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    かけはし2021年1月25日号

トランプの敗北は世界規模で
権威主義右翼の勢いを削ぐ



声明

第四インターナショナル・ビューロー

2020年11月30日

トランプの敗北歓迎!

 米国大統領選はトランプの構想に深刻な敗北をもたらした。バイデンは、8000万票と、トランプに対する70人以上のリードを意味する選挙人306人を獲得した。これらの選挙では、パンデミックが押しつけた諸困難にもかかわらず、1908年以来では最高の投票率になったように見える。この大きな差は、トランプが結果に異議を突きつけ続けることを極めて困難にし、バイデンの就任に道を開いた。われわれは、地球上のもっとも反動的で権威主義的な勢力の弱体化を意味するものとして、トランプの敗北を歓迎する。
▼トランプはこの3週間、この敗北を認めず、でっち上げの不正告発を膨らませる、という彼の既定方針を継続した。しかしいかなる計画も組織も欠くことで、これは、選挙手続きをひっくり返す上では負け戦だった。彼は共和党内でさえも支持を失い、多かれ少なかれバイデンの勝利を受け入れるよう迫られた。しかしながら、陰謀理論と選挙手続き掘り崩しの彼による売り込みは、彼の支持者内部で幅広い広がりを得つつあり、確実に、米国の貧弱な民主主義をさらに劣化させることに力を貸すだろう。
▼これは、権威主義的、反科学主義的、謀略論的な諸理論の新しい諸形態が多くの国を貫いて急速に広がり続けているという、もっと大きな傾向の一部だ。この種の諸理念は、情勢の絶望性と既成の諸制度に対する不信を反映し、極右諸勢力によって生気を与えられ操作されている。この種の諸理念は、進歩的諸勢力によって推し進められる大衆的な決起や勝利がない場合、広がり続ける可能性がある。それらがもっとも極端な権威主義に道を開くものである以上、われわれの任務は、これらの潮流を孤立化し、それらと闘い、あらゆる手段でそれらを糾弾することに務めることだ。
▼この脈絡において、トランプの敗北は、まさに新風であり、ポーランド、ハンガリー、トルコ、インド、フィリピン、ブラジルにおけるこれらの新しい権威主義的指導者の中のもっとも力ある者を取り除くことで、世界中で広がり続けている権威主義の勢いを断ち切るできごとだ。

資本に奉仕するバイデン

 バイデンの新政権は、政府が、共和党であろうが民主党であろうが、大企業と米帝国主義の利益に奉仕するという、米国民主主義のこれまで通りのビジネスを意味している。彼の最初の指名は、彼には先のコースを変える計画などない、そして民主党内で浮上中の左翼部分を孤立させ、そこから距離を取り続けるだろう、ということを示している。
他方で、米国における社会的な諸闘争は続いている。たとえば、看護師、教員、また交通、食料配送、さらに他の部門のいくつかのエッセンシャルワーカーたちは、国中で今抑制できないままに広がっているパンデミックのど真ん中で、彼らの健康を守るためにストライキ、抗議行動、また職場行動に取りかかっている。黒人、ラティーノも、今やほとんど常に白人とアジア系から支援を受けて、彼らのコミュニティに敵対する進行中のレイシスト的な警察の暴力への抗議を続けている。巨大な反レイシズムの抗議行動は、およそ2000万人を巻き込み、世論に衝撃的影響を与え、同時に国際的な運動にも火をつけた。
▼世界の他の部分でもまた、大規模な社会運動といくつかの勝利が、後退と抑圧にもかかわらず、民衆的な防衛的あるいは野心的な運動がこれからも現れ続けるだろう、という希望に根拠を与えている。
これまでにわれわれは、ボリビアにおけるMAS(社会主義運動)の勝利を見ることができたが、それは、大衆的な民衆決起と支持によって、米国が後押ししたクーデターを逆転できたのだ。チリでは、民衆的運動がピノチェト憲法を終わりにすることに成功し、大衆的な決起のおかげで社会のより深い変革に向け道を開いている。
ポーランドでは、女性が主導する前例のない運動がこの国の反動的な支配的影響力に異議を突きつけ続けている。ブラジルでは、地方選で左翼が歴史的な突破を果たすことができた。われわれはタイ、ベラルーシ、香港でも、諸々の大衆的な決起を見続けている。それらは、諸々の困難、障害、また国家的な抑圧にもかかわらず、人々がより良い未来に向けて組織化し闘うことをいとわずにいる、ということを示している。

