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    かけはし2020年5月18日号

「特別就業事業」継続を


5.1

野宿者・失業者・日雇い労働者メーデー

東京都庁申し入れ行動


 東京都は連休中の山谷対策として一週間の宿泊を決めた。宿泊先は山谷のドヤ。緊急対策とはいうものの、周知期間はあまりにも短く、四月二四日(金)の午後二時に城北労働福祉センターと玉姫職安にポスターを張り出し、二八日の午後四時から五時の間にセンターで整理券を配布、五月一日に相談して宿泊というタイトなスケジュール。年末年始の宿泊では約一ヶ月前から告知しているのだ。しかも四時から五時では仕事に行っている仲間は間に合わない。
 二九日には四月初めから継続している朝食行動の後でセンターと交渉し、整理券をもらえなかった仲間二名にも整理券を発行させた。しかし、まだまだ宿泊に行きたかった仲間はいたはずである。 

危機的状況を
はねかえそう


五月一日、野宿者・失業者・日雇い労働者メーデー。今年の野宿者メーデーはコロナ感染が広がる中でデモは中止し、東京都庁での申し入れ行動を行った。申し入れのテーマは二つ、まず山谷の玉姫職安で出ている特別就労対策事業がコロナウイルスの影響で四月いっぱい止まっており、その休業補償を行えというもの。 特別就業事業とは日雇い職安である玉姫職安で日雇い雇用保険手帳(白手帳)もしくは休職受付票(通称ダンボール手帳)を持っている労働者が輪番で道路や公園の清掃作業など東京都の出す仕事に行けるというもので月に二回から三回仕事が回り、一回約八千円の収入になる。野宿の仲間にとってはアルミ缶集めと共に貴重な現金収入を得る手段となっている。例年三月は年度替りで仕事が止まる、よって今回は二カ月止まっている。さらにコロナで炊き出しも中止に追い込まれているところが多く、かなり危機的な状況である。
申し入れの二つ目は野宿の仲間が特別定額給付金をちゃんと受給できるように求めるもの。山谷では八時から朝食行動を行い。メーデーへの参加を呼びかけ、都庁へと向かった。一二時には都庁前で渋谷の仲間と合流し、総勢六〇人ほどに。工事現場で使うような足場を組んで横断幕を設置。社会的距離を取りながらカレーライスの昼食を食べ交渉に臨む。
最初は都・産業労働局雇用就業部就業推進課と特別就労対策事業の休業補償について交渉。産労局の担当者が出てきたところで歩道から都庁の敷地に入るとガードマンが出てきて敷地から出て行けという。歩道に六〇人もいては交通の邪魔になるではないかと抗議するも「規則だ、出て行け!」の一点張り、距離を取りながら敷地内に座り込み「早く始めよう」と待っていると、産労局が「じゃ、ここでやりましょうか」。その一言でガードマンがブツブツ言いながら後ろに引いていき、交渉開始。

生きぬくため
さらなる闘い


産労局の担当者は五月六日以降も特就の休止を無期限で延長せざるを得ないと発言。我々は、なんとか工夫して感染対策をしながら、仕事の再開が出来ないか、それが無理なら休業補償をと要求。かつて玉姫職安では年末年始には「餅代」という一時金が払われていた。餅代といっても別に餅やおせちを食べるための金ではなく、仕事がなくなる時期にその生活保障という性質のものであった。今回も仕事が止まっている中でそういった対策が必要だし、仕事のための予算はすでにあるのだから、十分に実現可能性はあるのではないか。参加した労働者も厳しい状況を口々に訴える。
交渉の中で、産労局の担当者も仕事を休止する際にかつての「餅代」について調べていた、ということも分かったが、「一度終了した制度を復活させるのは難しい」とか「東京都は特就で働いている人と雇用関係にあるわけではない」などと、最後まで休業補償を行うとは約束しなかった。
続いて都・総務局行政部振興企画課の特別給付金担当者との交渉。渋谷の「ねる会議」の仲間が総務省に出向いて交渉を行っており、その中で「今回は迅速に配るという観点から住民基本台帳に載っている方を対象にしている。しかし、住民台帳に載っていない方もいるので、そういう方々にもしっかりと対応していく」「住民登録をしていない所でも、ない方でも受けられるようになります。」という言質を取っている。しかし、基本的には住民基本台帳を基に給付することになっているので予断を許さない。
公園でも住民登録できるのか? 区役所で住民登録できるのか? あるいは住民登録がなくても玉姫職安の給食受付票などで本人確認して給付金が受け取れるようになるのか?。仲間の切実な矢継ぎ早の質問に総務局の担当者は今回の給付金は国が決めたもので、窓口になるのは区・市であり、東京都は給付が円滑に行われるように調整していくのが役割、として給付については各区や市と交渉して下さい、と、にべもない。
各区で対応が異なったらそれこそ円滑な支給などできないではないか。東京都でキチンと誰でも受け取れるように各区に通達しろ、と追及。夕方までかかって二つの交渉を行った。
休業補償、特別給付金どちらの交渉も一定の手応えのあるものであったが、更なる闘いが必要である。と全体での総括を行い、この日の行動を終えた。             (板)

