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    かけはし2020年5月25日号

9条改憲発議を阻止しよう


5.3

「国会前憲法集会」を同時配信

「コロナ危機」を利用した改憲キャンペーンNO!


「非常事態」の
利用を許すな


五月三日は七三回目となる憲法記念日。「戦争と軍隊の放棄」を誓い、「象徴天皇制」の下での平和主義・民主主義と基本的人権の尊重を基軸にした「日本国憲法」の改悪を目論む動きに抗する集会が全国各地で行われてきた。とりわけ安倍政権の下で、アメリカの戦争政策に積極的に合流し、自衛隊の海外派兵が連続的に進められていく中で、九条を基軸にした改憲の動きが具体化する中で、九条改憲=「海外で戦争する国家」を阻止する共同の行動が積み上げられてきた。
安倍首相は、この日も「日本会議」などの極右改憲派を中心とする「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が行ったオンライン会合に「自民党総裁」としてのメッセージを送り、「コロナウィルス・パンデミック」による緊急事態を背景に、「緊急事態において、国家や国民がどのような役割を果たし国難を乗り越えていくべきか、そのことを憲法にどのように位置づけるか、極めて重く大切な課題だ」と述べた。「コロナ危機」を徹底的に利用して自由と権利を剥奪し、「非常事態」「国難」における国家独裁権限を打ち立てようという民主主義破壊の宣言だ。
安倍の側近である稲田朋美自民党幹事長代行も五月三日のNHK番組で「今回の緊急対応に関し、これ以上の私権の制限をするのであれば、今の『公共の福祉』(による制限)の中で何ができるのか、憲法を軸とした議論もしっかりと憲法調査会でやっていくべきではないか」と野党に求めている。

櫻井よしこが
「国難」を扇動


こうした「コロナ・ウイルス危機」下における安倍とその側近たちの改憲発言が、かれらの危機感の表現でもあることは確かだ。五月四日付産経新聞の一面から二面にかけた極右の論客・櫻井よしこのコラム「美しき勁(つよ)き国へ」は、「現行憲法で国民守れるか」と題して次のように述べている。
「日本はウイルスの脅威からも中国の軍事的脅威からも国民を守れなければならない。日本国の在り方の総ざらえと戦後体制の修正が急務だ」「憲法には緊急事態条項もない。私権の壁の前でわが国は危機対応もままならない。国難を乗り切るには国民の理解と協力が必要で、その鍵を握るのがメディアによる公正な報道である。だが、わが国の大半のメディア、とりわけ朝日新聞はその責務を放棄して久しい」。「『武漢ウイルス』は衛生問題から安全保障問題へと急速かつ確実に変質しつつある。憲法に緊急事態条項もないわが国は生き残れるのか。指導者もメディアも問題提起し、憲法改正に向けた議論をおこす責任があるが、そのような気配すらうかがえない。日本は大丈夫か」。
櫻井は、このような形で「九条改憲」とコロナ問題を直結させる論陣を張った。安倍首相の本音を代弁しているのが彼女の役割なのだろう。

「輝き増す9条
に確信持って」


東京での今年の「5・3憲法集会」(許すな!安倍改憲 平和といのちと人権を! 5・3憲法集会2020)は、コロナ・パンデミック状況の中で、有明での中央集会を取りやめ、午後一時からの国会前での集会を「動画配信」する、という形態で行われた。国会前集会には、いつもと変わらない極右天皇主義右翼の宣伝カーによる罵声の中で、約三〇〇人が参加した(主催:5・3憲法集会実行委2020、共催:総がかり行動実行委、安倍9条改憲NO!全国市民アクション)
菱山奈帆子さんの司会で行われた集会の開会あいさつは、総がかり行動実行委の高田健さん。高田さんは「『コロナウイルスの危険が全土を覆っている状況の中で、憲法集会などやっている場合ではない』という声もあるだろうが、このパンデミック状況は安倍の責任という要素もあるし、それがもたらした人権侵害を無視することはできない。私たちは『憲法審査会などやってる場合か!』と言うべきだ」と訴えた。
「いま9条が輝きを増している。米国のトランプ政権がコロナ対策について何もできていないのに対して、韓国ではF35、イージス艦などの予算をコロナ対策に当てている。今こそ同調圧力に抗して、一一月三日には大規模な憲法集会を実現しよう。総選挙では全小選挙区で立憲野党の共同候補を擁立しよう」と呼びかけた。次に、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社民党の各政党からのメッセージが紹介された。

