もどる

    かけはし2020年3月23日号

社会主義運動をめぐる情勢と課題


企画1「変革政治」 100号記念情勢対談:相異なる社会主義者、一堂に集まる(2)

いま韓国でも着手してみよう!

チェ・ヨンイク:最近、民主労総が第1労総の地位に上がったが、まさに非正規職労働者が民主労総のドアを叩いたからだ。このような流れが労働者運動、さらに社会主義運動のエネルギーになる必要がある。何よりも労働者階級全体で共通理解できることで闘争を進めなければならない。まだ未組織非正規職労働者の理解まで代弁する拡張された団結が十分に成立していると見るには難しく、そのような団結のために進まなければならない。例えば、最低賃金の問題で中小・零細事業場で解雇が発生することを防ぐために解雇禁止法を要求するとかだ。
 正規職と非正規職運動が接続されていないという問題もある。例えば韓国GMで非正規職が解雇されたのに正規職はそれを傍観したりする問題だ。このような時、私たち社会主義者は、例えば没収、国有化などを要求しながら、「なぜ国家は公的資金を財閥のために注ぎながら、労働者のためには使用しないのか?」と問題を提起して階級の団結闘争を現実化する代案を提起することができないのだろうか。

ヒョン・リン:今、労働運動全般を振り返ってみると、過去と比較して、労働の条件と労働者主体、労働運動の主体が変わったと思う。例えば、80年代には、学生運動出身者が労働現場に多く入り、理念の座標を提示することもあった。ところが、今は大学生がアルバイト労働者の当事者だ。私たちの課題も、このような現実を考慮しなければならない。
例えば、私は芸術の労働者であるが、フリーランスと呼ばれる。韓国社会では、自営業者あるいは社長と見ることもある。ところが、芸術の領域にも正規職が必要な分野が相当ある。あるいは、最近のプラットフォーム労働のように労働者を「社長」にする流れが加速している。
このような状況で、過去のような労働運動について少し前向きに考えなければならない。特殊雇用労働者やフリーランスと呼ばれる労働者、これらが主体にならなければならない。ところが、彼らの組織化が難しい。この課題を解決するには、既存の労働運動の組織方法ではなく、市民社会のネットワークの方法を適用してみる必要もある。

4 進歩政党の分化のなかで、社会主義の旗は?


司会:韓国進歩政党運動はそれぞれの路線を明らかにし、また、一度再編を終えている。このような政治的条件が社会主義勢力にとって独自の社会主義政治勢力化を推進して運動を広げるために有利に作用することができると思いますか。また、現在、韓国社会主義勢力の能力はどの程度なのかについての評価もお願いします。

チェ・ヨンイク:最近10〜15年の間に、いわゆる進歩政党運動の勢力分化が行われた。正義党の場合、民主党の左の翼に席を取り、民衆党は民族主義政治勢力としての地位を確立した。その中で残された課題は、最も赤い集団を勢力化する問題だ。
私たちが、政治的にぶれることなくしっかりとしながら打ち立てなければならない旗は革命的社会主義だと考える。革命的社会主義の旗の下で共にする勢力とそうでない勢力を分けることも必要である。そのためには、社会主義運動の展望と路線を公開し全面的に明らかにされなければならない。
私たちは団結することができる部分に対して明確に団結しようという考えだ。宗派ではないのだから、社会主義運動の政治路線について公開して同志的に論争し、討論する過程があればよい。その過程は、知識人やサークルの口争いではなく、大衆を前にした実践の中で検証されなければならない。まったく一緒にやることができない違いがあるのか、それとも一定の差の中でも一緒にやれるかどうかの問題は、その実践の中で検証・評価しなければならない。階級闘争を率いて、社会主義を大衆の要求と結合し、具体的な闘争の中心に議論と共同実践が行われるということだ。

