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    かけはし2020年5月25日号

私たちの権利・自由を奪うな


パンフ紹介

『知らないうちにみられてる これ一冊でわかる監視社会』

編集・発行 「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、共謀罪NO!実行委員会 頒価三〇〇円



人権侵害の実態
を明らかにする


安倍政権は、日米安保下における米軍との共同作戦・実戦への踏み込みに向けたグローバル派兵国家建設の一環として特定秘密保護法(二〇一三年一二月六日成立)、共謀罪(改正組織犯罪処罰法/二〇一七年六月一五日)を次々と成立させた。この二法の制定後、この二法の戦争法としての危険性と人権侵害に満ちた市民監視のねらいを社会的に告発してきた「秘密保護法」廃止へ!実行委員会、共謀罪NO!実行委員会は、すでに内閣情報室が政府機関の中枢として野党、官僚、市民の監視の強化とともに治安対策と称して市民の個人情報を集積している実態を明らかにし、あらためて監視社会の現在を共に共有化し、人権侵害を許さないスクラムを構築していくためのバネとして本パンフを発刊した。

ネット監視は
どう始まったか


小笠原みどり(ジャーナリスト、社会学者)は、巻頭論文で「ネット監視はこうして日本で始まった―アメリカの世界スパイ網に協力して国民を見張る政府」(パンフ)を暴いている。
二〇一二年末、安倍政権は、インターネツトの大量無差別監視に着手した。大量無差別監視とは、インターネットでのメール、チャット、ビデオ通話、ウェブサイトの閲覧・書き込みなど政治に関係なくすべてを集積することだ。この作戦の実施は、二〇〇一年からの米国の対テロ戦争と連動して国家安全保障局(NSA)による「すべて収集する」原則(海底ケーブルの上陸地点、グーグル、アップル、マイクロソフト、フェイスブックのサーバーに介入しすべて集積する)の追随であった。政府が言う「サイバー・ネットワーク防衛」とは、ネットの大量無差別監視の強行のことだ。
このことを暴露(二〇一
三年六月)したのがNSAの元契約社員エドワード・スノーデンだった。NSAが米空軍横田基地に国防省日本特別代表部を置き、日本の民衆のコミュニケーションを収集していたことを明らかにした。しかも日本政府がそのためにNSA監視装置の建設のために莫大なカネをつぎ込んでいた。この詳細は、「スノーデン・ファイル徹底検証 日本はアメリカの世界監視システムにどう加担してきたのか」小笠原みどり(毎日新聞出版刊)を参照していただきたい。
小笠原は言う。「腐敗のオンパレードにもかかわらず、安倍首相が戦後最長記録を達成できたのには、こうした監視活動を秘密裏に広げて、メディアを含む世論操作に成功してきたことも一因であることを見逃してはなりません」の指摘は、さらに掘り下げて分析していく必要がある。

非合法活動行
う公安警察!


なお筆者は、「かけはし」(二〇一八年九月二四日号)で「『スノーデン 監視大国日本を語る』(エドワード・スノーデン著/集英社新書 )の紹介で日米政府による秘密の共謀によって「@防衛省情報本部電波部がNSAの日本側パートナーとなっている。同様に内閣情報調査室もその役割を担い、日本のネット諜報導入を推進していると明記。A米軍横田基地内通信機器製造工場が日本政府の思いやり予算によって年間三七万五〇〇〇ドルを計上。B一九九〇年代から二〇〇〇年代のはじめにかけて、クロスヘア作戦(内容不明)と呼ばれる諜報作戦に日本も参加。C防衛省情報本部電波部の傍受施設は全国に六カ所ある。D二〇一二年以降、コードネームがマラードと呼ばれる衛星傍受システムにより、日本は、民間衛星を経由しているインターネットから大量の情報を収集している」ことが明らかとなっており、継続した監視と摘発が求められていることを強調してきた。
政府による大量無差別監視の推進エンジンについて海渡雄一(弁護士)は、「内調を核として政権に奉仕する情報監視体制が確立しつつある―プライバシー権で監視社会に対抗しよう―」(パンフ)で分析している。とりわけ安倍首相が官邸の重要ポストに警察出身者を重用し配置してきたことを指摘する。
とりわけ北村滋(国家安全保障局長、内閣特別顧問)に焦点をあて、情報操作、フレームアップなどを繰り返してきたことを浮き彫りにし、「公安警察が集めた個人情報によつて、政治家や官僚の弱みを握って黙らせるという、独裁的な政治を進めているように思います」と総括している。海渡は、控えめに総括しているが、まさに公安政治警察の非合法活動も含めて重厚に治安弾圧体制を構築してきたのである。
その実例として、@北海道―安倍首相の演説に対するヤジを飛ばしただけで警察に拘束された事件を契機にして、全国一斉に安倍演説の警備強化とヤジに対する排除が進められた。A「これが本当なら『現代の特高』前川元次官が語る告発ノベル「官邸ポリス」のリアル(毎日新聞・一九・六・二〇)を取り上げ、国家安全保障局の局長に北村滋が就任して以降、これまでの国家安全保障局のポストには外務省、防衛両省のメンバーが中心だったが、組織のトップに警察官僚が「君臨」していることを批判している。

