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    かけはし2020年4月6日号

やめろ!福島からの「聖火」リレー


3.28

福島―首都圏をつなぎ「反五輪」

能力主義・優生思想に貫かれ
たオリンピックはやめよう


 
聖火リレーと
五輪災害批判
 三月二八日、「オリンピック災害」おことわり連絡会は、福島の仲間たちとともに「聖火リレーと五輪災害」トーク・リレー集会を行った。
 国際オリンピック委員会(IOC)は、三月二四日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大とともに各国、五輪選手などからの東京五輪・パラリンピックの延期要求に対して利権とカネの膨大な損失が必至なために抵抗していたが、ついに無駄な抵抗も崩れ七月から開催予定だった東京五輪・パラリンピックを一年程度延期し、遅くとも二〇二一年夏までに開催すると発表した。バッハ会長は、なんら科学的根拠を示すこともなく延期した五輪大会を「前例のない危機を人類が克服した祝祭とする」などとオリンピックマフィアの意向を代弁する始末だ。安倍首相にいたっては、「IOCによる延期の検討は、完全な形で大会を実施する方針に沿うものだ。東京大会の開催は、世界がコロナウイルスに打ち勝った証しになるとともに、日本の成功の証しになる」などと強調し、東京五輪の開催決定以降の関連経費が全体で三〇〇〇億円以上の無駄ガネがかかることを前提にぶち上げた。
 かつて安倍は、福島原発事故後は「アンダーコンロールされている」と大嘘をついて日本に五輪招致を決めさせたが、その犯罪に続く、大嘘だ。すでに五輪総経費は三兆円を超えている。巨額な無駄ガネを五輪に使うのではなくコロナウイルス対策のための医療システム、無償の検査・医療アクセスの充実、発症者・感染者などへの生活援助、コロナ感染拡大の被害による労働者休業補償、雇用・賃金手当などに支出すべきなのだ。
 東京五輪延期が決まったことに対して連絡会は、@五輪延期ではなく中止だ A延期によって膨大な人員とカネがこれまで以上に五輪に投じられることに反対 B五輪延期による復興やコロナ対策へのしわ寄せを許さない C2024パリ五輪、2028ロス五輪に反対する地元のグループとのスクラムを継続していくことなどを確認している。
 また、二六日の福島復興キャンペーンの一環としてのJビレッジからの聖火リレーは中止となり、二八日の午後五時過ぎに郡山駅西口駅前広場スタートから開成山公園自由広場でのゴールも中止になった。そのため二六日に予定していた「聖火リレーへのスタンディング・アピール」を二八日に予定していた郡山駅前での行動に集中することになった。

カネは災害から
の復興のために
トーク・リレーのトップは宮崎 俊郎さん(連絡会)から行われ、「コロナウィルス感染が拡大している東京の者が福島にコロナウィルスをばら撒く危険性もあるということで郡山に来ることについて議論してきた。しかし、皆さんに五輪は延期ではなく、中止だということをぜひ伝えたいという思いで来た。一九四〇年に東京五輪を開こうとしていたが戦争で返上した。関東大震災からの復興としていた。一九六四年は、太平洋戦争からの復興として位置づけていた。2020東京五輪も福島原発と東北大震災からの復興として位置づけた。だが復興していない現実を隠すためにオリンピックを利用しているにすぎない。延期された五輪も『コロナウィルスに打ち勝った』などと、また嘘の位置づけでやろうとしている。こんなオリンピックはいらないことを強く訴えたい。そのために自家製のトーチを作って走ろうとしていた。五輪にカネを使うのではなく、福島の復興のために使えと言いたい」とアピール。

避難者への住宅
提供打ち切り
大河原さきさん(ひだんれん/原発事故被害者団体連絡会事務局長)は、「『共同声明「福島はオリンピックどごでねぇ』(ひだんれん、脱原発福島ネットワーク)を出し、二月二九日に双葉郡楢葉町のJヴィレッジ周辺で、『福島はオリンピックどごでねぇ』アクションを行った。福島から県外に避難した人たち、県内に避難した人たちの損害賠償裁判を取り組む団体が入っている連絡会です。県は、避難者への住宅の無償提供を二〇一七年に打ち切り、有償で国家公務員宿舎に住むことを認めていたが、それを認めず追い出しを行っている。三月二五日に県は、四世帯に対して追い出すために裁判に提訴した。追い出しをやめろと抗議しています。ほとんどの人が非正規で就労し、コロナ状況による雇止め、収入減に追い込まれている。住んでいる人たちには、二倍の家賃を請求してきている。支払えない状況を無視し、五輪には無駄なカネを使っている。被害者、避難者への補償、救済が必要だ。オリンピックどこでねぇ。廃止を求めます」と訴えた。
くわばらよもぎさん(連絡会)は、「東京五輪が延期となりましたが、私たちは五輪の中止と廃止の訴えはかわりません。都は週末の外出自粛を要請してるが、マスクも店頭になく、生活保障、休業補償など全くなされないままだ。『復興五輪』だと言うが、避難者支援の打ち切りなどをやっている。五輪のお金でもっと様々な支援ができたはずだ。毎月、東京駅前でスタンディングを行い、五輪の問題を訴えてきた」と発言。
梅津俊也さん(郡山駅前アクション・ 原発いらない金曜日)による「民衆の唄」アピール。

