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    かけはし2020年5月18日号

イージス基地はどこにもいらない


政府が「新屋断念」方針か

ミサイル基地建設正式撤回を

予算は生活保障にまわせ


 【秋田】五月六日夜、民放各社、NHK秋田は、「陸上イージス・アショアの新屋配備を政府は断念する方針であること。新たな候補地は引き続き秋田県内を軸に再選定する方向であること」を一斉に報道した。
 新たな候補地選定に当たっても、秋田県内としている背景には、政府はひた隠しにしているが、秋田が「北部朝鮮」ミサイル基地からの米軍ハワイ基地防衛線上にあり、(山口は米軍グアム基地)米軍防衛の軍事的理由の絶対性が最優先されていることを明確に示していることの証左である。
 
佐竹県知事
不満を表明


 これに対し五月七日佐竹知事は「政府から県に正式な連絡は何もない」、防衛省に問い合わせたが「まだ決定はしていない。国防上の機密が報道に漏れている。ますます不信感がつのる」とした。
 この事態を受けて政府も菅官房長官もあわてて「政府としては新屋断念は正式決定ではない」と記者会見で発表し、ドタバタ劇を演ずることとなった。

県内候補地
首長の反応


こうした動きは昨年五月の候補地選定における防衛省の報告書の改ざんや、防衛省幹部の居眠りなどの失態を受けて再調査(全国一〇地点)の結果(当初三月末であったが天候不良を口実に五月末に延期されたもの)の公表も待つことなく、こうした事態に至っているのである。こうした事態は政府のタガが相当緩んできていることの証である。
七日付の地元秋田さきがけ新聞の報道によれば県内の他の候補地となっている関係六首長(能代、由利本荘、秋田、三種、男鹿、にかほ)はいずれも「候補地に様々な問題を(例えば男鹿には国家石油備蓄基地がある)抱えており」地元への配備はいずれも否定的である。またいずれの首長も新たな候補地に関し、政府から打診や連絡は来ていないと報道された。

昨年参院選が
流れを変えた


こうした動きに至った経緯は防衛省の適地調査報告書の改ざんや、幹部の居眠りなどの失態後に行われた昨年七月の参院選であった。
地元新屋勝平地区一六町内会で組織する振興会のねばり強い反対を受けたこの選挙で、イージス・アショア新屋配備反対を掲げて闘った新人寺田静候補が、自民党現職の中泉候補に約二万票の大差をつけ勝利したことが発端となった。
この参院選を受けて、八月秋田市を地盤とする富樫衆院議員(秋田一区)の「新屋への配備はもう無理」発言が飛び出し、九月に入って新屋勝平地区振興会以外の他の六町内会も新屋反対の請願・陳情に同調することとなる。
さらにこれを受けて九月定例議会で新屋配備反対の請願・陳情が議題に上った二〇自治体のうち一〇議会が配備反対の請願・陳情を採択することとなり、今年二月定例議会において県内二五自治体のうち三自治体を除く秋田市(三度継続審議としてきた)をはじめとする二二自治体が反対決議を採択する流れへと引き継がれたのである。
この流れを決定づけるもう一つの運動は、昨年一〇月末に発足した県内一〇万人署名を目指す「県民署名スタートの会」によって秋田市内を中心に四万二千筆を超える反対署名が冬場という悪条件にもかかわらず、集約されたことである。
これを受けて今年二月に入って自民党県連会長の金田衆院議員(秋田二区選出)らは、河野防衛相あての「新屋には無理がある」との要望書を取りまとめるに至り県内保守派も総くずれとなっていくこととなる。
さらに佐竹秋田県知事、穂積秋田市長も二月末にこれに引き続いて河野防衛相に新屋反対の会談を申し入れることとなる。
一方秋田市議会において、公明党が二月定例議会で新屋配備反対の方向へ転換するとの動きが表面化し、市議会最大会派の保守秋水会も孤立感を深め、新屋配備反対へと動かざるを得なくなり、三月五日秋田市議会総務委員会で全会一致で採択され六日の本会議での採択へと結びついた。
しかし秋田県議会はあくまでも防衛省の再調査の結果を待って結論を出すとして三月一八日に総務企画委員会において四度目の継続審査という暴挙を行ったのである(これには県内他市町村への配慮という弱々しい理由をこじつけた)。

