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    かけはし2020年10月5日号

菅政権は9条改憲をやめろ


9.19

菅政権に対して初の「総がかり行動」

憲法破壊を止めよう

国会正門前に3500人


戦争法の廃止へ
新政権をたおせ


 九月一九日の土曜日、午後三時から国会前で「戦争法強行からまる5年、戦争法は廃止!いのちをまもれ!改憲発議とめよう!9・19国会正門前行動」が行われた。主催は「総がかり行動実行委」。安倍前首相の辞任にともなう菅義偉(すが よしひで)新政権に対する初の「総がかり行動」となったこの集会には三五〇〇人が参加した
 最初に実行委員会から小田川義和さん(前全労連議長)が開会のあいさつ。小田川さんは「五年前の9・19が、戦争法可決・成立の日であったことをあらためて思い起こそう。その安倍政権を引き継ぎ、改憲を強行する『使命』を担って菅新政権が発足した。菅新政権による憲法破壊をストップさせよう」と強調した。

「敵地攻撃」は
侵略戦争だ


次に各野党の代表からの発言。社民党の福島みずほ党首・参院議員は「あの戦争法強行採決から5年、いま全国各地で『戦争法違憲訴訟』が行われている。戦争法を廃止し、予算の使い方を変える闘いを進めよう。敵基地攻撃能力を求めた安倍政治とその継承をやめさせよう」と強調した。
立憲民主党副代表の辻元清美衆院議員は、安倍政権を継いだ菅政権による改憲・戦争国家政策・生活破壊・民主主義破壊に抗する野党共闘の強化を訴えた。日本共産党からは志位和夫委員長・衆院議員が発言。志位委員長は、菅新政権が安倍前政権から引き継いだ「敵基地攻撃能力の強化」を厳しく批判した。「相手の領土に乗り込んで反撃能力を解体するために攻撃する=つまり日本が全く攻撃されていないにも関わらず、『敵』を撃滅する、などの戦争政策に反対しよう。野党・国民連合を」と呼びかけた。そして野党連合政権のための政権構想が必要になっている、と語った。
連帯のあいさつが、辺野古実の仲間、安保法制に反対するママの会から行われ、野党・市民の連帯の力で菅政権の改憲・戦争・原発・生活破壊の政策に立ち向かう共同の闘いがスタートした。 (K)

9.15

司法が変われば社会が変わる

労契法20条裁判勝利へ

最高裁は世界に恥じない判決を

 九月一五日午後〇時一〇分から、最高裁南門で「司法が変われば社会が変わる最高裁は世界に恥じない判決を」行動が、大阪医大事件・東京メトロ事件原告団と応援する女たちの呼びかけで行われ、当事者と支援する労働組合などが参加した。

争点はなにか
差別の解消へ


労働契約法二〇条を根拠に差別是正を訴えてきた女性たちの事件について最高裁で弁論が開かれる。一つは大阪医大に有期契約で働いてきた女性が賞与と病気欠勤等の賃金支給について争った事件、もう一つは東京メトロの売店で(株)メトロコマースの契約社員として働く四人の女性が同じ仕事をする正社員との待遇格差是正を求めて争った事件だ。両裁判とも高裁は不十分ながら、労働契約法二〇条に反するとして損害賠償の一部を認めた。
今回最高裁は、上告受理申し立ての一部、大阪医大事件では賞与と病気欠勤に対する労働条件の相違について、東京メトロ事件では退職金の支給について、いずれも労契法二〇条にいう不合理と認められるものに当たるか否かにつき弁論を開く。
働く女性の六割弱が非正規労働を余儀なくされ、男女合わせた非正規労働者の七割は女性。非正規差別はまさに女性差別。原告たちの差別是正を求める願いは、公務・民間を含め非正規で働く二千万人の労働者全体の願いだ。
私たちは、最高裁が女性差別・非正規差別は人権侵害であることを認識し、女性労働を正当に評価し、差別解消に向け、勇気をもって高裁判決をさらに前進させる英断を強く求める。
非正規差別NO! JUSTICE NOW!(今こそ正義を!)皆さん、ともに声を上げてください!(呼びかけ文より)

