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    かけはし2020年5月25日号

検察庁法改悪案に反対のうねり!


権力による言論操作許さない

コロナ危機下の民主主義追求

一人ひとりが自らの意思で

政府の勝手にさせない

 検察庁法改悪案に対する反対運動の広がりが、いま大きな注目を集めている。とりわけ五月八日に、検察幹部の「役職定年」を内閣の判断で延長可能にさせる法案審議を与党が強行して以後、世論の反発・批判が急速に高まることになった。
 「定年延長」の対象になった検察幹部とは安倍政権の「守護神」役を果たしてきた黒川弘務・東京高検検事長である。黒川の「定年延長」は、安倍政権の改憲戦略と不可分の関係にあることは、関係者の多くにとって周知の事実だったのである。「検察庁法改定案」そのものが、黒川にトップの座を維持させるための強引きわまる策謀だった。
 この人事に対して俳優やミュージシャン、プロスポーツ選手など、これまで政治には直接の関りをもっていなかったと見られる人々も、次々に検察庁法改悪案に批判のツイートを行った。五月一一日の段階で「#検察庁法改正案に反対します」という投稿が六八〇万件にまでふくれあがった、と報じられている。

何のための改悪か

 そもそも「検察庁法改悪案」は、なんのために提出されたのか。この法案が最初に集会の場で取り上げられたのは、二月六日に東京・王子の「北とぴあさくらホール」で開催された改憲発議に反対する新署名出発集会(主催:安倍9条改憲NO!全国市民アクション)の場であった(本紙2月17日号参照)。
この集会では「改憲問題対策法律家6団体連絡協」として四項目の質問状を法務省に送ったことが紹介された。その内容は、次のようなものである。
@これまで勤務延長の例はあったか、
A検察官の定年は検察庁法で決められており、国家公務員法の規定を適用するのは違法ではないか、
B国家公務員法の規定では、『特別の事情がある場合、定年退職日から1年に限って引き続き勤務させることができる』とされているが、その『特別の事情』とは何か、
Cこれまで前任の検事総長が後任を決めるのが慣例であり、その後に内閣が任命してきた。こうして検察の独立性を保障してきたことが崩壊したと考えるが、どうか。
これに対する法務省の回答は次のようなものだった。
@勤務延長を行った事例は把握していないA検察官は一般職の国家公務員であり、国家公務員法の勤務延長に関する規定が適用され、勤務延長が可能B東京高検管内において進行している重大かつ複雑困難事件の捜査、公判に対するためには、同高等検察庁検事長黒川弘務の豊富な経験、知識等に基づく管内部下職員に対する指揮監督が必要不可欠であり、当分の間検事長の職務を遂行させていく必要があるC黒川検事長については、検察庁の業務遂行上の必要性に基づき、法務大臣から閣議請議を行って引き続き勤務させることとしたもの。

急速に広がった反対の声


まさに、「黒川以外じゃダメなんだ」という、居直りでしかない。安倍内閣は、自らを守るために、この異例の人事に固執し続けている。現行の検察庁法には定年延長の規定がない。しかし政府は「黒川の定年延長に国家公務員法の規定を使った」と説明した。だが過去の政府答弁では「検察官にはこの定年延長規定は適用されない」としていたのである。
そこで安倍首相は二月一三日の答弁では「適用されると解釈することにした」と居直った。政府にとって都合のよい検察庁幹部は任期を延長し、都合の悪い幹部は延長しない、という恣意的なやり方がまかり通っているのだ。この手法に対しては検察内からも批判の声が噴き出している。
五月一五日には、松尾邦弘元検事総長ら検察OB有志も反対意見書を提出した。
安倍政権の改憲戦略は、決して「9条改憲」にとどまるものではないこと、国家権力の恣意的・独裁的行使と民主主義の破壊に大きく踏み込むものであることが、今回の事例からも明らかである。
必ずしも憲法9条改悪問題では、「反対」の声を上げることがなかった多くの人々を含めて、検察庁法改悪法案に関しては芸能・音楽・スポーツ界などからも批判の声が吹きあがっている。われわれは、それをどのように考えるべきだろうか。そこにはもちろん、コロナ・ウィルス状況の社会的まん延の中で、不安をつのらせているそれぞれの「業界」事情もあるのかもしれない。
しかし、それだけではない。「コロナ・ウィルス」状況は明らかに芸能・職業的スポーツの分野でも、自らがその中にいる現実を見直そうとする自立的な動きを、たとえ当初はごく少数の人々の間であったとしても、開始していく気運を創り出していくだろう。現に、多くの「元アイドル歌手」たちのツイートが目立っている。それは自らを取り巻く政治社会状況、すなわちコロナ・パンデミック状況下での新しい意識と運動の可能性を私たちに提起する。
私たちは、コロナ・パンデミック状況に直面した人びとの不安、混乱、絶望などの中から、自らと社会、政治への新しいかかわりに自覚的に踏み出していこうとする可能性を、このチャレンジを通じて見出していくべきではないだろうか。それは明らかに次の局面への兆しだ。
急速に変化しつつある世論の状況において、私たちはまず行動を通じて、そして論議をかみ合わせながら次に進もう。もちろんそれが大衆運動として、現実の政治を動かす力となりうるかはストレートに言うことはできない。しかしこうした試みが、コロナ・パンデミック下の新しい動きへの一つの、しかも重要な要素となることについて注目し、さまざまな可能性に貪欲に挑戦する必要があるだろう。