日米安保反対
政府は謝罪を


報道によれば、政府は新屋へのイージスは断念するが秋田を軸に再調査の選定を本格化させたとしているが、あくまで秋田にこだわっているのは日米軍事同盟によるアメリカ防衛としてのハワイ軍事基地防衛の前線基地としての位置づけが最優先とされているためである。
日米両政府の「北部朝鮮」への敵視政策とイージス軍拡路線を許してはならない。極東における民衆による平和共存を追求しよう。
政府の「新屋断念」を出発点として秋田県内反対をさらに闘い抜く陣形を構築しなければならない。
新屋勝平地区振興会の五十嵐正弘副会長は「防衛省は昨年の失態で県民の信頼を失っている。どこが候補地になっても県民は反対するだろう」との談話を発表した。イージス新屋配備断念を県内配備反対運動へと発展させなければならない。さらに日本のどこにも配備を許してはならない。
陸上イージス配備に巨額の財政支出をやめ、新型コロナウイルスに苦しむ労働者の生活保障対策に当てるべきである。
政府・防衛省は正式にイージス・アショア新屋断念を早急に表明し撤回せよ!        (N)

4.29

「昭和の日」をやめろ!

天皇制賛美にNOの声を

渋谷の街をデモ行進

 

 四月二九日、 反「昭和の日」実行委有志の呼びかけで千駄ヶ谷区民会館前から渋谷に向けてデモが行われ、八五人が参加した。
 新型コロナウイルス感染症の拡大による安倍政権の緊急事態宣言によって公立会館が軒並に休館し、様々な集会などが中止に追い込まれている。実行委有志は、4・28「沖縄デー」集会、反「昭和の日」集会も会場の休館によって中止せざるをえなかったが、コロナ事態によってアピール行動が萎縮している状況下黙って天皇賛美の「祝日」を過ごすことはできないとして立ち上がった。「今こそ問う『安保・沖縄・天皇』4・28―29連続行動実行委員会」は、この局面に対して声明を出している(別掲)。
 そもそも四月二八日は一九五二年にサンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した日であり、四月二九日は植民地支配責任・侵略戦争責任をとることなく死んだ天皇裕仁の誕生日を「昭和の日」(二〇〇七年制定)としてデッチ上げた「祝日」だ。安倍政権は、日米安保体制下、米軍との共同作戦のレベルアップをかけてグローバル派兵国家建設に向けて憲法九条改悪の野望を捨てていない。「代替わり」した徳仁天皇は、安倍政権との共謀によって戦争国家への加担へと歩みだしている。天皇行事の縮小等に追い込まれながらも、植民地支配責任・侵略戦争責任を棚上げし、平和ポーズのオブラートの役割を担っている。
 それだけではない。コロナ事態に便乗して、一月に自民党の伊吹文明元衆院議長は党会合で「緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいい」とぶち上げ、憲法改悪の条項に緊急事態条項を創設することを主張し出した。以降、安倍政権、日本会議などの右派勢力と右派メディアは、一斉に緊急事態条項も含めた憲法改悪キャンペーンを開始している。
 安倍政権と日本会議の宣伝紙である産経新聞(四・二九)は、「【主張】昭和の日 先輩も懸命に戦い抜いた」というタイトルで「昭和の日を迎えた。新型コロナウイルスの緊急事態宣言の下である。…… ウイルスとの戦いは確かに戦争と共通しよう。……大切なのは日本人が団結することだ。昭和の先輩は一致団結して国難を乗り越えてきた。現代の日本人にもできないはずがない」と強調することによって挙国一致を強要し、安倍政権と連動して「憲法改正の大きな実験台」として組み込んでいたのだ。
 天皇制を強化する一切の賛美を許さず、天皇制廃絶に向けた取り組みを粘り強く押しすすめていこう。

「表現の自由」を
妨害するな!


実行委有志は、デモにあたって、「@ゆったりと間隔をあけて歩きたいと考えています。Aマスク(あるいはそれに代わるもの)必須。B外出を控えたいと考える方の判断は尊重し、可能な方の参加をお待ちしています」を確認し、デモへの参加の呼びかけを行った。警察機動隊に対しては不当なデモ規制を許さず、「表現の自由」の権利を行使していくことを突きつけてきた。
デモは、千駄ヶ谷区民会館前を出発し、「『昭和の日』反対!終わりにしよう天皇制!昭和天皇の戦争責任を忘れないぞ!」などのシュプレヒコールを渋谷一帯にわたって響かせた。国家権力は、この日も大量の公安政治警察、機動隊を配備し、デモのアピールに対しては警察広報車による大音量による嫌がらせを繰り返した。
解散集会では、2020野宿者・失業者・日雇労働者メーデー実行委員会、日銀前メーデー、戦争・治安・改憲NO!総行動実行委員会から集会の呼びかけが行われた。      (Y)

声明

「立皇嗣の礼」は延期じゃなくて中止だ!  身分差別と格差を温存し拡大する天皇制は廃止だ!  あらゆる人びとへの生活と命の保障を!

