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    かけはし2020年10月12日号

FI声明の呼びかけ共に


青年戦線196号紹介

世界の同志と連帯しよう

 

 本号の巻頭は、JCY首都圏会議のアピールだ。「トロツキー没後80年を迎えて」の到達地点を確認し、「コロナ危機に抗してオルタナティブの創出を」と訴える(別掲)。
 世界的なコロナ危機下、特集として「いかに新型コロナウイルスのパンデミックに抗していくのか」という観点からFI(第四インターナショナル)ビューロー声明を掲載した。収録した声明は、「やつらの利益を守るのではなく われわれの生命を守ろう!」(二〇二〇年三月一七日)、「いますぐエコ社会主義への移行を! 今こそ人間の共通の尊厳守るとき」(四月一六日)、「歴史的大転換宿す世界」(六月八日)。
 いずれも緊急任務として過渡的綱領・諸要求を明確化させている。FIはエコロジー社会主義を掲げ、コロナ危機に抗し、共に闘っていこうとアピールしている。声明を共有化していきたい。
 さらに記事は、「石井紀子さんと共に 6・28三里塚・東峰現地行動」、「8・15反『靖国』デモ」、「香港の人々に自由と権利を」集会の報告、アジア連帯講座:公開講座「イギリスは今」の報告、読書案内を掲載している。ぜひ一読を!

アピール/JCY(日本共産青年同盟)首都圏会議

「コロナ危機に抗して
オルタナティブの創出を
―トロツキー没後80年を迎えて―」

 コロナ禍での抵抗

 多様な経路での市中感染流行が日本でも当たり前の状況下、横浜港に停泊したクルーズ船から八〇〇人近い感染者が出たことは記憶に新しい。このときの水際での検疫に重きをおいた中途半端な隔離、自衛隊などを使った災害派遣チーム主導の対策は、新型コロナ感染防止をめぐる日本政府の不手際のはじまりだった。それは同時に、七年以上に及ぶ安倍政権の腐敗、抑圧と、首相突然の辞任へとつながる無責任をよく象徴している。
クルーズ船からの感染者の搬送に動員された民間救急業者に対し、政府からも、横浜市など自治体からも料金の支払いが半年後もなされなかった事実は、新型コロナウイルスが浮き彫りにした大きな課題を示している。一体、公共とは何なのかということである。
いかに医療労働者を称賛するキャンペーンをして見せても、同じ者どもが医療労働者をより苦境に陥らせるという愚をおかしている。真の緊急時の責任をとれないのに、強権の誇示を存在証明とするような指導者が日本のみならず、世界中で幅を利かせてきた。彼らは公共の名で果たされるべきあらゆるものを非公共へと売り渡してきた。
顧みれば、新自由主義的政策の進行、すなわち民営化圧力は、感染病床を多く抱える公立病院をはじめとする医療現場、福祉の現場の空洞化に拍車をかけた。そのことをこのパンデミック事態に反省し、健康と人命のために迅速に動ける、公共の概念を取り返さなければならない。
公共の不在が日本において直面していることで言えば、気候変動に端を発した台風の大型化、降雨量の増加は、行政の対応能力を超えて、この数年住民へ甚大な被害をもたらしている。国土強靭化などという土建政策は解決策ではない。世界的な気候変動を食い止める闘争に連帯し、なにより炭素ガス排出に大きな責任を負うべき多国籍企業、その擁護者に偽物の環境政策をさせないということが緊急の課題である。
一方で、中国、朝鮮半島有事を危機管理優先の掛け声がコロナ感染症の蔓延に役立たなかったことは、日本政府が進めてきた軍事国家化の茶番をも示した。六月に表明された、秋田、山口の「イージスアショア」迎撃システム計画撤回は、アメリカ企業とのトップセールス履行のみをこころがけ、住民への説明を果たさなかったことの当然の帰結である。かわりに敵基地攻撃能力などというおぞましい用語を持ちだすにいたっては、軍事というより排外主義的思想から引用した安倍の最後の思いつきと言われても仕方がない。そのモデルであるイスラエル国家をはじめとした、領土拡張主義に純化した先制攻撃国家は、私たちにとって最初に打倒すべき存在でしかない。
コロナ感染症拡大の無策は、軍事機能が持つ構造的弱さをさらけ出している。人民を抑圧する軍隊に反対する私たちも、物理的抑止とは程遠いたたかいを強いられる。だが、辺野古で新基地建設阻止のためにたゆまず行動する沖縄民衆に連なる隊列を今こそ作り出していこう。新自由主義的な資本の攻勢と、これを支える軍事部門が動揺を見せるとき、われわれが打ち込める有効なくさびは何なのか。知恵を絞るのは今である。
必要なのは国家に求めるべくもない民主主義的討論のひな形を小さい集団、個人が保障することである。国家が重層的に押し付けてきた性別役割、すりこまれた無権利状態から解放を勝ち取ることはできる。軍事の延長にあるハイテク監視体制が充実をしているかに見える今にあって、それを乗り越える豊富な討論は可能である。