女性・非正規
差別許さない


最初に、中島さん(全国一般労働組合東京南部)が「日本は女性への不平等さが高まる一方で一二一番目になった。家でも外でも搾取されている。女であるだけで賃金が低い。これまでの裁判の判決でもそれを追認している。怒りを持っている。最高裁で弁論がある。正義ある判決を。女性差別を許さず、地位向上に向けた一歩にしたい」と訴えた。
次に、大阪医大事件原告Mさんからのメッセージが読み上げられた。
「正規職と全く同じ仕事をやった。ものすごく忙しかった。正規より二〜三倍の仕事をしてきたのにボーナスさえなかった。二〇一五年三月に適応障害になり、仕事を続けられなくなった。私学共済からも脱退させられた。そんな時、労契法二〇条に出合った。闘いは六年目に入った。二一〇〇万人の非正規を応援したい。二〇一九年二月の高裁判決は励みになった。いっしょに笑えあえる社会であって欲しい」。
東京メトロコマース原告の発言。
「六年闘ってきた。早番遅番までやり定年まで全うしたが、使い捨てライターのような扱いを受けた。人間の尊厳が奪われた。希望の判決を求める」。
竹信三恵子さん(ジャーナリスト)。「非正規・非常勤・短期雇用の担い手は低賃金で会社の利益に貢献している。同一労働同一賃金に基づき、司法が正さなければならない。労契法が問われている」。
国会議員の宮本徹さん(共産党)、福島みずほさん(社民党)が駆けつけた。
宮本さんは「コロナ禍で非正規労働者の雇用がひどくなっている。休業手当が払われていないという相談が一杯きている。厚労省に何件相談が来ているかと問い合わせしたら〇件だという。社会や政治を変えなければならない」と語った。
福島さんは「同一労働同一賃金の法律が施行され、パート労働法も成立した。不合理な差別を許さない法がある。差別撤廃を行うべきだ」と述べた。
マタハリ裁判の原告は「出産で非正規にされた。セカンドキャリアだから、手当がなくてもよいという判決に驚いた。労働者の権利が守られていない。職場復帰出来ているのは二〇%だ。私で打ち止めにして欲しい」と訴えた。
郵政労働者ユニオンで、労契法二〇条裁判の原告、浅川さんが「郵政民営化の見直しで一〇万人を正規化すると表明したが、頑張っても正規職になれなかった。二〇条を活用して闘ってきた。一つ一つ勝っていき、正規職がスタンダードな社会を作っていきたい」と語った。
全労連女性部の発言の後、「私たちは同一労働同一賃金をあきらめないぞ、私たちは最低賃金一五〇〇円をあきらめないぞ、私たちは安心して生活できる賃金をあきらめないぞ、私たちは勇気ある判決をあきらめないぞ、私たちは希望が持てる判決をあきらめないぞ、私たちは正義の判決をあきらめないぞ」と最高裁に向けてコールした。
この後午後から弁論が開かれ、判決は一〇月一三日午後三時に決まった。その後の報告会には二〇〇人が集まった。女性差別、非正規差別を許さず、共に支援していこう。 (M)

投稿

化石燃料ゼロ時代 F

どうしましょう? 精子のなくなる日

たじま よしお


(20)

 私たちは身のまわりにふと目を移したとき石油製品でない物を探すのに苦労するくらいです。例えば和紙に似た合成紙と本物の和紙の区別など、そのみちに詳しい人にも区別がつかないと聞いたことがあります。
実際に化石燃料ゼロ時代の実現となったら、石油の輸出で経済が成り立っている国の人々は困るではないかという配慮がはたらくかもしれませんが、それは心配ご無用です。化石燃料立国の国家収入のほとんどは外貨としてその国の権力者の懐に入るのです。それらの国々は独自の産業を興すという発想は乏しく、従って人々の労働によって築いた富によって運営されていませんから、国家財政の運営を人々がチェックする途は閉ざされているのです。権力者は自分の地位を守るための警察・軍事力に国家予算の大半を費やし、教育・福祉政策などは彼らの視野の中にすら入っていないのです。ですから、識字率も低く一日一・二五ドル以下で生活している人々が大半で、若者たちはアルカイダなどテロリスト集団に組織される例も見られ、貧困層はヨーロッパへの避難民の予備軍となっているのです。
「大統領在職期間が世界一長い人物の上位四人は、いずれも石油や鉱物資源に恵まれたアフリカの国の支配者である。具体的には、赤道ギニアのテオドロ・オビアン・ンゲマ、アンゴラのジョゼ・エドウアルド・ドス・サントス、ジンバブエのロバート・ムガベ、カメルーンのポール・ビヤだ。この四人の在職期間を合計すると一三六年になる(食い尽くされるアフリカ/トム・バージェス著)」。

