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    かけはし2020年4月27日号

エコ社会主義めざす闘いへ


第91回メーデーアピール

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/国際主義労働者全国協議会(NCIW)

 第91回メーデーにあたって、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は、あらゆる戦争に反対し、平和を希求し、搾取と抑圧に抗して闘っているすべての人々に心から連帯のあいさつを送ります。

   (1)

 私たちは第九一回メーデーを、新型コロナウィルス・パンデミックが世界規模で労働者民衆のいのちを脅かす中で迎えている。当然ながら、そこで掲げられる世界の労働者の共通する要求は、何よりもまず私たち民衆のいのちを守れであり、それを守らせる闘いと主体的行動に向けた連帯がメーデーの課題になるだろう。八時間労働制を共通の要求に掲げた労働者の国際的統一行動日として始まったメーデーは、今あらためて、具体的で切迫した共通の要求に基づく世界の労働者民衆の連帯を示す場として到来している。
したがって私たちは今年のメーデーにあたってまず、人々のいのちを守れという要求を、そしてその観点から、正規、非正規、国籍を一切問わず一〇〇%の賃金保証と雇用の保障をもって、いのちを守りライフラインを維持する不可欠な業務以外のすべての事業から労働者を引き上げさせよ、そして不可欠な業務を引き受ける労働者には物心の支援を集中した上で最大限の安全を保証せよ、との要求を、またフリーランス、個人事業主、小規模事業者の生活保障と事業再開を可能とする休業補償の要求を、さまざまな回路から政府と経営者に草の根の連帯をつくり出しながら突きつけることを訴える。
そして、民衆のいのちを守り守らせる上では、労働者民衆の連帯が、そして民衆の自律性が最良の保証であることをあらためて確認したい。もちろん、この連帯が国境を越えるものでなければならない、ということも言うまでもない。
しかしながらその連帯の表現は、否応なくこれまでとは異なるものにならざるを得ないだろう。感染の危険を高める大集会と大デモは不可能だ。自らと仲間を感染から守るためだけではなく、危険を身に引き受けていのちを救う最前線に立つ仲間たち、特に医療の仲間たち、そしてライフライン維持に力を尽くしている仲間たちの負荷を軽減することも決定的に重大な必要であり、その軽減を現実に進めることがまた一つの連帯だからだ。
その現実の中でおそらく世界各地では、労働者民衆の連帯を違った形で生き生きと力強く示し、その力で、権力を握る者たちに民衆のいのちを守らせようとする創意ある工夫がさまざまに出現するだろう。現にそれは始まっていることが世界各地から、また日本の中からも伝わっている。「不要不急」の事業の休業を求める、職場の安全を求める、さらに不可欠な資材生産への生産転換をも求める自然発生的なストライキが、欧州、米国、ラテンアメリカ各地で起きている。医療の仲間にエールを送る行動が広がっている。労働相談も含めて草の根で、特に脆弱な条件に置かれた人々を支える活動、地域のケアを支えるネットワークづくり、が生まれている。
私たちは、これらに続く連帯の創出に、特に労働運動が何よりも現場の創意とイニシアチブを尊重し支援しつつ、そしてすでに現れている差別やヘイトに決然と対抗しつつ、率先して挑むことを訴える。それは、労働者民衆の連帯再構築に必ずや一つの基盤を与え、この後に続く闘いに、今や確実視されている恐慌の中での闘いに、決定的な力を提供するだろう。

   (2)