五輪開催と感染
症拡大の連関
鵜飼哲さん(一橋大学教員)は、「東京五輪の延期のプロセスは非常に問題だ。延期を決めたとたんにコロナ感染人数が増えだした。多くの人がおかしいと思っている。支配者にとって都合が悪いときは、数字をいくらでも改ざん、隠されてきた。福島原発事故以降、このことを経験してきた。全く同じことがコロナウィルス問題でも起きている。オリンピックと結びついて世界的な感染症の拡大が繰り返されてきた。リオデジャネイロオリンピック(二〇一六年)のときジカ熱の感染拡大が危惧されていたが、WHOが延期、中止を勧告しなかったことで批判されている。長野オリンピック(一九九八年)の時もインフルエンザの拡大があったにもかかわらず行った。七年前、福島原発事故被害を隠すために安倍首相は嘘をつき、今度はコロナウィルスに打ち勝ったことにして東京五輪をやろうとしている。こんなでたらめがあるか。現在のままコロナ感染が拡大していけば医療崩壊は必至だ。またしても人々に犠牲を強要しようとしている。本当に許せない」と糾弾した。
黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)は、「五輪は延期になったが、中止だ、廃止だ。オリンピックは、福島の大惨事を隠すためにやるということが福島にいるとよくわかる。オリンピックに使うカネがあるなら、被災者のために使え。公営住宅に入れて、今度は出ろと言われている。被災者が訴えられているというとんでもないことが起きている。子どもたちの健康被害の問題もいいかげんな扱いだ。オリンピックをやっている場合じゃない」と強調した。
谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)は、「オリンピックの延期はオリンピック憲章にない。まともにみせようということで2020東京をそのまま二一年に延長して使う。バッハIOC会長は、自ら破るデタラメぶりだ。IOCは、大会をやるごとに一兆円近くのカネが入ってくる。だから、それが入ってこなくなると困るので延期にした。すべてカネが根源にある。安倍首相は、政治利用のためであることは明らかだ。マネーファースト、国家ファーストによって堕落してしまったオリンピックだ。あまりにも選手たちが可哀相だ。いいかげんにオリンピックを止めさせ、これからどのようにスポーツのあり方があるのかを追求していくきっかけにしていこう」と呼びかけた。
最後に「原発いらないいのちが大事の歌」を合唱し、トーク・リレーを終えた。

集会「聖火リレーと五輪災害」

改憲・権威主義国家への道ひらくオリ・パラ

鵜飼哲さんが講演

 引き続き、郡山市総合福祉センターで「聖火リレーと五輪災害」をテーマに集会を行った。
鵜飼哲さんは、「『聖火』を人質に取った『復興』五輪」について取り上げ、@「聖火」はどのように日本に運ばれたか A五輪/「聖火」/リレー B「原発事故と新型コロナ―災害『克服』という名の災害について問題提起した。
とりわけ、「二〇一三年に七年後、被災地は『復興』していることにされたように、二〇二〇年の一年後、世界は新型コロナを『克服』していることにされた。安倍が意図せずしてバッハにこの理屈を受け入れさせられたのは五輪理念に元来『復興』の観念が含まれているためだ。つまり、五輪は単に利用されているのではなく権威主義国家の優生思想、棄民政策、能力主義と高い類縁性がある。六四年の東京五輪準備でも死者が三〇〇人以上も出ている。今回の準備でもどれだけの犠牲者が出ているのか」などの問題点を浮き彫りにした。
谷口源太郎さんは、「一月二日、国会で安倍首相が施政方針演説を行った。オリパラを乱発した。とくに『国民一丸となって』ということを強調していた。『復興』の象徴としてJビレッジからスタートする聖火リレーだと言っていた。とくに『子どもたちの笑顔があふれている』と表現していた。Jビレッジは、原発事故の工事拠点として使った場所だ。工事拠点をとっぱらい、『復興』の拠点にするために聖火リレーの出発点とした。東電は一切、除染していなかったことが環境団体によって明らかにされた。汚染物質がたくさんあるのに聖火リレーのスタート地点にし、子どもたちを動員しようとしていた」ことなどを厳しく批判した。