(21) 

 「化石燃料ゼロ」は一部の活動家の間では語ることはできても、幅広い大衆運動の中ではなかなか通じないジレンマの中に私はいましたが本書「食い尽くされるアフリカ」に出会うことによって、その悩みは解消されました。
民衆の教育や福祉などまるきり目の端にすら入っていない、地下資源立国の支配者のなすがままを、間接的ではあれ支えているのは私たち消費者でもあるというこの現実から、目をそらすことは許されないと私は思うのです。
地下に埋蔵されている化石燃料と私たち消費者との間で、悪の限りを尽くしている彼の地の支配者、そして多国籍企業とそれらに融資して地下資源掘削を促している世界銀行などなどの姿は、五月二五日から六月二九日にかけて「かけはし」に掲載していただいた「中国はどういう社会体制なのか」の中で「食い尽くされるアフリカ/トム・バージェス著」を抜粋しながら縷縷述べてきました。
私たちが今ただちにやるべきことは、世界銀行・IMFなどからの、化石燃料関連の多国籍企業への融資をやめさせる行動に出るべきだと思います。世界銀行へは一九○カ国が資金を拠出していて、日本政府は米国に次いで二位の拠出国となっています(ウイキペディアによる)。
この「化石燃料ゼロ時代」は筆者の執筆というよりは、いろんな資料をつぎはぎして編集していると言ったほうが良いように思えます。やはり自分の言葉で語らなくては人の心に響かないのではないかと、深く反省しているところです。それにはもっともっと資料を読み込んで勉強してゆかなくてはなりません。最後まで読んでくださりありがとうございました。
(二○二○年八月十日 了)

映評

『スペシャルズ!』


〜政府が潰そうとした自閉症
ケア施設を守った男たちの実話〜

 あまりにもひねりのない説明的なサブタイトルそのままの映画。どんな激しい「症状」を持つ自閉症の青少年も受け入れる施設を巡る実話の映画化。どんな激しい「症状」を持った人でも受け入れると聞くと、日本ではハードで悪質な隔離収容施設しか連想できないが、ブリュノとマリクの二人が運営する施設は真逆。隔離収容されてきた自閉症の青少年を施設の隔離から解放して、社会からドロップアウトしていた青年たちがケアワーカ―として働く運動体でケアして受けとめ、そして共に社会での暮らしを模索しようとする。そんな試みだから、冒頭から悪戦苦闘の連続。そこに国の査察が入り、そもそも無認可の施設は存続の危機に。
 映画には実話だけが持つリアルがある。その一つがケアされるものが、ケア提供者からケアされるということ。ケアは一方通行ではない、ケア提供者はただケアを提供するだけでなくケアの受け手からのリアクションによりケアされ成長することができる。これが支配とケアの決定的違いである。今でも医療・福祉の現場では、支配とケアが混同されるようなことが多々ある。またブリュノとマリクのモデルはケアを中心に経済を回していくモデルとしても成り立たせるような社会にしなければ。映画では、無認可、赤字経営だけれど。このようなケアにきちんと資金を提供すれば、将来的にはケアの受け手でしかなかった青年たちが、ケアワーカーとして経済的にも自立できるはず。
 もう一つは、暮らしのリアルが宗教を超えること。主人公のブリュノはユダヤ教徒、食料支援を行っているのもユダヤ教徒。しかし支援を受ける窓口はイスラムの女性。困難を抱える青少年を支えるために、絶妙なコミュニケーションが保たれている。宗教が違っても協同して事業を行うことは十分可能なことがさりげなく描かれている。
 自閉症スペクトラムを抱えた人にはこんな具合に感じるのかなというカメラワークがとてもいい。
(矢野薫)

 


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