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    かけはし2020年7月13日号

コロナ19以降 社会主義政党の代案と実践


労働党×社会変革労働者党の共同主催シンポジウム

イ・ジュヨン(機関紙委員長)

 タブーで縛られていた「社会主義」を大衆の前に「可能な将来」として提示するために、変革党は「社会主義の大衆化」を旗印に、社会主義勢力の結集を図ってきた。去る5月9日の労働解放闘争連帯との共同主催シンポジウム(「労働者の闘争と社会主義大衆政党建設運動」)に続き、6月6日には、労働党と「コロナ19以降、社会主義政党の代案と実践」という名称のシンポジウムを開いた。コロナが激発した危機で世界がグラグラになっている今、社会主義の代案を前面に掲げて大衆的な政治運動を始めなければならないという認識の下、その方法と経路を模索するためである。
 本格的な議論に入る前に、労働党―変革党の両党代表は、今回のシンポジウムを契機として、共同の模索を開始しようという志を込めてあいさつを行った。労働党のヒョン・リン代表は「地域と分野にまたがって両党の主要活動家が公式的に一堂に集まったのが初めて」という点に言及し、韓国で左派政治勢力が困難な状況に直面しているが、両党が交流・連携することにより、左派政治運動を再建・強化しようと提起した。変革党のキム・テヨン代表は「労働党・変革党とも資本主義の撤廃と社会主義建設を明確に主張している」と強調し、今の時期に韓国で社会主義大衆政治を始めていく責務が私たちにあるように「詰めることは細かく詰めながら共通分母を作ろう」と提案した。

各個躍進を超え単一隊伍で

 まず、問題提起を引き受けることになった変革党のイ・スンチョル執行委員長は「コロナ以降、社会主義が代案」であることを大衆的に説くために、「社会主義政治運動単一隊伍」の形成が必要であるとした。
イ・スンチョル執行委員長は、すでに世界資本主義が過剰資本―過剰生産―過剰債務で維持されており、この「基礎疾患」がコロナ事態を経て噴出したものだと診断した。危機は常態化―長期化しており、結局その危機のコストを誰が担うことになるのかをめぐって資本家と国家は労働者に向けた大規模な攻勢を敢行する。資本主義を維持する限り、このような「損失の社会化―利益の私有化」を持続するしかない状況で、しかもコロナ事態を契機に資本主義、市場原理が危機を克服することができず、国家の介入が避けられないということ、大衆が呼応する今の情勢で、大衆の前に根本的でシステム的代案として、社会主義を提示する必要性はさらに大きくなったということだと述べた。
しかし、「社会主義の代案」が切実に要求される現在、その代案を実物にしてなければ社会主義「勢力」は、大衆的に意味のある存在として認識されていないというのが発表者の要点であった。労働運動の中で階級協調主義に基づいて「社会的対話」を主張する動きが大きくなる今、これは雇用の安定を資本の競争力に従属させることで「労働者が先に譲歩しなければならない」という、資本の論理を強化している。これに反発する現場労働者の闘争があちこちで行われているが、社会主義勢力自らの力でそれぞれ躍進しながら、この下からの戦いを政治的に収れんしてシステムに対抗する運動に上昇させることができずにいるという評価だ。社会主義陣営が今のように、それぞれの運動を広げて力量を集めることができなければ、大衆の前に代案政治勢力として浮上するという目標の達成は、はるかに遠いということだ。
イ・スンチョル執行委員長は、変革党が提案した「社会主義大衆化の事業」がまさにこの社会主義運動の政治的空白状態を克服するための計画であるということを強調した。来るべく2022年の大統領選挙を契機として、社会主義の代案を大衆的に宣伝する一方、経済・労働・教育・医療・生態など様々な分野に渡って社会主義の必要性を提起する課題別の運動を広げ、その結果として「社会主義の大統領候補」運動に着手し、この過程で社会主義大衆政党として結集しようという提案である。具体的には、変革党が去る2月の5回総会で決議したこと、2020年11月に、社会主義大衆政党推進委員会を発足し、2021年党準備委員会として進めるというロードマップを提示した。

