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    かけはし2020年7月27日号

メディアの現場から民主主義を


7.12

止めよう!戦争への道・めざそう!アジアの平和

関西のつどいで望月衣塑子さん講演

 【大阪】当初三月二二日に予定されていたに2020関西のつどいが、あらためて七月一二日ヴィアーレ大阪で開かれた。初めの予定通り望月衣塑子さん(東京新聞社会部記者)が「民主主義を守るために」と題して講演をした。
 主催者あいさつは中北龍太郎さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表)が行い、「イージス・アショア配備は中止された。そのような兵器の購入を決めた安倍政権の責任が問われなければいけない。自民党内では今度は敵基地攻撃兵器開発が叫ばれている。また黒川検事長は辞任したが、安倍政権は検察庁法改正案を未だ諦めていない。私たちはどちらも許してはならない」と述べた。
 望月さんは、まさに“立て板に水”のごとく、休みなく熱弁をふるって講演を行った。(講演要旨別掲)
 米田彰男さん(大阪平和人権センター代表)が閉会のあいさつをし、垣沼陽輔さん(全日建連帯労組近畿地本委員長)が集会スローガンを提起し全体で確認し終了した。

悪政にまみれた
安倍政権倒せ!


集会スローガン:安倍政権の腐敗・強権政治を許さない、モリ・カケ・サクラの責任徹底追及、安倍は河井夫妻の買収疑惑の責任を取れ、都構想による大阪市解体を止めよう、住民投票で再度勝利しよう、カジノではなく市民重視のコロナ対策を、南西諸島の軍事要塞化反対、辺野古新基地建設を止めよう、地盤補強工事反対、危険な普天間飛行場は即時閉鎖しろ、敵基地攻撃戦略を許すな、フクイチ汚染水海洋放出反対、全ての原発を廃炉に、核燃料サイクル即時停止、アジアの緊張をあおる安倍・トランプ外交に抗議する、命を守る政治をめざそう、東アジアの平和を築こう、憲法改悪を止めよう             (T・T) 

望月さんの講演から

腐敗と強権の政治に
報道の前線で闘う! 
     

命よりオリン
ピックが大事


話はまず、オリンピック優先で遅れた自粛要請の話。今年のオリンピックが延期となったとたんに、新型コロナ対応に転じ、安倍首相と小池知事が、先を争ってメディアに露出した。
当初は、自粛要請だけで休業補償は無く、ドイツと比べても保障の規模は小さく、対応も著しく遅かった。一部の世帯当たり三〇万円の給付金が不評で、補正予算を組み替えるという前代未聞の出来事があり、一人当たり一〇万円給付になったが、いまだに届いていないところも。PCR検査についても、目安を「発熱三七・五度以上四日間」としたため、検査を受けられず死亡した人たち(岡江久美子さんら)もいた。
目安に批判が高まると、「目安であって基準でない」と詭弁。麻生副総理に至っては、日本の感染者が欧米に比べ低いことを、「日本は民度が違う」と非科学的な理窟で自慢する始末。

「マスク2枚で
不安は消える」


アベノマスクや星野源とのコラボの発案者は佐伯秘書官らしい、「マスク2枚で不安はパッときえますから」とか。このマスクのため、多忙な保健所職員まで駆り出された。マスク配布の委託業者はなかなか公表されなかった(後日、四社と)。
SNSで発信された安倍首相が愛犬とくつろぐ動画は、国外でもひんしゅくを買った。小中高一斉休校の要請は今井補佐官の進言によるというが、官邸や文科省内部でも反対があった。安倍首相が「政治判断でやる。問題は私が引き受ける」と強引に決めたという。
黒川検事長の違法な任期延長の閣議決定。その後のことは、この決定との整合性をはかるために企てられた。官邸の露骨な人事介入であるため、与党内からも、「さすがにやり過ぎだ」。賭けマージャンについては、公務員法に基づく処分ではなく法務省内規の訓告処分のみ。自衛隊員九名の賭博の場合は公務員法による懲戒処分。検事であって賭博で処分された前例はない(法務省)らしい。
今後、記者の抱きつき取材は見直されるべきだ。検察庁法案に対しては、首相・今井補佐官と菅氏の間で攻防があったようだ。この法案がもし通っていたら、河井議員の公選法違反の扱いも変わっていただろう。

