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    かけはし2020年7月6日号

香港に自由を!連帯行動


6.21

新宿駅前で集会とデモ

中国政府は弾圧やめろ

香港の人びとに連帯しよう


香港国家安全
維持法撤回へ


 六月二一日、新宿アルタ前で「香港に自由を!連帯行動」が(呼びかけ:APFS労働組合、ジグザグ会、LACC(反資本主義左翼講座)、No―VOX Japan)行われた。
 六月一八日、中国の全国人民代表大会常務委員会は、香港民衆の民主主義を求める闘いを圧殺するための「香港国家安全維持法」の審議を開始した。法は、@中国が香港に国家安全維持公署を設置。香港行政長官を主席とする国家安全維持委員会を設置し、顧問は中国政府が派遣する。A香港行政長官は、若干名の裁判官を選び、国家安全に関わる犯罪の審理を担わせる。B国家分裂罪、国家政権転覆罪、テロ活動罪、外国勢力と結託し国家安全を害する罪を設け、刑罰を定める―というものを柱にしている。
 一九九七年に香港が中国に返還されて以降の「一国二制度」を投げ出し、中国政府の香港直接支配を力によって支配するものだ。昨年の逃亡犯条例改正案反対、香港民衆による自由と民主主義を掲げた大規模な運動の広がりの直撃を受けた中国政府は、五月の全国人民代表大会で「香港が国家安全を守るための法律制度と執行メカニズムの確立に関する決定」を採択し、その具体化が「香港国家安全維持法」案だ。中国共産党の習近平政権は、早期成立に向けて加速化させている。
 香港政府は、新型コロナウイルス対策に便乗して九人以上の集会を禁止する措置を強行してきた。だが民衆は、集会禁止に抗して五月二四日の数千人の反対デモを皮切りに警察の催涙ガスや放水車などの暴行を許さず連続的な反対集会を取り組んでいる。六・四天安門事件追悼集会は、六月五日、ヴィクトリア公園で行われ、数万人が集まり「光復香港・時代革命(香港を解放せよ・革命の時代だ)」、「結束一党専政(一党政治を終わらせよう)」などのスローガンを掲げた。
 さらに労働組合と連合組織、中高生の団体は、香港国家安全維持法」反対のためのストライキ・授業ボイコットの組織化に入っている。また、民主派は、昨年の区議選の多数派獲得の成果を踏まえ、九月の立法会選挙への取り組みも開始している。
 「香港国家安全維持法」を撤回しろ! 中国共産党と香港政府による香港民衆の闘いに対する弾圧を許さず、連帯していこう。

黙って見ている
ことはできない


前段集会開催にあたって実行委は、「六月一八日、中国の全国人民代表大会常務委員会で香港国家安全維持法案の審議に入った。今月中にも成立させようとしている。この法案は、中国政府を批判する言論の自由を圧殺し、政府に逆らう者は、『アメリカの手先、売国奴』と見なして強権的に服従を迫るものだ。かつての日本の戦前の治安維持法に等しい法律だ。国家への反乱、反逆、反政府や反体制活動を禁じ、自由を求める香港の人々の声を沈黙させようとしている。昨年の百万、二百万規模のデモで逃亡犯条例を撤回させ、今や一年以上におよぶ香港の自由を求めるデモが中国共産党一党独裁体制に対する深刻な打撃になっていることの証だ。香港の自由が脅威にさらされていることに対して黙って見ていることはできない。共に連帯の声を起こしていこう」と訴えた。
APFS労働組合は、「アジアの人々が参加している組合です。香港の留学生も参加していました。香港出身の仲間たちが、今、どんな気持でいるか、どんなに危機感を持っているかなどを思うと本当に辛い。自由とは闘いとるもの、闘いとった自由はまもりぬかなければいけない。今、香港の人達は、そういう気持で闘っているのだと思う。自由を求める香港の人達と連帯して頑張っていきたい」と発言。

自治を奪うな
共に連帯を!


