もどる

    かけはし2021年1月1日号

女川原発2号機再稼働やめろ


12.19

原発の広域避難計画で院内集会と政府交渉

 【宮城】女川原発2号機の再稼働同意、東海第二原発、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた動き、関西では40年を超えた老朽原発が来年早々にも再稼働される状況のなかで、12月1日、原発の広域避難計画に関した院内集会と対政府交渉が参議院議員会館で開催された。
 女川原発再稼働同意を容認した宮城県石巻市からの参加者をはじめ、新潟県の避難検証委員会の委員である大河陽子弁護士、松戸市議の岡本さん、FoE Japanの満田さんをはじめ、コロナ禍のなかで来場者は約30人だったが、全国から50人がリモート参加した。

十分な避難所スペース確保を!


院内集会では、新型コロナ感染症対策や屋内退避問題について、「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武さんから解説があった。
コロナ対策での「避難所スペース確保」について、内閣府の原子力防災担当の示した考え方(避難所、避難車両等における感染者とそれ以外の者との分離と距離の確保)では、人と人の間隔は2mとしていること、福井県エリアでは、一人4u、一家族間の通路間隔を2mとしてテープで区画すること、茨城県では、現状では一人2u(畳1枚)であり、コロナ対策は検討中であること、東海原発の避難先である千葉県東葛地域の柏市、松戸市では、自市の避難で4uないし2uとしているが、それを6〜8uに拡げることを検討していることが示された。
それを受けて関西と福井から、内閣府と福井県のガイドラインでは、避難所におけるスペースは一人4u、通路2mであること、コロナ禍では避難所は足りないことを自治体が認めていること、美浜町住民(人口9300人)は、大飯原発のあるおおい町(人口8100人)に避難すること、8月に実施された避難訓練では、30人の避難者に対しバス4台(感染疑い、濃厚接触者、その他の人2台)、400人収容の体育館が避難場所に指定されていたことなど、感染症対策と原発防災は両立しないことが防災訓練からも明らかになったと報告があった。
岡本松戸市議からは、水戸市と避難先の千葉県東葛地域との受け入れ調整について報告があり、避難スペース一人当たり4uに統一されたが千葉県から修正依頼があり2uになったこと、今後、6〜8uにすることや受け入れ側の感染症対策、複合災害への対応などを求めていくことが報告された。他にも、玄海町や広島、鹿児島からも報告があった。

屋内退避で内部
被曝は防げない


次に、屋内退避問題について、阪上さんから内閣府が作成した「放射線防護対策が講じられた施設等への屋内退避について」(内閣府等の報告)の解説があり、その中で「陽圧化したRC造(コンクリート建屋)に屋内退避することで被ばくを9割程度低減できる」としている。一方で、陽圧化されていない建屋の場合、北海道、青森、秋田、岩手に適用される次世代エネルギー住宅基準(相当隙間面積2・0)をクリアする高気密の条件であっても、3割程度しか低減効果がないことが「内閣府等の報告」で明らかにされていることを捉え、「比較的古い木造住宅では、気密性が低く、内部被曝の低減は、ほとんど期待されない」と解説した。
新潟県の避難検証委員会の委員をしている大川陽子弁護士からも、委員会での内閣府の説明での陽圧化対象の建物は、1300uの建物(公民館程度)であり、自然換気で木造の建屋では5割程度の低減効果があるが、一般の木造家屋は2〜3割程度の低減しかなく、効果はないように感じたこと、現在は委員会で意見をまとめていると報告があった。また、コロナ感染症については、内閣府から、「基本的な考え方(換気をしない)」に基づいて、「屋内退避した時の被ばくのリスク」と「しないときのリスク」それと「感染症での致死率3%」を比較して対処方針を考えていると説明があったとして、致死率3%を上回る「被ばくリスク」をどの程度に設定しているのか内閣府に質問しているが未だ回答がないと報告された。
石巻市から参加した「女川原発の避難計画を考える会」の原さんは、実効性に欠ける避難計画のもとで宮城県知事と石巻市長が女川原発再稼働に同意することを差止める仮処分訴訟の闘いを報告、村井宮城県知事が「県民の総意」を装い、地元同意を表明したことに抗議し、今後も再稼働を止めるために闘いを継続していくと語った。

コロナ感染症対策と屋内退避で政府交渉


政府交渉では、避難所のスペースについて追及した結果、内閣府原子力防災担当で福井県の担当者が、避難所のスペースは一人当たりおおよそ4u、避難所の数は従来の二倍程度必要になると答え、全国的にそうすると明言した。これは再稼働を止める大きな材料となる。
94万人の避難先が求められる東海第二原発を抱える茨城県では、現状の2uを増やすつもりがないようなので、感染症拡大を防ぐためにも早急な対応を求めた。
避難するバス内や避難所での換気について、内閣府のガイドラインでは、「基本は放射能対策で換気はしないが、コロナ対策で30分に1回程度換気する」という矛盾した対応を求めている。バスの換気対策について追及すると、内閣府は、「事故の発生状況やプルームについて災害対策本部が把握してバスに連絡し、バスに線量計を持っている職員が判断する」と実効性に欠ける回答があり、不可能だとの参加者から批判の声が出た。
屋内退避による内部被ばくの低減効果について、陽圧化装置を付けない限り低減は3割程度しか効果がないとした内閣府の報告への質問に対して内閣府の回答は、「この報告は暫定で、確定版を作成中であり、沈着効果(家屋等への)などが考慮されれば低減効果が上がる可能性がある」などと回答した。
参加者からは、「気密性が低い家屋では低減効果が低く、これまでの前提がくずれたのだから、指針の改定を含めて屋内退避について抜本的な見直しを図るべきだ」、「内閣府等の報告」に添付されているパンフレットについては、「陽圧化装置がなくても家に居さえすれば安全だとの誤解を生むものになっており、回収すべきだ」と追及して回答を求めた。
現在の避難計画において、感染症対策、屋内退避問題を取ってみても、避難は極めて困難である。参加者は各地で問題化し、再稼働を止めていくための闘いの一つとしていくという声があった。     (m)



もどる

Back