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    かけはし2020年5月18日号

沖縄に居座る米軍の異様さ許すな


沖縄報告 5月10日

主権者は沖縄県民だ

沖縄 K・S

沖縄県が設計変更を不許可にしたら政府は埋立工事を断念せよ!


 沖縄防衛局は、コロナ禍の最中の四月二一日早朝、埋立工事の設計概要変更申請を県北部土木事務所に提出した。約一八〇〇ページの書類で防衛局は、大浦湾の軟弱地盤の改良工事を軸に、大幅な工期延長と費用の増加を明らかにした。工期は知事の認可から起算して埋立に一〇年近く、米軍施設も含めると一二年、費用は九三〇〇億円にのぼる。沖縄県の試算では二兆六五〇〇億円という莫大な金額になる。
 大浦湾に広範に広がり最も深い所で水深九〇mに及ぶ軟弱地盤の地盤改良工事は、日本はもちろん世界でも施工例がない。着工しても完成がおぼつかず、途方もない環境破壊を伴う空前の難工事になることが予想される。軟弱地盤の存在を隠してきた政府は、情報公開によって事実が明らかになると、今度は七〇m以下の地盤の強度は十分と言い繕って工事を強行しようとしているが、実に無謀で危険だ。軟弱地盤に手を付けてはならない。
 玉城知事は常々「設計変更は認可しない」と言明している。五月八日の国地方係争処理委員会の第二回会合は、県に対する農水省のサンゴ移植許可を求めた指示をめぐって、五月二二日に玉城知事と江藤農水相の意見陳述を行うことを決めた。
 去る三月二六日には、最高裁が県の上告を棄却し、私人を装った防衛省の行政不服審査法の違法な利用による、県の埋立承認撤回を無効にした違法行為にお墨付きを与えた。安倍政権の行政、裁判所を動員した沖縄県に対する圧力が強まっている。
 沖縄の主権者は沖縄県民だ。日本政府は、沖縄県の行政の自主・自立を尊重し、沖縄県が設計変更申請を不許可にしたら、埋立工事を断念し辺野古・大浦湾から撤退せよ!

ドローンで見た辺野古と
宮古・石垣の自衛隊基地

 

上空から見ると異様さが際立つ基地の実態

 普段の生活では、ゲートやフェンス、近くの建物くらいしか目に入らない基地も、ドローンを飛ばして上空から見ると、その実態がはっきりと見えてくる。戦後七五年経てなお戦場となった沖縄に堂々と居座る占領軍・米軍の異様さと沖縄を軍事の道具と見做し自衛隊基地建設をごり押しする現場の無残な姿である。
沖縄の主権者は県民だ。日本政府が強権を前面に押し出して基地建設を強行しても、県民の意思に反する米軍基地・自衛隊基地の建設は必ず破綻する。今号では、ドローンの眼を通して、@辺野古埋め立て工事現場、A米海兵隊キャンプ・シュワブおよび辺野古弾薬庫、B陸上自衛隊の宮古ミサイル部隊の弾薬庫建設現場と石垣のミサイル基地建設の現状、を概観することにしよう。

辺野古埋め立て工事の現場

 まず、辺野古埋め立て工事の現場である。添付の写真ABは昨年五月の埋め立て区域AおよびA―1の姿である。土砂はA―1で海面の半分ほど、Aで一〇%にも満たない。埋め立ては二〇一八年一二月に始まったので、五か月後の姿ということになる。今年3月のCに目を移すと、A―1は既に海面が見えない。さらに四月のDでは、全体に緑色の吹き付けが施されている。この区域はしばらくこのまま養生されることになろう。

辺野古側の土砂投入は埋め立て区域Aに集中する

 辺野古側の埋め立て区域は、護岸が造成される前何度かカヌーで行ったが、透き通るような浅瀬で、干潮になると海面はひざ下になる場所だった。海辺の岩場には、魚、カニ、エビなど様々な海洋生物の子どもが、びっくりするほど密集していた。そんなところにも辺野古の海の豊かさを感じたものだ。そして、砂場にはジュゴンのえさとなる藻場が広がっていた。県民の財産、沖縄の宝が、米軍追従、軍事優先、沖縄差別の日本政府の政治家や官僚によって壊されて行く。
写真EFは土砂積み下ろしに利用されているK9護岸。K9護岸はもともと大浦湾側の埋め立て区域を囲う護岸の一部として計画されたが、大浦湾の軟弱地盤のため、政府・防衛局はひそかに計画を変更し、辺野古側から埋め立てを進めることにした。K9護岸は一〇〇mでストップ、土砂陸揚げの埠頭として使われてきた。ランプウェイ台船が護岸先端に接岸し、ダンプが土砂を積み込む。

キャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫

 写真GHはキャンプ・シュワブと辺野古弾薬庫の全景・遠景である。Gの右手前は辺野古集落。右手前方の二つの島が長島と平島。向う側に広がる大浦湾に浮かぶ船は工事船だ。ここから見ると、キャンプ・シュワブと辺野古・大浦湾の埋立地が一体になっているのが見て取れる。米軍のねらいはまさにこの一体性だ。海兵隊基地、飛行場・軍港、弾薬庫をむすぶ一大総合基地が出来上がる。
写真Hの左側に見える池が名護市が管理する辺野古ダムだ。その向うの丘にはるかに見える弾薬庫は改造工事中。写真をズームアップしてみると、地下式弾薬庫の改造工事の様子が見える。辺野古・大浦湾の周辺は久志、二見、瀬嵩、辺野古崎など、沖縄戦で中南部の住民が避難、収容所生活をしていた場所だ。マラリアや栄養失調で亡くなった人たちがまだ地下に埋められたままだろう。沖縄の戦争は、米軍基地を撤去し遺骨を収容しない限り、終わらない。

宮古・石垣の自衛隊基地建設

 日本政府による与那国、石垣、宮古、沖縄、奄美に至る琉球列島の島々での自衛隊基地建設は強引に進められている。住民は納得していない。日本政府のやり口は、地元の政府追従勢力の市町村長・議員・団体を動かして、民主的手続きを無視して既成事実を先行させ、多くの住民にやむを得ないと思わせていく権力者の傲慢に貫かれている。「軍事は国の専権事項」というのは支配者の思想だ。軍事は最も住民の命に関わる問題であり、住民主権を取り戻さなければならない。
写真Iは宮古の保良集落のすぐ近くに建設中の陸上自衛隊の弾薬庫建設工事現場である。写真で確認できる通り、集落から約二〇〇mと近い。この弾薬庫には、宮古警備隊の弾薬庫とは別に、破壊力の大きい地対艦、地対空ミサイルや迫撃砲の弾薬が保管される予定だ。集落からこんなに近くに弾薬庫を造っていい訳がないが、政府は自ら違法行為をして恥じない。
写真Jは石垣島の自衛隊基地建設の現場である於茂登岳の麓だ。ここは沖縄島から米軍の土地取り上げで追われて来たりして集まった人々が開墾して農地にした場所だ。安倍と日本会議で結びつく中山市長は、有権者の四〇%にのぼる住民投票を求める請願を拒否して市有地を売り払い基地建設をごり押ししている。

〈沖縄ドローンプロジェクト〉


「ドローンの眼」(一時間一〇分)はドローン規制法の問題と辺野古、宮古、八重山、嘉手納、伊江島、高江、奄美大島など琉球弧の島々の米軍基地・自衛隊基地の姿を映している。沖縄ドローンプロジェクトの奥間主任分析官は「呼ばれればどこへでも行き話をする」と述べている。
申込・連絡先=FAX 011-351-1068
Email=okinawa.drone.project@gmail.com



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