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    かけはし2020年3月16日号

気候変動の元凶CO2排出を止めよ!


仙台PS石炭火力発電所の運転差し止め実現しよう

住民の疑問に答えぬ
対応に怒りがつのる

 【宮城】住民一二四人が「石炭火力発電所の運転差し止め」を求めて二〇一七年九月二七日仙台パワーステーション(以下仙台PS)を訴えた裁判は大詰めを迎えています。
 仙台港に建設された出力一一・二万kwの石炭火力発電所。環境アセス基準「11・25万kw」から五〇〇kw低い出力は、計画当初から「アセス逃れ」ではないかと言われてきた。仙台PSは、「アセス対象外」を理由に住民説明を拒んできたことにも明らかだ。
 石炭火力は地球温暖化の元凶CO2を大量に大気に放出し、PM二・五を始め大気汚染物質を地域社会にまき散らす。発電所周辺五キロ圏内には一五万人が生活し、小中学校を含む教育施設や幼稚園・保育園、多数の病院が立地している。
 発電所から僅か八〇〇m先の七北田川河口には、国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護区、県自然環境保全地域に指定されている「蒲生干潟」が拡がる浜辺だ。震災はこの干潟に壊滅的な打撃を与えたが、驚くべき早さで干潟と多種多様な生き物が増えていったそうです。市民の手によって五〇年に渡って蒲生干潟の自然環境を守ってきたこの地に、なぜ石炭火力発電所を建設するのか? 怒りしかない。
 住民が感じる健康・生活環境への影響や疑問に、何も答えない、無視を決め込む企業への怒りがこの裁判の原点だろう。建設区域は大震災で多くの住民が命を落とした所だ。津波浸水域を「災害危険区域」に指定し、半強制的に集団移転させて買い上げた土地を区画整理事業によって「工業・準工業地域」にした。格安で土地を提供し「国」「県」「市」の補助金で進出企業を優遇する仕組みだ。
 しかも、この計画は震災から僅か三カ月後の二〇一一年六月に出来上がっていたのだ。被災住民の辛苦をしり目に「土地の強奪」計画が練られていたと言える。現在、蒲生北部区画整理事業地内に建設中のバイオマス発電所(レノバ社)は、津波の犠牲者を弔う「なかの伝承の丘」に隣接した場所であり、その先には貴重な自然財産である「蒲生干潟」が拡がっている。新自由主義の「災害便乗型」モデルが「電力小売り全面自由化」に乗って被災地を跋扈しているのだ。

裁判の主要争点は三つ


 差し止め訴訟原告団は「@大気汚染による原告らへの健康被害 A温室効果ガスによる気候変動 B蒲生干潟の生物多様性が損なわれること」の三点を争点とし火力発電所の運転差し止めを求めている。
 仙台PSが稼働し年間約六七万tのCO2が仙台の空に排出されるが、「CO2排出量は電気を使った方に計算」となり首都圏に換算される。このため健康や生活への影響を直接受ける住民や、自治体のCO2削減計画が骨抜きになる危険性を持ち、発電事業者の責任を免罪する可能性があります。仙台PSの排出量を所帯数に換算すると一九・三万世帯分に相当(一般家庭は年間三・四九t/所帯)する。仙台市の所帯数五〇・三万世帯に当てはめれば各世帯のCO2排出量が一挙に三八・三%増える計算だ。これが「小規模石炭火力」と言われるものが住民に及ぼす驚くべき汚染の実態なのだ。「電力は首都圏に!利益は大阪に!汚染は仙台に!」と言う原告団のスローガンは本当に的を射た主張だ。
 なぜ宮城県に次々と発電所が進出するのか!いくつかの大きな理由がある。@補助金付きの安い土地A石炭や輸入バイオマス(木材等)等の陸揚げに必要な大きな港「仙台港、石巻港」に隣接B建設用地の一キロ圏内に住宅用地がないC工業用水の確保も容易D一大消費地首都圏への送電線の空きE西日本の事業者が周波数変換無しで発電し首都圏販売できる等が大きな企業メリットで「低い投資額で大きな利益」(FIT期間二〇年で短期的な利益)を見込めるからだ。原告が求めることの根底に流れるものは「平穏に生活する」権利を奪うことは許さないということだ。

公害裁判史上初!
被告会社社長が法廷で証人尋問!

