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    かけはし2020年8月3日号

今こそ子どもと向き合う学校を


7.24

第10回「日の丸・君が代」問題等全国学習交流会

コロナ危機で明らか、教育の大分岐

 【大阪】第一〇回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流会が七月二四日、エルおおさか南ホールで開かれた。
 黒田伊彦さん(大阪ネット代表)が開会のあいさつ。人命より「君が代」を強制する公権力を批判し、ICT、オンラインでええのん? 今こそ真の教育をめざそうと述べ、このどさくさの中、教育民営化への流れがつくられようとしていることに警鐘を鳴らした。
 続いて、高橋哲さん(埼玉大学)が「新型コロナウイルス臨時休業措置をめぐる教育法的検討」と題して、オンラインで講演をした。

公教育破壊する
「未来の学校像」


昼食休憩を挟んで、午後は不起立バンドのライブ演奏。続いて、パネル討論。パネル討論で出された主な内容は、次のような点だ。
大阪(井前さん)から・【一人一台パソコンでクラウド接続をやり、一斉授業から自学自習と学習到達度主義へ。学びの自律化。個別最適化。個別学習計画。これらは教育というより経済政策で推進役は経産省。産業界が課題を考え、教育産業がプログラムを設計し、学校が導入する。スーパーシティ(国家戦略特区法改正案)今年五月二七日、自民・公明・維新賛成で可決。政府と財界による「未来の学校」像は、公教育の破壊・教員の専門職性の破壊だ】。
首都圏(近藤さん)から・【昨年四月平成天皇が昭和天皇墓に退位報告をしたとき、小学生や幼稚園児が動員された。この時の経験に学び、二〇一九年一二月、昭和天皇墓への新天皇の即位報告の祭、奉迎のために小学校の児童たちを動員させる目論見を、八王子市民が中心となり阻止した。四月の時は、平成天皇は、高尾みころも霊堂にも訪問した】。
神奈川(外山さん)から・【神奈川県教委は二〇〇六年より不起立者の指名収集を開始。その収集は個人情報保護条例に反すると個人情報保護審査会が答申。県教委は一旦破棄し、二〇〇八年度より再開。裁判となり二〇一三年県教委敗訴。その後の交渉で、五年経過したものは破棄することになった。学校教育におけるICT、データ活用は、文科・経産・総務による教育の民営化(規制緩和)だ】。