トロツキー没後80年と資本主義システムとの闘い

 今年は生涯を国際共産主義運動の発展に捧げたトロツキーの没後八〇年と同時に、冷戦構造崩壊の過程が進行して約三〇年にあたる節目の年となる。特にこの三〇年は現代資本主義の矛盾、格差や貧困、環境問題や差別排外主義はかつてよりますます深刻である。
資本主義は生活環境や個人の心身を消耗させ、果ては地球環境までをも蝕んでいる。その矛盾は全世界の規模で拡大し、世界の人々の間でも同じ問題が共有されている。
だからこそ自らが苦境に置かれている中で未来に悲観的になりそうになったり、明日のことを考える余裕もない状況になったり、そうした時、世界各地に労働運動や環境問題、ジェンダーの問題に取り組む闘いなど抑圧に抗して、悩みや閉塞感を乗り越えようとする同志が世界各地にいること考えてほしい。
現代社会は個人の人権やアイデンティティの問題などブルジョア民主主義的な権利の擁護と発展と並行して、格差や貧困の解消や限られた資源の民主的かつ計画的な配分など社会主義的諸権利を獲得する闘いの必要性が益々高まっている。その時主体となる存在は他の何者でもなく今を生きる一人一人の労働者だ。民主主義的権利の獲得、社会主義に向けた闘いを押し進めていく水路は、このような時代だからこそ、あらためてトロツキーが主張した永続革命論が現在再び必要とされている。
闘争の場に立った時、価値観や文化により分断されていた人々は対立する相手ではなく、連帯し共に切り開いていく相手だと気づくはずだ。この歩みは一人で解決のできない深刻かつ遠大な問題と感じられるかもしれない。その様な時は身近な場所から取り組む意義も大きい。例えば現在進行している新型コロナウイルスに関する問題などを取り上げ、「人命を軽視している安倍政権、コロナによる差別、雇い止めを許さない」と、出来るところから声を上げはじめていくことでも社会を変えていける力になる。
トロツキーは最晩年、持病により最期の時を予測していた時でも共産主義思想や運動の持つ未来の可能性を諦めず次のように綴っている。「人生は美しい。未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、心ゆくまで人生を享受せしめよ。」
人間による人間の搾取の廃絶へ向かう理念は今でも有効だ。そして全世界規模で進められてきた、そして続いていく数々の闘いに連帯し、ともにになっていこう。

