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    かけはし2020年7月6日号

宇都宮さんと共に都政転換を


都職員の小池都政評価は史上最低

パフォーマンス政治ではなく
命と暮らしを守る都政今こそ



 【東京東部】東京都知事選挙の投票日を一週間後に控えた六月二八日の日曜日。都知事候補・宇都宮けんじさんを応援する東京一四区の行動が、荒川区の町屋駅前であった。午前九時。時おり強まる雨のなか、地域の労組や団体・個人ら約三〇人が集まって支持を訴えた。
 最初に「宇都宮さんを都知事に! 荒川の会」共同代表の森本孝子さん(平和憲法を守る荒川の会代表)がマイクを握った。

自分ファースト
小池に鋭い批判


「小池知事は四年前の選挙で七つのゼロを実現と公約したが、どれも実現していない。新型コロナ対策でもアラートを鳴らすだけで、感染者は増え続けている」。「都民の命を守るために頑張っている都立・公社病院を独立法人化、つまり民営化を決めてしまった。そして今度は自粛から自衛と、自己責任化するつもりだ」。「最近出た都職員の評価では、四六点という史上最低評価だ。都民ファーストどころか、自分ファーストだ」。
「『女帝』という本を読んだ。興味深い内容が満載だった。そしてより確信を持った。こんな知事に都民の命や暮らしを預けるわけにはいかない。公正、正直、実直な元日弁連会長の宇都宮さんに都知事になってほしい」。森本さんは雨合羽を着てボードを掲げながら懸命に訴えた。

地域の市民団体
や労組が共同し


日本共産党荒川区議団の斉藤邦子さんは、「小池知事はオリンピック選手村を、企業に売った。どうぞ儲けてくださいと」。「荒川区の感染者は八五人。五割以上が軽症者だ。しかし学級は四〇人学級。これでは密は避けられない」と現状を批判した。立憲民主党都議も練馬から駆けつけてあいさつした。
地域の市民団体や労組がスクラムを組み、宇都宮さんの当選をめざし奮闘を続けている。都電の鉄音を背景に、元気のいい応援演説が雨のなかに響きわたっていた。       (S)

コロナ口実の最賃抑圧許すな

全国一律1500円/時 早期に

宮城全労協 宮城県に要請


 新型コロナウイルス感染が人々の生命と暮らしに大きな不安を広げている中で、六月二六日、今年の最低賃金引き上げの目安を定める中央最低賃金審議会が始まった。あらためて最賃をめぐる闘いを全国的に草の根から作り上げることが求められ、それはすでに始まっている。それを伝えるものとして以下に、宮城全労協が宮城県の労働局に提出した要請書を紹介する。そこでは、最賃をめぐるこの間の動きにも言及されている。(「かけはし」編集部)

2020年6月15日
宮城労働局 局長
 毛利 正殿                  宮城全労協  議長 大内 忠雄
仙台市若林区新寺1―5―26ー510
電話・fax/022―290―0069

「宮城県最低賃金」審議への要請

 新型コロナウイルス感染症が労働、雇用、賃金に深刻な影響を与えており、労働行政には様々な期待と要請が寄せられています。最低賃金審議の開始にあたり、以下、要請します。

