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    かけはし2020年5月25日号

資本主義の枠超える政策実行へ


トルコ

コロナウイルスめぐるキャンペーン

3月30日 ウラズ・アイディン

 三月一〇日に最初の感染者が公表され、その一週間後には新型コロナウイルスによる最初の死者が明らかになって以降、トルコでは七五〇〇人の感染者と一〇八人の死者が出ている。われわれは、次の数週間において、感染者と死者がさらに劇的に増加すると見込まれる局面に入ろうとしている。しかし、そのことはまた、いままでにとられた措置がウイルスの拡散を食い止めるのに役立ったかどうかを示してもいる。

資本救出が
優先された


「家の中に命はある」とか、さらに直接的なスタイルで「家にいろ」とか訴えているさまざまな公共キャンペーンや民間によるキャンペーンは間違いなく、自宅から動かないことが可能な人々の選択に影響を及ぼしてきた。テレワークを採用した会社で働く、さまざまな部門の「ホワイトカラー労働者」もまた自宅で隔離状態を続けてきた。しかしながら、労働者層のかなりの部分は、この自己隔離を実行することができず、過去二週間にわたって感染のリスクにさらされてきた。
エルドアン体制がとってきた措置は例外ではなく、「この世の終わりのような」危機の中にあってさえ、「人命か利益か」という選択が支配階級やブルジョア政府には何のジレンマを生じさせないことを明白に示している。あらゆることが資本を救うためにおこなわれ、付加価値税軽減や住宅ローン支払の延期といった民衆のための措置はお粗末なものでしかない。予想される経済支援は主に家計債務政策を強化する目的でおこなわれるだろう。しかしながら、いまだに全般的なロックダウンを呼びかけたり、不要不急の経済活動や職業的活動を停止したりすることは問題になっていない。
他方では、トルコ経済は過去二年間近く深刻な危機によって打撃を受けてきたのだが、トルコ政府はおよそ一四〇億ユーロ(約一兆七〇〇〇億円)というきわめて少額の支援パッケージしか提示していない。それもおそらく見直しを迫られ、情勢の動きに押されて増額せざるを得なくなるだろう。

そして弾圧が
今なお継続中


しかし、弾圧はエルドアンとイスラム民族主義者とのブロックにとっていつもながらの仕事なのである。コロナウイルス 危機のさなかにおいて、内務大臣はさらに五つの自治体において、HDP(人民民主主義党)所属の市長を解任し、職務代行者として州知事を任命した。このようにして、二〇一九年三月の地方選挙において勝利を収めた六四都市の市政のうち、三七都市が体制によって「取り戻され」、解任された市長のうち二一人が拘留された。
AKP(公正発展党)と極右の同盟者MHP(民族主義者行動党)はまた、刑の執行を延期する法案を提案した。その目的は感染リスクに直面して、刑務所の囚人数を減らすことにある。この中には性暴力で有罪となった者さえ含まれるが、テロとみなされる行為で服役中の者あるいは未決勾留中の者は含まれていない(体制に対するいかなる批判も、クルド人へのいかなる連帯の表明も「犯罪」という範疇に分類されていることを思い出せ)。HDPのメンバーだということで拘留されている多くのジャーナリストや知識人、とりわけ議員や活動家は、この法律からは何の利益も受けることはできないだろう。
コロナウイルス危機に直面して、体制はまた、ヨーロパ行きを望む移民に国境を開放するという政策を一時的に放棄せざるを得なくなった。ギリシャ・トルコ国境に設けられたキャンプを撤収し、移民を退去させるために、トルコ当局はテントを焼き払い、移民たちを今後二週間隔離するための拘留施設に連れ戻した。

別の政策の
実行を迫る


政府に労働者の生命を守るためのもっと根本的な措置を取らせるためには、今後数週間が決定的となるだろう。その中には、不要不急の生産活動の停止、有給休暇の導入、ガス・電気・水道料金支払いの延期、レイオフの禁止などが含まれる。
第四インターナショナル・トルコ支部が他の二つの革命的マルクス主義者グループ(「出発」グループと労働者民主党)(訳注)とともに行なっているキャンペーンには非常に多くの要求が表現されている。そのスローガンは、国際的レベルでのすべての左翼勢力の任務を非常にうまくまとめたものだ。「コロナウイルスと闘うことは資本主義と闘うことだ!」

