もどる

    かけはし2020年7月20日号

現状への疑念と異議、急速に深化


米国

レイシズムと警察の暴力に反対する運動
 多様な若者たちの決起をけん引力に

歴史的な時期へと幕が開いた

ヘクトル・A・リベラへのインタビュー




 ヘクトル・A・リベラは米国のラテン系とメキシコ系社会主義左翼の雑誌、「プント・ロホ」の編集者だ。彼は今年六月九日「コントラタン」誌向けに、マリーヌ・ベニェルーンとアレックス・グエリンからインタビューを受けた。


 ヘクトル・A・リベラは米国のラテン系とメキシコ系社会主義左翼の雑誌、「プント・ロホ」の編集者だ。彼は今年六月九日「コントラタン」誌向けに、マリーヌ・ベニェルーンとアレックス・グエリンからインタビューを受けた。

決意固めレイシズムの暴力ノー


――米国で起きた決起の背景は何か? それはどう特性付けられるべきか?

 米国で五月二九日に起きたことは一つの反乱だ。それは、警察、司法、そしてそれらを包含する国家諸制度に反対する組織された抵抗だ。それは、翌日に行われた他の二ヵ所への攻撃に先立って、デモ参加者がミネアポリスの警察署一つに火を放ったのだから、確かに一つの反乱だった。これが、国中で略奪を伴った諸々の反乱に火を着けた。
殺害に対する反応が今回なぜ異なっていたのか、何日間か私はこれを理解しようとしてきた。ジョージ・フロイドはミネアポリスで、しかしまた警察によって自宅で深夜に殺害されたルイヴィルのブレオナ・タイラーも、彼らのコミュニティで知られた組織された人たちだった。彼らは、教会や人権NGOやさまざまな主体からなる幅広いネットワークのような、居住地諸組織とつながりをもっているのだ。一つの結果として、ミネアポリスやルイヴィルは、諸々のコミュニティがこれまで組織され、彼らを苦しめている分離(ミネアポリスは白人の町と黒人の町に分断されている)を長い間案じてきた都市だ。こうしたことは南部諸州ではなおのことひどい。

――これは、黒人(特にジョージ・フロイド)に対する警察の暴力に異議を唱えることから始まった。われわれは、今起きていることを黒人に対するレイシズムに反対する抵抗と反乱の歴史の中にどう位置づければいいのか? そこには、ブラック・ライヴズ・マター(BLM)を誕生させたものとどのような共鳴があるのか?

 一九六〇年代以後抗議の形態としては、黒人運動の歴史また黒人住宅街で、暴動や都市反乱は普通ではない。二〇一四年から、ファーガソンとボルチモア(いずれでも警官が黒人を殺害)をもってわれわれは、BLMに基づく組織的な経験を得ている。全国的なネットワークを発展させようとの挑戦があった。しかしそれはうまくいかなかった。BLMメンバーは、もっと地方の組織を発展させようと決定した。全国的調整はまだ完全なものにはなっていなかった。
留意すべきこととして重要なことは、二〇一六年のドナルド・トランプ選出以後、警察の暴力を含んで、レイシストの暴力が黒人コミュニティに向けて極めてはっきりした増大を見せてきたことだ。今回街頭には屈服しないという決意があった。それはすでに、間断ないデモが続いた二週間によって示されている。
警察はしばしば、それらの予算に基づいて、警察犯罪の犠牲者家族にカネを払っている。しかし今回ジョージ・フロイドの家族は、四人の警官を罪に問わせようと決意している。それは極めて重要な一歩だ。これが他の事件に光を当てることを可能にした。それらの事件とは、ルイヴィルのブレオナ・タイラー、アーマウド・アルベリー〔ジョギング中に、クー・クラックス・クラウンとつながりのある父親と息子に殺害された若い黒人男性〕や他の多くだ。
条件は、BLMがこれまでのところできてこなかった全国的ネットワークを生み出す環境にある。黒人の指導者たちは彼らの道義的権威を失った。実際、オバマ時代の間もレイシスト的警察の暴力は続いていた。そしてその時期は、黒人の政治的代表や黒人の判事が最も多かった時期なのだ。

決起の1年引きつぐ新たな世代


――抗議参加者は誰か? それは多民族的で若いように見える。あなたはこれをどう説明するか?

