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    かけはし2020年3月9日号

終わりにしよう天皇制


2.23

「おわてんねっと」解散討論会

天皇のいない民主主義を語る

「代替わり」との闘い引き継ごう


一般参賀と中止の
意味どう捉える
 二月二三日、終わりにしよう天皇制!『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)は、ニュー新橋ビル・ホールで「おわてんねっと解散討論集会『天皇のいない民主主義を語ろう』」を行った。
 この日は、徳仁が「天皇」を引き継いで初めての誕生日だ。だが宮内庁は二月一七日、皇居で天皇賛美のための一般参賀へと民衆を動員しようとしたが、新型コロナウイルスの感染拡大による皇室一家、皇居と周辺の感染阻止を優先して早々と中止を発表した。
 中止に至る流れをみると、明らかに安倍政権は、水面下で宮内庁と謀議し、事前に「一般参賀中止で調整」などとマスコミにリークして、一般参賀中止による他の様々なイベント中止へと波及していくことも想定しながら諸反応をみたうえでの判断だと言える。結局、「令和初の天皇誕生日」として演出しようとしたが、天皇教のインチキ儀式、茶会へとつなげざるをえなかった。
 天皇徳仁は、赤坂御所で事前に準備された記者会見質問に対していくつかの重要な発言を行っている。基本的な姿勢は、明仁前天皇が天皇制と裕仁の戦争犯罪を棚上げにし、アジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、欺瞞的な「平和主義」天皇像をつくりあげていく手法を踏襲し、「社会の変化や時代の移り変わりに応じた形でそれに対応した務めを考え、行動していくことは大切なことであり、その時代の役割でもあると考えております」と述べ、一連の天皇「代替わり」プロセスにおいて安倍政権との共謀によって演じてきた任務の延長を続けていくことを表明した。
 さらに会見では天皇制強化に向けた男系天皇か、女系天皇かについての態度を示さなかったが、「秋篠宮とは、折りに触れ、いろいろな話をいたしますが、内容について言及することは控えたい」と述べ、皇室内で事前の打ち合わせを重ねていることも明らかにした。
 また徳仁は天皇制の役割として、ナショナリズムを煽る東京五輪の賛美、資本主義システムによる気候変動の覆い隠し、「水の民営化」を後景化させる「水」問題の取り組みなどを「披露」した。
 とりわけ家父長制と差別主義の天皇制の前提のうえで、(「様々な障害を持たれた方々やLGBTといった性的マイノリティーの人々が掲げる問題」について〈記者質問〉)「この世界にはいろいろな方がおられ、そういった多様性に対して、私たちは寛容の心を持って常に思ってきました」と述べ、天皇制の民衆統合機能をあらためて確認し日本帝国主義防衛のために貢献していくことを強調したのである。
 記者会見だけても徳仁の「新たな天皇」像の一端が浮き彫りになってくる。安倍政権との共犯関係を巧妙にレベルアップしていくことを狙った策動をゆるしてはならない。諸動向を掌握し、分析していくことを土台に天皇「代替わり」キャンペーンで作り出した反天皇制運動の到達地平を広げ、強化していこう。

民主主義のスタ
ートラインへ!
集会は、おわてんねっとの四人から問題提起が行われた。
桜井大子さんは、「民主主義的感性を剥奪する天皇制」をテーマに@なぜ日本社会には「民主化運動」と呼ばれる社会運動はないのだろうか A憲法第七条で規定する「国事行為」をどのように考えるか B天皇は「元首」か?――と問いかけた。
そのうえで「『元首』的存在を、われわれは選ぶことができないという事実。これを当たり前とする憲法が、天皇制が、民主主義的感性を一つ剥奪してしまっていると言えないか? 天皇制と民主主義は相入れない。このことを考えるための事例はありすぎるほどある。その一つ一つを丁寧に検証していくことで、天皇制が日本社会の非民主的なありようを真綿に包むようにしてわれわれに押しつけていること、実は民主化運動が起こってもおかしくない状況に私たちが生きていることを実感できるはずである」とアプローチした。
京極紀子さんは、「社会矛盾の隠ぺい:公的行為の問題性から 〈天皇〉象徴天皇制―国事行為の外側、公的行為にこそ意味がある」と設定し、明仁の「公的行為」ならびに「生前退位 『お言葉』」を取り上げ、小倉利丸(批評家)の論点である〈「国事行為以外の部分に天皇の象徴行為を考えている。憲法の外部にあって憲法を超越する役割。文化や伝統に内在する象徴権力の超越性」〉の側面について掘り下げていった。
つまり、「天皇制は、包摂と排除の性格を持っている。単なる王様ではない。カルト教としての天皇制、伝道者としての天皇、教祖を憲法の一章に据えている。民主主義とは、天皇制をなくして初めてスタートラインに立つということではないか」と述べ、今後の課題として確認した。