 二月五日の裁判では原告側証人三人の本人尋問が行われた。三人の原告側証人は、仙台PS稼働後の健康被害の不安、生活環境の変化について証言しました。二人の女性からは、操業前に感じたことのない匂い(石炭燃焼で発生する独特な臭気)や、ベランダ・窓の煤の汚れ、咳や痰などが多く出る身体の変化について証言があった。もう一人の証人はデータをもとに「稼働後、周辺地域で大気汚染物質濃度が高くなった」と指摘し「地元にはリスクのみが押し付けられている。命と健康にかかわる問題であり早急に撤退すべき」と訴えた。
一七日には、被告仙台PSの砥山社長の本人尋問が行われた。当日は、法廷に入れきれないほどの傍聴人が駆け付け、被告仙台PS社長の証言に大きな注目が集まるなか開廷した。淡々と自説を主張した被告側主尋問が終わり原告側質問に入ると姿勢が一変し「敵意」を感じる発言になった。
「石炭火力をやめて別な選択はなかったのか?」には「この会社は石炭火力発電所を設置する目的で作った会社」であり「石炭火力を止める余地は一切ない」と主張。続いて「発電所建設で地域住民のメリットはあるのか?」の質問には「地域住民のメリットがあるか否かは考えたことがない」とし「仙台に火力発電所を作る目的の会社なので、(会社内部で)そんな議論は起きない」と平然と答えた。
この発言に傍聴席は騒めき怒りが法廷内に充満した。住民説明を求める声を無視し着工・稼働させたのは傲慢な「企業の論理」が横たわっている。一七年に住民の反発と仙台市が「石炭火力発電所の立地自粛を強く求める」という指針策定の動きに「止む無く」開催した住民説明会は、参加した住民約五〇〇人の怒りの声が支配した。にもかかわらず試験から本格操業へ強引に進めた被告企業は、石炭燃焼による「健康被害」への影響と不安の訴えに「具体的な危険性があるとは考えていない」と主張しているのだ。
被告会社仙台PSは「石炭火力発電」が地球温暖化の元凶として国際的非難の中にあるという現状認識を欠如し「なんでわが社だけが訴えられるのだ」との「逆恨み」が原告に対する「敵意」となっているように見える。地域住民が日々煙突からの煙を見、匂いを感じ、健康への不安、環境への影響、変わりゆく自然環境への懸念に応えない被告企業への地域住民の不信と怒りは、被告企業が自ら招いたことだ。

3・31結審裁判の傍聴を!
仙台地裁=PM4時開廷


二年有余にわたる裁判も結審の日を迎える。気候変動、海水温上昇による北極・南極の氷河の流失による海面上昇への影響、巨大台風や大雨・洪水大規模災害が頻発している。気候変動・地球温暖化をくい止めるための行動が呼びかけられている。約四万八千筆の署名と市民の声に支えられた「石炭火力発電所の運転差し止め!」は気候変動対策に後ろ向きなこの国の「エネルギー政策の転換」に繋がっていく。東京湾岸での市原、蘇我、袖ケ浦の三カ所の石炭火力が反対運動で計画中止(予測CO2排出量年約二五〇〇万t)に追い込まれ、横須賀では住民訴訟が始まっている。安倍政権が推進する「石炭火力建設計画」は、脱石炭の国際世論を背景にした反対運動と、企業・商社等の推進勢力のせめぎ合いになっている。いよいよ「仙台PSの運転差し止め」請求の裁判も結審を迎えます。三月三一日仙台地裁の結審裁判を傍聴しよう!
(朝田)