10.1

首相官邸前緊急抗議行動

沖縄での軍事基地押しつけノー

むき出しの権力政治に怒り噴出

 一〇月一日午後六時半から首相官邸前で、〈ちゃ〜「すが」沖縄を分断し、軍事基地を押しつける菅政権の「リンク論」を許さない!〉緊急行動が、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけで行われた。「ちゃ〜『すが』は、どうするんだ『すが』という沖縄の言い方」。
 外間さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が「翁長前沖縄県知事が当選後面会を求めたが半年も会おうとしなかった。面会した時、翁長さんは苦難の沖縄の歴史を述べたのに対して、菅官房長官は『私は戦後生まれなので沖縄の歴史は知らない』と言ってのけた。そういう人が今度首相になった」と菅のこれまでの沖縄のかかわり方について批判した。
 国会包囲実の中村さんは「沖縄基地負担軽減担当大臣だった菅は、米軍の北部訓練場を一部返還させたと成果を強調したが、見返りとしてヘリパットを高江に移転させた。機動隊を導入して無理やり工事を強行した。この工事はボロボロで、最終的に完成したのは今年になってからだ。基地負担を強化したことを忘れない。10・14学習集会に参加を」と訴えた。
 沖縄と連帯する東京東部集会実の仲間は「アジア侵略、沖縄戦、東京大空襲、関東大震災での朝鮮人虐殺などについて、責任を問わないのが今までの政府だ。どういう未来を作り出すのかが問われている。10・9に錦糸公園で伊波参議院議員を呼んで集会・デモを行う」と語った。
 横浜で活動している仲間は「菅は横浜から政治活動を開始した。市議当時、裏から話をつけて無理を通していく手法でのしあがった。そして沖縄に対しては振興策をあやつり、差別的・地域を分断して軍事基地を押しつけてきた。今度首相になり、この手法をより全面化する補佐官人事を行った。攻撃をはねかえしていこう。10・8に横浜講演集会を行う」と話した。
 琉球人遺骨返還請求訴訟を支える会・関東の活動報告、ウチナンチュ・スタンディンググループが日本学術会議で六人を任命しなかったこと、基地と振興策のリンク論の菅政権のやり方を厳しく批判した。最後に、一坪の声明文を読み上げ、官邸に向けて辺野古新基地建設をただちに止めろとシュプレヒコールした。
(M)

 

資料 声明文

ちゃ〜「すが」
沖縄を分断し、軍事基地を押しつける菅政権の「リンク論」を許さない!

2020年10月1日

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック

 安倍政権による沖縄政策は失敗した。7年8カ月の安倍政権時代を沖縄地元では“冷酷”と評価していることがその証左であろう。
菅前官房長官が主導し「沖縄振興と基地」に“政治の意思”を持ち込んだ「リンク論」。その手法は沖縄関係予算を手玉に取り、基地政策を容認し受け入れるか否かで予算を差配し、沖縄社会に分断を持ち込こんだ。
県の予算執行で自由度が高いとされる一括交付金を大幅に減額しただけではない。辺野古新基地建設に反対する沖縄県を通さず、国から直接市町村に予算を流す。辺野古新基地建設反対の稲嶺進前名護市政では「特定事業推進費」なるものをでっち上げ、県と市町村の関係に亀裂をうんだ。そして、久辺3区(豊原・久志・辺野古)には直接予算を交付した。カネと引き換えに国家の意向に従えという手法である。ところが、その後容認派の渡具知市長になると「特定事業推進費」なる施策をいとも簡単に取り下げてしまった。
沖縄に於いては地方自治という制度をも国の意向次第で、いとも簡単に歪めてしまう。地域住民の自治を弄び人々の暮らしを分断する。
こうして、国の意向に逆らう者は容赦しないとするやり口は、まさしく植民地政策ではないのか。
憲法が適用され、憲法で保障されるとはいったいどういう状態をいうのだろうか。1972年5月15日を境に米軍支配から日本国の統治に施政権が移行し、沖縄は日本国に組み入れられ47都道府県の一つとして数えられている筈だ。
「振興と基地」は本来別々であるが、日本政府は「沖縄政策」と称して巧みに利用してきた。
辺野古新基地建設を強行し、これから先100年、200年も戦争のための基地を沖縄に押しつけ、強要していく日本政府の“意図”そのものを「リンク論」は体現している。

菅政権よ、ちゃ〜「すが」(さぁーどうする)?
さっ「すが」と云われるには、辺野古新基地建設を直ちに撤回し、普天間基地を無条件に返すこと、そして、沖縄に対する差別政策を悔い改め、植民地政策を中止すること。