差別・国家主義
に花添える企画
へびいし郁子さん(郡山市議/「虹とみどりの会」)は、「メディアも東京五輪と聖火リレーの宣伝を繰り返し行っていた。福島の聖火ランナー(二〇〇数人)の写真を一人ひとり掲載するほどでオリンピック一色だ。郡山市長が外出自粛を要請していたが、先ほどの駅前アピールでのビラの受け取りはいつもよりよかった。連絡会のとりくみがあって、大変感激し、力強かった。オリンピックは、安倍首相の数々の悪政を隠すための政治利用だ。オリンピックは中止しかない」と批判した。また、郡山市議会に対して「新型コロナ感染症による社会・経済影響は深刻 医療・食・住居の保障を!」などの要求実現に向けて取り組んでいることを報告した。
さらにトークは、黒田節子さん、中路良一さん(郡山教組)、桜井大子さん(連絡会)、稲垣絹代さん(沖縄)、中森圭子さん(神奈川)、くわばらよもぎさん、斉藤春光さん(いわき)から行われた。最後に主催者から今後の行動提起を受け、終了した。   (Y)

3.21

日銀前で緊急アクション

「パンデミック恐慌 vsパンデモスの連帯」掲げ

 中国から始まった新型コロナウィルスの世界的まん延は、グローバル資本主義システムの全般的破綻・危機という性格をますます鮮明にしつつある。
 こうした状況の下でATTACジャパンは三月二一日午後四時から、日本銀行本店前で「パンデミック恐慌VSパンデモス連帯〜3・21緊急日銀アクション」を行った。
 以下、この日の行動に向けて発したATTACジャパンの呼びかけを紹介する。

 「パンデミック恐慌が世界の金融市場に影を落としています。一月末からの中国での生産停止で世界のサプライチェーンにも影を落としています。ウィルスによる命や健康への影響が出ています。一月末からの中国での生産停止で世界のサプライチェーンにも影響が出ています。ウィルスによる命や健康への影響だけでなく、生産調整という名のリストラや休業などが人びとを不安に陥れる一方、パンデミック恐慌の発生源である日米欧の新自由主義金融システムは、リーマン危機を上回る規模で巨額のマネーを市場と金融機関に投じています。
日銀は昨日19日だけで5・3兆円の資金を国債購入を通じて金融機関に投じました。まず救済されるべきは恐慌の被害者でなければならないはずが、新自由主義金融システムは、まず恐慌の責任者を救済しているのです。原発事故と同じ構図です。しかし日経平均株価は下落を続けています。続きすぎて今朝の日経新聞には1面記事にもなっていません。しかし株価紙面を開くと全面で▲印(価格下落)が踊っています。政府・日銀・金融市場・主流マスコミなど、この国のシステム全体が『安定』を演出しているかのようです。
この危機はリーマン危機以降に全世界で取られた金融緩和の結果です。その結果、環境破壊や気候変動をもたらす過剰生産が出現するとともに、生産システムからもかい離した巨大なマネーが世界中の金融システムをパンパンに膨れ上がらせてきました。それが今回一斉に破綻し始めたのです。コロナ危機はきっかけにすぎません。すでに数年前からこの『出口戦略』なる縮小政策がいわれてきましたが、アベノミクスという2%の経済成長なる幻想をふりまき続けてきたマイナス金利のトップランナーは、結局のところ国家レベルで株価操作をしただけです。
パンデミック恐慌はこのシステムの支配者たちの危機であって、私たちの危機ではありません。危機のツケの押し付けを許すな! パンデミックの語源はパン(すべての)デモス(人々)というギリシャ語がルーツです。かれら1%のパンデミック恐慌に、私たち99%のパンデモスの連帯を対置しよう。」

生活・権利を
守る行動へ!
この日の日銀前行動は小倉利丸さんの問題提起、参加者からの発言などを通じて、今日の新自由主義的資本主義システム全体の破綻に対する、労働者・市民の側からの現状批判の問題提起と行動を共有していく必要を改めて訴えるものだった。ささやかな一歩ではあるが、歩み続けることが大事だ。
いま必要なことは、破たんを露わにしつつ、すべての犠牲を労働者・農民・市民に押しつける資本主義国家への行動による批判だ。雇用・生活・権利を行動によって守り抜こう。
オリンピックなんてとんでもない。外国人労働者とともに闘おう。引き続き声をあげよう。    (K)


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