もどる

    かけはし2020年8月24日号

日本政府の対応を求める


8.12

「香港を守れ」―緊急国会行動に250人

「自由と民主主義」のために共に闘う意思


 八月一〇日、香港警察は民主活動家の周庭さんや民主派の香港紙「蘋果(ひんか)日報」を創業した黎智英さんら一〇人を香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。香港警察は八月一一日未明、逮捕した周さんらに「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた」として国安法二九条を適用したと発表した。二九条の最高刑は無期懲役。
 一〇日に逮捕された周庭さんが一一日夜、保釈された。保釈後に周さんは地元メディアなどに対して「逮捕は明らかに政治的な弾圧だ。今まで四回逮捕されたが、今回が一番怖かった。香港の社会運動に参加して香港の民主と自由のために闘う一員として後悔はしていない」と話した。外国勢力と結託し、国家の安全に危害を加えた容疑がかけられているが、周さんは「七月から現在までにSNSを通して外国勢力と結託したと言われたが、具体的な内容は言われなかった」と話した。また、同じ容疑で一〇日に逮捕された香港紙「蘋果日報」などの創業者・黎智英氏も保釈された。
 国安法違反の裁判は、香港の行政長官が特別に指定した裁判官によって審理されるという、とんでもない不公正な審理システムになっている。

元山仁士郎さん
らが呼びかけて


このような香港民主派活動家への厳しい弾圧が行われているのに対して、昨年六月一三日、渋谷駅前で香港応援デモを開催した元山仁士郎さんら(香港の自由と民主主義のために日本政府の対応を求めるStand With Hong Kong 東京実行委員会)が緊急に呼びかけて、八月一二日午後六時から国会正門前行動が行われ二五〇人が参加した。
緊急行動を呼びかけた元山仁士郎さん(辺野古県民投票のための条例運動代表を務めた)が行動の主旨を述べ、日本政府の対応を求める声明文を発表した(別掲載)。
「六月三〇日、香港で『香港国家安全維持法』(国安法)が施行された。同法施行後、香港において自由や民主主義を求める市民は、香港当局によりますます抑圧されている。国安法は、逮捕・勾留に加え、最高刑は終身刑という重い刑罰が課されるものだ。同法違反の容疑で、これまでに数十人が逮捕・勾留されているとみられる」。
「国安法による香港市民の不当逮捕、香港の自治権ならびに言論・報道の自由の侵害は、中国政府の言う『内政干渉』にとどまらず、重大な国際問題だ。私たちは、香港での市民的・政治的自由を求める個人と運動に対する香港当局の不当な取り締まり、人権抑圧を可能にする『香港国家安全維持法』の撤回を求める」。

弾圧許さない
国際的連携を


次に五野井郁夫さん(高千穂大学教授)が次のように訴えた。
「民主化支援のレクチャーを行っている。国安法は悪質だ。同じような法律はマカオにもあるが、適応範囲はマカオに限るとある。香港の場合はその限定がない。香港のみならずわれわれも含む自由や民主主義を求める全員が対象になっている。しかもどのような内容かの明記がないまま、最高刑は無期懲役だ。連帯を差し伸べていかなければならない」。
「アラブの春、台湾のひまわり運動、韓国ローソク運動には中心・リーダーがいなかった。ソーシャルメディアを通じて、自分で考えて行動していた。民主主義のない国ではそうするしかなかった。周庭さんはリーダーではなくスポークスパースンだ。厳しい弾圧がかけられている。生き残ってほしい。ハッシュタグを使って広げる。そうすれば世界を変えていくことができる。行動しよう」。
伯川星矢さん(ライター、香港人・日本人を親にもつ)が「香港人は恐怖をもち、普通の生活ができない。普通のデモ参加者が逮捕されている。断じて許せない。カナダやオーストラリアは香港人を受け入れている。日本政府に要請したい」と話した。