要請するなら補償しろ!デモ実行委は、「一年前、中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区を訪問した。警察によるウイグル族への弾圧を直に見た。教育もすべて中国語に変えさせた。住宅地も破壊し、観光地化しようとしている。香港の仲間が『昨日の新疆は、明日の香港だ』というスローガンを掲げていた。中国政府の香港弾圧を許してはならない。安倍政権は、中国政府の弾圧に黙認している」。
「私たちのデモは、渋谷、高円寺、秋葉原で行い、安倍政権に対して(新型コロナウイルス感染症拡大下で)『自粛要請するなら、緊急事態宣言を出すならお金を出せ! 新しい生活様式を押しつけるな』と訴えてきた。税金の無駄使いをするなら困窮者に食料を配るのが先だ。そんな当たり前のことができない政府は私たちの手で変えるべきだ。圧政に対してNOを言っていこう」と強調した。
さらに差別・排外主義に反対する連絡会、羽田新ルート反対!八潮個人共闘連絡会、市川市民、ジグザグ会から発言が行われた。
新宿駅周辺デモに移り、「香港への国家安全法を撤回しろ! 中国政府は、香港の自治を奪うな! 香港政府は、弾圧をやめろ!」などのシュプレヒコールを響かせた。     (Y)

區龍宇(アウ・ロンユー)へのインタビュー (1)

香港自治の死:弾圧を超えて

聞き手/アンシュリー・スミス

 

 香港の民主主義と人権を求め、中国共産党の独裁支配を危機に追い込んだ青年たちを先駆とする闘いに対し、中国政府は全面的な報復に乗り出した。一一月区議会選挙での民主派の圧勝に恐怖した官僚体制は、新たな弾圧法=国家安全維持法を制定し、民主主義と人権の破壊を宣言している。昨年末に来日した區龍宇さんへのインタビューの翻訳を掲載する。(本紙編集部)

1 自由のための闘いに対する報復だ!

 五月末、中国政府は、昨年香港を席巻した民主化運動に対して香港への直接介入を可能にする新たな国家安全法を採択した。中国による弾圧およびそれが民主化運動にとって意味することについて、『スペクター』のアシュリー・スミスが區龍宇にインタビューをおこなった。このインタビューは、五月末におこなわれた。

スミス 中国は、新たな国家安全法によって、反対派を罪に問い、香港に治安部隊を配置することができると発表した。中国政府はなぜそうしたのか?彼らの意図は何か?