 今回のパンデミックは、この四〇年以上世界を席巻した新自由主義のグローバリゼーションが、市場を万能視し、公共サービスを解体し私有化を進め、社会的支出を削減し、自然を破壊し乱開発し気候の危機をつくり出してきた政策路線が、いかに破壊的なものであったかを赤裸々に見せつけた。その典型こそ、今回のパンデミックで対応力の貧弱さが直撃された公的医療の危機的現状だ。まさに各国の権力層が無謀にも推し進めてきた公的医療の解体が、私たち民衆のいのちの危機をつくり出した。それはまさに今日本でも例外ではない。これは必ず逆転されなければならない。
新自由主義のグローバリゼーションが深めた貧困が今回のパンデミックの犠牲にくっきりと影を落としていることも明らかになっている。米国の死者に占めるアフリカ系やラテン系の比率の顕著な高さが報告されている。そこに社会的差別の構造と貧困が作用していることは誰も否定できないだろう。状況は世界各国で共通であり、犠牲には階級性があるとの報告が積み重なっている。
日本ももちろん例外にはならない。日々の稼ぎがくらしの唯一の支えになっている非正規労働者、移住労働者、あるいはフリーランスの仲間が高いリスクにさらされていること、そのリスクに、ソファでゆったりくつろぐ安倍晋三首相とは雲泥の差があることは、あまりに明瞭だ。たしかにウィルスは人を選ばないだろうが、それから身を遠ざける条件と感染への抵抗力、また感染後の医療を受ける条件にははっきりした格差がある。
そして新自由主義のグローバリゼーションが社会的格差を極度に深めたいわゆる途上国に今後感染が広がった場合、その現実は一層明瞭になるだろう。このような現実をこれ以上許してはならない。新自由主義が破壊した公共サービスの再建、そして社会的保護と財の社会的再配分の再構築を持続可能な生態系均衡と一体化できるシステム形成が、最優先の課題にならなければならない。私たちは、それらを、民衆の国際的連帯を通じて世界的規模で追求するよう強く呼びかける。

   (3)

 世界の支配的エリートたちがこのパンデミックに有効に対処できなかったことは明瞭だ。特にそれは、先進工業国であることを自他共に認め、医療体制も整備されていると見られていた欧米諸国が大流行の中心になったことにはっきり示された。
その根底に彼らが推し進めた前述の破壊的政策の結果である社会的脆弱化があることは明確だが、そこに資本の利益を何より優先する彼らの政策選択が加わったことも間違いない。彼らはパンデミックに、非常大権による都市封鎖で応じる以外の用意は何もなかった。しかもそれは遅れ、また抜け穴のあるものだった。医療従事者は極めて乏しい支援のまま、献身的な奮闘を強いられた。他方支配層はなるべく多くの生産を維持しようとし、結果として多くの労働者がリスクにさらされた。
その上彼らは、グローバリゼーションの付随現象と言うべきパンデミックの世界的急速拡大に対処する、国際的協力の態勢すらまだ整えることができていない。現実はむしろ各国支配層の不協和音の方が表面化している。感染防護に向け民衆に協力を求めている彼ら自身が協力できていないのだ。
まさに各国の支配層はその政治的破綻をさらけ出している。都市封鎖が感染抑制にそれなりに効果を上げているとすれば、それはむしろ労働者民衆の主体的意志の結果だと言わなければならない。その現実は客観的に、労働者民衆がこれらの支配的エリートを押しのけて古い社会に終止符を打ち、新しい社会を引き寄せる道に踏み出すことを求めている。

   (4)

 安倍政権が世界の支配層の例外でないことも今や明確だ。パンデミックを前にしたその失政の数々を今さら挙げる必要もない。
特徴的なことは、政策の優先順位の完全な逆転だ。経済優先思考はトランプ並みであり、休業を求め、労働者に自宅待機を求める際の補償に対する徹底した消極性は、他国に比べ群を抜いている。そしてこの期におよんでもこの政権は、完成さえ覚束ない沖縄の辺野古の埋め立てを止めず、改憲に執着し、米国製兵器の爆買い、全国の病院の整理統合計画を進めようとしている。今回の事態でフリーランスの不安定さと保護のなさが明確になっている今も、高年齢者雇用安定法採択を強行し、法の保護のない労働者をつくり出すフリーランス化をあくまで推進しようとしている。非道さが明らかになっている技能実習制度は、廃止に向かうどころか、むしろそこへの依存が強まっている。
付け加えれば、パンデミック対処の果断さをしきりにアピールしている小池都知事にしろ、都立病院の独立法人化をなお強行しようとしているのであり、感染防護に対する都知事の本気度は大いに疑わしい。
いのちを守ることの優先度は完全に後景に下げられている。この現状で彼らが発令した緊急事態宣言に、その真の狙いがどこにあるのかの疑念が突きつけられるのは当然だ。この宣言発令後に続く政権の政策的迷走は、この宣言を通した感染抑制効果の検討がいかにおざなりだったかを示すものにほかならず、先の疑念をまさに裏付けている。情報公開要求と権力の徹底した監視を強めなければならない。
今回のパンデミックは、労働者民衆の命と雇用と暮らしを守る点で安倍政権が完全に失格であることを、この上なく暴き出した。そして私たちの前には、確実に大不況が迫っている。労働者民衆の連帯が切実に必要になっている。
いのちを守り守らせる要求を起点に、労働者民衆の連帯の創造的再構築に挑み、その力で必ず安倍政権を打倒し、世界の民衆と共に、新自由主義のグローバリゼーションに代わる新しい世界、いのちを守ることのできる世界を引き寄せよう。私たちはその世界がエコ社会主義として形成されると訴えたい。
第91回メーデー万歳。   