ヒョン・リン:労働党はこの10年以上の間に路線を確立してきた。先日、全国委員会で綱領改正に共感が集まりもした。まず、はっきりと社会主義路線を明らかにすることだ。第二に、綱領が一般の労働者の立場から読みにくく表現の修正が必要だという提起だ。このような問題意識に基づいて綱領を手直しして社会主義階級政党としての方向を定めている。
一方、様々な分野で活動している党員や社会主義活動家がいるはずだが、これらを把握して、ネットワークを作るのがまず必要ではないか。あるいは、自分を社会主義者とは呼ばないが、実際には、社会主義的な活動をする活動家たちもいる。それでも、その人たちを「社会主義者」と呼ぶことが必要である。ところが、このような社会主義的活動家たちの現状やネットワークに対しては、現在の左派内部でも共有することがない。各自の力量の限界が明らかならば、独自的に努力するよりも共同で、私たちの力量がどの程度なのかを点検し、これをどのように組織化するのか模索するのはどうだろうか。その過程で、共同の事業計画まで立てて執行しながら、さらに団結する機会を持つことができないだろうか。

イ・グァンイル:これまで韓国で社会主義を掲げた政党や政治勢力は、労働組合ではわからないが、社会全体に大衆的影響力を及ぼす政治的力量を持つことはなかった。……綱領論争が重要ではないということではない。しかし、運動が大衆的な力を持っていないために、綱領をめぐる論争が左派エリート間の論争として進行されて後でうやむやになるという点である。大衆的な土台がないのでサークル的なレベルで綱領問題だけに執着する傾向が存在し続けていたのだ。
綱領を含めて理論と運動、実際の現実との間にはギャップがある。ところが、そのギャップを別の理論、綱領で解決できると信じることは、非政治的な態度だと思う。政治は、結局現実の運動の中で確認するのである。綱領などに違いがあり、多少異なる運動の経路を踏んで来ても一緒にやってきた経験があるので、今は社会主義者が一緒にやることができる大衆的な場を作ることが重要である。大衆的な力があれば、様々な層の上に生産的議論の流れを生じさせることができる。

キム・テヨン:各進歩政党が路線を具体化しながら、分化した今の情勢が社会主義者たちに何を求めているのか着目しなければならない。正義党と民衆党が収束することはできない大衆的な要求が存在する。その要求を政治に発展させるために、社会主義勢力が結集しなければならない情勢だ。
韓国社会主義運動はこの間組織ごとに熱心に実践する過程を経たが、全体的な能力が拡大・発展したと見るのは難しい。変革党は結党5年になるが、先のキャンドル抗争で反財閥闘争をしようとしたが、そこまでだった。「このままで行ってはいけない」という危機意識がある。労働党も危機感を感じたのではないだろうか。これまでの労働党が広げた議会中心の実践活動は、今のまま継続するのは難しく、新しい運動を模索しなければならない状況だ。労解闘の仲間たちも、これまで大衆闘争と結合して、多くの現場実践をしてきたが、社会主義を大衆の中に注入していく主体的活動を確保しているかという点で危機感を持っているのではないだろうか。
われわれは、「このままではいけない」という同じ考えを持っているようだ。そのような点からチャンスだ。組織的団結と闘争、そして代案まで一緒に出して実践することが可能ではないか。

5 社会主義大衆政党への道

司会:社会主義運動が大衆的に広がっていくように努力しなければならないということではすべてが同じ考えのようだ。次に、今後2〜3年、社会主義運動の発展のためにどのような構想を持っているかなど聞きたい。
一方、変革党は「社会主義の大衆化」を目標に2022年の大統領選挙まで3年の計画を策定して、今回の総会で可決した。具体的ないくつかの議題を媒介として、資本主義の矛盾を社会主義の代案として結合する運動を広げ、大衆政党に進むために、社会主義政党の登録運動を展開しつつ、2022年に社会主義の大統領候補を立てようというのが骨子だ。これに対する意見ももらいたい。まず、変革党のキム・テヨン代表から変革党の計画概要を話してもらうのが良いだろう。

キム・テヨン:変革党が今回の総会で決定した計画の要旨は、3つの運動を広げ、社会主義の大衆化に乗り出すということだ。第一は、「私の人生を変える、社会主義」という旗印の下、大衆の生活と直結された領域で大衆的な同意を広げる代案を出して闘争を触発する「議題全面化運動」である。
第二に、このような運動を広げるためには、組織の形式と経路が必要である。変革党は「社会主義大衆政党」を作ろうと主張する。5年前に変革党を結党したが、私たちがこれから一緒にやらなければならない同志だと思っている労働党の仲間たちは、すでに登録政党(注1)になり、そうでない多くの仲間たちもいる。その全体を包含する経路が必要である。大衆的に見ると、未登録政党を大衆政党とは言い難いのが現実である。ファッショ的弾圧の時期には、非合法・半合法路線が必須だが、今の大衆が見たときに登録するかどうかの問題は、その勢力の実力の問題だ。
第三は、2022年の大統領選挙で、社会主義候補を出して全面的に取り組んでみようということだ。このように、3つの運動を提示しながら、今年から社会主義勢力が共同の議論と実践をしていくならば、政治組織活動をしていなかった活動家たちにも「幕が変わる」ということを示すことができる。

