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    かけはし2020年4月6日号

人びとの暮らしをどう守るか


3.12

宇都宮健児さんと東京都政を語る会

民主主義貫き生活を第一に

 
 【東京東部】三月一二日、江東区文化センターで「宇都宮健児さんと東京都政を語る会in江東」が江東市民連合の主催で開かれ、七六人が参加した。
 過去二回の都知事選で次点だった元日弁連会長の宇都宮健児さんが「今、都政に求められているもの」と題して講演を行った。

新自由主義反対
カジノ誘致NO
宇都宮さんは「小池都知事が経済成長、都市間競争に勝つ、東京を国際金融都市にしていくという政策を掲げて推進している。それは新自由主義でカネを稼ぎ、そのしずくをもらうというものだが、生活のレベルに落ちていない」と批判した。そして、宇都宮さんが掲げる政策を明らかにした(別掲)。
次に三団体が特別報告を行った。都教組江東支部が、新型コロナウィルスで、一律休校問題と変形労働制問題、都立病院の独法化に反対する会が、四〇〇億円で都立病院を支えているのを「赤字」としてこれをなくすために独法化(いずれは民営)にするのは、新型ウィルスで都立病院が果たす役割の重要性が増しているのに逆行していると批判、カジノに反対する団体がカジノは人間破壊を生み出すだけだと都が進めようとしているカジノ誘致を批判した。

貧困・格差解消
福祉第一の都政
質疑応答での宇都宮さんの答え。
@投票率を上げるにはどうしたらいいか。日本の参院選は投票率が四八%、若者に至っては三〇%台だ。スウェーデンは八〇%を超えている。一九六〇年代から中・高生が学校選挙本部を作って政治に関与している。一八歳の高校生に選挙・被選挙権があり、国会議員もいる。グレタ・トゥンベリさんが出てくる背景もある。日本でも大胆に変えていく必要がある。投票率は民主主義のバロメーターでもある。
A東京一極集中が地方の貧困・格差問題、都市・防災問題など根源的な問題を作りだしている。さらに、東京オリンピック問題、築地跡地問題などについてどう考えるか。一五兆円の予算を開発に使うのではなく、福祉に振り向けるべきだ(オリンピック問題については触れなかった)。
B都知事候補をどうするか。国政を変えるためには地方自治を変えなければならない。都政に声をあげ、自治体を監視していく。政策を提言する。候補者を大政党が決めて下ろしてくるという旧来のあり方を変える。二〇一一年東日本大震災の時、石原四選に対して、ほとんど何もできなかった。いまの新型コロナウィルス事態のなか、同じ轍を踏んではならない。主人公はおれたちだ。               (M)

宇都宮健児さんの講演から

今、都政に求められているもの

命と健康守り、差別なくそう


1.私たちの生活はどうなっているか。

 @貧困と格差が拡大している。
国民の六人に一人、子どもの七人に一人、一人親世帯二世帯に一世帯が貧困状態に陥っている。その原因は@社会保障の貧困。年金だけで生活できない高齢者が急増している。生活保護利用世帯の五割が高齢者世帯。奨学金問題が深刻化している。背景に大学授業料の高騰がある。保育園に入れない待機児童や特別養護老人ホームに入れない高齢者の増加。約二九〇万世帯が健康保険料を滞納している。多数の「医療難民」の存在。
A労働政策の貧困。
非正規労働者は年々増加し二一〇〇万人超、全労働者の四割。年収二〇〇万円以下の低賃金労働者は一二年連続で一千万人超。非人間的な長時間労働が横行、過労死・過労自殺の多発。労働者の権利が守られない職場。
B政治の貧困。
@、Aが解決できないのは「政治の貧困」が原因。

2.都政の役割。都民(外国人も含む)の命とくらしを守る都政。

 都民一人ひとりの幸せを考える都政。憲法が保障する基本的人権が守られる都政。選別的福祉ではなく普遍的社会福祉を重視する都政。二〇二〇年度の東京都予算、一般会計の総額七兆三五四〇億円、特別会計・公営企業会計と合わせると一五兆四五二二億円。都民の生活を豊かにしていくために重点的に予算を使っていく。