91メーデースローガン

?今こそ、命と雇用と暮らしを守る政治へ
 失格露わな安倍政権を必ず打倒しよう!


?感染症医療体制の即刻確保を!
 医療現場に資源を集中し十分な感染対処医療体制の構築を! 医療従事者に不足なく防護装備を提供し、十分な安全確保を! 医療従事者の要員確保と過重労働軽減に向けた諸対策を! 感染検査を大々的に実施し、感染実態をありのままにつかむと共に、感染者への早期適切な症状に応じた措置を! 感染状況について、情報の隠ぺい歪曲を止め、情報公開の徹底を! 透明なプロセスの下で、感染実態に即したパンデミック対処方針策定を!


?都立病院・保健所の全国的整理・統合計画、および都立病院の独立法人化を即刻撤回せよ! 公的医療体制抜本拡充への医療政策の転換を!


?人々の感染防護のために、命と暮らしを守るために不可欠ではないすべての経済活動の停止を!


?活動を停止した労働者については雇用を保障し、解雇、雇い止め、派遣切り、内定取り消しを行うな!


?活動を停止した労働者の賃金について、技能実習生を含んで、正規、非正規、フリーランス、国籍を問わず、政府・企業は一〇〇%の責任を負え!


?雇用保険受給資格のない失業者、アルバイト学生に生活可能な収入の保証を!


?休業する自営業者、フリーランス、小規模事業者には生活保障と、家賃、機材リース料、借り入れ返済、公租公課の支払い猶予など、事業再開を可能にする対策を!


?住居を奪われた人々、また自宅が安全でない人々に対する、公的機関による感染防護可能な居住スペースの提供を!


?今こそ、トランプ追随を拒否し、覇権争いではなく国際連帯・協力の道へ! 途上国のパンデミック対処に支援を!


?九条改憲阻止! 軍拡予算を執行するな! 兵器輸出反対!


?朝鮮半島に平和を! 東アジアに軍事緊張をつくるな!


?沖縄の人々と連帯し、辺野古新基地建設を断念させよう! 南西諸島への自衛隊配備反対!


?天皇制関連諸行事の取り止めを! 天皇制を終わりに!


?福島の原発被災者支援打ち切り止めよ! 原発再稼働反対! 原発ゼロ社会を! CO2排出ゼロを本気でめざせ! 再生可能エネルギーへの早期転換を!


?震災復興をダシにし、欺まんと腐敗に満ちた東京五輪は延期ではなく中止に!


?20春闘勝利! 八時間働けば暮らせる社会を! 有期契約労働者の無期転換逃れを許さない! 非正規労働者の差別的処遇是正を! 「高度プロフェッショナル制度」導入阻止! 高齢再雇用労働者へのフリーランス適用を許さない! 過労死水準の時間外労働認めない! 技能実習制度廃止! 移住労働者の権利保障を! 移住労働者の御都合主義的な利用を止め、道理ある移民政策への転換を! 全国一律最賃制を! 最低時給一五〇〇円の早期実現を! 職場に人権を! パワハラ・セクハラを許さない!


?全日建関西生コン支部への弾圧を労働運動総体の闘いではね返そう!


?消費税廃止! 大資産家と大企業への抜本的課税強化を軸にする課税制度の抜本的転換を!


?災害、パンデミックに対する社会的抵抗力の再構築を! 売りものではなく権利保障として、公共サービス再建を! 公務非正規労働者の正規化を! 公的雇用の大幅増強を! 


?草の根から連帯を再建し、迫りくる恐慌における民衆への犠牲強要をはね返そう!


?世界の民衆と連帯し、平等と連帯の、成長に依存しない持続可能で民主的かつ公正な抑圧のない世界をめざそう!

 



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