 ミネアポリスでは、黒人コミュニティが決起を始め、五月二六日にデモを行い始めた。しかしすぐさま、抗議は国中に広がった。われわれは丁度、諸々の決起からなる一年を経験してきたばかりだ。そこには、二〇一九年の教員ストライキ、今回のウイルスに結びついた病院での行動も含まれる。多くのものごとが動きつつあった。トランプが選出された際は、女性の運動が動員された。さらに、サンライズ運動、絶滅反乱、未来のための金曜日、といった環境の課題をめぐる若者たちの運動もあった。
性的多様性にもっと開かれ、レイシズムに反対の、民族的マイノリティを受け入れる若者たちから構成される、ある種全体的な進行が明確にある。諸々のデモは多民族的であり、決起しているのは思春期の者たち、時として一二歳の若さだ。指導者は一九歳から二〇歳だ。
彼らは、彼らの未来が危険にさらされている、ということを強く意識している世代なのだ。連帯は、彼らの友人たちやコミュニティとの連帯は、これらの若者たち内部ではほとんど自然な課題だ。諸々のデモはますます世代横断的になり、拡大中だ。
この運動は、いくつかの都市での夜間外出禁止令を守らず、シアトルやロスアンジェルスを例にそのいくつかで、それを停止にまで追い込んだことで証明されたように、非常に決意が高い。パンデミックの最中でのそれはまた、連帯を示すためにリスクを引き受けるという、決意の籠もった政治的参加でもある。

――これらの反乱は自然発生的であるように見える。自発性はどれほどか、また組織はあるのか? 決起を呼びかけているのは誰か?

 ミネアポリスとニューヨークでは、抗議行動が黒人コミュニティの諸組織によって呼びかけられた。他の都市では、BLM諸組織や現地の諸組織が決起を作り上げた。しかし大衆的な参加はまた、高校や大学の中の同好的な仲間を基礎とした一定の自然発生性にも依存している。
デモへのいくつかの呼びかけは、連帯の中にありたいと強く願うこれらの人々のネットワークから来ている。たとえばメーン州では、人口の九〇%が白人なのだが、これまでデモがいくつかあった。それらは特に、近頃に環境運動で経験を得た人々、また彼らの動員能力に自身を得ていた人々、によって組織された。

警察めぐる要求の急速な発展

 

――どのような要求が作られているか?

 諸要求は急速に進展してきた。その最初は、殺害に責任がある警察を罪に問い、彼らを刑務所に送る要求だった。全国的な要求は今日、警察に割り当てられた地方の公共予算を削減すること、あるいは切り刻むことだ。抗議の震源であるミネアポリスでは、警察の廃止要求が掲げられるまでになった。
すでにこれはいくつかの効果を上げている。たとえばロスアンジェルスでは、市当局が年間予算を討論中だ。ここでは三〇億ドルが警察に向けられることになっていた。抗議の圧力の下に市当局はそれを一億五〇〇〇万ドル引き下げることを提案した。しかし人々は、もっと多くの引き下げを見たいと思っている。また、警察に便宜を図るための軍の武器を使い回す計画の停止もある。
ミネアポリスの学校では、警察との契約が打ち切られた。これは、米国の脈絡においては些細なことではない。実際教育諸機関の中には、火器とギャングの存在を伴った暴力がある。この問題への対処は懲罰的であり、教育の組織が非常に人種差別化されていることに応じて、暴力的な黒人の若者、という問題に関する一つの議論があるのだ。黒人の住宅街と貧しい住宅街では、学校に武器を入れさせないという目的で、警察が介入し、また警官が施設内に常駐している。
われわれは、「学校から刑務所へのパイプライン」について、つまりますます懲罰的で刑務所的なモデルに従っている学校から刑務所への直接的な道がある、と語っている。あなたは、米国では刑務所の八・五%が民営化され、経済にとってのうまみのある市場になっているということを、わきまえなければならない。したがって、間断なく更新される刑務所収容者を確保することには、この超新自由主義的論理における利益があるのだ。

構造的レイシズムが赤裸々に

――特に黒人とラティーノのコミュニティに影響を及ぼしている新型コロナウィルス・パンデミックに結びついた危機、および今起きていること、この間にわれわれはつながりをつけて良いのか? またわれわれは、経済的かつ社会的危機と特に大規模な失業の間につながりをつけても良いのか?