新しい状況の始まり


われわれは、「コロナ・パンデミック」下で、どう働き、生き、活動していくのかについて、さまざまな可能性に挑戦していく過程を、いま歩んでいる。
もちろん、その挑戦は沖縄・韓国・東アジアの人びととの連帯を強めながら、安倍改憲阻止の旗幟を鮮明にしたオルタ・グローバリゼーションの流れを創り上げていくための闘いだが、そのためにも、いまこの「検察庁法改悪案」を葬り去る行動で、次へのステップを踏みだすことも重要な契機となるだろう。
このツイッターでの新しい流れが、コロナ・パンデミック下の新しい運動のきざしと結論づけるのは早すぎるが、新しい「できごと」が始まっているのは確かではないだろうか。コロナ・パンデミック下の運動を、改憲阻止・二〇二一年「東京五輪」反対の闘いにつなげようとすることは、確かに挑戦に値するテーマではある。われわれは一つひとつの課題の独自性を尊重しつつ、運動の合流の可能性を最大限に追求していくべきだ。  5月18日            (純)

5.15

沖縄の日本「復帰」を今問う

首相官邸前スタンディング

一坪反戦地主会関東が呼びかけ

 五月一五日午後五時から、首相官邸前で「5・15沖縄・日本『復帰』を問う―沖縄・命の差別を許さない 沖縄軍事要塞化を許さない―」スタンディングが沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック呼びかけで行われ、一五〇人が参加した。
 三〇分前に官邸前に到着したところ、検事長の定年延長のための検察官定年延長法案を通す委員会が目の前の国会で審議されているのに対して、太鼓など大きな音を出しながら、抗議する人々の行動が行われていた。結局、この日所轄大臣の問責決議案が野党から提出されたことにより、審議はストップし週末にも強行突破を図ろうとする与党の目論見はとん挫した。委員会の中継でも反対の声ははっきり聞こえ、野党議員がこれこそが民意だ、と与党に詰めよっていた。検事の定年延長法案を葬り去ろう。

コロナ危機と
琉球弧の現実


5・15緊急行動への関東ブロックの呼びかけ文。

 ――「復帰」を問う5・15行動は沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックとして、毎年この時期に集会とデモを開催してきましたが、安倍の悪政により、コロナ禍が拡大し、断腸の思いで中止を決めました。
しかし、コロナウイルス感染と対峙する過程で「自粛」なる同調圧力にかき回され、否が応でも息苦しさを感じざるを得ない状況の中、普段では見えてこなかった事象も浮かびあがってきました。
琉球弧につながる島々には与那国島への沿岸監視隊、石垣島、宮古島、奄美大島にはミサイル基地建設など、防衛費として巨額の税金がつぎこまれている。しかしそこに暮らす人々の命に必要不可欠な医療体制はそっちのけである。ひとたびコロナウイルス感染が発生するとパニック状態に陥る。ここにきて脆弱な状態に捨て置かれている島々の現実が浮かび上がってきた。
日本国(ヤマト)安倍政権は国境管理と称して軍備の増強には湯水のごとく税金を回すが、ミサイル基地に隣接して暮らさざるを得ない島の人々の命がないがしろにされている不条理には全く関心を示さない。ミサイル基地建設費の一割でも島の医療体制構築に振り替えれば多くの命が救われる。だが、そのことを尻目に日本国は琉球弧の島々へのミサイル基地建設に勤しむ。彼らの脳裏には島で暮らす人々の姿・形など全く存在しないのだろうか。いのちの差別構造を許してはならない。
「辺野古」への日本政府の対応に象徴的に現れている植民地政策は、一九七二年以降強まりこそすれ緩むことはない。また、四月二一日設計概要変更の申請で、辺野古の闘いは新たな節目を迎えている。一九七二年以降、構造的な差別政策とされてきた沖縄政策はもはや植民地政策そのものである。「復帰」四八年を問うその意義は増している。

辺野古の海を
埋めさせない


最初に、関東ブロックの青木さんが呼びかけの主旨を発言し、沖縄の歌や、トーク・スタンディングでアピールした。
辺野古実の芦沢さんは、「集会を開くことができない中で、辺野古の海を埋めないでとツィッターすると、多くの反応がある。家でもできることを追求しよう」と呼びかけた。国会包囲実の中村さんは「五月一二日、院内で防衛省と話し合いをもった。@コロナ感染で多忙極まるなか、なぜ設計変更申請をしたのか。A大浦湾の軟弱地盤埋め立ての問題、の二点を追及したが、防衛省側は@辺野古新基地が唯一の解決策、準備が整ったので提出したA地盤は固いはずだというようなまったくふざけた見解を表明した。辺野古現地の闘いとつながり、本土の責任を追及していく。埋め立てをやらせない。6・22沖縄集会を成功させる」と報告した。
官邸前で独自にスタンディングをやっている沖縄出身者が「一九七二年の復帰は憲法のもとに帰るというものだったが、基地は変わらずかえって機能は強化された。怒りを禁じえない。四月一一日普天間基地から泡消火剤が流出した。米国では製造・使用が禁止されているものだ。政府はサンプル調査しただけで十分とし、それ以上の追及をしようとしていない。米軍優先が変わっていない。許せない」と話した。
米軍基地に反対する実行委は「米軍は横田にオスプレイを配備した。岩国での拡張はすさまじいものがある。日本・アジアから米軍は出ていけ。六月六日、福生公園で横田基地・オスプレイ配備反対・基地撤去のデモを行う」と話した。尼崎の反戦タイガースファンの元教員の発言もあった。最後に、関東一坪の大仲さんが埋め立て設計変更は攻防の一つの節目になる。今後、この審査をめぐって県と国が熾烈な争いになるだろう。そこに注目し、闘いを進めよう」としめくくった。        (M)

 



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