コラム

セイタカアワダチソウ

 「腹壊して病院に行ったそうだ」。世間にそんな話が伝わり「辞任表明」。重鎮古狸が蠢いて圧勝で菅総裁誕生。恐るべき「派閥の力」と「勝ち馬に乗る」議員の性。嫌いな理由ダントツ一位「人柄がよくない」、そして飛び出した菅首相の「私は叩き上げ」の宣伝文句。「東北秋田」「上京」「一念発起し大學に」政治の道を歩み「地元? 神奈川で市議当選」ついに掴んだ「権力の座」。
 聞いていて何か違和感が残る「叩き上げ」の詩。「あの人は叩き上げの……」と人の口に載るならば「ほーっ!」と思うが「私は叩き上げ」と自分から言ゥ? 「北」「雪」「海」「貧乏」「苦労」「人情」「酒」「憧れ」「望郷」等、様々の要素を散りばめ歌われる「演歌」の世界の意識か? 「善人」の演出趣向の末に辿り着いた「叩き上げ」なのか?
 安倍はなぜ「腹を壊したのか?」の中に解がある。それは「闇鍋好き」が高じた結果だ。真っ暗な部屋で「クツクツ」と煮えたぎる鍋を囲んでの「闇鍋会」。「喰いつくす」ことが闇鍋会の掟なのだ。(贈)加計孝太郎「銘酒腹心の友」を片手に「サクジョ葱」をたっぷり入れて「ウソツキ鴉」「改竄ブタ」「ゴザイマセンベイ」「ショウキョスミイカ」等々、〆には豪華な「忖度弁当」。世間で御目にかかれない代物を鱈腹食べ続け「お腹を壊した」のが正解なのだ。
 安倍政治の酸いも甘いも?み分け、「臭いものに蓋」をし続けられる菅首相の「信頼できる国づくり」の基本は「自分でできることは自分でやる」(自助)、「無理な場合は家族や地域で支え合う」(共助)それでもだめなら「国が守る」(公助)そして「絆」だと人びとに言い放った。「成功体験」の情報が氾濫し呪文のように脳裏に纏わりつく「自己責任」という言葉。努力だけではどうにもならないことは人間社会に多々ある。
 生活に余裕など見いだせなく不安を抱えている人々に向かって「自助努力」や「自己責任」という四文字は、切り捨てることの意味なのだ。
 秋の陽ざしが強い病院からの帰り道。ビルの木陰のベンチにマスク姿の若者が遠くの方を見つめていた。傍らには「ウーバーイーツ」の配送バッグ。コロナ禍の街に「緑」「赤」「青」「ピンク」「黒」と、色とりどりの「デリバリースタッフ」の姿が急増した。
 「学業を断念する学生増」の報道があり、コロナ禍で解雇、雇止め、休業等が拡がり、経済的に余裕のない家庭を襲っている実態を報道した。「自粛要請」下でバイト先が急激に減少し、デリバリーに流れている。「自由な働き方」と宣伝し雇用関係のない「個人事業主」。今日もバイクのスタッフが車に激突する様子がテレビに映し出された。
 「経済格差」が子どもたちの夢や希望を奪う現実の中で、人生の様々なステージで力強く稼動する社会のセーフティネット(公助)が要求されているのだ。何にも心に響かぬ菅首相の言葉は、ことばの中に「国民」が感じられない言葉の羅列でしかないからだ。
 この季節になると河原や、空き地や田んぼの畔に黄金色の花をつけた植物の群生が見える。秋風にワサワサと揺れる姿はそう「セイダカアワダチソウ」だ。繁殖旺盛なこの植物は勢力を拡大するために「除草剤」に似た成分を分泌し周辺の草の成長を阻害するそうだ。ところが勢力を拡大しすぎると「自家中毒」を起こし縮退するという。さて、安倍政権の後継者は「自家中毒状況」からの出発だが……??  (朝田)


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