2.29

「オリンピックどこでねぇ!」

「復興五輪」のウソに抗議

偽りのセレモニーを許すな


 【いわき】二〇一一年三月一一日から九年、三月一日発行の地方紙(福島民友)の記事は「復興へ節目の三月」として、常磐線全線再開と帰還困難区域の一部の避難指示先行解除を報じている。
 しかし、福島原発過酷事故が奪った地域の環境への影響は何ら取り戻すことはできていない。そしてまた事故が蝕んだ住民の身体への被害は隠されている。
 過酷事故を発生させた本体福島第一原発について、政府は廃炉措置の前進を印象づけるための宣伝を繰り返している。しかし事態の深刻さは覆い隠すことは不可能である。廃炉措置の中心課題であるデブリの取り出しは、全体の姿を捉えることが未だにできず当然にも工法を定めることもできていないのが現状である。
 そうした現状にありながら政府、県は住民に帰還を強制し、住民相互の分断を強いている。三月に予定されている帰還困難区域の一部の避難指示を解除する措置等の一切を印象操作と言わなければならない。
 それはまた住民に分断を強制し、そこから発生する被害の一切を住民に負わせる措置に他ならない。放射線の安全基準の改悪(1_から20_)、自主避難住民への報復措置(家賃の2倍請求)はその典型に他ならない。また、昨年に発生した台風一九号により多くの家屋が浸水被害に会い住民は自宅に帰れない、再建の見通しが立たない等の状態に陥っている。
 もともと原発事故の現状を隠蔽する、安倍首相の原発事故アンダーコントロールから始まった東京オリンピックに、復興の順調な進展をアピールする目的が加わった。そうした風潮に加わる目的のもとに三月二六日に実行されているオリンピック聖火リレーに伴うセレモニーが挙行されようとしている。
 
Jビレッジ周辺
で怒りの訴え! 
 去る二月一三日「福島原発被害者団体連絡会」「脱原発福島ネットワーク」は共同記者会見を行い「これでいいの!原発事故とオリンピック」とする共同声明を発表した。
 声明は、福島は原子力災害下にあり「オリンピックどころではない」、安倍首相は「原発事故はアンダーコントロール」発言をしたが原発事故は収束していない、廃炉の目途は立っていない、政府の進める放射能汚染土再利用は被害を全国に拡散するもの。子どもの甲状腺ガン等健康問題が人々を脅かしていると福島の現状を訴えた。
 そして国・県がオリンピック開催決定後に策定した「復興加速化指針」「復興ビジョン」により帰還困難区域の避難指示を解除し、当該地域の住民に対しての、住宅提供、賠償等の打ち切り攻撃計画、及び自主避難者に対する「家賃の二倍請求」等も併せて訴えている。
 そして「偽りの復興」は認められない、スポーツを道具として使い、世界のアスリートをだますような「復興五輪」を認めない国も福島県も、「復興五輪」ではなく、「被害者の復興に力を注ぐべき」としている。
 「福島原発事故被害者団体連絡会」=被団連(略称)の呼びかけによる「福島はオリンピックどこでねぇ!」アクション、「だれのせいかリレー」が、二月二九日一一時から福島福島県楢葉町「Jビレッジ」周辺で行われた。
 アクションには被団連の武藤類子さん、「脱原発ネットワーク」の佐藤和良さん、自主避難者、双葉郡から、南相馬二〇_訴訟の会有志、浪江町からの避難者、そして遠くは大阪から等、県内・外から五〇人が参加した。
 自主避難者は、毎月、家賃一五万の請求書が届く(自主避難者)、と国、県の過酷な仕打ちに晒されている窮状を訴え、二〇_訴訟を行っている避難者は避難基準の不当性を訴えた。
 避難者の窮状を見逃してはならない。住民に分断し苦難に陥れる一切の措置を許してはならない。国は帰還基準二〇_を撤回せよ。金は被災者に。偽りの復興セレモニー反対。真の復興を。      (浜西)

読者から

京都市長選について2つの質問
 東京の選挙に生かすために

 2606号の京都市長選挙の報告、興味深く読まさせていただきました。
 私は東京の板橋区(自民党の下村博文の選挙区)でいろいろな活動をしていますが、京都の政治事情があまりわかりませんので、次の二点についてもう少し報告してもらったほうが良かったと思います。
 一点は立憲民主党京都府連、国民民主党京都府連、社民党大阪府連がなぜ門川推薦になったのか。そこにはどのような政治的事情や攻防があったのか。また福山候補を推薦するにあたっての攻防等もう少し報告があったら良かったと思います。
 二点目は「大切な京都に共産党の市長はNO」の新聞広告の後の京都市民の状況等の変化があったのかなかったのか、またその広告に対する前の三党の状況はどうだったのか。
 私が取り寄せることのできる新聞でいろいろ読みましたが、以上の二点がよくわかりませんし、今後板橋での次回の選挙に向けて闘いの中で、ぜひ知っておきたいことなので、また私以外の「かけはし」読者も知りたいのではないかと思います。      (B)



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