 政府がこのパンデミックを真剣に考えてこなかったがゆえに、犠牲者の数は破局的だ。ここには、経済危機と失業に対処する福祉国家はまったくない。政府の唯一の約束は一二〇〇ドルの小切手一枚だったが、それをまだ誰も受け取っていない。あなたが気付かなければならないこととして、「エッセンシャル・ワーカーズ」はそのほとんどの部分が民族的マイノリティ出身であり、多くは郵便局、病院、で働いている。多くのラティーノと黒人の労働者は、公衆との接触の中で、新型コロナウィルスが原因で死んでいる。世論調査が示すこととして、ラティーノと黒人の七〇%は彼らの家族に感染させることを恐れている。
これらの不可欠な諸サービスにおける黒人とラティーノのこうした高い存在感の理由は、それが彼らにとって、彼らの経済的で社会的な状況を改善し、安定し人種差別のない職業への参入権を得る一つの手段となってきたからだ。
ロックダウンの間、構造的レイシズムがなおのことはっきりとさらけ出された。働きに行く道すがら、黒人住民は街頭での警察のパトロールと疾病にさらされた。黒人は、屋外での肉体活動を行いたいと思うことで、アーマウド・アルベリーの殺害が露わにしたように、近隣のレイシストの標的にされかねなかった。家にいても、警察によるブレオナ・タイラーの殺害が示したように、黒人はそれでも危険の中にいた。

警察とは何かについての気づき


――運動に対する抑圧はどのように示されているか?

 メディアは、警察と民衆間に存在する亀裂を薄める目的で、警察とデモの間の友好関係というイメージを示している。しかし間違ってはならない。ジョージ・フロイドへの哀悼として地面に膝をついているその同じ警官が、二、三時間後には抗議行動参加者に警棒をふるっているのだ。これらの映像が、警察の暴力に対する気づきを高めることに重要な役割を果たしているソーシャルネットワーク上で流れている。
運動の中で、街頭で、ソーシャルネットワーク上で、新たな疑問と急速な自覚に基づいて、警察の役割に関する一つの論争がある。実際、強力な反レイシズムの意識はあるが、しかし当初、警察の役割に対する広範な疑問視はまったくなかった。
しかしながら、警察内部に実際に対立的な現象がある。米国では、一つの職業である警察の部隊と、軍の一部であり非常事態に介入する州兵の間に、一つの違いがある。州兵は、多くはたとえば無料の教育を受けるために二、三年間この専門職に就く人々から構成されている。
したがって亀裂はある。たとえば州兵メンバーは、運動に連帯し彼らの楯を置いた。抗議活動参加者の側につくようにとの、一つの退役軍人の請願が州兵兵士に送られた。ニューヨークでは、毎日約六人の警官が辞職している。ラティーノのホウストン警察署長は、運動との連帯の立場に立ち、かれが極右から受けたレイシズムを認めた。秩序部隊内部の士気阻喪は相当なものになっている。
しかしながら、抑圧は強力であり、特にワシントンではそうだ。そこではホワイトハウスを防護するために、シークレット・サービス、州兵、さらに軍までも展開された。人々は、警察によって、抗議活動の中で殺害され、傷付けられ、催涙ガスで襲われ、殴打を受けた。

――近年トランプは、特にメキシコ国境での壁建設と一体的に、ラティーノコミュニティと未公認移民を攻撃してきた。この問題と警察の暴力の間につながりはあるか?

 監獄国家や刑務所私有化や拘留センター〔移民の〕と闘うための、黒人コミュニティとラティーノコミュニティ間の直接的つながりはある。米国では、人々を閉じ込めることが一つのビジネスになっている。これはラティーノコミュニティにとって、われわれの組織化以前の黒人ゼロ化主義運動からわれわれが学び取った一つの教訓だ。警察と極右は、上記二つのコミュニティ間に、警察の暴力に反対する運動内での人種間対立をつくり出そうとしてきた。たとえば彼らは、ラティーノ住宅街で商人や零細事業に敵対する暴力行為を扇動した。
しかしながらわれわれの下には、いくつかの合流領域がある。一方には、黒人の民衆文化の中に、上記したコミュニティ間の連帯の表現がある。ミネアポリスでは、黒人とラティーノのギャングが抗議で連携した。米国南部のラティーノは、抗議行動抑圧として警察を支援するために国境警備隊が来ているのを見ている。ラティーノコミュニティはまた、移民警察、ICEを強化したトランプによって、標的にもされてきた。これは、「ICE廃止」のようなスローガンを伴ったデモの中に現れている。
このコミュニティは今もなお、二〇一九年八月のエルパソ虐殺を心にとどめている。そこでは一人のレイシストが、特にメキシコ出身の人々を標的に、二三人も殺害したのだ。未公認ラティーノを追いかけているこの警察部隊は、逃亡奴隷を見つけ出し罰するために創出された米国における警察の、歴史的な起源に当てはまっている。

要求と役割で女性が重要な位置


――この決起の中にフェミニスト運動の場はあるか? 米国内のその状態はどのようなものか? フェミニスト運動と反レイシズム運動間ではどのような出会いが可能か?