香港の自由と
民主広げよう


参加した人たちから香港民主化運動に対する弾圧反対、連帯の発言が次々と行われた。
労働者支援ネットワーク活動をしてきた稲垣豊さんは「一九九七年、香港はイギリスの植民地支配から返還され一国二制度が行われることになった。この制度は、自由はあるが民主はないものだった。毎年行われてきた返還された記念日七月一日のデモがコロナを理由に許可されなかった。返還後二三年間自由がつぶされてきた。香港の友人たちはこの東京の行動を喜んでいる。香港の自由・民主主義を守り、アジアに広げていこう」と、この間香港連帯行動を行ってきた仲間たちが横断幕を広げるなかで発言した。
参加者の発言。「イギリスはイギリスのパスポートを持っている香港人にイギリスに住める法案を出した。日本は何ら具体的な行動はとっていない。人権意識が欠けている。香港にデモの時行った。希望を持ってデモをしていた。あきらめたら闘いは終わってしまう。関心を持ち、持続すること。ずっと応援していく」。
別の発言者。「ツイッターを見てきた。日本政府が何もしないことに疑問を持ってきた。生きやすい世の中を作るための動きが続いていけばいい。このような意見を言う場が必要だ」。
参加した香港人からの発言。「香港とつながる国際戦線が重要だ。長い時間が必要だ。東欧の民主化はあきらめないことだった。香港というとジャッキー・チェンというように、香港といえば周庭さんを思い浮かべるようにしたい」。
小雨の降る中、「香港を守れ、自由を守れ、人権を守れ、命を守れ、民主主義を守れ、ノーパサラン(奴らを通すな)」とシュプレヒコールをあげ、香港への連帯を熱く表明した。(M)

声明文

#StandWithHongKong #

香港の自由と民主主義のために
日本政府の対応を求めます

 二〇二〇年六月三〇日、「香港国家安全維持法」が施行されました。同法の狙いは、香港での“反政府的”な動きを取り締まることにあると言われています。
「香港国家安全維持法」は一九九七年の香港返還以降、中国政府が国際的に約束してきた「一国二制度」の崩壊であるとも指摘されています。これは、香港の社会や経済の発展の基盤ともなってきた「高度な自治」や表現の自由、集会の自由といった基本的人権の一部をも脅かすおそれがあり、香港市民は「香港が香港でなくなってしまう」という強い危機感を持っています。
実際、「香港国家安全維持法」の施行直後に行われた香港での抗議活動では、三五〇人が逮捕され、香港警察はそのうち一〇人に同法を適用したとしています。また、このことを受け、香港民主派政治団体「デモシスト」は同法の適用を恐れ、解散を宣言しました。このように「香港国家安全維持法」によって、すでに香港での民主的な政治活動は抑圧されており、今後、さらに厳しい状況となることが予想されます。
他方、中国政府は各国からの批判に対して、「内政干渉」を理由に反発しています。しかし、香港におけるこれまでの一部の警察による暴力的な取り締まり、そして、それに対して一定の法的根拠を与えるような今回の法施行を見れば、「香港国家安全維持法」は、もはや内政を超えた人権にかかわる問題です。中国政府が引き続き香港市民の人権を侵害するようであれば、国際社会全体で、決して武力にはよらない形で対応すべき問題だと私たちは考えます。
香港国家安全維持法は、人権、自由、自治、民主主義といった私たちが共有すべき基本的価値に反しています。よって、私たちは同法に強く反対するとともに、香港の人々の人権と自由が確実に守られ、香港における自治と民主主義がより発展することを求めます。

 以上の経緯を踏まえ、私たちは以下六つを日本政府に要求します。

 ?  香港市民を含む包括的な人権侵害に対する調査の実施
*本声明は香港について述べていますが、私たちは香港以外にも、日本が実施すべきと考えられる世界の人権侵害に関する調査が行われるべきであり、その結果に応じて、日本として取り得る施策を提示すべきであると考えています。
? 就労ビザ、ワーキングホリデービザなどの取得基準の緩和
? 在留中の香港市民のビザの延長
? 入国後一四日間の隔離とPCR検査を条件に、深刻な人権侵害が認められるなど緊急避難が必要な香港市民に対する特別在留許可の付与
? 社会活動に参加し実刑判決を受けた場合、これを政治罪とみなし、入管法に基づき日本への上陸を許可する
? 新たに日本でビジネスを行い、香港市民を積極的に雇用する企業に対する優遇措置の適用

 また、民間企業ならびに団体、日本に住む方々にも、以下の協力を求めます。 

? 積極的な香港市民の雇用
*民主化運動への参加歴などによって就職差別を行わないようにする。
? 香港への関心の継続、可能な限りの行動
香港への関心を継続し、日本からできることを共に考え、それを可能な限り行動に移す。

