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    かけはし2021年4月12日号

少数民族支配地区を爆撃


ミャンマー日誌


子どもたちが攻撃の標的に

死亡した543人のうち44人子ども




  ミャンマーの軍・警察は3月27日国軍記念日に、民主化を求める民衆に対して無差別に銃撃し、114人もの死者を出した。これに対して3月28日、日本、米国、英国、オーストラリアなど12カ国は軍や自衛隊の制服組トップの名前で、ミャンマー国軍による市民殺害を非難する異例の共同声明を発表。
 3月27日〜28日にミャンマー南東部カイン州で、国軍が少数民族武装勢力・カレン民族同盟(KNU)の支配地域を空爆したことを受けて、地元住民約5000人が隣国タイに避難した。カレン族の反政府勢力が国軍の拠点を攻撃し、国軍兵士10人が死亡、空爆はその報復だという。KNUは地元に居住するカレン族の自治権拡大などを求め、国軍と長く対立。クーデターにも反発し、弾圧を受けた民主派勢力を保護している。
 3月27日、ミャンマー中部で、13歳の少年は自宅前でデモの様子を見ていたところ、軍・警察に撃たれたという。中部メイッティーラでは13歳の少女が自宅で撃たれ死亡した。ヤンゴンでは、露天商の両親が仕事をする近くで遊んでいた1歳児が、右目をゴム弾で撃たれて大けがをした。失明する可能性があり、手術を受けるため病院に運ばれた。
 3月27日夜第2の都市マンダレーで、市民が軍・警察に撃たれて負傷した後、火をつけられて殺されたと伝えた。
 3月28日も各地で抗議デモがあった。ロイター通信によると、中部バゴーでは前日の犠牲者の葬儀の参列者らに軍・警察が発砲したという。
 3月29日、米通商代表部代表は2013年にミャンマーと結んだ貿易・投資枠組み協定で認めたすべての協力を停止すると発表した。
 3月31日、国連安全保障理事会は英国の要請で非公開の協議を実施した。国軍側に制裁を科す方向で一致できるかが焦点だったが、中国とロシアなどが反対し、意見はまとまらなかった。
 4月1日、ミャンマーの人権監視団体「政治囚支援協会」は国軍の弾圧により死亡した民間人が543人に上ったと発表した。うち44人が子どもだったという。国際社会は軍への非難を強めている。軍・警察は催涙ガスやゴム弾、実弾を用いてデモ隊を鎮圧。これまでに約2700人の身柄を拘束した。暴力行為はここ数週間激しさを増している。子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」は、直近12日間で若者の死者数が倍増したと発表。
 「子どもを危害から守るよう繰り返し呼び掛けてきたにもかかわらず、子どもたちが依然命を奪う攻撃の標的となっている状況に衝撃を受けている」と述べ、「特に恐ろしいのは、一部の子どもたちは安全で守られた場所であるはずの自宅で殺害されたとみられることだ」と指摘している。
 4月1日、英国外務省はミャンマー軍系の複合企業MEC=ミャンマー・エコノミック・コーポレーションが「軍に資金を提供することによって人権侵害に加担している」として、イギリス国内の資産凍結などの経済制裁を科したと発表した。MECは、銀行や鉱業、不動産など様々な業種を傘下に持ち、国内経済に強い影響力があるが、経営陣には現役もしくは退役した軍の幹部が多数在籍している。
 4月1日、アウンサンスーチー国家顧問が国家機密法違反で訴追された。軍事政権は無線のインターネット接続を遮断し、情報統制を強めている。英国植民地時代の法令違反に問われたことで、スーチー氏の訴追は5件目となった。今回はこれまでで最も重大な罪にあたり、有罪の場合最高14年の禁錮刑が宣告される可能性がある。  (M)



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