3.今、都政に求められるもの。

 @学校給食の完全無償化、子どもの貧困をなくす。
A義務教育の完全無償化(修学旅行や教材などを無償にする)、すべての高校の所得制限のない授業料の無償化、夜間中学・夜間定時制高校の拡充、都立大学・専門学校などの授業料の半額化・無償化。誰もが学べる都政を実現する。
B都営住宅の新規建設と家賃補助制度の導入。住まいの貧困をなくす。原発事故避難者に対する住宅支援を行う。
C公契約条例の制定、非正規労働者を減らし正規労働者を増やす。働く者の貧困をなくす。
D都立病院(8病院)・公社病院(6病院)の独立行政法人化(実質的な民営化)に反対する。都民の命と健康を守る。
Eカジノ誘致に反対する。人の不幸を踏み台にする経済成長政策はとらない。
F災害対策(防災・減災・避難者対策など)を強化する。災害から都民の命、財産を守る。
G環境問題に対する取り組み、温暖化対策(CO2の排出削減、自然再生エネルギーの充実など)を強化する。災害から都民の命、財産を守る。
H道路政策(外環道、特定整備路線)を見直す。地域住民の意見に耳を傾ける。
I保育士、介護労働者の労働条件を改善し、認可保育園、特別養護老人ホームを充実させる。待機児童、待機高齢者をなくす。
J視覚障害者の転落防止のためのホームドアの設置、障害者差別のないバリアフリーのまちづくり。障害者の権利を守る。
K羽田空港新ルート低空飛行の実施に反対する。都民の命とくらしを守る。
Lヘイトスピーチ対策の強化、朝鮮学校への補助金支給の再開、関東大震災朝鮮人犠牲者の追悼式への都知事の参加、同性カップルのパートナーシップ制度の導入など。外国人を含む都民の人権を守る。
M出前福祉制度を導入する。江東区兄弟餓死事件のような悲惨な事件をなくし、福祉の行きとどかない死角地帯をなくす。N都民参加予算制度を導入する。都民参加型の都政へ転換する。
O横田基地へのオスプレイに反対する。

3.27

最高裁に抗議の行動

沖縄県が提訴した「辺野古
訴訟」の上告棄却を糾弾

 三月二七日午後六時半から、最高裁西門前で、最高裁による沖縄県が提訴した「辺野古訴訟」の上告棄却に、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会と「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会の呼びかけで抗議行動が行われ、一一〇人が参加した。
 沖縄県が埋立承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求めた「関与取り消し訴訟」について最高裁は口頭弁論を行わず棄却した。今後、政府は辺野古埋め立ての設計変更を四月に入り申請すると表明している。何としても埋め立てを止めさせるために最高裁に抗議した。

国の違法・脱法
忖度する判決
集会は一坪の木村さんが裁判の経過を報告し、総がかり行動の高田健さんが「違法・脱法行為をする国に対して、厳しく対処することなく、行政府を忖度する判決だ」と批判し、不当判決に屈することなく闘うと主催者あいさつを行った。
次に、辺野古・大浦湾沿岸住民一五人が提訴した「辺野古の公有水面埋立承認撤回に対し、国交大臣がなした採決の取消を求める訴訟」判決が三月一九日に出る予定だったが延期された。この訴訟について毛利さんが「@仮処分について、住民の一五人中一四人が認定された。A埋め立て設計変更について、国は環境影響評価をする必要がないとしているが、裁判所はすべきだと表明した」と説明し、さらに「今回の最高裁判決は書面ではなく、傍聴もできて法廷が開かれて判決が下された。傍聴席をいっぱいにする取り組みが必要ではなかったか」と報告した。
続いて参加団体が発言した。埼玉平和運動センターは「二月二日、海上自衛艦の『たかなみ』が中東派兵される時、『憲法違反』のプラカードの抗議があったことを安倍首相は防衛大の卒業式で取り上げて、憲法改正の必要性を訴えた。アベ改憲を許すな」と話した。安保破棄中央実行委ならびに民医連は「六万人の組合員がいるが毎年三〇〇人を辺野古の座り込みに参加させている。辺野古の問題は自分たちの問題で、国のあり方を変えなければならないと思っている」と報告した。