派兵国家建設
と一体の動き


かつて青木理(ジャーナリスト)は、二〇一〇年時点で公安政治警察内の「I・S(インテリジェンス・サポート)/〇〇7」の存在をクローズアップさせ、警察庁警備局の元幹部の「『幅広情報』の中で最も重視されているのは政治関連の情報、そしてマスコミ関連の動向です。特に政治情報は与野党を問わず、地方議会レベルの動きから中央政界における閣僚や有力議員のスキャンダルに至るまで、ありとあらゆる情報を掻き集め」ていることの独白を紹介していた。つまり、奉仕する政権に公安政治警察のこのような存在意義を売りにして組織再編・拡大をねらっていた。公安政治警察の野望の到達点としてあるのが、安倍首相・官邸と北村滋をはじめとする公安政治警察の連携プレーだ。
最後に海渡は、闘う全国の力によってはね返していく陣形の中に「プライバシーの権利に基づく人権侵害抑圧メカニズム」の実現、秘密保護法・共謀罪廃止運動を広げていこうと訴える。
さらにパンフに収録されている論文は、「オリンピックで一挙に進む監視社会」(宮崎俊郎)、「国家を上回る個人情報法収集力をもつ巨大IT企業」(角田富夫)、「監視カメラは目に見えない一種のパパラッチ」(原沢史郎)、「監視の社会基盤としてのマイナンバー制度」(原田富弘)、「生活の道具が監視の道具にもなる 『IoT機器』とは」(中森圭子)、「捜査照会」(鈴木猛)などを取り上げている。グローバル派兵国家建設のための治安弾圧体制の現在を暴き出す、本パンフの一読を!  (遠山裕樹)

 
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4.25

自衛隊は南西諸島にウィルス持ち込むな

首相官邸前で抗議の行動

 さる四月五日、宮古島にて陸上自衛隊は、同島における部隊編成を終了したとする式典「結団式」を行った。
 この式典に関して宮古島市医師会は「この時期に大規模な式典を行うのはコロナリスクを拡大させる可能性があり中止するべきだ」と申し入れを行ったが、政府自衛隊はまだ基地工事が完成もしておらず宮古島保良地区のミサイル・弾薬持ち込みも住民の抗議で止まっている状況であるにもかかわらず自衛隊配備態勢の既成事実つくりを優先して、式典開催を強行した。
 そして、この式典の直前に熊本から宮古島に出張していた自衛官のコロナ感染が発覚。四人の宮古島の隊員が自宅待機を命じられるという事態に発展した。地域住民・地元医師たちの提言や忠告を無視した結果、宮古島におけるコロナリスクを高めた政府自衛隊は、挙句の果てにコロナ陽性の自衛官の在島中の足取りを「軍機」として公表しないという、許されざる態度をとり続けている。
 また、沖縄島辺野古新基地建設工事は、事業関係者にコロナ感染者が判明したことを受けて無期限工事停止という体になっているが、全市民の外出自粛が呼びかけられている石垣島でも宮古島同様、自衛隊基地建設工事は依然として続けられている。
 このような政府自衛隊による島民無視、生命人権軽視の態度に対して、四月二五日に琉球弧自衛隊配備反対アクションが首相官邸前で「自衛隊は島々にウイルスを持ち込むな緊急抗議アクション」を行った。当日の行動は、参加者同士が自然に「ソーシャルディスタンス」を保ちながら、抗議の意思表示の声を上げた。
 行動の冒頭、呼びかけ主催の栗原さんから一連の経過を説明した上で「ウイルスは島の外から持ち込まれる。それが政府の事業や機関が持ち込んだのでは、明白な人災であり犯罪だ。そして、軍機・軍隊ファーストで『軍隊は住民を守らない』という沖縄戦の教訓がまたも証明された。今回の事件は、かつて日本軍が石垣島の人々を強制移住させてマラリア禍の大量死をもたらした歴史をほうふつとさせるものだ。自衛隊基地を南西諸島の人々に押し付けているヤマトの人間が、コロナリスクを押し付けて自分は自宅で安全確保なんてあり方がはたして道徳の問題として許されるのか?そういう思いで今日の行動を呼びかけた」と訴えた。
 最近宮古島を訪問したという参加者からは、自衛隊基地から隊員は自由に出入りして、マスクもろくに着用していない様子が報告された。