闘いの現場から
―各地の報告


福岡・【福岡市長、自衛隊の若者の名簿提出を表明。個人情報保護審査会傍聴行動、議会請願書提出。市町は態度を変えず、提出を決定。しかし、交渉で、簡単な手続きすれば除外申請可能に】。
広島・【二〇一一年広島高教組(43人)不起立処分。裁判は最高裁で棄却。二人が独自に人事委員会と裁判。いずれも敗訴。二〇一九年改憲・戦争阻止教職員一〇〇人声明。広島市長、今年平和祈念式典の目的を慰霊に絞る。一般参加なくすが、安倍首相・河井夫妻は招待の予定。平川教育長は、企業に役立つ人材の育成を主張】。
千葉・【今年の卒入学式ではマスクなど以外に細かい指示なし。卒業を祝う会のところもあり。感染防止で歌はなし。起立指示なし。校長、報告は上げず】。
東京・【卒入学式、校長が君が代歌うのかを教委に問い合わせ、教委は歌えと。都立学校のすべての卒業式で君が代斉唱。君が代処分は、学習指導要領を根拠にすることに道を開いたことになる】。東京根津さん【二〇一二年最高裁判決では、起立を求める職務命令は裁量権の範囲内だが、減給以上の処分には慎重な考慮が必要であり、減給処分は違法。但し、学校の規律や秩序の必要性と処分による不利益との権衡の観点から処分の相当性がある場合は、重い処分も適法とした。定職六カ月の処分について、控訴審判決(2015年5月)は、「自己の歴史観や世界観を含む思想等に忠実であろうとすると、自らの思想を捨てるか教員としての身分を捨てるかの二者択一を迫られ、憲法が保障している個人としての思想良心の自由に対する実質的な侵害につながる」とし、これが一六年六月に確定した。現在係争中の裁判は、〇九年河原井・根津の停職六カ月処分取り消し・損害賠償請求裁判で控訴審では逆転勝訴。現在最高裁に係属の一件】。
大阪からの報告は、平井さん・【校長に無断で慰安婦授業の取材を受け入れたこを理由に訓告処分】、ONさん・【私が教員を辞めた理由・教育現場は、子どものためと言いながら、実態は子ども無視の教育になっている】、志水さん・【学校の平均点で学校をランク付けし、内申点に反映する方式の大阪府チャレンジテストなくそう】、梅原さん・【高齢者年金法が成立し、大阪府の商工労働部も再任用拒否に疑問を表明しているのに、府教委に再任用を拒否された。意向確認しなかったことが理由と思う。国賠訴訟を提起したい】、増田さん・【四月の頃はクラスごとの分割入学式が考えられたが、やめになった。分散登校の時は、オンラインの準備やトイレの清掃や同じことを何度もやるので、しんどかった。平常授業が再開したら、飛沫感染の恐れがあるといいつつ君が代斉唱になった】、松田さん・【三月にILO/ユネスコ合同の専門家委員会に大阪の日の君弾圧の実態を訴えに行き、三月一七日帰国後二週間在宅勤務したが、大阪市教委は八日間の欠勤扱いにしたので、一五万円の実損を被った。裁判に訴えるつもりだ】、伊賀さん【中学校教科書採択の教育委員会傍聴行動を】。
最後に、山田さん(大阪ネット事務局)のまとめ。集会後は梅田までデモ行進を行った。
(補足・大阪の今年卒業式について、多くの府立校では来賓・保護者なしで開催。入学式についても延期のうえ、六月一五日以降に実施可とされたが、実施校については未だ不明。不起立処分は、卒業式ではなし、入学式については今のところ不明。不起立にかかわる再任用拒否は今年度はなかったと推定される)(T・T)

高橋哲さんの講演から

一斉休業措置は不当な教育支配

 

全国(小中高)一斉臨時休業措置は首相の要請によって行われ、当初の予定より長期に延長された。学校再開後は、分散登校による「二部制」、消毒、清掃作業と学校教職員は多忙化し、そのどさくさの中で「一年単位変形労働時間制」を始動させる動きが始まりつつある。
ここで戦後教育改革における教育行政の原則を見ておきたい。旧教育基本法一〇条では「教育は不当な支配に服することなく国民全体に対して直接に責任を負って…」、「教育行政は…必要な諸条件の整備確立を目標に…」とある。これは、教育の独立、教育と教育行政の区別を述べ、二〇〇六年教基法改正でも存続した。不当な支配の禁止を担保する原則が三つある。@教育の地方自治A教育行政の一般行政からの独立B教育の民衆による統制だ。

臨時休業措置の
問題について


安倍首相による休業要請には、法的根拠はない。学校保健安全法二〇条で、学校の設置者は学校の休業を行うことができると定めている。設置者とは、自治体の教育委員会だ。新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事が、学校設置者に学校施設使用の制限・停止を「要請」し、要請に応じない場合は措置を講ずるよう「指示」をする。それに従わない場合でも、事業者名簿の公表をするだけで、罰則はない。したがって、首相の「要請」は政治力の行使に当たる。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、今年三月二五日、「学校での対策をめぐるすべての決定は、地域の保健当局との協議により地域ごとになされるべし」と、感染の程度に応じて三段階の指針を出している。
日本の教育法体系にみる感染症対策の原則は、@地域決定の原則A最小限の制約(出席停止・一部休業・全部休業)B専門機関活用の原則(保健所の協力、都道府県の衛生主幹当局と相談、科学的専門的な技術と施設の必要)であり、新型コロナ前後でもこの原則は採用されていた。この体系化された感染症対策が、単なる政治パフォーマンス・教育の政治利用により不能になり、休業措置がいたずらに長期化し、学びの機会の喪失や格差、児童虐待件数の増加、親の失業と生活の貧困が明るみになった。
一斉休業措置は教育における不当な支配の典型だった。各地(東京・大阪・北海道・奈良…)で休業措置の政治利用が行われた。