あきらめなけ
れば必ず勝つ
沖縄一坪反戦地主会・関東ブロックの青木さんが、「今回の判決は沖縄の民意を踏みにじるものであり許せない。絶対にあきらめず闘いぬく」と力強くアピールした。辺野古に毎月のように通っている「集まれ辺野古」の仲間は「宮古島への陸自ミサイル部隊の配備が本格化し、ミサイル装置をつけた車両や部隊が上陸し、四月五日に発足式典を行う。地元の人たちが毎日抗議している」と報告し、辺野古埋め立てについて「塩川港でのベルトコンベアー使用が本来のセメント搬出のためなのに、辺野古埋め立ての土砂搬出に使われている。目的と違う使い方に県は厳しく指導し、やめさせるべきだと申し入れしている」ことを報告した。
千葉からの参加者は「木更津の自衛隊駐屯地で、オスプレイ部隊の発足式があった。東京湾や横須賀の米原潜の上をオスプレイが飛ぶことになる」と報告し、さらに「辺野古ブルー・カヌー部隊が埋め立て阻止のために活躍している。カヌー部隊はすぐに海に出られるわけではない。そこで、三月末に首都圏で練習する場を作る。いままで、カヌーや軽トラックなど一千万円以上の物資を支援している。いっしょに闘おう」と訴えた。
今後の行動が提起された。@軟弱地盤改良工事の設計変更申請に対する抗議行動を申請後一週間をめどに防衛省前で行う。A「止めよう辺野古新基地建設!辺野古裁判勝利首都圏集会を六月末めどに行うB「抗告訴訟」のはがき運動を継続する。最後に、最高裁に抗議のシュプレヒコールを上げた。                  (M)

抗議声明

 昨日、最高裁判所は沖縄県が上告した、県の埋立承認撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求めた「関与取り消し訴訟」について口頭弁論を行わず棄却しました。沖縄県の訴えに何ら耳をかさず、沖縄差別に満ちたこの暴挙に満身の怒りを込めて抗議します。
さる10月23日の福岡高裁那覇支部の判決は、「行政不服審査法では、国の機関と一般私人とを区別することなく同様に扱うことが予定されている」として国土交通相の裁決は違法でないとしました。同法7条2項で国の機関は使えないとしていることに違反する不当判決です。国の機関の防衛省が一般私人と同じであることはありえません。
また、同裁決は内閣の一員である国土交通相による裁決であるにしても、「中立的判断者たる審査庁の立場を放棄していたということはできない」としました。同じ国の機関の国土交通相は、辺野古推進の立場であり、初めから結論ありきで何ら実質的な審理を行いませんでした。裁判所は三権分立で行政から独立した機関です。公正・中立に法の番人として、行政の行き過ぎや違法行為に対しては、公正な審理を行い、判決を出すべきです。福岡高裁那覇支部の判決は、法の番人としての自らの役割を放棄し、政府の言い分に追随し、政府による違法な辺野古新基地建設にお墨付きを与える不当判決です。昨日の上告棄却は、福岡高裁那覇支部の不当判決を、司法の最大の番人が容認したことになり、政府の違法行為に追随し、政府の数々の違法行為を合法とするものです。まさに三権分立の崩壊であり、最高裁の辺野古新基地建設への加担です。
最高裁の政府への追随は沖縄差別そのものです。政府と裁判所が一体となり、沖縄県民の民意を押しつぶそうとしても、沖縄県民は絶対に屈しません。
もう一つの、「抗告訴訟」には、全国から、那覇地方裁判所に対して、法の番人としての実質審理を行い公正な判決を求める声が湧きあがっています。
私たちは、これからも総力をあげて、県の裁判を支援し、辺野古の問題を通して、「裁判官は独立し、政府からも指揮、命令を受けることもなく、法の精神に基づき、民主主義と地方自治を支えるための機関としての役割を果たすよう」全国民に訴えていく決意です。
2020年 3月27日


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