8.15

「反靖国」デモに150人

国家による「慰霊と追悼」を許すな

 八月一五日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15 反「靖国」行動は、在日本韓国YMCAでの集会とヤスクニ神社に向けた抗議デモ行い、一五〇人が参加した。

天皇の戦争・
戦後責任追及


新型コロナウイルスの感染拡大が続いているなか日本武道館では、例年の規模を縮小した全国戦没者追悼式を行った。天皇徳仁は、「おことば」において「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対して」追悼するなどと述べた。前天皇明仁が構築したアジア・太平洋などの民衆に謝罪することもなく、天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任から逃亡し続け、欺瞞的な「平和主義」天皇像を演じていくことを表明した。また、皇居にこもり続け、沈黙してきたが新型コロナウイルス感染症の感染拡大について触れ、「新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え」ていこうと呼びかけた。これは天皇制民衆統合装置を発動させ、民衆を国家へとからめとろうとする任務の再確認のためにたち振る舞った。後に行う侵略戦争の居直り、戦争国家化と改憲に向けた「安倍首相式辞」効果を高めていくことまでもやってのけた。天皇・徳仁はそれを天皇代替わりプロセスにおいて「安倍との連携プレー」の実績のうえで全国戦没者追悼式という舞台で繰り広げたのである。新たな天皇像の押し出しの危険性に注意しなければならいない。
安倍首相は、「式辞」において第二世界大戦での日本帝国主義の侵略戦争の犯罪、戦争・戦後責任を完璧に捨て去り、「わが国は、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えながら、世界が直面しているさまざまな課題の解決に、これまで以上に役割を果たす決意です」と述べ、グローバル派兵国家建設に向けた憲法九条改悪、東京五輪を実現していくと居直った。同時に「新型コロナウイルス感染症を乗り越え」るために国内治安統制を強化していくために緊急事態条項も含めた改憲を強行していくことを獲得目標にしていることは明らかだ。
小泉環境相、高市総務相、萩生田文科相、衛藤沖縄北方担当相が靖国参拝を強行したが、閣僚の参拝は四年ぶりだ。安倍は玉串料奉納で中国と韓国との外交ハレーションの緩和でごまかした。つまり、安倍は、この閣僚らの靖国参拝とセットで居直り「式辞」を準備していたと言わざるをえない。この全体像の意図を示したのが、この日、靖国神社で日本会議と「英霊にこたえる会」が開催した決起集会だ。集会では、「『えせ平和主義』を掲げた憲法の下、憲法を改正し軍隊保持が必要」(百地章)、「改憲によって緊急事態条項の創設、自衛隊を定義することが必要だ」(寺島泰三)を確認している。
このように天皇徳仁の「おことば」、安倍の「式辞」、閣僚の靖国参拝、天皇主義右翼の決起集会などが連動し合いながらコロナ禍における右派勢力の意図を明らかにしたのである。

右翼の挑発許さ
ずデモを貫く!


実行委は、このような天皇徳仁、安倍政権、天皇主義右翼らの野望を暴き出し、集会と抗議行動を行った。
集会は、主催者あいさつに続いて「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を」市民連帯行動、「女たちの戦争と平和資料館」(Wam)、オリンピック災害おことわり連絡会、安倍靖国参拝違憲訴訟の会、大軍拡と基地強化にNO!アクション2020から運動の取り組み報告と反天皇・反ヤスクニに向けたアピールが行われた。
最後に集会宣言が読み上げられ、「敗戦七五年の今年、この八・一五という日の意味を、改めて確認したい。天皇制国家は延命し、式典や『靖国』参拝を許し続けている日本社会は猛反省しなくてはならない。日本政府がやるべきことは、侵略戦争・植民地支配の被害者へのまっとうな謝罪と賠償である。そして反省を込めて天皇制を廃止することだ」と参加者全体で採択した。
集会後、デモに移り、九段下十字路から靖国神社に向けて「全国戦没者追悼式反対!戦争賛美の靖国神社はいらない!戦争国家はつくらせない!憲法改悪ゆるさない」などのシュプレヒコールを繰り返した。デモは、公安政治警察・機動隊の重弾圧体制、天皇主義街宣右翼と「在日特権を許さない市民の会」などの挑発を許さず、断固貫徹された。
(Y)




もどる

Back