チェ・ヨンイク:重要なのは明確な社会主義綱領を持つ労働者階級の党でなければならないという点である。そのためには、党の主要な組織的基盤と実践の基礎が選挙空間だと言うよりも、労働者の現場と闘争でなければならず、社会主義現場分会という組織的な骨格が必要である。選挙での得票は、党の影響力を測定する基準の中の一つだが、最も重要なのは、実際に資本主義と争う物質的な力を備えることだ。党の闘争の旗の下に結集することができる闘う人々の大きさが重要なのだ。これが社民主義政党と他の社会主義政党の真実の姿だと思う。選挙主義と合法主義に落ち入らない路線が必要であり、そのような基調の中で行われる党的団結に全面的に同意する。
しかし、登録政党運動は、その意図とは無関係に歪曲される側面がある。基本的な内容には、ある程度共感するが、登録政党運動の時期が適切ではないと思う。2千人くらいの活動的な党員を備え、そのうちの多くが労働者階級に基礎をおいて活動するという基盤を作る過程が先行されなければならないと考えている。そのほか、共同の実践と共同の社会主義の大統領選挙闘争はチャンスになればやらなければならないと考えている。

ヒョン・リン:まず労働党も「2022年に社会主義候補者を出そう」という点で、同じ目標を持っている。単独でのみ行うことは考えていない。そうすると準備することが多い。先の2012年の大統領選挙闘争に対する評価も必要であり、現時点でどんな候補をなぜ立てるかについても準備しなければならない。そのために、最も重要なのが主体の組織であり、党内から党員がどこでどのような活動をしているのかを把握しなければならない。そのように組織から固めていくことを目標にしている。
一方内容的に見ると、労働党では「社会主義憲法制定運動」を準備している。制度圏政党としての境界を越えて資本主義の代案を具体的に表わすことができるものが何なのかと苦悶した。2018年にも改憲議論が行われたがうやむやになり、左派は、ここに積極的に介入しなかった。もし各部門で活動している社会主義活動家たちを中心に結集して、憲法を条目ごとに検討して我々が考えている社会主義的代案を憲法で表現するならば、具体的に、私たちを点検するという過程にすることができたのではないか。

イ・グァンイル:私は政党法が要求する条件を満たしていない問題があるかもしれないが、登録は当然しなければならないと思う。政党が維持されるためには、一定の大衆的な支持を受けなければならない。ところが、過去の歴史からもわかるように、政党登録や合法化について否定的な見解が出され続けたのには一つの理由からである。合法政党になると改良主義に変わるということである。ところで、私たちは、資本主義社会で政党システムに加えて、いくつかの改良的な関係の中には既に位置している。然るにそのような懸念のために政党登録を放棄してはいけないと思う。
これはチェ・ヨンイク同志が話した現場での政治的能力ともつながっていると思う。変革党が提起した決定は歓迎に値するし、むしろ遅い感がある気もする。もちろん左派政党が現場の力や実践力と結合されなければならないことを否定する人はいない。しかし、そのために政党登録運動を遅延する問題ではないと思う。双方向で一緒に行われなければならない。

6 社会主義勢力の団結のために


司会:社会主義を大衆化して全面化するために、それぞれ考えている運動の経路と方法の違いもあり、より多くの討論が必要だろう。しかし、社会主義勢力が一緒に考えを突き合わせ力を集めることが必要であることについては、誰もが共感するようだ。対談を終えるにあたって、社会主義勢力の団結の必要性とそのための課題について一言ずつお願いします。

チェ・ヨンイク:資本主義の危機の時代にこそ対抗社会主義の旗を立てて代案を作ることは死活的な課題だと思う。それに向けて変革党、労働党、労解闘、そして現場の活動家たちが力を合わせて代案を作っていけばよい。その点で、二つのことを申し上げたい。一つは、社会主義の綱領と旗を大衆化するためのすべての活動で協力しながら、その道を作ろうということだ。もう一つは、社会主義を階級運動の中に定着させて、強さを持たせて、人を集めるその過程で一緒にやろうということだ。違いがあっても検証していきそれを狭めて道を作りながら韓国で社会主義政党を打ち立てるために一緒に貢献したい。