區龍宇 二〇二〇年五月二八日、人民代表者大会は「健全な香港特別行政区の確立と国家安全保持のための法律制度と実施体系に関する決定」を採択した。それは、「香港特別行政区の問題について、外国政府や外国勢力によるいかなる形態の介入にも反対」し、香港特別行政区に対して、自らの責任で「国家主権、統一、領土保全の維持」をおこなうように喚起した。中国政府はまた、「国家安全に危害を及ぼす」かもしれない行動を攻撃対象にしている。香港にその法律を強制することに加えて、北京は香港における代理機関を強化する関連法令を同様に制定しようとしている。
これは香港自治の死を宣言するものだ。北京政府の国家安全法が意味するのは、香港で「海外勢力」と結びついている者、香港の独立あるいは香港の自己決定権を求める者、「一党独裁打倒」を求める者は誰でも、訴追の対象となるということである。この法律は、二〇一四年に始まり、二〇一九年の大規模な反乱へと達した香港民主化運動に対する北京政府による回答なのだ。
香港弁護士会は、香港基本法一八条によれば、香港に適用される全国レベルの法律は国防・外交に関するものに限定されていることを北京政府に想起させた。そして、基本法二三条の規定によれば、国家安全法の制定は香港特別行政区の責任でおこなわれるものであり、このことは北京政府が香港に国家安全法を強制することが基本法に違反していて、それゆえ自治を侵害しているということである。
北京の支持者は、「外国勢力」の脅威を北京政府が憂慮していることが法律制定の背景にあることを繰り返し強調している。北京政府トップが心配しているのは国内の不満である。一九八九年の天安門広場での虐殺を追悼する三一回目の六月四日集会はちょうど一週間後だ。香港は、三〇年間、追悼集会が毎年開かれる中国における唯一の都市だった。北京はこれを嫌悪している。北京政府は、香港がいつの日か中国本土の民主化運動の再生を助長することを恐れている。北京の国家安全法が香港に適用される前でさえ、われわれが今年も追悼集会を開くのを阻止するために全力を挙げようとしている理由はここにもある。
一九八九年に数千人が殺害された後、グローバル資本主義への再統合を経て、北京は共産党エリートとその取り巻き連中を大金持ちにしてきたため、人民が党に対して説明責任を要求するのを一貫して恐れている。報道の自由があることによって、香港では共産党の腐敗堕落の秘密についての情報を自由に手に入れられるというまさにその理由で、香港の自治は廃止されなければならないのだ。
二〇一五年の銅鑼湾書店失踪事件は、この心配をもっともよく表したものだった。同年一〇月から一二月の間、銅鑼湾書店の書店主や店員五名が行方不明となった。そのうち二名は香港およびタイから中国本土に拉致された。これは習近平についての書籍を出版したことへの報復だと広く信じられている。北京は、香港の自治を、自らが国家財産を略奪することへのより大きな危険だとますます見なすようになっている。
現在のパンデミックの期間中、市民的不満の兆候が繰り返し現れてきた。内部告発した医師・李文亮の死後、何十万人もの人々が、彼に対してネット上に追悼のことばを投稿した。北京政府は、中国本土と香港との間のパンデミックに関する情報の流れを遮断するために、ネット監視を強化しなければならなかった。オーウェルが描いたような中国本土の社会は、政治的自由という点で比較的自由な香港と単純に共存することができない。「外国勢力」についてのおしゃべりは、何よりも国内問題への焦点を「外敵」に逸らそうとするものである。
これは、「外国勢力」という問題がまったく存在していないということではない。その問題は確かに存在するが、それは北京がわれわれに信じ込ませたいこととは正確に言えば異なるものである。事実は、「香港への外国勢力の介入」は香港基本法の中に制度として組み込まれているということである。親北京派政党は、新しい国家安全法によって、香港の外国人裁判官が国家安全にかかわる事件で裁判を担当できなくなるとほのめかした。
このことは問題の真実を言い当てている。そもそも上告裁判所の二五名の判事のうち、なぜ一五名が外国人判事なのだろうか? 彼らはアメリカやイギリスの砲艦外交によって押し付けられたものなのか? もちろんそうではない。「外国の介入」を認めている他の多くの条項と並んで、基本法八二条では、外国人裁判官が香港の裁判所で法廷を統括することを認めているのである。外国勢力は常に香港の利害関係者であると認識されてきたのだ。
いわゆる「一国二制度」は、最初は中英共同宣言の中で謳われ、続いて一九九七年の香港基本法にも明記されているが、最初から北京と西側、そのリーダーとしてのイギリス・アメリカとの歴史的妥協であった。「従来の資本主義制度と生活様式は五〇年間にわたってそのまま維持される」という香港基本法の厳粛なる約束は、何よりも西側の影響力とビジネス上の利益に譲歩したものだった。
アメリカとイギリスは、自分たちの利益を北京が基本法で認めたことを間違いなく喜んできたので、進んで香港を不安定にしようなどとは考えてはいない。その反対に、彼らは基本法が二〇四七年まで効力を持ち続けることを支持してきたのだ。アメリカの中国専門家によれば、アメリカとイギリスの長期的香港政策は、基本法に明記されているような合意に順応するものであった。
そうであるからこそ、アメリカの政治家は雨傘運動の民主化要求を支持しなかったのだ。アメリカが香港民主主義運動の支持者となったのは、北京が、最初は昨年の逃亡犯引き渡し条例で、続いて現在の国家安全法において、一方的に立場を変更してからなのである。
香港人民のために、基本法に代わって本当によりよいものができるのではない限り、彼らが基本法に規定されている立場を変更する気はないと私は考える。明らかにそうではない。北京政府の方が基本法と中英共同宣言に明記されている約束を破棄したのであり、それはわれわれが大きな犠牲を払いながら保持しているもの―政治的自由、言語の権利、自分自身の生活様式―を選ぶ権利の終わりを意味している。(つづく)




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