 ラテンアメリカや欧州におけるほど戦闘的でも大衆的でもない組織されたフェミニスト運動と警察の暴力に反対している反レイシズム運動との間に、直接の結びつきはない。しかし、黒人コミュニティのように、抗議行動の指導者たちはしばしば女性だ。女性は、公然と声を上げ、運動の声となる指導部の役割だけではなく、たとえば行動参加者に飲料水や食料やマスクを提供することで、デモの組織化技術でも、その両者の役割を果たしている。たとえばカリフォルニアのロングビーチには、「抵抗のための支援」というレズビアン女性の一グループがある。彼女たちは、人気の食糧供給所を確保し、デモに介入している。
フェミニズム意識との結びつきが生み出されるのは要求の分野にある。警察の暴力の犠牲者になるのは黒人の男だけではないとの考えが、現れ始めている。ブレオナ・タイラーの場合は重要だ。こうして、警察に殺害された黒人女性を見えるものにするために、「彼女の名前を言え」との要求がある。
警察の役割は、レイプ事件でも疑問に付され始めつつある。スター・トリビューン紙によれば、ミネアポリスにおける一七〇〇件のレイプ事件が、過去三〇年間捜査がされないために未だ解決を見ていない。他方で、家庭内暴力事件は警察内部で高率になっている。二つの調査によれば、警官の四〇%が家庭内暴力を犯している。これらが、フェミニスト運動が繰り返し続け、今日公的な論争に入り始めている数字だ。
今心にとどめられなければならないことだが、黒人左翼の現代知識人の多数は、アンジェラ・デイヴィスや刑務所廃止を求める活動家のルス・ウィルソン・ギルモア、といった女性なのだ。彼女たちの考えや理論は運動内とソーシャルネットワーク上で取り上げられている。
米国には、黒人女性を黙らせるための、右翼が伝えた一つの決まり文句、「怒れる黒人女性」という決まり文句がある。先週がこの反動的な決まり文句を壊した。黒人女性が怒りを覚え、それを認めているからだ。
一九九〇年代以来、刑務所制度の犠牲者の母親たちが率いた死刑と刑務所に反対する運動が起きてきたこともまた、心にとどめられなければならない。母親のこれらのネットワークは彼女たちのコミュニティで非常に活動的であり、教会に結びついている。今週以来、彼女たちは運動の中に一つの重要な場を得た。抗議行動におけるプラカードには、ジョージ・フロイドが彼の殺害時に母親に訴えたとき、彼は息子のために闘っている母親たちすべてに訴えたのだ、とある。

米国左翼の弱点克服への契機に


――われわれはサンダース現象と近年におけるDSAの浮上を見てきた。今回の反乱はこの傾向をどのように形作り、あるいは強化するのだろうか? 結びつきは可能だろうか?