ヒョン・リン:社会主義勢力が力を集めることが必要だということに共感する。具体的な事業と現場での実践を一緒に作っていこう。その過程で、既存の労働運動と政治運動についての評価が行われなければならないと考えている。労働と政治の内容が変わっていて、われわれがこれまで注目していなかった市民社会の発展があった。この部分を一緒に考慮して、われわれが言う闘争と選挙の方法を再考し、われわれの政治とわれわれの社会主義を作らなければならない。
共同の議論の過程で、異見と問題が発生することがあるが、その後、速度が遅くなる。それでも、これからは理念的合意前に異見があまりなく、非常に具体的な共同事業から一緒にやっていくのかどうかだ。このように、お互いの交流を拡大しながら、大きな目標を設定することが必要である。事業を行う際、それぞれ独自にやるより、他の部分とも一緒にやることができるようにすることが必要ではないか。労働党もそうする。

イ・グァンイル:今は韓国もそう世界的次元でも、ジェンダーや環境問題が政治的議題として、また勢力化の要素として浮上している。フェミニズムや環境運動内でも、様々な傾向があるが、これらの問題についてどのようにするのか答えを出さなければならない。フェミニズムや環境問題を決して外部の問題だと見なしてはならない。社会主義者はすべての抑圧と収奪を解消するために率先する。フェミニズムは、女性だけのものではない。労働運動が活動家たちの専有物ではないようにだ。その問題を私たち自身の課題として真剣に考えることで政治的ヘゲモニーを獲得することができる。その意味で、労働者階級の力を集めることを第一の軸とし、フェミニズムや環境運動とどのような関係を結ぶのかについて考えていくことをもう一つの重要な軸として設定する必要がある。「変革政治」が、このような問題に対して集中的に思考することにより、環境運動や女性主義陣営に伝達され、学習と実践のかけはしになることができれば良いだろう。

キム・テヨン:どの勢力も、二つのことを失ってはならない。第一は、政治的・理論的中心性であり、第二には、拡張性である。中心性を悪化させることなく、拡張を模索するのがいつも課題だ。当面する2〜3年程度の時期に限定してみると、韓国社会主義運動が一つのことに固守するなら、完璧ではなくても中心性を保つことができると思う。すぐに公に社会主義を掲げることだ。もちろん、この短い時期以降は変わるが。また、私たちの核心的価値は「活動する党員」である。実際に活動する党員の多くが目に見えなければならない。登録政党になったとしても党が弱まるだろうとは思わない。韓国で社会主義を掲げる政党にペーパー党員として加入するのは容易ではない。
既存の他の政党のように名前だけ上げて登録することでは意味がない。そのような点で、私たちの苦悶は同じだと思う。経路の違いは明らかだが、具体的な実践に入れば、大きな違いがないという自信感がある。何よりも、ねばり強く共同の実践を作るために一緒にやりたい。

司会:今日のように社会主義勢力が一堂に会したことが重要だと思う。共同の討論と論争、実践に向けたプロセスを開始したという点で意味が大きい。対談に出席いただき、感謝している。以上で対談を終える。

(訳注)韓国で政党登録するには、九つの道と七つの特別・広域都市の内、五つ以上でそれぞれ一〇〇〇人以上の党費を納める党員を登録しなければならない。与党、民主党の党員は約八〇万人で、正義党は五万人。

朝鮮半島通信

▲朝鮮国営の高麗航空の平壌発の臨時便が3月9日、ウラジオストクに到着した。同機には新型コロナウイルス対策により同国内に足止めされていた外交官らが搭乗した。
▲韓国軍合同参謀本部は3月9日、朝鮮が同日午前7時36分ごろ、咸鏡南道宣徳付近から3発の飛翔体を北東方向の日本海に向けて発射したと発表した。
▲金正恩朝鮮労働党委員長は3月9日、朝鮮人民軍前線長距離砲兵区分隊が実施した火力打撃訓練を指導した。
▲金正恩党委員長は12日、朝鮮人民軍第7軍団と第9軍団管下砲兵部隊の砲射撃対抗競技を視察した。


もどる

Back