電通と経産省
がゆ着の関係


持続化給付金の委託をめぐってサービスデザイン推進協議会は、委託されただけで二〇億円中抜き、再委託九七%は電通。一件当たりの委託手数料が五万円。委託先に一割の独自の管理費(計一五六億円)が認められている。とんでもないことだ。委託先の電通と経産省のずぶずぶの関係が明るみに。
前述の推進協議会は設立四年間で、経産省事業一四件の委託事業一五七六億円を受注。安倍政権は、さらに、コロナ第二波の到来が指摘される今、Go T oキャンペーン(一・七兆円)を前倒しして実施。一〇兆円という巨額の予備費を通して、国会逃げ切った。財政民主主義に反する。

米国製兵器購入
ツケは子どもに


日米共同軍事訓練は二〇一七年は二件だったが、翌年は一六件の実施訓練と急増した。それは中国軍艦を警戒したミサイル調練のため。護衛艦「いずも・かが」空母化を閣議決定し、トランプが「かが」を視察した。「いずも」は、米軍が先行利用するという。ここに、F35Bを配備する予定だ。まさに、米軍防護のための自衛隊だ。F35は一四七機六・二兆円の購入だ。イージス・アショア配備中止。このイージス・アショアは、二〇一七年一二月導入を閣議決定(一基八〇〇億円二基)。ところが二基総額四六〇〇億円に水増し。
この金を、給付型奨学金に充てたら、月額四万円×四年×二〇万人でも四〇〇〇億円でおつりが出る。「いずも」のミサイル一発三〇億円だ。何というムダ。
イージス・アショア配備中止で、政府は「国家安全保障戦略」の初改定に向け論議し、二〇二一年度予算に反映させる見通しだ。ここに来て注目すべき新しい動きも出てきた。「(辺野古新基地建設について)完成までに国際情勢変わる……時代に対応できる防衛体制が必要だ」(中谷元元防衛相)、「二本の滑走路はつくらず、軟弱地盤のある大浦湾は埋め立てない」(長島昭久元防衛相)、「地盤沈下や環境計画について報告書を議会に提出するよう国防長官に要求」(米下院軍事委員会)。
とにかく、兵器購入のローンは二兆九〇〇〇億円(二〇一一年度)から五兆三二〇〇億円(二〇二〇年度)に増大。つけは子どもたちの世代へ。

自民党本部に
捜査のメス?


河井夫妻が公選法違反容疑で逮捕。自民党本部からの一億五〇〇〇万円の一部が買収資金に使われた可能性もある。
二階幹事長は、「会計士が適切に処理している」から「党として把握していない」に説明を変更した。河井氏だけで幕引きを考えているのか?首相への「買収交付罪」適用は?

私が質問した
かった相手は


森友への国有地売却・加計学園の獣医学部新設・詩織さんへの准強姦疑惑、疑惑の中心にはいつも安倍首相がいる。安倍首相に聞きたい。しかし、官邸での記者会見は年三〜四回(民主党は年一三回)、番記者ぶら下がりも一〜二問だけ。
二〇一七年八月盆休みの今井尚哉総理筆頭秘書官「望月と南(朝日)をなんとかならないか」、八月末官邸報道室「望月の質問だけは制限したい」。以後、妨害が続き、二〇一八年一二月以後、沖縄関連の質問が始まり、妨害が悪化していった。
コロナ禍を利用して、記者会見を制限、「一社一人、声出さず挙手を」。反対したのは毎日新聞と東京新聞のみ。これが常態化し、活発な質疑が皆無になった。

森友事件を
忘れない!


メディアの役割は権力の監視とチェックだ。日本の報道の自由ランキングは世界六七位。
ジャーナリズムとは報じられたくないことを報じるもの。森友事件での公文書改ざんは、首相の国会答弁「私や妻が(売却に)関係していたということになれば、間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」が契機に。
佐川元理財局長は、「首相夫人・官邸の関与はございません」と国会答弁し、改ざん指示に関しては、五五回も「答弁を差し控える」と答え、麻生財務相は「一部の理財局職員の判断で」改ざんが行われたと述べた。佐川氏が出してきた答弁書は、「公務員在職時の職務上の行為に対して責任は問われない」という原則論の主張だが、公文書改ざんは職務なのか。
赤木さんが自死した後、財務省は改ざんを認めたが、二〇一八年六月に出された報告書では、誰がどのように改ざんを指示したのか、何も明らかにされていない。生前赤木さんが残した改ざん経過を示すファイルについての記載もない。公務災害の理由を知るため人事院に情報開示請求したら、七〇ページの文書がほとんど黒塗りで出てきた。
二〇二〇年四月雅子さんは近畿財務局に情報公開請求をしたが、新型コロナによる作業可能量の減少を理由に、開示決定は一年後になるという。
雅子さんは、夫赤木俊夫さん自死の二年後の今年三月遺書・手記を公表した。それによると、佐川氏が再三にわたり改ざんを指示し、赤木さんが強く抵抗したことがわかる。
再調査を求められた首相と財務相は調査を拒否。雅子さんは佐川氏と国を提訴するに至った(第一回法廷は七月一五日大阪地裁で)。 二〇一八年三月大阪地検に提出された、公文書改ざんの過程を示す赤木さんのファイルを見れば、どういう過程で改ざんが行われたのかが全部わかる。雅子さん、「私は真実が知りたい。夫のような被害者が二度と出ない社会を。国会議員・公務員のみなさんへ。どこ向いて仕事していますか。改ざんしてしまいましたが、夫・赤木俊夫はまっすぐ前を向いていました」。
連帯し声を上げよう!市民の声を官邸や記者たちへ!内閣府広報室・記者クラブ・テレビ局・新聞社などへ抗議や激励の電話・FAX・メールを!クラブと官邸との間に一種の緊張感を!奮闘する記者たちへの勇気・励ましを!