平等・生態・平和社会のための社会主義左派同盟

 労働党からはナ・ドウォン副代表が発題を行った。去る4月の総選挙の結果に対する評価についてナ・ドウォン副代表は、最悪の無能をさらけ出した保守野党に加え比例衛星政党事態の前で右往左往していた進歩政党の歩みが巨大与党の登場と進歩政党の惨敗に帰結したと指摘した。一方、政府与党の防疫対応は肯定的な評価を受けたが、コロナ事態で浮上した経済不況とそれに対する政府の対策は、むしろ「正しい代案は、この体制では不可能だ」という点を指摘した。政府は公的資金と負債で体制の危機を何とか免れようとし、この過程で、財閥大企業は莫大な支援を受けているが、不安定労働者をはじめとするホームレス・零細自営業者など脆弱層は、生計であれ、病気であれ、最も大きな打撃を受けており、今の体制は、この構造的な問題を解決することもできず、解決しようともしていないということだ。
発題者は、代案として「平等・生態・平和社会を提示する21世紀の社会主義の実現」を主張した。そのために支配者たちのヨイド(国会)政治と右傾化・妥協主義に陥る既存進歩政党を超えて、社会主義大衆政党の強化が必要だと提起した。その課題としては、大きく3つのことを挙げた。第一は、左派政党の進入を制限する各種選挙制度を変える一方、民主党に対する支持や政派的利害関係で弱体化されている民主労組運動を刷新しなければならないという点である。第二は、△5大公共無償政策―基幹産業の国有化(医療・住宅・教育・交通・通信)△財閥の社会化△非正規・不安定労働撤廃などの3つの軸を中心に、社会主義勢力が共同実践を行おうという提案である。第三に、自由主義勢力と激突する2022年の大統領選挙と地方選挙で社会主義左派が結集するようにして選挙を一緒に議論・構想する企画が必要だということである。
この過程で、ナ・ドウォン副代表は、労働党をはじめとする左派が社会主義政党としての内実を明確にしながら、代案勢力として結集しなければならず、その道しるべになる連帯と同盟が必要だと強調した。「平等・生態・平和社会のための社会主義左派同盟」を通じて社会主義・左派勢力が集結する求心を作り、先に提起した3つの軸の共同実践と主要選挙の共同対応をはじめとする政治企画を模索しようというものである。これを契機に、より幅の広い大衆的な支持を確保するところまで進まなければならないと述べた。

社会主義、地域・分野・現場で

 問題提起が終わった後、労働党と変革党の地域・分野別の活動を行っている党員各2名がパネルディスカッションを続けた。最初のパネリストのキム・ドンソン労働党京畿道党パジュ党員協議会委員長は、「社会主義の政治勢力が、国民の中で存在感を表わす必要があり、社会主義政治勢力化(大衆化)が開始される」と強調した。そのために「損失の社会化-利益の私有化」を「損失の私有化―利益の社会化」に、すなわち「民間企業国有化―家計救済」で対決しながら体制転換を要求する一方で、大衆闘争が社会主義運動につながるために多くの道しるべを用意することを提起した。一方、労働党パジュ党員協議会が展開する地域事業を紹介し、「市民」として存在している大衆を「労働者」と呼んで主体化する地域運動が必要であることを主張した。
続いてイ・ベギュン変革党忠南道党代表は、地域で目撃した既存の保守・進歩政党の特徴を「選挙出馬中心、制度圏の政治家中心運営」と「一般党員活動の不在」だと推測し、社会主義大衆政党は社会体制の根本的問題を提起するのと同時に、地域での大衆の生活と密接な具体的な議題を社会主義と連携して、日常の事業を拡げることで、既存政党のやり方を止揚しなければならないと指摘した。また、2022年までに時間が多く残っていないことを喚起し、変革党と労働党の両方の困難が伴うだろうが共同の道を模索するための議論に迅速に着手しなければならないと述べた。
一方、チョク・ヤ労働党文化芸術委員会事務局長は4月の総選挙で公約を作成し、市民と会った経験を振り返りながら、「社会主義の大衆化に成功するには、私たちだけではなく、大衆も、社会主義が正しく実現可能であると感じることができなければならない」と社会主義を説得力のある代案として大衆の前に提示するための準備がさらに多く必要だと言及した。社会主義者の連帯が必要だが、それを越えて、実際の現実と現場で大衆が直面する問題について、具体的な代案を提示し、実践しながら、信頼を形成しなければならないということである。
最後のパネリストであるホン・リュソヨン変革党ソウル大分会長は「青年学生に必要なのは慰めと同情ではなく、社会主義」だと強調した。高い大学授業料とあまりにも狭くなった就職先、安心して暮らせる部屋の一間を探すのも困難な住宅難の中で多くの青年が突破口を見つけられないまま、体制の問題を「個人の問題」として置換することを強要されている。社会主義者は、まさにこの点に着目して、資本主義体制が引き起こしたこの不満の蓄積を代案に向けた熱望に転換させなければならないし、そのため、社会主義の大衆化は、青年に切実な可能性というものであると主張した。
今の情勢から社会主義政治運動の全面化が必要であるということについて、反対する意見はなかった。一方、総合討論では、私たちが作っていかなければならない社会主義の構想と経路、社会主義勢力が共同の道を模索するための過程と方法について、さまざまな意見が提起された。
社会主義政治活動で議会をはじめとする制度としての選挙をどのように活用して、その位置づけは何なのかという問題は、社会主義に移行する戦略とは何かということと合わせて明確な路線の確立と共にその間脆弱だった戦略の議論が豊富になされなければならないという宿題を残した。また、基幹産業の国有化―財閥の社会化―不安定労働の撤廃など3大軸を中心として共同実践を作り出さなければならないという点に関しては、これを実態化するために、現実の大衆闘争とどのように結合するのか、具体的な方策を講じなければならないという課題が提起された。一方、社会主義勢力が結集するための経路について本格的な議論が必要であり、この過程で、社会主義の研究能力と実践能力を結集してみようという意見も出た。
社会主義の大衆化は、大衆の前に公開的に社会主義を提示するのと同時に、社会主義とは何であり、なぜ必要で、どのように可能なのかということをより深く考察する過程でもある。社会主義の大衆化とともに、社会主義をめぐる議論もやはり大衆化されるように、多くの同志たちが関心を持つようお願いしたい。
(社会変革労働者党、「変革と政治」第108号より)