(訳注)「出発」グループは、いくつかのグループと個人で構成されている社会主義者の集団。労働者民主党は、旧モレノ派の流れをくむ「国際主義労働者統一―第四インターナショナル」(IWU―FI)を名乗るトロツキスト国際組織のシンパ組織)

▲ウラズ・アイディンは、第四インターナショナル・トルコ支部の機関誌『エニヨール』編集者。二〇一六年のクーデター未遂のあとに布告された非常事態という状況において、クルド人との和平に賛成する請願書に署名したため、職を追われた研究者の一人でもある。(『インターナショナル・ビューポイント』四月二日)

フランス

Covid―19

アマゾンに対する最初の勝利

国際的連帯さらに

 フランスのアマゾンは、スタッフの決起、諸労組、検査当局、また保健衛生当局からの警告、さらに経済と労働の諸省庁からの批判にもかかわらず、何ごとも起きていないかのように操業を続けている。結果は、直接雇用として、しかしまた臨時労働者の部隊としても、さらに彼らの家にウィルスを運ぶ配送の男と女性として、一万人以上の労働者を抱える企業における、フランスすべてにおける保健の爆弾と社会的爆弾の爆発だ。実際に、Covid―19の症状に苦しんでいる従業員は数十人に上り、以来、いくつかの職場で確認された事例が発見され、最初の従業員は今もなおICUで治療を受け続けている。
 この犯罪的な頑迷さを終わらせようと、ソリデール連合(SUD)が四月八日、一日当たり一〇〇万ユーロの罰金支払いという条件で、以下をアマゾンに「命令する」よう召喚状を提出した。
▼フランス内の操業サイト六カ所へのスタッフ配置の取り止め。そしてギリギリ最低でも、会社が行うことをすでに引き受けた活動について、それを「不可欠な」商品の一〇%にまで引き下げること。
▼そして出勤数を相関的に引き下げること。これは、数珠つなぎに実行された保護の方策が真に効果を生み出すことを可能にするだろう。乱雑さがその効果を発揮させないようにしているのだ。

 同時に、ナンテールの労働裁判所に、権利に関する裁定を行うよう訴えが起こされ、それは今も進行中だ。それは、ロウウィン―プランケとサランの倉庫から最初の一一人の引き上げを求めるものであり、会社は彼らへの対応する俸給支払いを拒否している。
ナンテールの法廷の裁定はアマゾンに、諸組織を代表するスタッフの実質的関与の下に、感染リスクに対する評価の実行を命じ、そのリスクには心理的・社会的リスクが含められている。
その裁定はさらに、その六カ所の倉庫における活動を、不可欠な商品だけに、つまり食料、衛生用品、医療資材だけに、二四時間以内に、また一日遅れる毎に一〇〇万ユーロの罰金という条件の下に、限定するようアマゾンに命じた。彼らがそうしていると何週間も主張していたからだ。同様の決定は、その前の週、ラ・ポストにも言い渡された。
これらは、労働者の闘争にとって重要な支点だ。それらはまた、犯罪的な雇用主の指令に反対して職場で実行された抵抗の、労働者の闘争の成果でもあるからだ。これはフランスで、しかし他の諸国でも、アマゾンにおける多くの事例として目立っているものだ。
国際的な「労働組合連帯闘争ネットワーク」のメンバー諸組織は、アマゾンにおけるさまざまな労組の行動の宣伝を継続している(ポーランド、米国、スペイン、ドイツ他に関するわれわれの以前の情報を参照)。
闘争は、多国籍の欧州と米国の労働者間における協調として実行されている。アマゾンにおける「行軍か死か」反対、ストライキと撤退の権利尊重を!
(四月一五日、「レイバー・ソリダリティ」より)(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年五月号)


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