に賃貸する。居住したい間は安価な費用でいくらでも滞在できる。
社会主義では、住宅は「住むこと」ではなく、「住む場所」だ。手に負えない高い金額を支払ってこそ安定的な居住地を確保することができ、他人からそれに相当する金額を回収し、再びその住宅を販売する悪循環はなくなる。

支配者たちの素顔

 9月からはチョグク事態が全国を揺さぶった。 チョグク事態は自由主義者たちの「検察改革」攻勢とあいまって、2つの争点を提起した。「高級公職者」に対する統制と教育を通した特権世襲の問題だ。
自由主義者は「検察改革」で局面を突破しようとしたが、実際彼らが提起した「改革」の中身は権力機関の間の権限分配だった。社会主義では今のように特権を享受する「高級公職者」そのものが存在しない。
すべての公務員を選出で選ぶことはできないが、行政であれ司法であれ、責任の大きい職責は民衆が直接選出し、いつでもリコールできるようにすることで、民主的な統制体制を作る。同時に彼らには労働者の平均水準の報酬が支給されるだけで、何の恩恵もない。
一方、チョグク子女入試問題に端を発した教育不平等についても、社会主義は答えを持っている。なぜ良質の教育を「特定の少数」だけが享受しなければならないのか?
教育に対する大幅な公共投資拡大により、学生数に対応できるように教員数を増やし、多様な基礎・専門教育プログラムを備える一方、私立学校中心の大学体制を国公立に切り替え、序列をなくして希望する誰でもが、レベルの高い高等教育の恩恵を享受できるように保障する。
資本主義における「試験を通じた公正性」は出発から不公正だが、社会主義は「みんなのためのレベルの高い平等」が実現できるよう、実際の基盤を構築する。
社会主義は大げさでありながら、大げさではない。 資本主義の日常を生きながら、私たちは大小の不満を感じる。社会主義はその不満の現実をどのように変えるかについての悩みから始まる。
2020年にも韓国の生活のいたるところで、社会主義は、ますます必要になるだろう。もはや保守・右翼ではなく、社会主義を必要とする私たちがその名を唱えることを望む。
(社会変革労働者党「変革と政治」第98号より)

朝鮮半島通信

▲朝鮮中央テレビは1月21日夜、中国の新型コロナウイルスに関して、朝鮮当局が防疫対策を全国家的な事業として展開していると報道した。また朝鮮当局は22日までに、新型コロナウイルスに対する予防措置として、中国からの観光客の受け入れを停止した。
▲韓国国防省は1月21日、中東海域を航行する韓国の民間船舶などの安全確保のため、ホルムズ海峡周辺に海軍部隊を派遣すると発表した。
▲韓国陸軍は1月22日、休暇中に海外で男性から女性への性別適合手術を受け、女性として軍服務を続ける意思を示した下士官について、除隊させる決定を下した。
▲韓国自動車産業協会は1月22日、2019年の日本車の国内販売台数が前年比で22・0%減少したと発表した。
▲李洛淵前首相は1月23日、今年4月15に実施される国会議員選挙に鍾路区から出馬する意思を表明した。
▲韓国の外交部は1月23日、中国の武漢市について、旅行の自粛を求めるレベル2の「黄色警報」を発令した。また武漢市を除く湖北省には最もレベルが低い「藍色警報」を発令した。
▲韓国保健福祉省は1月24日、50代の韓国人男性が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。韓国での新型コロナウイルスの感染確認は、20日に判明した30代の中国人女性に続き2例目。

コラム

いなごの佃煮と大相撲

 今年も一月一二日から大相撲の初場所が始まった。数年前、知人が十両に昇進した教え子に招待されて国技館に出掛けて行った。その夜、彼は大きな土産袋を持って帰ってきた。袋にはタオルやお菓子、他に箱に詰められた焼鳥やかまぼこ、卵焼きや佃煮が入っていた。
 彼は佃煮の中にあったいなご”は食べられないと言って、居酒屋で皿を借り、唯一食べたことがあった私の前に置いた。そのいなごの佃煮を食べて驚いたのは、その佃煮は今まで食べたどのいなごよりもうまかったことであった。特にびっくりしたのは、いなごやバッタに特有の長く固い後足が取られ、体を包んでいる歯ざわりの悪い羽根がきれいに取り除かれていた。それ以来、私の中では大相撲の初場所といなごの佃煮は連想ゲームのように完全にワンセット。
 今から半世紀以上も前の話になるが、私が小学生の頃には、春には田植え休暇、秋には稲刈休暇があり、自分の家や親戚の家でも稲刈の手伝いがない者は、学校に集められ中節をくり抜いた竹筒を腰に差し、いなごを入れる綱袋を背負い、五人一組で田んぼにいなご獲りに行かされた。校庭にはドラム缶でお湯が沸かされ、昼と午後の二回獲ってきたいなごは、そのドラム缶に放り込んだ。ゆであがる頃、町の佃煮屋さんが来て運んで行った。
 そして三学期の始業式で、壇上から校長先生が「図書館に本〇〇冊、体育館に新しいマット〇〇枚、いなごの代金で購入しました」と発表した。稲刈休暇の時には結構恥ずかしい「いなご獲り部隊」もこの日ばかりは胸が張れた。
 こんなふうであったから当時どの家の食卓にもいなごの佃煮は並び、何の違和感もなく食べていた。私の昆虫食の始まりはいなごであるが、私自身いろんな昆虫を食べることにほとんどちゅうちょがないということを知ったのは登山で長野県に行くようになってからだ。桜で名高い「信州・高遠」は、南アルプス北部の山々に登る時、必ず経由する。その時私はバス停近くにあるそば屋に入り、地酒と「いなご、蜂の子、ザザ虫(イワナなどを釣る時にエサにする川虫の名称)の盛り合わせを注文した。値段が高いのはザザ虫で、蜂の子はさなぎからすでに蜂の形をしたものまでいろいろ混じっていた。
 国連の発表では現在地球上の人口は七七億人で、二〇五〇年には九七億人に達するという。この予想される食糧危機への対応策として国連食糧農業機関(FAO)は、昆虫に注目すべきだという報告を出している。昆虫食は家畜に比べ飼料、水など大地のどの点でも少なくて済み、栄養面でも環境面でもメリットがあるという。すでに東南アジアではコオロギを養殖し、昆虫食にする取り組みが始まっている。アリをフライパンで煎って食べることが試みられているという。二〇五〇年に向け、昆虫食はいかがかな!
(武)


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