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    かけはし2020年7月27日号

辺野古の海を土砂で埋めるな


7.12

北上田毅さんがTV電話講演会

「変更承認申請書」に意見書を

沖縄と東京を結びキックオフ

 七月一二日午後二時から、東京・全水道会館で『変更承認申請書』に意見書を! キックオフ集会」が辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会主催で開かれた。
 四月二一日沖縄防衛局が辺野古新基地建設のための軟弱地盤の改良工事を主とする公有水面埋立の「変更承認申請書」を沖縄県に提出した。県は二度にわたり、補正の指示を行い、防衛局は七月六日に提出した。今後、変更申請書の告示・縦覧が三週間に行われ、「利害関係者」(全国誰でも辺野古埋め立てに意見を持っている人)は縦覧期間中に、知事に意見書を提出できる。その後、県の内容審査。県の承認の可否判断は年末から年始にかけてであろう。
 キックオフ集会はこの意見書運動に取り組むために開かれた。
 
沖縄県知事に
意見書提出を


 沖縄から北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)がテレビ電話で「辺野古・変更申請書の概要と問題点」として八〇ページにも及ぶ詳細な報告書をパワーポイントを使いながら講演を行った。
 内容は
1、変更承認申請の今後の手続きについて
2、変更承認申請の概要(地盤改良工事、護岸工・埋立工法変更)
3、変更承認申請の問題点(1)総工費・工期の問題―本体工事は「一五年」、工事費の二割が民間警備費(2)このままでは護岸が崩壊する―大浦湾の軟弱地盤は地盤改良不可能(3)供用開始後も地盤沈下が続く―前代未聞の滑走路のジャッキアップ(4)耐震設計の問題―活断層もある中で、「レベル1」では不十分(5)環境への影響は深刻―環境影響評価のやり直しを(6)埋立土砂・海砂の調達問題―沖縄全域からの土砂採取。県外各地からも
〈補足〉戻ってきたジュゴンとサンゴの特別採捕許可問題。
4、知事への意見書を提出しよう

工事の概要
と問題点は


昨年一月の計画から、地盤改良工事の範囲・規模が大幅に縮小された。C2護岸・C3護岸が未設置の状態で、水深四二mから水深七mの部分まで土砂を投入する先行盛土が行われるが、汚濁の拡散が危惧される。先行盛土の上にケーソン(C2)を設置するとしているが、先行盛土部分は全く締め固められておらず、工法的にも不可能。A護岸の施工期間が当初計画の九カ月から三年一〇カ月にもなったのは、海面下七〇mまで作業できるSCP作業船は日本に一隻しかない。同時に三隻が必要だが二隻は改造により可能としている。日本に数隻しかないSCP作業船、トレミー船、リクレーマ船などを長期間、辺野古に集中させられるのか。無理なら工期はさらに遅れる。

変更承認申請の問題点


(1)総工費・工期の問題を

 「本体工事九年三カ月、総工費九三〇〇億円」におさまるはずがない。本体工事だけでも「一五年」。これでは普天間の危険性が固定化される。イージスアショアは「コスト、期間」を理由に中止された。辺野古はもっとひどい、なぜ、中止しないのか。これだけの巨額をかけるのはおかしい。コロナ対策にまわすべきだ。総工費の約二割(1700億円)が民間警備委託費などありえない。

(2)このままでは護岸が崩壊する―軟弱地盤の改良は不可能

 現地には軟弱地盤、活断層があり、このような大規模埋立は不可能。海面下九〇mまでの軟弱地盤にもかかわらず、海面下七〇mまでしか地盤改良を行わない。そのため、供用開始後も地盤沈下が続く。B27地点で地盤の強度を調べず、離れた地点の強度から類推するのはおかしい。B27地点周辺の地質調査をやり直すべきだ。B27地点で行われた強度試験結果を採用しなかったが、その値を使って安定計算すると護岸は崩壊するとの地質学者の指摘がある。活断層調査を実施すべきだ。

(3)供用開始後も地盤沈下が続く

 滑走路の平坦性に関する米軍施設基準にも合致していない。滑走路のジャッキアップなどの補修が必要となるが、過去には実施例なし。供用開始後も沈下が続き、延々と補修が必要。しかしこうした維持管理費は、工事費に含まれていない。

(4)耐震設計の問題

 国土交通省は国内主要一三空港について「レベル2」の耐震性能を確保している。辺野古も「レベル2」で設計をやり直すべきだ。大浦湾には活断層の存在も指摘されている。大量の燃料・危険物質を扱う軍事施設であるから、「レベル2」の耐震性能が必要。国土交通省の基準でも、「高盛土」の施設は「レベル2」とされている。設計供用年数は五〇年だが、重要構造物であり百年にすべきだ。

(5)地盤改良工事・埋立工事による環境への影響

 これだけ大規模な地盤改良工事をしておきながら、環境への影響が「当初計画と同程度か、それ以下」などあり得ない。地盤改良工事のための敷砂投入・砂杭打設、浚渫などよる汚濁の拡散は深刻。海面下七mまでの汚濁防止膜は防げない。A護岸の鋼管打設工法は、濁りが最もひどい工法を工期が最短という理由で採用するなど、工期短縮のために環境への影響を無視。大規模な計画変更であり、環境影響評価のやり直しが必要。

(6)埋立土砂・海砂の調達問題

 埋立土砂は県内北部地区からだけではなく、糸満など南部地区などからも搬出される。戦争当時、多くの人が死んだ沖縄南部地区の土砂で、戦争のための基地を造るのは許されない。埋立土砂のかなりが県内で調達される。本部・名護の採石場が現在以上に開発されれば、ダンプ公害・粉塵などの被害は深刻。県外からの土砂持込みにより、特定外来生物が侵入する恐れ。大量の海砂採取により沖縄沿岸域の海の環境破壊が危惧される。