朝鮮半島通信

▲金正恩朝鮮労働党委員長は7月2日、党政治局拡大会議に出席した。
▲文在寅大統領は7月3日、大統領府の国家安保室長に徐薫国家情報院長、国家情報院長に朴智元・前国会議員、統一相に与党「共に民主党」の李仁栄議員をそれぞれ起用するなど、外交安保政策を担う主要人事の内定を発表した。
▲朝鮮中央通信は7月4日、崔善姫第1外務次官の「朝米対話を自分たちの政治的危機を乗り切る道具としか見ていない米国と向かい合う必要はない」との談話を報道した。

コラム

マスクとパット

 五月二五日、新型コロナウイルス対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が、首都圏一都三県と北海道を最後に、およそ一カ月半ぶりに全国で解除された。しかし、六月二三日現在で日本の感染者数は一万七九八二人、退院者数一万六一三三人、死亡者数九五六人を数え、感染者数は日ごと増え続けている。世界に目を向ければ感染者数八九五万人、死亡者数は四〇万人を超え、止まるところを知らない。いまだワクチンは開発されず、全世界で蔓延を続け、人間はウイルスという自然の脅威に翻弄されている。こんな状況の中でも東京オリンピック開催を諦めない輩たちは、どういう神経をしているのやら。コロナ倒産、コロナ失業の収束はまったく見えていないのにである。
 そんな中、日常生活を送る上で欠かせなくなったのがマスクである。咳エチケット、三密防止など厚生労働省が次々と打ち出す施策の中で、一番の防止策といわれるマスクの品切れ状態は、価格の暴騰を生み、挙げ句の果てには「アベノマスク」と称される粗悪品が国民の税金を投入して画策された。ボクの家にもようやく二週間前に届いたが、使うこともなくテーブルの上に重ねられた書類の束の下敷きになっている。何でも閣議で決定されたこのマスクは四月一七日に首相記者会見で、国民全世帯に二枚ずつ日本郵政の配布システムによりポスティングされると説明されたようだが、発案者は佐伯耕三内閣総理大臣秘書官と言われ、「全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ」と進言したとかしないとか。閣議の場で、各大臣がその発案に頷きあっている様を想像するだけで、まるで茶番そのものだ。
 その後、ようやく届き始めたマスクは、虫がついているとかカビが付着しているとか新型コロナウイルス防止以前の不衛生極まりない物でクレームが続出。そして検品に莫大な時間を要し、配布は遅れに遅れたのである。しかも当初予算は、六五〇〇万枚の購入費が一六九億円、運送・梱包費が六四億円の計あわせて二三三億円という巨額なものだったから呆れてしまう。
 また、納品した興和や伊藤忠商事、マツオカコーポレーションの他数社は、最初その社名公表を厚生労働省は頑なに拒んだ。入札、受注の不透明性も国会で追及されたのも記憶にあたらしい。
 まるで、持続化給付金事務手続きの電通丸投げ、中抜き構造と同じ構造であることが透けて見える。
 四月の記者会見以来、そのアベノマスクが各世帯に届いた頃には、マスク不足は収束。何のための税金投入だったのかわからない。メルカリなどの通販サイトでは、マスク、消毒液の販売、転売が規制されるまで高値で取引されていた。ボク自身仲間の伝をたよって中国から仕入れた五〇枚入り二五〇〇円のマスクを二〇箱譲り受け、事務所で、要望する社員に実費で配ったりしてしのいだ。
 自警団のごとく自粛警察、マスク警察が大手を振って徘徊する今日、マスクをしていないで歩いていると奇異な目で見られることしかりである。
 さて、表題の「マスクとパット」であるが、ボクにとって欠かせない物に、マスクに加えて前立腺がん全摘出に起因する尿漏れパットが加わった。身体の上下をマスクとパットで守らなくてはならなくなったのだ。これからは、熱中症やら白癬菌によるいんきんたむしなど跋扈する季節。本当に暑い夏になりそうだ。        (雨)


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