労働者への犠牲強要


これらすべてにもかかわらず、情勢全体は民衆諸階級と解放闘争にとって依然困難なままにある。パンデミックの第2波は、世界中で厳しい打撃を加え続け、死者数と集中したケアを必要とする人々の数を引き上げ続けている。ウイルスの広がりを止めようとして押しつけられた諸方策は、その方策がパンデミック第1波で医療ケアを拡大し強化するために行動する点での政府の失敗がもたらした結果だと見られているがゆえに、住民からそれだけますます受け入れられなくなっている。
ロックダウンと部分的ロックダウンもまた、最悪の予想がもっともありそうなシナリオになっていることで、経済に深刻な影響を及ぼしつつある。この危機の犠牲は、民衆諸階級と彼らの社会的かつ経済的な条件の悪化によって支払われそうに見え、またそうなるだろう。われわれがすでに述べたように、もっとも厳しい打撃を受ける者は、移民の黒人や民族的コミュニティ内ですでに社会的かつ経済的な不公正の犠牲になっている人々、また女性やLGBTの人々となるだろう。
その上にロックダウン策と外出禁止令は政府によって、組織化と決起をさらに難しくし、民主的な自由を制限し切り縮めるために利用されようとしている。そうであっても、チリやタイのような大衆運動がないところであっても、職場や居住地やコミュニティの局所化された闘争はあり、それもまた、予想可能な第2波に向けて計画を立てる点での政府の失策を埋め合わせようとするロックダウンや抑圧政策に対する拒絶感を示している。一定の部門(特に大衆消費向けの旅行と接客)がある程度犠牲にされなければならないとしても、政府の政策はますます鮮明に大企業を優遇している。公的支出が拡大されたところでは、それは、現在の問題を悪化させ、最終的にはそのコストすべてを労働者階級に押しつける、そうした公的債務の爆発と通じるものとなっている。

ジェンダー・環境問題

 フェミニストは、それだけではないとしても特に女性に対する暴力の問題に関して、組織化を継続してきた。ロックダウン期を通じたドメスティックバイオレンスの増大は明らかだった。そしてそれはいくつかの政府を、女性が事件を報告でき、暴力的なパートナーと同居している家を離れることができる制度を、正規のものにするよう押しやった。しかしこれらは、他のパンデミック方策同様、不十分であり、あまりに短期的なものだった。
諸々の矛盾が集中している部門の一つは教育部門だ。それは、身体的距離開けと障壁設置の実行が難しい条件において、異なる世代を共に集める中での感染リスクに基づいている。そしてその条件には、若者にはまともな教育を受ける権利があるという条件、また装置や信頼できるインターネット利用や適切な労働条件が保障され得ないならば、オンライン教育が不十分な対応であるという条件、さらに教員にも、オンライン教育のために提供される十分な資材と一体的な安全な条件で働く権利があるという条件、が加わっている。諸政府は、教育諸機関の活動を維持し続けるために、それが新型コロナウイルスの広がりの中では本物の危険を意味しているにも関わらす、教育を受ける権利と若者の未来に対する民衆的な心配を利用しようとしている。
気候変動と対決する運動は、その急進性と多様性の中で、予想とは異なり、ヴァーチャル会合を利用しつつ極めて大いに活力を維持して組織化を続けてきた。気候の正義のための、炭素排出を終わりにするための、またわれわれのエネルギーと生産のシステムに関わる深い転換のための闘いという課題が、資本主義と資源乱開発のシステムに対する実体のあるオルタナティブに向けて闘うために、あらためて前線に登場しなければならない。
民主主義の課題は、現在の諸闘争の多くでは一つの主要な原則だ。人々は、高まる権威主義、および政治階級と新自由主義者階級の民衆諸階級の苦しみからの切断、に反対して決定する権利を求めつつある。われわれは自己組織化と自己決定を求めるこれらの闘争を推し進める。
われわれは、それらが局所的であろうがもっと幅広いレベルのものであろうが、それらの間の実体的な凝集を強調することに努力する中で、熱烈に、諸闘争と諸運動を支え、それらの勝利のために闘う。われわれは、パンデミックに十分に対応する点でのあらゆる資本主義政府の破綻、彼らの、謀略論、反動的なイデオロギー、また権威主義に対する高まる一方の依存、を強調する。こうして差し迫って必要なことこそ、反資本主義の体系的諸方策(銀行、大製薬企業、エネルギー、……の収用)、および富裕層と大企業に対する特別な課税のための闘いであり、さらに社会的、経済的、ジェンダー的、そして環境的な公正に基づく世界的なオルタナティブのための闘いだ。(「インターナショナルビューポイント」2020年12月号)




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