成果受け継いで
廃絶への闘いを
中村利也さんは、「旧植民地出身者にとつての戦後民主主義」というテーマから「戦後、日本政府は台湾人および朝鮮人の参政権を剥奪し、独立までは日本国籍保有者とみなした。しかし、外国人として登録・管理した。治安管理の対象であり、憲法の適用からも除外し、基本的人権を与えなかった。サンフランシスコ講和条約以降、国籍を剥奪した。このような諸策は、植民地支配への反省、清算をしないままの『戦後民主主義』を作り上げていった。同時に、多民族を排除したうえでの戦後国家の延長から移民も認めず、『単一民族国家』観を広げていった」とまとめた。
さらに、「『旧植民地』と天皇制」の観点から「朝鮮関係の慰霊碑を訪問しない天皇。天皇の韓国『訪問』、『謝罪』をどう見るか?」という課題について日常的な朝鮮人との交流を踏まえたうえでの問いかけについて問題提起した。
北野誉さんは、「戦後『国体』としてのアメリカ=象徴天皇制」について@戦後冷戦と日本の「復興」A裕仁の安全保障観B自衛隊海外派兵を支えてきた明仁の「平和=戦争」の犯罪性を批判し、「徳仁もその路線を踏襲している。一九年五月に天皇としての最初の国賓接受がトランプであったことから始まる。雅子を『復活』させ、皇室外交を暮れ広げた。つまり、安保の『高度化』を追認し、それにふさわしい天皇像を模索していくだろう。もちろん天皇制、安保をなくさなければ本当の民主主義を実現することはできない」と結論づけた。
最後に「おわてんねっと解散アピール」が提起され、「いよいよ『皇位継承者不足』を解消するための『女性・女系』議論が本格化するでしょう。『跡継ぎ問題』という天皇制最大のジレンマが大きく前景化する、これからが正念場です。天皇制の永続化をめざした動きには断固としてNO!の声を上げていきましよう」と参加者全体で当面する任務について意志一致した。(Y)

2.24

安倍改憲発議NO! 新署名スタート集会

改憲発議を絶対ストップ!

「日本国憲法の実現」を目標に

 【愛知】二月二四日、名古屋市の中区役所ホールで「安倍改憲ノー!改憲発議ストップ!新署名スタート集会」が行われ約三〇〇人の労働者市民が参加して成功した。主催は「安倍9条改憲NO!愛知市民アクション」で愛知の地で改憲阻止三〇〇〇万人署名に取り組んだ成果の上に立って安倍政権が改憲発議を行なおうとする情勢のもと、あらためて「改憲発議阻止」に目的をしぼった内容で新しい署名活動を開始するための集会として行われた。

「専守防衛」を
越える軍隊へ
司会者のあいさつで集会が始まり、呼びかけ人の天野鎮雄さんが開会のあいさつを行った後、東京新聞論説兼編集委員会の半田滋さんが「安保法制化の自衛隊〜踏み越える専守防衛〜」と題して講演を行った。半田さんは二〇一八年一二月一八日に国家安全保障会議の決定で閣議決定された「防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画」で初めて「国益を守る……」と表現したことを指摘し、憲法に基づく専守防衛から逸脱する様々な軍事兵器の購入をしようとしていることを批判した。その予算額は過去最高の二七兆四七〇〇億円だという。また防衛省はF35戦闘機を一〇五機購入するがその額は安く見積もっても一兆二〇〇〇億円であり、トランプ大統領を喜ばせ、アメリカのいいなりになっていることを批判した。

