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    かけはし2020年9月21日号

安倍首相は検察支配で
何を狙っていたのか?



9.3院内集会

水島朝穂さんが講演

 九月三日午後三時半から、衆院第一議員会館で「安倍政権による検察支配を許さない実行委員会」が主催して、「緊急講演会 安倍首相は検察支配で何を狙っていたか」が開催された。この日の集会は、黒川元東京高検検事長による「賭けマージャン」事件で明るみに出た安倍政権と検察首脳の「癒着」がどのような背景でもたらされたか、安倍本人の「病気辞任」によってあいまいにすることなく、追及を緩めないために開催された。
 最初に主催者を代表して、藤田高景さん(元村山首相秘書、村山談話を活かす会)が発言。この日の集会で、安倍首相退陣の一つの要因となった黒川東京高検元検事長の「かけマージャン・スキャンダル」の背景をふくめてさらに明らかにすべきだ、と語った。
 藤田さんはさらに黒川元検事長の定年延長をエサにして検察支配を仕組んだのは、次期総理になろうとしている菅官房長官だ、と語り、秋の国会で提出される可能性が高い検察庁法改悪案を阻止しよう、と呼びかけた。藤田さんはまた、次期首相になる可能性が高い菅が、安倍政権による政治の私物化を継承しようとすることを許さない、と呼びかけた。
 また共産党衆院議員の藤野保史さんが「安倍路線を全力で継承すると語る菅との対決」を訴えた。
 講演は、早稲田大学教授の水島朝穂さん。水島さんは@8・28(安倍辞任の記者会見)をどう見るかA安倍的なるものB検察庁法改正で何を狙ったのかC菅政権とどう向き合うか、という内容で報告した。以下、その内容。

スターリンの
やり方ならう


一三年前、安倍首相は所信表明演説を行ったわずか二日後に政権を投げ出した。しかし今回は病気であることを前面に押し出して、菅への政権継承を成功させようとしている。それは極めて高度の政治的判断によるものだ、と水島さんは強調した。警察庁官房長という事実上の警察トップになった中村格(いたる)は、安倍首相との緊密な関係でも知られている。
安倍は自分を批判する者を絶対に許さない。そのことは昨年の参院選広島選挙区で自民現職の溝手顕正を落とすために一億五〇〇〇万円もの資金をつぎ込んだことにも示されている。しかし、このやり方は国家公務員法の定年延長と抱き合わせでの検察庁法改悪の失敗に帰結した。しかしいま安倍政権は「スターリンのやり方」にならって官僚の抵抗を押しきろうとしている。これは彼が失敗から学んだことだ。
フランスの「人権宣言」は人権保障と権力の分立のセットで成り立っている。権力の分立を認めないのは立憲主義ではない。今まで「指揮権発動」というのは造船疑獄の一回だけで、それにより犬養法相は政治生命を失った。
黒川検事長を検事総長にするというやり方は、憲法の根幹にふれるやり方だ。検察庁法は、憲法と同時に施行されたのであり、余りにも露骨な違憲・違法行為だと言わなければならない。
安倍政権は官僚の首根っこを押さえて、抵抗させないようにしている。その中で官僚や警察内部の動きにも注目すべきだろう。それは安倍政権内部からの抵抗の動きであり、私たちとしてはそうした動きについて「味方」にしなくてもいいが、「敵」にしないという姿勢で臨むべきだろう。
最後に水島さんは、民主主義における「手続き」の重視を強調した。憲法53条は「内閣は国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば内閣はその召集を決定しなければならない」としている。
いま安倍内閣が、この憲法にのっとった手続きを無視している時、国会の場で徹底した議論を行うことの必要性・重要性を水島さんは訴えた。    (K)



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