「全世代型社会保障会議」が6月3日に開かれ、最低賃金が「少子化社会対策」とともに議題として設定されました。首相は会議後、最低賃金額改定について発言しました。
「賃上げは、成長と分配の好循環を実現する鍵となるものであり、積極的に取り組んで」きた。首相は政権発足前の10年間と政権発足後7年間の引き上げ額を対比させ、「(昨年度は)現行方式で過去最高の上げ幅」だったと指摘。「さらに昨年、より早期に全国加重平均1,000円になることを目指す、との方針を閣議決定」、「経済の好循環を回していく上で、賃上げは重要であり、中小企業の取引関係を適正化しつつ、この方針を堅持」すると述べ、次のように続けました。
「(他方で)新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響は厳しい状況にあり、今は、官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題」である。厚労大臣には「中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進め」るようお願いする。
この発言は「最賃上げに陰り」「慎重」「不透明」などと報道されました。最賃抑制ムードを醸成させる効果をねらったのではないか、疑わざるを得ない発言です。
政府と中央銀行が協調して株価を下支えする政策を発動し、富裕層や大企業に利益が転がりこむ。その一方、民衆はパンデミックの犠牲を経済的にも背負わされる。このような事態に対して、世界各地で抗議の声が上がっています。
安倍政権の日本も「ウイズ・コロナ」のかけ声を巧みに利用して、貧困・差別拡大の道を追うのか。政治の姿勢と政策が問われています。
2020年、「コロナ危機」下の最低賃金審議は貧困、差別、低賃金労働を抜本的に変革する象徴としてなされるべきです。
日本弁護士連合会は「労働者の生活を守り、新型コロナウイルス感染症に向き合いながら経済を活性化させるためにも、最低賃金額の引き上げを後退させてはならない」と訴えました。
「…低賃金労働を強いられている労働者は、もともと日々生活するだけで精一杯で、緊急事態に対応するための十分な貯蓄をすることができていない。ここに根本的な問題がある。また、…社会全体のライフラインを支える労働者の中には、最低賃金付近の低賃金で働く労働者が多数存在する。これらの労働に報い、その生活を支え、社会全体のライフラインを維持していくためにも最低賃金の引上げは必要である」(6月3日、日弁連会長声明)

 声明は中小企業に対する「長期的継続的な支援」の強化を求め、「最低賃金引き上げが困難な中小企業のための社会保険料の減免や減税、補助金支給等」などに言及しています。

最賃大幅引き上げを求める声が低賃金労働者や地方、超党派の国会議員たちから上がっています。そのような声が審議に反映されるよう求め、以下、私たちの要請とします。

〈要請/「コロナ危機」を乗り越えるために、最賃大幅引き上げを求めます〉

(1)「新型コロナウイルス」による感染拡大が低賃金労働者、最賃水準で雇用されている労働者の生活を追いつめています。失業や生活保護申請の急増が報告されており、影響は拡大し長期化するだろうと予測されています。雇用を守ると同時に、大幅な最賃引き上げが必要です。
(2)「早期に全国加重平均1000円を目指す」との閣議決定からの後退が強く懸念されます。「安すぎる日本の最低賃金」がクローズアップされるなか、日本でも「人間らしい生活のために最賃1千5百円」の声が若い世代を中心に上げられてきました。「1千5百円達成」をめざし「1千円超の実現」を求めます。
(3)中小企業の経営を支えることは政府の責任であり、必要な施策の実施が求められます。この間、政府予算をめぐって疑義が広がるなか、中小企業の最賃引き上げを支援するために当初・補正予算がどのように投じられるのか、政府に具体的な説明を求めることが必要です。
(4)パンデミックによる影響が観光産業や農林水産業をはじめ地方に波及しています。ここ数年、最賃の「地域格差」の拡大が大きな問題となってきました。「コロナ危機」のなかにあっても「地域格差」が打開、解消されないとすれば、地方の経済・社会への打撃はさらに深まることになります。全国一律最賃に踏み切るときです。
(以上)