自衛隊が独自
の判断で行動
安全保障関連法で可能になった自衛隊の活動範囲が大きく拡大したことについて稲田が南スーダンPKOの日報の内容を「戦闘」から「衝突」と言い換えたり、国連見解の「国全体の治安は悪化しており・・」としているのに対し「比較的落ち着いている」とずさんな報告をしていることを批判した。このようなありかたで北朝鮮対策として自衛隊による米軍防護の任務が始まり、その内容は公表されるまで一年以上も経過してから一件のみ発表し、詳細は発表しなかった。半田さんは「特定秘密」だからではないかと指摘した。
また、合衆国軍隊等の部隊の武器等の防護の運用開始について、自衛隊法第95条の2では主語が政治家ではなく自衛官が独自の判断で集団的自衛権行使に踏み切ることができることを明らかにした。

「国民生活より
武器が大事!」
さらに安倍政権は米中対立が激しくなる中「自由で開かれたインド太平洋戦略」なるものを打ち出し、海上自衛隊はアメリカとインドによる共同訓練「マラバール」に毎年参加することになった。ここで海上自衛隊は空母型の護衛艦「いずも」を参加させ、中国の潜水艦を想定した対潜水艦戦の訓練を行ったと語り、「日本防衛」を踏み越えて対中国包囲網の一画を担うようになって「専守防衛」から安全保障関連法の施行によって他国軍との共同行動が地球規模に広がり実現したのがこの「マラバール」への参加であるとし、日本は米中対立に進んで巻き込まれる意思を示したと述べた。

自民党退陣・
安保条約破棄
安倍政権下の財政支出については増え続ける防衛費と購入するアメリカ製武器について明らかにした。教育に財政を使わず、そのために多くの若者が苦学せざるをえない状況を明らかにし、政府の財政は教育費の支出については固いのに武器購入となると一転して財政規律が緩み垂れ流しの状態となる。
「国民を守るための武器」という建前で「国民生活より武器が大事」という本末転倒した国が日本であると厳しく批判した。

各地域の仲間
から行動報告
最後に安倍改憲の狙いについて、野党が「国民投票で憲法に自衛隊を明記することが否決されたら自衛隊の違憲性が確定する」と指摘したのに対し安倍首相は「否定されても合憲で任務と権限は変わらない」と発言したことを紹介した。安倍首相の狙いは自衛隊を憲法に明記することによって違憲との批判が強い安全保障関連法を改定された憲法によって合憲とし、次の段階では自衛隊を「軍隊」つまり制限のない集団的自衛権行使と多国籍軍への参加に踏み切ることであると述べた。
そして憲法に自衛隊が明記されれば自衛隊の権限も強化されることになるだろうと述べた。半田さんは締めくくりとして「安倍退陣」だけでは自民党から別の人が出て同じだ。自民党を退陣させ安保条約を破棄しよう!と述べて講演を終了した。

新署名でさらに
大きな運動を
集会の後半は愛知県内で改憲阻止三〇〇〇万人署名に取り組んできた各団体からの報告が行われた。「安倍9条改憲に反対する西三河ネットワーク」の長谷川さんは二〇一五年に澤地久江さんが呼びかけた「アベ政治を許さない!全国統一行動」で安城市のイトーヨーカドー(スーパーマーケット)の前で安城地区労と西三河労連が共同行動を行うようになりネットワークを立ち上げたことを語り、署名を集めるうえでさまざまな困難にあいながらも労働運動の分野や若者がおかれている現状についても言及し、これからの活動についての思いを述べた。
さらに「守山区市民アクション」「一宮市民アクション」「高蔵寺ニュータウン9条の会」「安保関連法廃止―戦争させない瑞穂区の会」がそれぞれの活動報告を行った。
集会の最後に弁護士の中谷雄二さんが新署名の説明と今後の提案を行った。
中谷さんはまず「安倍政権は先の参議院選挙で改憲発議可能な三分の二の議席を失ってもなお二〇二一年九月の任期までに改憲を行う決意を語りました。『時が来たら解散総選挙』と発言し、そこで勝てば改憲に反対する野党を分断して三分の二以上の議員を確保し、あらゆる手段を使って改憲発議をするでしょう。この新しい段階に入り、総がかり行動実行委員会と全国市民アクション実行委員会は従来とりくんできた署名にかえて、あらためて改憲発議阻止に焦点を合わせた全国緊急署名運動への取り組みを決めました。この新署名を呼びかけ、大きな運動の発展をめざしましょう」と新署名の説明を行った。
そしてこれまでの署名活動の成果と問題点を詳細に語り、これからの取り組みへの参加を呼びかけた。そして半田さんの講演をうけて、いままで「憲法を守る」と主張してきたが「憲法を実現する」ということを目標にしましょう!と発言し集会は終了した。(越中)



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