5.9

自由と生存のメーデー2020

「一人一月30万円を!」

危機に立ち向かう闘いへ


追い詰められた
人々の切実な声


 五月九日午後二時から、東京・新宿駅東口アルタ前広場で「自由と生存のメーデー2020」がフリーター全般労組、キャバクラユニオンが主催して行われた。「一人一月三〇万円を!」がメインのスローガンだ。集会・デモには一五〇人が参加した。
 主催者のフリーター全般労組(F労)は、「いま一人一〇万円の補償金という安倍首相の約束すらどうなるかわからない状況だ。いつになれば払うのか。さらにPCR検査すら行われていないのが現実だ。ただちに声を上げよう」と呼びかけ、新宿駅一周デモに出発した。
 デモの後アルタ前で集会。都庁前で労働相談・生活相談の活動を行っている作家の雨宮処凛さんは、「二月以後、講演料・原稿料収入が激減している。そうした中で反貧困ネットの緊急SOSメールを担当しているが、『食事をしていない。カネがない』という追い詰められた訴えが殺到している。想像を絶するほどの生活困難が進行し、終わりが見えない貧困が深まっている。生活保護バッシングがもたらした影響は深刻だ。一九九八年に見られた自殺者九〇〇〇人を繰り返してはならない」と訴えた。

感染症を放置
する資本主義


評論家の小倉利丸さん(元富山大教授)は、「病気が集団発生したら免疫ができるからいいという発想」やトランプ米大統領の「犠牲になる人が出ても、それは『国民の戦士』だ」という発言を紹介。「GDPでベスト10の国がすべて感染を野放しにしている国だ。資本主義システムそのものが感染症を放置しているのが実態だ。資本主義システムだからこそエピデミック状況が起きたというべきだ」。
「中国がここにきて経済活動の再生に乗り出し、グローバル資本主義の支配国という地位をつかもうとしている。それに対して欧米が追従しようという構図だ」。
「感染したらそれは本人の責任という体制、検査をしない体制、みんなが集まることが嫌いな体制こそ資本主義だ。民主主義のためにはみんなが集まって合意を形成していく必要があり、状況を打開するために新しい、協力し合う社会関係をつくり出そう」と強調した。
続いて介助派遣者からの「自己責任論でスカスカになっていく人間関係にコロナ・ウィルスが入り込んでいく」というメッセージが紹介された。

グローバルな危機
に立ち向かうため


武器取引反対ネットの杉原浩司さんからは五月一四日に行われる「武器見本市」に反対する抗議アピールの訴えが行われた。「紅一点」のななみなみさんは、「命の軽重に優先順位がある社会にコロナウィルスが入り込んでいく」「資本主義・国家・家父長制が私たちを苦しめている」と指摘した。
さらに渋谷区の路上の自由を守る会、フリーター全般労組からの発言を受けて、この日の行動をしめくくった。
労働組合ナショナルセンターなどが主催する集会・デモが中止される中で、コロナ・ウィルス問題をめぐって浮き彫りにされたグローバルな危機に立ち向かう理論と運動が今こそ求められている。    (K)



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