読書案内

編著:WiMN 出版社:文藝春秋 1600円+税

マスコミ・セクハラ白書

メディアが抱える女性差別


対セクハラ決起
メディアで開始


 財務省の福田淳一前次官によるセクハラ事件(二〇一八年四月)の発覚によって、あらためて長年、報道・マスコミ業界の男主義権力と女性差別主義を温存し続けている人権侵害構造が明らかにされた。
 福田セクハラ事件とは、テレビ朝日の記者(女性)が福田への取材中、セクハラの被害を受けたが、記者は福田のセクハラを証明するために録音していた。セクハラ被害を上司に相談したが、「報道は難しい」と却下される。記者は、福田のセクハラを許さず、社会的に警鐘乱打していくために音声データを『週刊新潮』に提供し、報道され、音声データも公開した。福田は、「セクハラに該当する発言をした認識はない」と否定し、麻生太郎財務相、財務省の矢野康治官房長などが福田防衛のシフトを敷いていった。
 福田セクハラ事件が社会的に明らかになるや、ネット署名など批判が拡大していった。福田は辞任するが、記者に対する謝罪、セクハラ発言も認めないまま逃げ切ったのであった。財務省は、福田のセクハラを認め減給二〇%、六カ月の処分相当の処分によって収拾させた。
 この福田セクハラ事件を契機にして全国の新聞、通信、放送、出版、フリーランスで働く労働者たちが「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN/Women in Media Network Japan)」を結成した。
 WiMNの設立趣旨では、「二〇一八年四月、財務次官によるセクシュアル・ハラスメントをテレビ局の女性記者が告発しました。残念ながら、取材先や所属する組織内での女性差別、セクシャル・ハラスメントはいまだに存在しています。これまで、ジャーナリズムに携わる多くの女性たちは、恥ずかしさや、取材先との関係が壊れることへの心配などからなかなか声をあげられませんでした。私たち自身が、声なき声の当事者だったのです。私たちメディアで働く女性は、今回の女性記者による告発に勇気づけられるとともに、今こそセクシュアル・ハラスメントを含むありとあらゆる人権侵害をなくす時だと決意を固めています」 。「女性がメディアで働きやすい環境を作ることは、憲法21条が保障する報道の自由と知る権利を守り、ひいては民主主義社会の根幹を強化していくことなのです」と述べている。

タイトルが
問題を照射


本書に収録されている各報告のタイトルをみるだけで全体像についてつかむことができるだろう。ぜひ一読してもらうために収録されている文章の「タイトル」を以下、明記しておく。
第1章私たちのこと―〈第1部〉「聞く」―@「ふざけんじゃねえ!」 A「『おっさんクラブ』ノリという魔物」 B「会社を提訴するということ」 C「ひとりになると頭をかけめぐる『あのこと』」 D「咲くなら場所は自分で選ぼう」 E「原点は『家庭科、なぜ女子だけ』」 F「他ならぬ女性記者たちが麻痺している」 G「見た目だけで人を判断するのも性差別」 H「悪いのは、私?」 I「マイナスからのスタート」 J「私という『女』に心から謝りたい」 K「痛みの記憶」 L「告発の理由」 M「笑顔の奥にある硬い石」
〈第2部〉「語る」―@「『本当のリスペクト』を得るために」 A「こんな記憶を持ったまま死ねない」 B「ドラえもんの記憶」 C「今も胸に残るわだかまり」 D「よみがえった『妊娠するなよ』の一言」 E「マミートラックはいらない」 F「同期入社した女性記者は全員辞めた」 G「『男女平等ネイティブ』が感じる気持ち悪さ」 H「当たり前すぎた『警察からのセクハラ』」 I「♯Me Tooへのモヤモヤから見えたミッション」 J「これからペンを持とうとするあなたたちへ」
第2章コラム―社会時評―@「人権派広河隆一氏事件」 A就活セクハラ720人アンケート Bセクシュアルハラスメント「禁止」の法制化 Cメディア業界のセクハラ問題 D医学部入試の女性差別問題 E♯Kutooから考える F長崎市元幹部による加害事件 G性暴力と軍隊 H各地のレイプ裁判で相次ぐ「無罪判決」

女性差別構造と
再生産構造暴く


共通して見えてくることは、多数が取材先や取引先からセクハラを受け、被害を告発せず、自分の中にしまい込み我慢してきた。または職場を辞めることによって、必死に生き延びようとする姿だ。そして、同僚の男性にいたっては「セクハラなんか気にするな」という形で女性たちの奮闘を打ち砕いていくことだった。
白書は、そのような女性差別構造を様々なポジションから具体的に日常的なセクハラ被害を受けている実態を暴き、男主義権力と女性差別主義の温存・助長の継承という人権侵害構造を批判している。「男女雇用機会均等法」(一九八五年成立、九七年改正)以降もその構造が継承され続けている現在に対して切り込んでいこうとしている。
(遠山裕樹)


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