今こそ問う『安保・沖縄・天皇』
4・28―29連続行動実行委員会

 4月14日、政府は持ち回りの閣議で、19日に予定されていた「立皇嗣の礼」を延期することを決定した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、収束状況を踏まえてあらためて日程を決めるという。
天皇徳仁の弟である秋篠宮が、次の天皇となることを内外に宣言する儀式である「立皇嗣の礼」は、皇嗣となったことを宣言する「立皇嗣宣明(せんめい)の儀」、天皇にお礼を述べる「朝見の儀」、賓客を招いた祝宴「宮中饗宴(きょうえん)の儀」(都合二回)からなる儀式で、それぞれ皇居宮殿・松の間で、国費を支出して「国の儀式」として行われることになっていた。それがこの間のコロナ状況を受け、縮小(饗宴の儀の中止、宣明の儀の参加者を350人から50人に減らすなど)して強行しようとしていたが、「緊急事態宣言」体制の下で、正式に延期が決まったわけである。
「不要不急」ということでいえば、これほど不要な国家行事はない。そもそも、この儀式そのものが、明確な法的根拠に基づいたものではない。それだけではない。儀式に使われる税金が4000万円。それはまた、昨年1年間かけて166億円もの即位関連費用をつぎ込んで行われた、一連の天皇「代替わり」儀式とも連動している。明仁が退位し、徳仁が新天皇であることを宣言し、文仁が次の天皇となることを宣言する──天皇制という制度は、これからもこうして永続していくのだということを、多額の税金を投入して確認し宣伝する儀式である。たんに不要不急なのではなく、廃絶されるべき害悪である。
秋篠宮が「皇嗣」となることによって、「お世話をする」ための職員はこれまでの20人余りから50人以上に増員され、その住居も約33億円かけて大規模改修される。延べ床面積も約1600平方メートルから5500平方メートルにまで拡張されるのだ。これとは別に、完成までの仮寓所の費用として、約9億8千万円が支出される。
退位した「上皇」の住まいとなる赤坂御所の改修費にも7億円が計上されている。天皇とその一族のためには、特別に手厚い手当が、国によって惜しみなくなされているのだ。
ひるがえって、コロナ状況に生きている大多数の人間の暮らしはどうか。保健・医療環境の新自由主義的破壊のなかで、劣悪な医療状況に甘んじることを強いられ、不安を抱きつつ検査すら受けられず、補償がほとんどないに等しい状況で、自己責任で「三密」を避け、自宅にとどまるよう「要請」される、「テレワーク」などできようもない人びとは、往復の通勤電車に揺られて首都圏を移動せざるをえない、リスクばかりが一方的に負わされる。
24時間体制での、自分たちの健康管理がなされる医療が保証され、通勤電車に乗る必要もなく、家族や関係者とも、2メートルどころではない充分な距離をとれる居住環境と、NPOに多額の寄付ができるくらいの金銭的余裕がある生活、それが天皇一族だけのものであってよいはずがないではないか。少なくとも、不平等が是正されなければならないと思うのがあたりまえだ。天皇家は特別だからと思わされてしまうのが、身分差別社会に毒された感覚というものである。
4月10日、徳仁は住まいの赤坂御所に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーを呼び、「ご進講」を受けた。徳仁は「私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」と述べ、さらに「国民が一丸となって乗り越えなければならないですね」と話したという。コロナウイルスという「国難」に対して、挙国一致で事に当たるべきだという安倍政権の方向を支持し、自ら「国民統合」の装置としての役割を果たすことが強く意識されている発言だ。
いま、「立皇嗣の礼」だけでなく、天皇関連の儀式も次々と中止あるいは延期されている。それは、本当のところ、この社会において天皇が行わなければならない仕事など、何ひとつないことを明らかにしているとともに、天皇制という制度において、制度を肉体的に支える一族の「健康」が、天皇制の将来にストレートに直結しているという事実を明らかにしている。だから私たちは訴える。…(略)…
2020年4月19日

 

 




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