〈結論〉破綻が明らかな防衛局の変更計画

 「環境保全及び災害防止に付き十分配慮」(公水法第4条1項)されておらず、不承認は明らか。この地盤改良工事では、護岸の安全性が確保できない。工事を停止し、「アセスのやり直し」「ジュゴンの調査」を。県は審査中も「あらゆる手法」を行使して工事を止めること。
当面、変更申請書に対して、沖縄県内・全国からの意見書を集中を。

 北上田さんの講演の後、質疑応答が行われ、埋めるな連の中村さんが東京でも知事への意見書提出を取り組むことを提起した。そして、最後に、北上田さんが「オール沖縄でも意見書の取り組みを決め、全国に要請を訴えた。すでに沖縄で取り組むための学習会が二カ所で始められた。二〇一三年に埋立申請が出された時、全国も含めて三三七一通の意見書が出された。今回これを超える意見書を知事に届けたい。そうすれば心置きなく知事は不承認できる。キャンプ・シュワブ前座り込みの場所に置き意見書を書いてもらう。何通集まったかが重要だ。

意見書を出す手順
個人・団体で意見書を提出できる
@提出機関の確認 「変更承認申請書」の告示から三週間の縦覧期間内(消印有効)。縦覧については沖縄県土木建築部海岸防災課のホームページに掲載される。
A紙やはがきに書く。意見書の形式は埋めるな!連のブログからダウンロードできる。
B提出方法(郵送)と宛先
沖縄県土木建築部海岸防災課 〒900―8570 那覇市泉崎1―2―2 
「かけはし」読者のみなさんも意見書を取り組むように要請します。(M)

7.12

武藤類子さん講演会

復興五輪なんてインチキだ

ウソだらけのキャンペーンにNO


原発事故被災者
の訴えに応えよう


七月一二日夜、東京都練馬区役所アトリウム地下会議室で「復興五輪は大嘘だ!聞こう!福島原発被災者の声 武藤類子さん講演集会」が行われた。集会には練馬区民を中心に六〇人以上が参加した。主催は「東京オリンピック・パラリンピック2020」を問う練馬の会。
コロナ・パンデミックが起きなければ、2020東京五輪は七月二三日から八月九日までの日程で行われることになっていた。練馬の仲間たちは「福島原発事故」からの「復興」をキャンペーンし、「国威発揚」や大資本の利害のために巨額の税金を使って企画された東京五輪2020に反対する運動を首都圏の仲間たちとともに進めてきた。
この日の集会は「福島原発事故からの復興」を看板に進められている「復興五輪」を通じて、「復興」とは程遠い原発事故の実態を覆い隠し、ナショナリズムを煽りながら、「改憲」を加速させようとする企図に正面から立ち向かうために企画された。さらにこの日の集会は、コロナ・パンデミックの影響が長期化する中で、地域の住民たちが国家や大企業・マスコミのキャンペーンから自立して共に語り合い、行動する機会を積み重ねていく試みでもあった。

住まいの問題に
対応しない政府


福島原発事故告訴団の武藤類子さんは「福島にとってのオリンピック」と題して約一時間にわたって講演した。
武藤さんは「福島はオリンピックどごでねえ」と書かれた一〇カ国語のプラカードを用意して福島を訪れた各国の代表に、事故から九年たった福島の現実を知らせる行動を行ってきたと語り、すべては二〇一三年九月七日、アルゼンチンのIOC会合での「福島原発事故はアンダー・コントロール」という厚顔無恥な安倍発言から始まった、と切り出した。
だが、当の東電の山下和彦フェローは、二〇一三年九月一三日に民主党が郡山市で行ったヒアリングで「今の状態は申し訳ありません。コントロールできていないとわれわれは考えております」と回答している。つまり安倍の「アンダーコントロール」発言は、正真正銘のインチキだったことを、東電幹部は白状しているのだ。
しかし事態は、安倍発言に沿って「二〇二〇年東京五輪絶対開催」のために組み立てられていく。二〇一八年五月、東電が福島第一原発7・8号機建設受け入れの見返りに提供したスポーツ・トレーニング施設「Jビレッジ」の芝生ひろばの芝植えに地元の小学生が動員された。
二〇一九年三月には「聖火リレー」がJビレッジからスタートすることに決まったが、同年中にJビレッジの駐車場付近で高線量が計測された。聖火リレーコースでも大熊町、富岡町、川内村、浪江町、飯館村で高線量が測定された。このリレーコース選定は電通が受託したものだ。
安倍首相は、これまで「東日本大震災からの復興」をオリンピックのうたい文句にしていたが、いまや「新型コロナ・ウイルス禍の克服五輪」にキャッチフレーズをすり替えている。しかし、どちらも見通しはたっていない、と武藤さんは指摘した。
武藤さんはさらに長崎の被爆者が「五輪を通じた平和の発信」を金科玉条のように言い立てる、と批判していることを紹介しながら、福島第一原発汚染水の海洋放出を批判。
さらに飯館村での汚染樹木を燃料としたバイオマス発電所建設、福島国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想などの利権本位のプロジェクトを厳しく批判した。
武藤類子さんの発言の後、オリンピック災害おことわリンクの京極紀子さんが、二〇一三年九月IOC総会での「福島原発事故はアンダー・コントロール」という嘘っぱちの安倍発言でもぎとった東京五輪に反対する行動を呼びかけた。
また避難の共同センターの瀬戸大作さんは、新型コロナ・パンデミック状況下で「緊急支え合い基金」を立ち上げたこと、行政の側は住まいの問題についてほとんど対応していない中で、「脱法業者」が横行していることを厳しく批判。「オリンピックなんかやってる場合か」と強調した。          (K)

 




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