教員の「働き方
改革」の問題


教員の勤務時間の上限に関する文科省のガイドラインが発表され(2019年1月25日)、続いて「公立の義務教育諸学校教育職員の給与に関する特別措置法」(給特法)が、二〇一九年一二月四日改正された。この法律は、@自治体の条例で一年単位変形制労働時間制を公立学校教員に適用できることA文科省の上限に関するガイドラインを指針とすることを趣旨としている。そして今、新型コロナの時期に一年単位変形制労働時間制が動きだした。七月二日中央教育審議会で文科省令案、指針案、モデル条例案が示され、各自治体の九月議会で導入を決め、予定通り来年四月から実施に向けて動いている。
文科省令(2020年1月17日告示)では、上限の内容を、在校時間から所定の勤務時間を除いた時間の上限を、月当たり四五時間、年間三六〇時間とする。そして、さらに特別の事情がある場合は、一月一〇〇時間未満、年間七二〇時間まで認める、となっている。
数字的には改正労働基本法と同じだが、教員の場合は労使協定の不在がある。さらに、この上限に違反しても罰則はない。労働日や労働時間等については、改正給特法の条文を労基法の条文に読み替えるわけだ。
労働政策は一般には労働政策審議会で審議され、審議会は使用者代表委員・労働者代表委員・公益代表委員によって構成される。しかし教育政策は中央教育審議会で審議される。この審議会は大学教員や校長・教育長・民間企業社長らで構成されている。このように両者は大きく性格を異にする。
一年単位変形労働時間制については、導入条件としての上限指針の遵守が必要であり、そのためには、自治体レベルや学校レベルの交渉による合意が不可欠だ。
(講演要旨・文責編集部)

7.19

56回目の国会前19日行動

命と暮らしを守れぬ
安倍政権を倒そう!

 新型コロナウイルスの第二波が始まり、連日感染者がうなぎのぼりで拡大しているさなか、第五六回目の安倍九条改憲NO!国会議員会館前行動が七月一九日に実施された。梅雨の合間の青空からは夏の強い日差しが照り付けるが、この日駆けつけた九〇〇人の参加者は、マスクをしながらも水分補給などの熱中症対策をしながら一時間の行動を貫徹した。

洪水被害は無能
な政治の産物だ


最初の発言は主催実行委員会から藤本泰成さんが行い、熊本などでの大洪水被害の発生を例にあげて、気候変動の克服に逆行する日本の石炭発電政策を厳しく批判した。そして「なぜ日本は遅れているのか。コロナでも訳の分からない政策が次々と出されている。今だけカネだけ仲間内だけのことしか考えず、将来を考えない政治だ。一人ひとりの命なんかどうでもいい政権だ。ポストコロナのためにも安倍政権はいらない」と訴えた。
国会議員からはまず最初に社民党の福島瑞穂さんが発言した。福島さんはまず安倍政権によるコロナウイルス対策の愚策を上げて「なぜここまでだめなのか。それは人の命とくらしを守るということがわからないからだ。退陣してもらおう。イージスアショアで追い込んだ。武器の爆買いではなく、コロナ対策のために命のために税金を使うべきだ。違う未来を創るためにも、憲法を生かす社会を実現しよう」とアピールした。
共産党の田村智子さんは安倍政権の後手後手のコロナ対策を手厳しく批判し、コロナに限らず「国民の声を無視して、説明のひとつもしてこなかった。医療現場はまともな対応ができなくなってきている。気象庁も金欠状態だ。それなのになぜ辺野古建設と武器の爆買いなのか。ただちに国会を開くべきだ。新しい政権のためにがんばろう」と訴えた。立憲民主党からは白眞勲さんが発言した。

コールを行わず
拍手で賛意示す


市民運動からは法律家六団体、練馬の運動団体、「止めよう!辺野古埋立」国会包囲実行委員会からそれぞれアピールがあった。コロナ対策としてコールは行われず、熱烈な拍手で発言者への賛意が示された。最後に行動提起があり、八月一九日の行動は参議院会館前で実施し、戦争法案成立からまる五年にあたる九月の行動は、比較的大規模なものとして予定されていることが報告された。 (R)


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