差別・憎悪の
言論はね返せ


次に早大名誉教授の浅倉むつ子さんがあいさつ。浅倉さんは「差別と憎悪に抗し、平和主義と反暴力の日本国憲法の思想を全世界に発信しよう」と呼びかけた。浅倉さんはドイツのメルケル首相のあり方を「透明性、思いやり、名誉」という点で「安倍首相との対極にいる存在」として描き出し、「社会のあり方によって障がい者の生き方が決められる」と強調した。
福島原発告訴団の武藤類子さんから「コロナと原発事故がもたらした状況の同一性」と、「トリチウム汚染水の海洋投棄に反対しよう、つながり助けあうことが人類が生き延びる道」と訴えるメッセージが紹介された。
国際基督教大(ICU)元教授の稲正樹さんは「いのちと暮らし、人間として生きていく権利を侵害しないというだけではなく、侵害の危険から国民を保護することが要請されるにも関わらず、補償なき自粛が要請されることなどあってはならない」と訴えた。
続いて各界代表発言として沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さん、ジャーナリストの堀潤さん、落語家の古今亭菊千代さん(芸人9条の会)、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の山口二郎さん(法政大教授)が発言し、最後に「総がかり行動実行委」共同代表の小田川義和さんがコロナ危機を口実にした「改憲発議」を阻止しよう、署名を広げよう、と呼びかけた。
改憲シフトを跳ね返し、安倍政権打倒へ!              (K)

5.3

高島屋前で集会

赤木さんの無念を胸に

コロナ危機克服しよう

 【大阪】今年の五月三日は、新型コロナ対策のため、例年開いていた扇町公園集会とパレードを中止し、それに代わって難波高島屋前で三〇分の短い集会を行い、それをユーチューブにアップすることにした。集会後は車七台で主に大阪市内を街頭宣伝し、改憲阻止や新型コロナウイルス対策の問題を訴えた。
 高島屋前の集会では、主催者を代表し、中北龍太郎さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク)があいさつ。引き続き米田彰男さん(戦争させない一〇〇〇人委員会・大阪)、木村真さん(森友問題を考える会)、荒木淳子さん(どないする未来ネット)がアピールをした。その後、五・三憲法集会とコロナ対策についてのアピールを長崎由美子さん(社民党大阪)が発表し、丹羽徹さん(大阪憲法会議共同センター)がまとめのあいさつをした。

憲法活かして
いのち守ろう


中北さん:「コロナ感染が深刻になった原因は、一月〜三月の早期対策を安倍政権が怠ったこと。緊急事態宣言が延長となれば、私たちの暮らしや生活が成り立たなくなっていく。中小企業は倒産の危機・労働者は失業の危機・学生は学費が払えないという苦境に立たされている。自粛要請は補償を伴わなければいけない。PCR検査の拡充・医療機関の崩壊を防ぐための支援が必要だ。安倍政権は、緊急事態に便乗し、憲法に緊急事態条項を盛り込もうと画策している。それは国会を無視し内閣で都合のいい法律が作れるようにするためだ。絶対に許されない。人権を制限するには、政府の信頼が不可欠だ。コロナ対策をしっかり実現できる政府を作っていこう」。
米田さん:「緊急事態条項がなくてもコロナ対策はできる、と野党が明らかにしていた。もっと憲法を活かした対策が必要だ。この緊急事態で、さらに貧困が増えていく。生活を守るため政府は全力を出すべきだ。政権が間違っていたら、それを指摘しなければいけない。和歌山県の友人は、県は国の言うことに従わず、独自の判断でPCR検査を実施してコロナにうちかった、と堂々と言っていた。大阪維新にもはっきりと言うべきことを言っていく」。
木村さん:「週刊文春で元近畿財務局職員赤木さんの遺書が公開された。公文書改ざんの経過が生々しく述べられていた。その直後、安倍と麻生は、再調査の必要はないと言ったが、再調査要請のネット署名は三〇万を超えている。公文書改ざん・隠ぺいは、森友・加計問題以外でも自衛隊日報隠し・労働統計の捏造・外国人技能実習生の聞き取り調査の虚偽報告・桜を見る会と色々あるが、コロナ問題で追及は中断している。だが忘れてはいけない」。

生命・自由と
幸福の追求権


荒木さん:「コロナのことが不安で、検査を希望してもしてもらえない。吉村知事は毎回テレビに出て、どうしようもない政権のやり方を批判し、人気が高まっている。でも大阪府市は何をしてくれたのか。十三市民病院をコロナ感染症対策病院に指定したが、病院関係者に何の打ち合わせもなく突然発表したらしく、病院は大混乱。保健所や病院の機能を削って来たのは維新だ。パチンコ店の名前を公表したが、カジノはどうなっているのだ。そんなことに金を使うな。医療にまわせ」。
丹羽さん:「コロナ問題で安倍政権がいかに憲法をないがしろにしているか明らかになった。憲法一三条では、生命・自由・幸福追求に対する権利は、国政上最大の尊重を必要とするとある。安倍政権はこれを考えているか。休業補償についても、二五条で明記されている。にもかかわらず、それをせずに、お願いと称して何も補償しない。われわれは不断の努力により憲法を活かしていこう」。(T・T) 


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