 現在の運動は、アメリカ民主的社会主義者(DSA)内とサンダースキャンペーン内に起きた二つの論争を解決するように見える。一方でDSAは選挙志向に基づき、サンダースキャンペーンの中に一〇〇%いた。サンダースが民主党予備選からの撤退を公表した三月、彼はジョー・バイデンの立候補を支持した。これは、バイデンが性差別的攻撃で告発を受けている中で、特にサンダースキャンペーンに参加している女性内部で彼から正統性を奪った。結果としてDSAは、バイデンを支持せずに、地方の選挙で自立した民主党候補者や社会派の候補者を支持することにより、選挙闘争を通じた大衆的政治の戦略を発展させた。
この方向性は、街頭の社会運動の不在によって下支えされた。現在の運動はこの戦略的軸に疑いをかけている。サンダースキャンペーンとその活動家ネットワークはまた、パンデミックという脈絡の中で、防護がないまま働いているケア労働者や追い立ての犠牲者を支援するために利用されることもなかった。その運動を導くはっきりした指導部はまったくなかったのだ。
他方で、米国左翼のいくつかの部分は、何が階級闘争であるかについての経済主義的見方や還元主義的見方の病をもっている。この見方は、非白人民衆の意識を引き上げることに向けた入り口として、諸層間の交わりや独自性に特化した政策を考慮することができないことに帰着した。
それゆえ、サンダースの反レイシズム綱領には弱さがあった。そこには、高度に集中した経済的課題に関する主張、およびアイデンティティ・ポリテックスは分断との考えがあった。この経済主義はまた、公衆衛生も警察も、公共性のあるものすべてはしたがって社会主義的、と考えるようサンダースを導いた。この論理は、現在の運動の光に照らせば、全く場をもたない。
この問題がDSAを突き通している。組織からのBLM運動を支持する全国声明はあるが、行動の呼びかけはまったくない。多くのDSA細胞と諸傾向はしたがって、運動の急進的な要求を取り上げているスローガンと一体的に、より戦闘的な呼びかけを公表してきた。こうした脈絡の下に、DSA内アフリカ系社会主義者集団が重要な活動を遂行中だ。
反乱は左翼全体を驚きで不意を打った。私は、それが多くを形作るだろう、と考えている。今年のDSA全国大会が予定されている。そしてあり得ることとして、これが彼らを左へと押しやるかもしれない。諸条件はより戦闘的な社会主義的左翼にとって好都合だ。そしてそれは、大衆的な戦闘への決起と参加を呼びかける文化を習得しなければならない。

これまでの要求にも新しい活力

――進行中の決起では、労働組合運動はどのような立場をとっているのか?

 重要なことは今労組の側で起きようとしている。ニューヨーク、ミネアポリス、シカゴで、労組運動の歴史的部門である交通の諸労組が、デモを弾圧するために介入を図る警官の輸送、あるいはデモ参加者の刑務所への移送、を拒絶した。運転手たちは、運転手が車両から降りたブルックリンにおけると同様、決起への支持に基づいて、また彼らの組合の支持を受けて、反逆中だ。
昨年の教員運動は、黒人女性のスタイシー・デイヴィス・ゲイツが率いるシカゴ教員組合(CTU)を含んで、民主的で弱い立場に置かれている人々を支える労働組合運動の存在を明らかにした。それが、その要求に反レイシズムの闘争を含めている社会的労働組合運動を発展させてきた以上、それは今諸々のデモとの連帯の中にいる。それは、教員の労働条件にだけではなく、それが存在するコミュニティにも焦点を当てている。大学の黒人学生諸グループは、教育の諸労組に立場をとるよう訴えている。
ミネソタのAFL―CIO(米国の主要労組連合)は、傘下の警官組合の書記長辞任を求めた。また、労働者を代表する諸団体からの警官組合除名を求める声もある。

――この運動の継続にとって展望はどういうものか?

 六月一五日まで計画された動員が諸々ある。新型ウイルスの衛生危機が理由で取り消されたプライドマーチが再度スケジュールに入れられようとしている。それはさまざまな都市で、マルシャ・P・ジョンソンやシルヴィア・リヴェラのようなトランスの黒人女性を記念する形で行われるだろう。ロスアンゼルスでは、BLMを称えて六月一四日のプライドマーチが行われるだろう。それは歴史的なものになる可能性がある。アフリカ系トランスジェンダーコミュニティの、また全体としてのトランスの人々の要求は、彼らもまた犠牲者であるがゆえに、警察の暴力に反対する運動の要求と同じなのだ。
すでに存在している多くの要求は、この運動を通じて新しい活力を作り上げた。情勢は米国における歴史的な時期に幕を開けている。それはまたリスクをも含むものだ。われわれがドナルド・トランプのような大統領や強力な極右を抱えているからだ。
トランプが善良なデモ参加者と悪いデモ参加者を区別することで反ファシスト運動を犯罪にしようと追求している以上、この闘争は極右にも反対するもの、という意識の始まりがある。われわれはまた、南北戦争時の南部連邦の指導者を称える記念碑の破壊をも見ている。
この国の都市のいくつかでは毎日デモがある。ニューヨークでは六月九日に、ニューヨーク市警によって殺害された一六人のアフリカ系米国人家族が呼びかけたデモが行われるだろう。(二〇二〇年六月九日)

▼アレックス・グエリンはNPAと第四インターナショナルのメンバー。
▼マリーヌ・ベニェルーンも同様。(「インターナショナルビューポイント」二〇二〇年七月号)




もどる

Back