基地建設は今
すぐ中止しろ


立川から参加した「テント村」の大洞さんは「この間地元や都心でいくつかの行動に参加してきたが、このコロナ状況あるいは『自粛』を運動側が一定受け入れてしまっている状況で、いろいろ悩ましい。悩ましいが、一切の街頭行動を中止や自粛してインターネット運動にしても、世の中を動かすことはできないだろう。コロナの問題は年単位になりかねないが、その間運動を止めたところで、政府は止まりはしないだろう。ならば、創意工夫を駆使しながら街頭に立ち続けていくしかない。今後も頑張りましょう」とアピールした。
参加者は一五人。最後に、全体で「感染者を出した自衛隊は南西諸島の基地を閉鎖しろ」「南西諸島から総撤収しろ」「基地建設工事を今すぐ停止しろ」「海外派兵部隊を今すぐ帰国させろ」などのシュプレヒコールを上げて、二一回目となる自衛隊配備反対アクションを終えた。
(F)

5.11

辺野古実が防衛省行動

埋め立て撤回まで闘う

山城博治さんが電話アピール

 五月一一日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が呼びかける、月例防衛省申し入れ行動が行われた。
 最初に辺野古実のメンバーが「四月一六日、辺野古埋め立て工事の作業員が新型コロナウイルスに感染したことが判明した。翌日オール沖縄が抗議行動の中断を決めた。四月一七日、防衛局が工事を中断した。にもかかわらず、四月二一日埋め立て設計変更申請が行われた。環境アセスのやり直し、軟弱地盤の調査をすべきだ。埋め立てを撤回するまで闘う」と表明した。
 次にカヌー隊に参加してきた仲間が「安和桟橋から土砂を運んでいる。その運搬船を出航させないために、カヌー隊はロープや細紐を運搬船に結んで抵抗する。海保はハサミを使ってそのロープを切ろうとするが、ハサミを使わないで良いように結んでいる。そこが海保との攻防でもある。すべてのカヌー隊を外に出してから、運搬船は出航する。カヌー練習すれば誰でも乗れる。ぜひともカヌー隊に参加してほしい」と訴えた。
 沖縄から山城博治さん(沖縄平和運動センター)が電話でアピールした。
 「コロナ騒動の先が見えない。辺野古座り込みは四月一六日に控えることを決めた。五月一一日現在で、工事が強行されるのではないかとハラハラして見ていたが動きは見えない。いま、安和などで土砂を満載し、待機している。いずれ工事は再開されるだろう。その時は行動を始めたい。共に行動をつくっていこう」。
 「安倍内閣は人々のためではなく、私利私欲のために政策を遂行している。そのよい例は四六六億円のマスク問題だ。労働者や中小企業が困難に陥っている時、非常事態条項を導入する改憲をねらっている。沖縄の未来をつくるためにアベを倒し、政治を取り戻そう」。

横田基地反対
と連動して!


郵政シルバーユニオンの棣棠さんが「シルバーユニオンでは一五次の沖縄派遣を計画している。沖縄現地の闘いと連携しながら、横田基地との闘いがある。米韓合同演習やオスプレイの訓練は自粛していないばかりか加速している。十年来第三日曜日に、第二ゲート前で座り込みを行っている」と報告した。
宮古島・石垣島への自衛隊配備に反対している仲間は「四月五日、陸自は宮古島で式典を行い四〇〇人の配備がされた。コロナ感染の危機にありながら、千代田の駐屯地での訓練を止めていない。地元の住民は抗議行動を行っている。沖縄県議選で、石垣島は一対一、宮古島は基地反対派が統一候補、保守派は二人が出ている。県議選でも勝利しよう」と話した。
琉球遺骨返還裁判、国会包囲実の報告の後、一坪関東ブロックが五月一五日官邸前で、緊急行動を行うと提起。今回の申し入れは日韓連帯民衆ネットワークが行った。次回は六月一日。          (M)



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