       
コラム

ワラ焼き鰹のたたき

 驚いた。COOPの個配にこんな物が売りに出ていた。「戻りカツオ一本釣りワラ焼きのたたき」だ。少し小振りだがブロックの冷凍で自分の好みに合わせて自由にスライスできる。価格も手頃だ。スーパーの店頭では見かけることはほとんどない。良くて炭火焼きだ。炭火自身は良いものでは一〇〇〇度近くまでになるというが実際に鰹を焼く温度はもっと低くなり少し生臭く感じる時がある。ワラ焼きと炭火焼きではその味は天と地の違いがある。もちろん背と腹では味も歯ざわりも違う。
 高級な飲み屋ならいざ知らず、私が行く居酒屋ではワラ焼きを注文しようものなら鼻先で冷笑されるのが落ちである。
 鰹はのぼり鰹と戻り鰹があるのはよく知られている。暖かい水域を好み群れをつくって南はフィリピン沖から餌のイワシを追って三陸沖まで広く回遊している。北に向かうものをのぼり鰹と言い九月頃から南下するものを戻り鰹という。初鰹は四から六月頃に獲れるもので季節感あふれる料理として好んで刺身で食べられている。色も赤々しており味もサッパリしている。それぞれの味があるが、私は戻り鰹がいちばん好きである。
 ワラ焼きに関する有力な説としては山内一豊のものがよく知られている。四国土佐への落下傘大名山内一豊は食中毒予防のために鰹の生食を禁止した。これに抗して漁師たちは鰹の表面をワラで焼き「焼き魚」だと言って食べたところ今までにないほどの美味しさだった。これがワラ焼きの始まりだそうだ。
 中が中空になった状態の良いワラは瞬時に八〇〇度前後まで燃え上がるため鰹の表面だけを焼くことができ旨味を閉じ込め香ばしくなるという。私が個配で手に入れたものもその香ばしさが残っていた。
 土佐の一本釣りは有名で、私もテレビで見たことがあるが、漁師がサオ一本で鰹を釣り上げる様は勇壮で豪快だ。二月に高知を出発し十一月まで鰹を追ってフィリピン沖から三陸沖までの回遊域で漁を繰り返す。一回の漁は二日から五日だそうだが水揚げが済むと直ぐに漁に出る。約一〇カ月間船上生活だ。現在の近海漁の船は八〇tから一八〇tクラスだという。
 近畿の和歌山県沖の一本釣り鰹漁はケンケン釣りという。春先に黒潮に乗って北上する鰹を一本釣りする。一〇t未満の小型船の両側や中央から長い釣り竿を張り出し釣り糸で擬餌針を垂らしながら船を走らせて鰹を一本ずつ釣り上げるそうだ。私は釣りに関してはまったくの素人なのでイメージが湧かない。
 和歌山県周参見町では「すさみケンケン鰹」串本町では「しょらさん」というブランド名で売り出されている。
 スーパーで時々ケンケン鰹のたたきを見ると私は躊躇なく買う。もちろん炭火焼きだ。値段もマグロや鯛などより安価で美味しい。そんな日はいつも飲む箱の酒も格別に美味しくなる。
 新型コロナウィルスのおかげで巣ごもりになった私の生活は実にうっとうしいかぎりだ。そんな中でワラ焼きの鰹のたたきを発見した時は一瞬持病の腰痛をも忘れるほどであった。願わくはこの鰹のたたきをつくっている企業が新型コロナに抗していつまでも継続してくれろことを願うばかりである。      (灘)




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